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桜のあやかしと共に64

「京楽のおたんこなす!あんぽんたん!いやだっていったのに!こんな家、出て行ってやる!」

浮竹は、珍しく京楽と喧嘩をした。

理由は、やりたくないのにしっぽりされたからだった。

「ごめん、十四郎。出ていかないで!」

「いーや、出ていく!白哉、一緒にくるか?]

「兄の行き先は大体察しがついているので、行かない」

「白哉の薄情者おおお。こんな家、二度と帰ってきてやるもんか!」

そう言って、浮竹は地面に異界へのゲートを開けると、35階のベランダの窓から飛び降りた。

「十四郎!」

「心配するな、京楽。浮竹は、口ではああ言っているが、本気で兄を嫌いになったわけではない。そのうち、帰ってくる」

「でも‥‥家出ってどこに」

京楽は、浮竹の妖力を探すと、裏山にあるのが分かって、安心した。

鴆の京楽と、彼岸花の浮竹が現れる洞窟にいるようだった。

夜になる前に、迎えに行こうと思うのであった。


その頃、浮竹は。

鴆の京楽が彼岸花の浮竹のために買った綺麗な着物を、着せていた。

そして、浮竹も桜柄の着物を着せられた。

「桜の王だからって、別に桜柄にしなくても」

『ふふ、似合っているぞ?』

『うん、似合ってるね』

鴆の京楽と彼岸花の浮竹は、同じ意見を出すのだった。

夕方になり、京楽が迎えにきた。

「ごめん、十四郎。謝るし反省するから、帰ろう?」

「つーん」

「白哉くんが、おなかすかせて待ってるよ」

ぴくり。

浮竹が反応する。

「どうしても帰ってきてほしいのなら、帰ってやらんでもない」

「どうしても帰ってきてほしい。それにしても、その着物どうしたの?すごく似合ってて、綺麗だよ」

紅までさされていて、浮竹は麗人に見えた。

「彼岸花の精霊の俺が、着せてくれた。鴆の京楽が、もらったって俺にくれたんだ」

「すごく似合ってる。いつも綺麗だけど、さらに綺麗で、まるで彼岸花の浮竹のように妖艶だよ」

『ふふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃないか』

彼岸花の精霊の浮竹は、京楽と並んだ。

綺麗な二人に、京楽たちが見惚れる。

「とにかく、帰ろう、十四郎?」

京楽は、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹にいろいろ言われて、浮竹と手を繋ぎながら帰っていく。

『よし、明日はあの二人の家に遊びに行こう』

『いいの?仲直りしたてのところだよ?』

『だから、面白いんじゃないか』

クスクスと笑う彼岸花の精霊の浮竹は、意地悪そうに笑うのだった。


次の日。

足の爪を真っ赤にそめた彼岸花の浮竹と、鴆の京楽が遊びに着た。

彼岸花の浮竹は、先日と同じ着物だった。

やや乱れており、出迎えた浮竹派顔を赤くする。もう見慣れた京楽は、買い置きしておいたコーラをコップに注いで、彼岸花の精霊の浮竹に渡し、おまけでポテチを渡した。

「鴆のボク。片付けものがたまってるんだよ。掃除とか手伝ってくれると嬉しいな。あ、バイト代としてお金は出すから」

けっこうな破格の額に、鴆の京楽は引きうけることにした。

その間、彼岸花の浮竹は、浮竹と白哉でトランプをしだして遊びだす。

「昨日はごめんね。それに、綺麗な着物をありがとう」

『伴侶をあまり怒らせないことだね。桜の王は、ただでさえ感情が豊かすぎる』

「彼岸花の浮竹は、喜怒哀楽が少なさそうだね」

『少ないが、ちゃんと喜ぶ時とかあるしね』

鴆の京楽は、愛しい自分の伴侶の彼岸花の精霊の浮竹を見た。彼岸花の精霊の浮竹は、トランプで遊びながら、好物であるコーラを飲んで、ぽてちを食べて、機嫌がよさそうだった。

「ふーん。どうやって、しっぽりしてるの?」

『ゴホゴホ。何を言い出すんだい、君は』

「だって、彼岸花の精霊の浮竹、めちゃくちゃ妖艶じゃない。やっぱり、君から誘うの?」

『違う。浮竹があおってくるの。誘ってくるのは、いつもあっちだよ』

「ふーん。ボクの浮竹は、滅多に誘ってこいけどね」

『性格の違いだろうね。兄弟のように見た目は似ているけど、中身は全然違うでしょ?』

「そうだね。ああ、ボクの浮竹ももっと誘ってくれたらなぁ」

『そこは、ずっとしないで我慢していれば、相手から誘ってくるさ』

鴆の京楽の言葉に、京楽が反論する。

「浮竹を抱けないとか無理。3日に1回は抱くよ」

『か、回数多いな』

「桜鬼だからね。性欲が強いんだよ」

彼岸花の精霊の浮竹は、トランプに飽きて鴆の京楽のところにやってくる。

『ベッド、借りてもいいか?』

「どうしたの?」

『京楽としっぽりしたくなった。我慢できない。結界はるから、ゲストルームを貸してくれ』

鴆の京楽は頭を抱え込む。

『浮竹、洞窟に帰ってからにしようね?』

『我慢できない。してくれないなら、桜の王の俺に手を出すぞ』

本当に手を出しかねなかったので、京楽はゲストルームの使用を許可した。

「遊びにきてしっぽり‥‥肝が据わってるねぇ」

「あれ、京楽、彼岸花の精霊の俺は?」

「今、我慢できないとか言って、ゲストルームで二人でしっぽりしてるよ」

「やっぱそうか」

浮竹は、赤くなりながら、煽情的な眼差しで鴆の京楽を見つめる彼岸花の精霊の浮竹は、きっとしっぽりしたいんだろうと思ったのだった。

「遊びに来てまでしっぽりとか、度胸があるな」

「まぁ、したくなちゃったものは仕方がないんじゃない?ボク家のベッドは、柔らかいから、前に使ってみたいみたいなこと言ってたし」

1時間ほどして、着物を乱した彼岸花の精霊の浮竹と、ややげっそりした鴆の京楽が結界を解いて出てくる。

「精気吸われたかんじだな」

浮竹がからかうと、鴆の京楽は、小さな声で。

『今日の浮竹はすごかった‥‥‥テクが、すごい。しぼりとられた』

そんなことを言い残して、着物を乱したまま彼岸花の精霊の浮竹と手を繋いで、帰っていくのであった。








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