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桜のあやかしと共に22

この前、術者の浮竹のところにフカヒレ、フォアグラ、キャビアといった高級食材とレシピを置いていったのだが、術者の浮竹が値段の高さにぶっ倒れて熱を出した。

それを聞いた浮竹と京楽は、あまり高級なものはもっていかないようにしようと決めたのだが、浮竹がカニを食べたがっていたので、京楽はズワイガニを買った。4人分。

「カニもちょっと高価かもしれないけど、この前みたいな高級食材じゃないし、安く売ってる店もあるからさ。術者の浮竹と夜刀神のボクと、浮竹とボクとの4人で、カニ鍋をつつこうと思って」

術者の浮竹の家に遊びにきた浮竹と京楽は、夕飯用にズワイガニを4人分もってきていた。

『浮竹、大丈夫?倒れたりしない?』

『カニか‥‥また倒れれるかも』

浮竹が、キッチンを漁って鍋とコンロをとりだしてきた。

テーブルの上において、粉末状の出汁をいれて、お湯を注ぎ、味付けをしてカニをぶちこみ、野菜やきのこ、うどんをぶちこんだ。

大雑把だが、鍋は調理するというより、茹で上がれるのを待つだけだった。

浮竹は、カニの他にもホタテ、シャケ、エビを入れた。

ぐつぐつと煮あがって、カニは甲羅を真っ赤にして、食べごろだと教えてくれる。

『この足、もらうね』

「あ、それはボクが食べようとしていたやつ」

「京楽たち、カニは人数分あるから、争わないで食べろ」

『はーい」

「仕方ないねぇ」

『カニ‥‥‥‥うまいけど、食べた後多分倒れるかも』

「じゃあ、術者の俺だけ猫まんまでも食うか?」

『なぜに猫まんま‥‥カニは食べる。食べてから倒れる』

有言実行。

術者の浮竹は、〆の雑炊まで食べてから、ぶっ倒れた。

「高級品食べるたびにぶっ倒れるなんて、人生損してるな」

『まぁ、そう言わないであげて。ボクたち、記念日くらいしか、豪華な食事はしないことになってるから』

「ういー。もっと酒もってこーい」

浮竹は、冷蔵庫にいれてあったビールを勝手に飲み、酔っぱらっていた。

「ああもう、浮竹、人様んちの冷蔵庫のお酒、勝手に飲まないでよ」

『別にかまわないよ?ビールくらい』

「術者の俺と寝る」

そう言って、浮竹は術者の浮竹が寝かされているベッドにもぐりこみ、だきしめた。

「あ、狐耳だ。もふもふしてやろう」

術者の浮竹は、白い狐の耳と2本の尻尾が出てしまっていた。

半妖なので、弱っているときは耳と尻尾が出てしまう。

「あ、浮竹だけずるい。ボクも触りたい」

京楽も、術者の浮竹の耳をもふった。

『うーんうーん』

うなされはじめたので、夜刀神が止めに入る。

『はい、もふもふするのはまた今度ね』

「夜刀神だけずるいぞ」

「そうだそうだ」

『ボクの浮竹は今は弱って寝ているから、そっとしてあげて』

「じゃあ、夜刀神、こうもり姿になれ」

浮竹がそう命令すると、疑問を浮かべながら夜刀神が、こうもり姿になる。

「捕獲だああああああ」

浮竹はつぶれるほどは飲んでおらず、ハイテンションになっていた。

『のあああああああ』

浮竹にぶんぶん振り回されて、夜刀神は、浮竹に中途半端に飲ますと、ろくなことがおこらないことを思い出す。

過去に、こうもり姿になったところを紐でしばられて、そのまま天日干しにされたことがあった。

「浮竹、そのへんにしとこうね。ほら、残りのビールも飲んで」

京楽にすすめられて、浮竹は残っていたビールを飲みほした。

そして、ぶっ倒れて眠りはじめた。

「中途半端に酔わせるとろくなことにならないからね。つぶして眠ってもらうのが一番手っ取り早い」

『君、桜の王の扱いうまいね』

「「春」の記憶もってるからね。「春」も、こうやって中途半端に酔った浮竹を酔いつぶして、介抱していたよ」

『そういえば、そんなこともあったねぇ。ボクも「春」とは仲よかったから』

京楽は、術者の浮竹が寝ているベッドに、浮竹を寝かせた。

「いつもなら、嫉妬おおおってところだけど、今回だけ特別だよ」

「むにゃむにゃ‥‥‥‥夜刀神のこうもり美味そう」

『ど、どんな夢見てるんだろ』

「君を料理する夢でも見てるんじゃない?」

『た、確かにこうもりは食べれるけど、ボクを食べないで』

夜刀神は、二人の浮竹に毛布をかぶせて、すやすやと眠る、うり二つの双子のような存在に、見惚れていた。

『黙っていれば、桜の王もボクの浮竹の次くらいにはかわいいのに』

「夜刀神、酒を飲まないかい」

『お、いいね。飲み比べでもする?』

「浮竹に秘密で、ウォッカとジンをもってきたんだよ」

『お、北の国の強いお酒か。嫌いじゃないよ』

そう言って、夜刀神と京楽は、夜遅くまで飲み続けるのであった。



「おはよう」

『んー、おはようって、あれ、精霊の俺なんで一緒に寝てるんだ?』

「わからん。ただ、昨日冷蔵庫にあったビールを飲んだとこまでは覚えてる」

『あれ、京楽のビールなのに。京楽は?』

「俺の京楽も、ソファーで寝てるぞ。夜刀神の京楽もだ」

あたりには、酒瓶が転がっていた。

「酔いつぶれたというより、睡魔にまけたってかんじだな」

『京楽は酒豪だからな。そっちの京楽も、酒豪だろう?』

「ああ、そうだな。変なところだけ、同じだな?」

『風邪ひかないように、毛布をかけてやろう』

「夜刀神は風邪なんかひかないだろう?」

『いや、ひくかもしれないだろ?』

「病気になったとこ、見たことないんだが」

『でも、やっぱりあったかいほうがいいだろう。こんな寒い季節だし』

「ほんと、夜刀神には甘いな」

『そういう精霊の俺も、便利屋の京楽には甘いだろう?』

「まぁな‥‥」

二人の浮竹は、珍しく同じソファーで眠る窮屈そうな京楽の顔を見つつ、毛布をかけてやり、散らかっていた酒瓶を片付けるのであった。

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