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桜のあやかしと共に90

「春水、春水」

「ん、なあに?」

「よかった‥‥桜鬼ではあるけれど、悪鬼ではないな」

「悪鬼には、なろうと思えばいつでもなれるよ」

京楽は、ごく当たり前のことのように言う。

それに、浮竹が悲しそうな顔をした。

「頼むから、悪鬼にはならないでくれ。念のために、桜の術で封印しておく」

浮竹は、複雑な封印を京楽に施す。

「異界にいるままではなんだしな。現世に戻ろう。白哉たちが心配しているはずだ」

「十四郎、もう怪我は癒えたの?」

「ああ。回復に2週間かけたが、心臓は呪詛を受けていたからな。俺は呪詛とかに弱いから、普通なら1日で治せる怪我だったが、2週間かかった」

「解呪をかけておいたけど、やっぱり完全に呪詛をとりのぞけなかったんだね」

浮竹と京楽は、手を握りあって現世の京楽のマンションに帰ってきた。

「浮竹!京楽も!!!」

白夜が、恋次を連れ込んでいたが、いつもは赤ハエと言って、殺虫スプレーをかけるのだが、今回はとりあえずない。

「白哉、心配をかけたな。もう、大丈夫だ」

「すまぬ。私が、藍染などに人質にとられたから‥‥」

「藍染が悪い。あいつのしそうなことだ」

「でも、命を1つ摘み取ったから、ダメージはかなり負っているはずだよ。念のために、恋次くんも藍染には気をつけてね」

「あ、はい」

恋次はさっきまで白哉とイチャイチャラブラブしていたようで、ちょっと居心地が悪そうな顔をしていた。

「白哉の傷は、完全に治癒したんだな、京楽?」

「うん。呪詛も何もなかったから、酷い怪我ではあったけど、命に係わるほどじゃあなかったよ」

「俺、ちょっと用事を思い出したんで先帰ります。白哉さん、また今度に」

「うむ。帰り道、気をつけるのだぞ、恋次」

「はい」

恋次は、式神を従えながら自分の家に戻っていった。

「いるんだろう?もう人間はいない。でてきて大丈夫だぞ」

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹が現れる。

『ごめんね。ボクが人間が苦手なせいで』

「いい。見ての通り、俺は元気だ。2週間は休眠したが、そっちは大丈夫だったか?」

『夜叉神のなりそこないが全部で3体でたけど、どれも彼岸花の養分にしておいた。もう、夜叉神のなりそこないはいないようだ:』

「そうか。藍染も、命を狩られて今がおとなしくしているようだな」

『彼、悪鬼になったんでしょ?元に戻ってるけど‥‥…』

彼岸花の精霊の浮竹が、浮竹に耳打ちをすると、浮竹は封印を施したと言った。

『ふうん。封じちゃったんだ。もったいない』

「お前は、京楽の中の闇に近いからな。まぁそうかんじるかもしれないが、悪鬼はだめだ。ずっと悪鬼のままでいると、理性を失う」

『2週間も眠っていて、おなかすいたでしょ。食事の用意、してあるから』

鴆の京楽の言葉に甘えて、浮竹と京楽は食事をした。

薬膳料理だったが、2週間も眠っていたのでそちらのほうがありがたかった。

「白哉、大丈夫か?」

「いや、ただ食事が口にあわぬだけだ。薬膳料理はあまり好きではない」

いやそうに食事をする白哉に、浮竹が辛めのチャーハンをささっと作って与えた。

「白哉は、子供のころからこの料理が好きだからなぁ」

「ふふ。浮竹、兄が私には兄であると同時に父であり、母であった」

『ボクの薬膳料理まずい?』

鴆の京楽が、少しがっかりする。

「いや、うまいぞ。ただ、白哉はこういう系統の料理が苦手なんだ」

『妖力も補充できるのにな?』

彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹の耳元でこっそり耳打ちする。

『今夜は、しっぽろしろよ?それが、悪鬼の抑制力になる』

浮竹は、赤くなる。

それを見て、鴆の京楽は苦笑いして、京楽は何も分からないので首を傾げているのだった。


「白哉、首元が赤い‥‥‥キスマークか!おのれええ、あの赤ハエ、今から殺虫剤ふきかけにいってくる!!」

浮竹は、殺虫スプレーをもって、恋次の家に行こうとする。

それを、京楽と白哉が必死でとめて、鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、笑ってみてるのだった。

さして、結局殺虫スプレーを吹きかけられた恋次は、謝りながらも京楽の家で白哉としっぽりしないという約束には、あいまいに頷くのであった。


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「夜叉神のクローンは全て使い果たした。私は10あるうちの1つの命を失った」

藍染は、悔し気に爪を噛む。

「あの、京楽という者の悪鬼。あれはなんだ。四季の王も、私にさえ匹敵する力をもっていた」

「藍染様、食事の用意ができております」

「九尾狐か。ちょうどいい、京楽に化けて、四季の王にこの呪詛をかけろ」

「はい‥‥‥‥‥」

九尾狐の女は、藍染から渡された呪詛の塊を、つかむのであった。




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