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朝顔

夏だった。

うだるような暑さになる前の朝、朽木家ではいろんな色の朝顔が、狂い咲きのように咲き誇っていた。

白、水色、紫、青紫、ピンク、紅色、赤紫・・・・・・。

いろんな色の朝顔を一輪づつ摘み取って、白哉は押し花を作ろうとしていた。

「兄様、早起きですね。そんなに、朝顔を摘み取って、いかがなされるのですか?」

「押し花にして、恋次にやろうと思う。あやつの誕生日が近いのだ」

「兄様は、本当に恋次を愛していらっしゃるのですね」

ルキアの言葉に、白皙の美貌の頬に朱がさす。

「そんなことはない」

「隠さなくていいのですよ、兄様。私と一護も、愛し合っております。愛に、性別や年齢など関係ありません」

「そういうものなのか?」

「そうです!恋次の奴、兄様から手作りの誕生日プレゼントをもらうなんて羨ましすぎる」

「ルキアの分も作ってやろう」

「本当ですか、兄様」

ルキアが顔を輝かせた。

庭に戻り、違う色をの朝顔をもう一輪ずつ摘み取って、押し花にした。

押し花にした朝顔ををいれて、薄いうちわを作った。

それをルキアにやると、ルキアはとても喜んだ。

「わぁ、綺麗ですね。それにうちわなら、夏の間中肌身離さず使えます」

「そうだな」

ただの押し花など、もらっても飾るだけだ。

だから、わざわざうちわにした。

数日が過ぎ、恋次の誕生日になった。

6番隊にいくと、恋次がいた。そわそわしているようだった。

執務室にいくと、恋次はこう切り出してきた。

「今日は俺の誕生日なんです」

「それがどうした」

しゅんとなる恋次。

「・・・・ほしい」

「なんだ?」

「誕生日プレゼントに、あんたが欲しい」

白皙の美貌が朱くなる。

「朝からお前は何をいっておるのだ!」

「だって、せっかく隊長が俺を愛してくれるようになったんすよ。誕生日プレゼントに体調をもらってもいいじゃないですか」

「誕生日プレゼントなら、もう用意してある」

「え。また高級な酒とかですか?」

「違う。私の手作りだ」

「隊長の手作り!早く見せてください」

朝顔の押し花をいれたうちわをとりだして、恋次に与えた。

「ほー。綺麗なもんですね。朝顔ですか。めっちゃ嬉しい」

恋次は本当に嬉しそうに、はにかみながら笑って、うちわで風を白哉のほうに送った。

「自分で使え。私はまだ暑くなどない」

「大切にしますね。それより今夜・・・・」

しつこいと恫喝しようかとも考えていたが、最近体を重ねていないし、誕生日だからいいかと、白哉も思った。

「今年だけだ。誕生日プレゼントに、「私」をやる」

「おっしゃああああ」

恋次は飛び上がって喜んでいた。


夜になり、逢瀬のときに使う館にきた。

今日も、御馳走と美味い酒が用意されてあった。食後にと、鯛焼きがだされる。

「何から何まですみません」

鯛焼きをおいしそうに頬張りながら、酒を飲んだ。

ほろ酔い気分のまま、同じくほろ酔いの白哉に手を伸ばす。

「恋次・・・」

上目遣いで、潤んだ瞳に見つめられて、気づけば白夜の唇を奪っていた。

「ううん」

舌が絡むくらいの深い口づけを繰り返し、抱き上げて褥に寝かせる。

「隊長、好きです。誕生日プレゼント、いただきます」

そう言って、白哉の隊長羽織に手をかけ、死覇装を脱がしていく。

日に焼けることのない真っ白な肌が露わになる。

脇腹を撫でて、薄い胸と腹にかけて手を這わせていく。

「あ・・・・・・」

鎖骨に噛みついて、キスマークを残した。

鎖骨、胸、臍にかけていっぱいキスマークを残す。

胸に手をやり、先端をひっかくと、白哉がびくんと反応した。

「恋次・・・・・」

白い太腿に吸い付いて、たちかけていた白哉の花茎に舌を這わした。

「ああ!」

ねっとりと、口腔に包まれて、何も考えらえなくなる。そのまま与えられる刺激のままに、白哉は熱を恋次の口の中に放っていた。

「けっこう睦みあってないけど、相変わらず薄いですね、あんたの。一人で、してるとか?」

「そのような真似はせぬ・・・・」

元々、性欲に淡泊すぎて、一人で抜くなどという行為はごく稀にしかしてこなかった。

性欲がおおせいの恋次の手にかかると、白哉はあっけなく陥落してしまう。

潤滑油で濡らした指を侵入させる。

「ああ!」

中でぐっと指を折り曲げられて、前立腺に当たり、白哉は啼いた。

「ひあう!」

ぐりぐりとそこばかりに刺激を与えられる。

やがて指が、引き抜かれ、怒張したものが宛がわれた。

「ひあああああ!」

ゆっくりと侵入してきた。引き裂くように一気に侵入されても痛みはあるが、ゆっくり挿入さっれても引き攣るような痛みを感じた。

「すんません、ちょっと我慢してください」

奥まで届くと、なえていた白哉の前をいじりながら、律動を始める。

「んああああ!」

恋次の手が、しつこく白哉の前をぐちゃぐちゃといじり、先端に爪を立てられて、白哉は二度目の熱を放っていた。

「ああ・・・・んあ・・うああ」

ぐちゅぐちゅと中を犯される。

恋次も、白哉の締め付けに耐え切れなくなり、一度目の熱を白哉の腹の奥にぶちまけた。

「ひあ!」

じんわりと広がっていく熱も快感で。

「ひあっ!」

騎乗位にされた。

ずぷずぷと、自分の体重で恋次のものを飲み込んでいく。最奥まで届いて、白哉は恋次の胸に手をついた。

「はぁっ・・・・・・」

「自分で動いてくださいよ。腰ふって」

「そのような真似は、死んでもせぬ」

「仕方ないなぁ」

恋次が下から突き上げると、白哉は少し長い黒髪を宙に舞わせた。

「あ、あ、あ・・・・・・・」

ずっずっと、穿ってくる熱は、けれど白哉のいいところをついてくれない。

快感を追って、自然と少し動いていた。

「あーすげぇ。隊長が・・・・嘘みてぇ。淫らになっちまって」

「そうさせたのは、お前であろうが!」

「愛してます、隊長」

「あ、私も愛している、恋次」

白哉を押し倒した。

ぐりっと深く内部を抉られて、白哉が痙攣する。

三度目の熱を放っていた。

「けっこういきましたね。そろそろ出すもんもねーか。でも、ドライのオーガズムでもあんたはいけるから、関係ないか」

ぐちゅりと最奥を犯された。

恋次も、二度目の熱を白夜の中に放つ。

「俺若いから・・・・もうちょっと、付き合ってください。隊長もまだまだ若いから、大丈夫でしょう?」

「ん・・・・疲れてきた・・・早く、終わらせろ」

「快感続きで疲れた?」

「世迷言を・・・」

ずちゅんと音をたてて、最奥までこじあげる。

「ひあう!」

「ここ、いい?」

「いあ、やああああ」

白哉の悲鳴に似た喘ぎ声を聞きながら、前立腺をすりあげるのと同時に奥の奥まで犯した。

「いやああああ」

ビクンと、白哉の体がはねる。

もう、白濁した液体は出てこず、透明な蜜をたらたら零して、ドライのオーガズムでいっているらしかった。

「ああああ!」

何度もこすりあげ、穿って、恋次は三度目になる熱を白哉の腹の奥で弾けさせて、満足して抜いていく。

こぽりと、恋次が吐きだしたものが溢れてくる。

「湯殿、いきましょうか」

「一人で立てぬ。肩を貸せ」

白哉を抱き上げた。

そのまま湯殿で体を清めて、恋次は中に放ったものをかき出す。

「うん・・んあああ・・・・・」

その声と艶のある表情に、おさまっていた熱がまたずくりと疼いてたちあがっていた。

「すんません、もう一度お相手お願いします」

「このばか!」

怒られたが、白哉は相手をしてくれた。

「ああん・・・もう・・・・やめ・・・・・・」

白哉の最奥を何度も犯して、恋次はまた熱を吐き出して、今度こそ満足して終わった。

中に放ったものを、またかき出す。

「ん・・・」

「隊長、後始末するとき、誘うように声を出すの、やめれませんか」

「さ、誘ってなどおらぬ!それに、声は自然と漏れてしまうのだ!」

「隊長の声、すごく腰にくるから・・・・」

「知らぬ!」

白哉はそっぽを向いた。

シャンプーで髪を洗ってあげて、ボディソープで体を洗ってあげた。

白哉は何も言わないが、気持ちよさそうにしていた。

湯船に浸かり、自然と吐息がもれた。

「お前に抱かれるのは、嫌いではないが体力がいる」

「すみません。隊長相手だと、我慢の歯止めが効かない」

「浮気されるよりは、よい」

白哉は、湯の中で身動ぎして、恋次と触れるだけのキスをした。

「浮気だなんて、するわけがないでしょう!」

「昔、私を思いながらルキアも思っていたであろう」

「あの頃は・・・まだ、隊長とこうなるとは思ってなかったから。って、あの頃からって・・・知っていたんですか?」

「ずっと私の方ばかりを見ていたであろう。副官になったばかりのくせに、私の後ばかりをついて回って。気づかぬほうがおかしい」

白哉は、お湯を恋次かけた。

「うわぁ、俺ってそんなに隊長べったりだったかなぁ」

「自覚がなかったのか」

「でも、お陰で隊長に気づいてもらえて、告白を受け入れてもらえてて、恋人同士になれて俺は幸せです」

「恋人同士か・・・・」

ふと、遠い目をする白哉。

「はい。あんたとの関係は、昔の肉体関係だけじゃない。心も伴っている」

「まぁよい。今の関係を恋人同士と認めておいてやろう」

「隊長も、素直じゃないなぁ」

「そのまたについているもの、よほどいらぬと見える」

「じょ、冗談です!のぼせたら大変だから、湯からでましょう!」

恋次の刺青が見事な、鍛え上げられた体をみる。

白く細い、しなやかな筋肉しかついていない自分の体を見る。

「お前のようには、私はなれぬであろうな」

「何がですか」

「体つきだ」

「隊長は今のままがいい!白くて艶めかしくて、細いけどちゃんと筋肉があって・・・・見ているだけで、たっちまいそうな」

「世迷言を」

「本気ですってば」

夜着を着ながら、恋次の言葉を戯言として捨てる。

「でも、これだけは本当だ。あんたを愛している:

抱き寄せられて、口づけされる。

「私も、お前を愛している・・・・誕生日おめでとう、恋次。「私」のプレゼントは堪能したか?」

「はい、勿論です!」

恋次の笑顔が、眩しかった。


朝起きて、自宅に帰ると朝顔が咲き乱れていた。

けれど、朝方しか咲かずに昼にはしおれてしうまう。

美しいが儚い。

まるで、この身に宿る想いのようだ。

朝顔は、狂うように咲き乱れるのであった。







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