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最後の冬 一つに溶ける

その日は、学校を休んで、二人とも穿界門をくぐり、尸魂界へとやってきた。

「お、一護じゃねぇか。珍しいな」

恋次が出迎えてくれた。

「よお、恋次。元気にしてたか?」

「おう。ルキアの容体はどうだ?」

「恋次まで、知ってたんだな」

ルキアは、一護の後ろに隠れていた。

「おう、ルキア!少しは元気になったか!」

「たわけ、元気に決まっておろう」

ルキアが耳打ちしてきた。

「恋次には、軽い病だと話しておるのだ。真実は話すな」

「わーったよ」

一護は、ルキアに惚れた弱みもあるし、これ以上自分のように苦しんで欲しくないとも思い、恋次に真実を話さなかった。

「今日は、定期健診と、薬をもらいきただけだ。終われば、すぐに現世に立つ」

「おいおい、マジかよ。たまに帰ってきたと思ったら、一泊もしていかねーのかよ」

「今は、現世が私のいるべき場所なのだ。あと5か月もないのだ。現世で5か月過ごせば、それで終わりだ。時折現世にいくだろが、毎日のようにはいかなくなる」

「あーまぁ、尸魂界に戻ってくるんだからな。そういや隊長から聞いたんだが、一護と付き合いだしたってまじか」

「まじだ」

恋次は、はーっと、息をついたかと思うと、一護の襟首を締め上げた。

「てめぇ、ルキアを泣かせてみろ。俺が奪うからな」

「恋次もルキアのこと、好きだもんな」

一護が知っていた。恋次が、ずっとルキアに恋心を抱いていたことを。そして告白する前に、一護に先をこされた。

ルキアは、家族愛では恋次が大好きだった。ただ、異性として見れるかといえば、きっと首を横に振ってしまうだろう。

「恋次。私は、貴様に好きと言われても、一護を選んでいただろう。許せ」

「あーあ。告白する前から振られてるぜ俺。だっせぇ」

恋次はあーだこうだ言いながら、最後にはルキアの頭をくしゃくしゃと撫でて、去ってしまった。

ルキアと一護は、一先ず朽木邸にきた。

「兄様、いらっしゃいますか」

「ルキアか。どうした」

「今から、定期健診に行って参ります。痛み止めが効かなくなったので、もっと強めのものに処方してもらいます・・・その、特効薬のほうは?」

白哉が首を横に振る。

「まだだ。同じ症例の者に与えて試してはいるが、まだなんの手応えもない」

「そうですか・・・・。とりあえず、4番隊に行って参ります、兄様」

「黒崎一護・・・・・義妹を・・・・ルキアを、頼む。幸せにしてやってくれ」

「兄様!心配なさらずとも、私は今十分に幸せです!」

「そうか・・・・・ならば、よい」

白哉は、そのまま屋敷の奥に消えてしまった。

「白哉のやつ、ちょっと薄情じゃねぇか?」

「貴様、兄様を愚弄する気か!私が緋真姉様と同じ病だと知った時の兄様の嘆き・・・その涙・・・決して、忘れることはできぬ」

「白哉が涙を・・・・相当辛かったんだろうな」

あの沈着冷静な白哉が涙を零すほどに、ルキアの病気のことがショックだったのだろう。

愛しい妻を、同じ病気で亡くしているのだ。

そう考えると、一護も胸にじんわりと痛みを感じた。

「ルキア」

「なんだ」

「幸せになろうな?病気なんか克服して」

「そうだな・・・・・」

ルキアの目は、何処か遠くを見つめていた。

4番隊の救護院に行き、ルキアの病気の進行を遅らせる処置をしてもらい、痛み止めの薬を強いものに変えてもらった。

今度の薬には依存性はないが、効果が切れた時の痛みは尋常ではないと、説明を受けた。

「朽木ルキアさん・・・・・・」

「なんですか、虎鉄隊長」

「その、病気の件なんだけど・・・・・」

「何か、分かったのですか!」

「いえ・・・ルキアさんの症状から、もってあと4か月と少しかと・・・・」

一護が息を飲む。

「そう・・・・ですか・・・・・」

4か月と少し。

ちょうど、卒業日あたりだ。

「ルキア、絶対に死ぬなよ!」

「分かっておる。最後の最後まで、足掻いて足掻いて、意地汚く生きてみせる」

ルキアの飲む薬が増えた。

痛み止めと、末期症状の吐血を和らげる、肺の薬だった。

そのまま、現世に戻った。

次の日、ルキアは見た目は普通に見えた。だが、学校について2限目の授業を受けていた時、咳込んで血を吐いた。

「ルキア!」

一護は、頽れるルキアの体を支えた。

「朽木さん!きゃああああ!」

「きゃああああああああ!!!!」

女生徒たちが悲鳴をあげる。

「朽木さん!」

井上が、駆け寄る。

「双天帰盾、私は拒絶する!」

「え、井上!?」

何も知らない生徒たちの間から、ざわめきが漏れる。

一護は、念のためにもたされていた記憶置換で、教師とルキアと井上を除く生徒全員の記憶から、ルキアが吐血したことと、井上の術のことを忘れさせた。

「すまぬ・・・・もう大丈夫だ。双天帰盾のお陰で、吐血の悪化は防げたようだ」

「ルキア、帰るぞ!」

「一護、心配しすぎだ!」

ルキアが止めるが、一護はルキアを横抱きにして、歩き出す。

「馬鹿野郎!血を吐いたんだぞ!」

「末期症状の一種だ・・・・・」

一護は悔しそうだった。何もしてやれに自分が、悔しくて仕方なかった。

「今日は早退する。俺も、お前もだ」

「今帰れば・・・家に、誰もおらぬか?」

「ああ」

「ならば帰りたい・・・・・」

ルキアは、自分足で歩けるといって、歩き出した。その足取りはしっかりしていた。

痛み止めと肺の薬を飲む。

黒崎家に帰宅すると、一護の部屋で、ルキアが抱き着いてきた。

「ルキア?」

「私を、抱け」

「ルキア、お前病気なんだぞ?正気か?」

「正気だ。このまま死んでは、死んでも死に切れぬ。愛しい貴様と、一度でいいから肌を重ねたい」

ルキアの決意は固いようで、何を言っても聞きそうになかった。

一護は、なるべく優しくルキアに口づけて、制服を脱がせていく。

やはり、痩せていた。

その細くなりすぎた体をかき抱いた。

「このような貧相な体ですまぬ・・・・」

ルキアは幼いデザインの、一護が好きなかんじの下着をつけていた。

制服では見得ない、鎖骨から胸元にかけて、花びらを散らしていく。赤いキスマークは、ルキアの白い肌を彩るように見えた。

「あっ・・・・」

ブラジャーを外し、わずかしかない胸の副らみを撫でるように触り、先端を口に含んだ。

「ああ・・・・」

かりっとかじると、ぴくりとルキアの体がはねた。

ショーツを脱がす。

その部分は、蜜をこぼしていた。

「もう、濡れてる・・・・」

「あ、言うな・・・・・」

くちゅりと音を立てて、その場所に指をいれる。浅い部分の天井を何度かこすってやると、びくりとルキアの体が痙攣した。

「ああああああ!!」

「いったのか?」

「あ・・・・これが、いくということなのか?頭が真っ白になって・・・・快感で、何も考えられなくなった・・・・」

「ああ、いった証だ。もう1回いっとくか?」

一護が、秘所の肉をかき分けて、指でこすりあげる。陰核をつままれて、いきそうになったが、ルキアはこらえた。

「嫌だ・・・・・いくときは、一緒がいい・・・・・」

ルキアに求められて、一護も服を脱ぎ去った。

少年のものにしては、よく鍛え上げられた肉体だった。

「入れるぞ・・・」

「ああ・・・いっ・・・・」

いくら潤っていても、初めての行為に、そこは悲鳴をあげた。

「痛い?やめようか?」

「いいから、来い。私に、貴様を刻み付けろ」

最奥までずるりと侵入されて、痛みでも快感でもない涙が滴っていく。

「ああ・・・・いま、貴様と一つだ。溶けていく・・・」

「ん・・ごめん、避妊してないけど、一度出すぜ」

「かまわぬ。私を貴様でいっぱいにしろ」

一護は、ルキアの最奥で子種を散らした。

「妊娠しちまったら、どうしよう・・・・・・」

「この義骸は、そこまでできぬ」

「そうか・・・・」

一護は、ルキアを気遣いながら、何度か抱いた。

「ああっ!」

ルキアは、嬌声をあげて女の悦びというものを知った。

終わると、ルキアをシーツでくるんで、一護は下着だけつけて運び、熱いシャワーを浴びた。

「あ・・・貴様のものが、溢れて・・・・・」

太腿を、血が一緒に流れていく。

「何故、血が?」

「処女膜が破れたんだよ」

「そうか。これで、私も大人の仲間入りだな」

ルキアは、幸福そうだった。

一護は言いたいことがたくさんあったけれど、今はこの幸福に浸っていたかった。





-----------------------------------------二人は最後の冬、体を重ねた。

              それは、ルキアにとって、とても特別なものだった。
             
              どうか、死ぬ前に一度抱かれたい。
            
              女のしての衝動に、まみれていた。          
              







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