忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
03 2025/04 2 3 4 56 7 8 9 10 11 1213 14 15 16 17 18 1920 21 22 23 24 25 2627 28 29 30 05

桜のあやかしと共に81

「回転寿司を食べにいかないか」

突然そう言われて、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は頭に?マークを浮かべた。

言い出したのは、浮竹だった。

「鴆の京楽が人が無理だろうから、あやかし専門の回転寿司の店を見つけたんだ」

『回転寿司ってなんだ?』

彼岸花の精霊の浮竹は、回転寿司に行ったことも聞いたことも見たこともない。鴆の京楽は名前だけは知っているらしかった。

「寿司がね、ぐるーって回ってくるんだよ。欲しい寿司を皿をとって食べるんだよ」

『ほう、おもしろそうだな。行きたい』

『ボクも行ってみたいね。ボクが人間が無理だから、わざわざあやかし専門の店を見繕ってくれたんでしょ?』

「べ、別に鴆の京楽のためなんかじゃないんだからな。たまたまあやかし専門店だっただけだ」

「でたよ、浮竹のツンデレ」

京楽は、苦笑していた。

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、脳内で回る寿司をイメージする。

『おいしいのか?』

「味は悪くないはずだよ。人の店で修行した九尾狐が店を開いてるんだ」

『行こう。今すぐに』

彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽の腕をとる。

「じゃあ、行こうか。あやかしまんじゅうを売ってる店の近くにあるんだ」

「ちおみに、かっぱ巻きは本物のかっぱが作ってるそうだよ」

それを想像して、なんだかシュールな気分になった。

4人で、あやかしまんじゅうを買いにいくついでに、回転寿司屋に入る。

いろんなあやかしがいて、けっこうにぎわっていた。

「うにが食べたい」

「ボクは大トロ」

浮竹と京楽は、高級な料理に慣れているため、回転寿司よりも普通の寿司屋にいくことのほうが多かった。

『じゃあ、俺はかっぱ巻きで』

『ボクもかっぱ巻きで』

「もっといいいものくえ。金はすべて、京楽が出すぞ」

「ええ、ボクなの!?」

「俺は金なんてもってきてないぞ。まぁ、店の主人の九尾狐とは知り合いなので、つけはきくけどな」

『かっぱがかっぱ巻き作っているのがみたい』

店の中心で、従業員が寿司を握って、回転する場所に乗せていく。

『おお、本当にかっぱがかっぱ巻き作ってる』

彼岸花の精霊の浮竹は、面白そうにその光景を見ていた。

『かっぱ巻き‥‥意外とおいしいね?』

鴆の京楽が、かっぱ巻きの皿をとって、中身を口にする。

「ここの店の従業員は、皆慣れているからな」

浮竹は、うにののった寿司をとった。

一皿で同じ額ではなく、寿司のネタによって値段が違った。

「あ、大トロとられちゃた。次くるのまつかな」

「九尾狐、大トロを頼む」

「お、桜の王の旦那じゃないですか。急いで握りますよ」

京楽は、大トロを食べれた。

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、まわってくる寿司をどんどんとって食べていく。

海の幸をあまり食したことがないので、気に入ったらしい。

『ああ、食べた食べた』

『ボクも満足だよ。回転寿司というわりには、本格的な寿司ばっかりだったね』

会計を京楽が払って、重かった財布はすっかり軽くなっていた。

帰りにあやかしまんじゅうをたくさん買って、4人は帰宅した。

『楽しかったよ。ありがとう』

『俺も楽しかったし、おいしかった』

「どこか行きたいとこがあったら、俺か京楽に言うといい。京楽の金で連れていけるところには連れていくから」

鴆の京楽が、人がだめなので、行けるところは限られているが。

『今度は、海にいってみたい』

彼岸花の精霊の浮竹がそう言うと、京楽が笑う。

「おやすい御用だよ。ボクのもってるプライベートビーチなら、人もいないし自由にできるよ」

『桜鬼の京楽は、金持ちだな』

『そうだねぇ。住んでるところからして、お金あるねぇ』

「まぁ、親からもらったものだけどね。あやかしになってから、会いにいってないけど」

浮竹は、それに少し悲しそうな表情になる。

「お前は、俺のせいで人間からあやかしに‥‥‥」

「ううん、ボクは後悔してないから別にいいんだよ」

「春水」

「十四郎」

『しっぱりか?』

彼岸花の精霊の浮竹は、ニヤニヤと見ていて、鴆の京楽は困ったような表情をしていた。

「ああ、お前たちが返ったらしっぽりしてやる」

「お、言ったね?」

「う、冗談だ」

「はいだめー。,あうと。この後、しっぽりね?」

『がんばってしっぽりしろよ』

『ほどほどにね』

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、異界渡りをして裏山の洞窟に戻っていった。

「春水、本気でするのか?」

「ボクはその気満々だよ」

「仕方ない。来い」

誘ってくる浮竹は、どこか淫らで美しかった。



----------------------------------------------------------



「ユエがやられたか。でも、悪くはなかったな」

藍染は、次の子の名前を呼ぶ。

「千早(ちはや)出番だぞ」

「はい‥‥‥」

水龍神の女をさらって、子をうませた。

神の血を引いている子だった。

千早は、藍染に従順でいることを強いられた。

「父様、四季の王を倒したら、本当に母様を元に戻してくれますか?」

「もちろんだ」

千早の母の水龍神は、藍染のせいで狂ってしまい、幽閉されていた。

「母様のためなら‥‥」

千早は、涙を浮かべながら、四季の王のところへ向かうのだった。


拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(04/01)
(03/31)
(03/31)
(03/30)
(03/29)
"ココはカウンター設置場所"