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桜のあやかしと共に 外伝

「一度、太陽の王の様子を見に行くか」

「十四郎、確か近くのネモフィラ畑だったよね」

「そうだ。あっているな、白哉?」

「浮竹、兄の言う通りだ。私たちの仮初の桜の木がある公園から、さほど離れていない」

白哉は、いつもネモフィラ畑にいっているので、浮竹と京楽にはついていかないと言った。

「私は今回は行かぬ。いつもいっているからな」

「じゃあ、京楽、一緒に行くぞ」

「わかったよ、十四郎」

浮竹は、35階のベランダから飛び降りた。

「だから、ここ35階・・・・・・・」

京楽は、言うだけ無駄だと思っているが、一応言っておいた。

3億する高級タワーマンションの近くの公園で、浮竹と京楽は落ち合う。

「この道をずっとまっすぐいくと、ネモフィラ畑がある。そこに太陽の王と白哉の妹の、一護君とルキアちゃんがいる」

「太陽の王、見た目は少年だったし、うまれて間もないようだから、ちょっと心配なんだけど、ルキアちゃんがいるなら大丈夫かな、十四郎」

「ああ。ルキアちゃんがいれば、多分大丈夫だ」

二人は、ネモフィラ畑に入る。

ネモフィラの花鬼たちが、進化していた。

太陽の王である、黒崎一護が近くにいるからだ。

「さて、たんぽぽはどこだ・・・・・」

「こうネモフィラばかり咲いていると、分からないね」

「踏んづけたら大変だ・・・でもたんぽぽは雑草だし、強いから踏んでもいいか」

「十四郎。踏まないであげてね」

ネモフィラ畑の中央にくると、ネモフィラの花鬼に囲まれて、ルキアと一護がいた。

「一護、紅茶より緑茶を飲め」

「いや、すでに飲んでるし」

「アルコールはまだだめだぞ。あやかしは50年は経つまで未成年扱いだ。私は生まれてちょうど80年ほどだから、アルコールを飲めるのだ!」

どこかで買ってきたのか、チューハイをルキアは飲んでいた。

「あ、ルキアだけずりー」

「ふふふ。私と同じ見た目だが、生まれてまだ間もない貴様は赤ん坊のようなものだ」

「俺は赤ちゃんじゃないぞ」

「知っておる。あくまで、あやかしの年齢の話だ」

一護は、ペットボトルに入った緑茶を飲んでいた。

「緑茶ってうまいよな。紅茶より、俺は和風の緑茶派だな」

「うむ。よいぞよいぞ。兄様も緑茶が大好きなのだ。なので、このネモフィラ畑の側に自販機を作らせて、緑茶を売らせている。外だから、冷蔵庫が置けないからな」

「白哉って金もちらしいな。ということは、ルキアも金持ちってことか?」

一護が聞くと、ルキアはあやかし印のアイテムボックスを取り出した。

「ざっと、一億入っている」

ざばざばと、札束があふれてきた。

「わあああああ、そんな大金出すな!人間に見られたら、盗まれるだろう!」

「私たちの姿は、普通の人間には見えないから安心しろ。この札束も、普通の人間には見えない。使うときは、軽く妖力をこめると人間にも見える・・・む、人間のにおいがする!このネモフィラ畑に侵入し、私たちの様子を見ている貴様、誰だ!」

ルキアは、険しい顔で京楽のほうを向いた。

「む、桜の王のにおいもする。さては貴様、京楽春春だな」

「誰それ。ボクは京楽春水だよ」

「む、春水であったか。京楽春水殿で、あっているか?」

「うん、あってる」

「そちらにおられるのが桜の王の、兄様が世話になっている浮竹十四郎殿だな?」

浮竹は、遠くからルキアの姿を見たことはあったが、実際に会って話すのははじめてだった。

「はじめまして、朽木ルキアちゃん。俺が浮竹十四郎で合っている」

「兄様のいう通りだ・・・白い髪に翡翠の瞳の、美しい、綺麗なお方だと、兄様から聞いているます」

「俺は美しくなんかないぞ」

「いや、美しいです」

ルキアが強く主張すると、他のネモフィラの花鬼に混ざって、京楽も頷いていた。

「十四郎は美人だよ」

「のろけっすか」

一護が、様子を見ていたのだが、つい口を開いてしまった。

ルキアから、一護は桜の王のこと、その契約者である京楽春水のことは聞いていた。

「のろけでも、美人でしょ、十四郎は」

「まぁ、否定はしないっす。それであんたたちはなんの用でここに?太陽の王の力が必要になったとかっすか?」

「いや、ただルキアちゃんとうまくいってるか、見にきただけだよ」

「ルキアは俺のものだ。あと1年もしたら、結婚する」

「一護、この前5年後とか言っていたではないか!」

「ルキア綺麗だしかわいいから、気が変わった。俺はあやかしとして赤ん坊の年かもしれないが、太陽の王だ。俺と結婚することは、女王になるということだ。ルキアには、このネモフィラの世界の女王がふさわしい」

「ああ、ボクもそれは賛成だね」

「桜の王として、太陽の王とネモフィラの女王の存在を認めよう。俺が認めれば、拍がつくらしい」

「浮竹さんと京楽さんには、結婚式の時の仲人になってもらっていいっすか」

「ああ、いいよ」

「いいだろう」

京楽と浮竹は頷いた。

ネモフィラの花鬼たちに、ルキアとのはじめての出会いだと、チューハイをすすめられて、浮竹と京楽は飲んだ。

京楽は酒に強いが、浮竹は弱い。

チューハイの半分で酔ってしまい、ルキアに膝枕されて寝ていた。

「あ、俺のルキアを」

「ボクの十四郎を」

二人は、顔を見合わせあって、笑った。

「お互い、伴侶に恵まれたね。さぁ、浮竹帰るよ。おんぶしてあげるから」

「んーーー。もっと酒もってこーーーい」

浮竹はへべれけに酔って、そんなことを言う。

「だめだこりゃ」

「浮竹さんって、酒に弱いんすね」

「うん。十四郎の一番の弱点だね」

「京楽さん、あんたは酒に強そうっすね」

「自慢じゃないけど、酔ったことがないよ」

「すげーー。酒飲んだことないからどうなるのかわからないけど、大量に飲んでも酔わないってすげーことだと思う」

一護が、京楽を褒める。

「まぁ、たまに家で酒を飲むことはあるけど、浮竹が飲みたがってすぐつぶれるから、酒はあまり飲まないね。浮竹と出会う前はよく飲んでたけど」

「愛っすね。夫婦じゃないっすか」

「ふふふ。ボクたちは確かに夫婦だからね。伴侶になる契約もしているから」

「春水のアホーーーー。エロ魔人ーーー。おとついは嫌だっていうのに、またバスルームで・・・・むにゃむにゃ」

「わああああ。十四郎、帰るよ!?」

ルキアから浮竹の体を受け取って、おんぶする。

ルキアも一護も、少し赤くなっていた。

京楽は真っ赤になりながら、浮竹をおんぶして来た道を戻るのであった。



「太陽の王だって、見ただけじゃああまり分からないな。オレンジの髪は目立つけど、染めてるようにしか見えないし、あれなら長老神に見つからないだろう」

翌日、酒の酔いも冷めた浮竹は、京楽のいれてくれた紅茶を飲みながら、一護のことを思う。

「そうだね。太陽の王としての威厳が全くないことは、本当ならよくないんだけど、ないから気づかれにくい。太陽の王が一護君でよかったよ。もしも長老神が太陽の王だったら、想像しただけでもぞっとする」

「ああ・・・他の者を洗脳して、自分だけのあやかしの王国を作りそうだな」

「そうなんだよ、白哉君」

「長老神は、災厄をもたらす神もどきだからな。いっそ、誰か今の長老神を倒して、一護君が長老神になってくれればいいのに」

「十四郎、無理がありすぎるよ。でも、それが理想だね」

「兄らは、太陽の王を担ぎ出したいのか?」

「いや、そんなつもりじゃない」

「あくまで仮定の話だよ」

「ふむ・・・・太陽の王は、ルキアと半月後に結婚することになった」

白哉のセリフに、浮竹も京楽も驚く。

「昨日様子を見に行ったときは、1年後に結構するっていってたよ」

「出会って1か月で結婚か。少し早い気もするが・・・・・・」

「まぁ、ルキアと黒崎一護が決めたことだ。私は二人の意思を尊重する。ということで、仲人として頼んだぞ、浮竹、京楽」

浮竹も京楽も、仲人などしたことがないので、なってもいいと決めたのだが、正直どうすれないいのか途方にくれるのであった。










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