桜のあやかしと共に93
「魔神ユーハバッハ。私はその力を得て、さらに強くなるのだ。ふはははは」
かつて、遠い昔魔神として君臨していたユーハバッハは、人とあやかしの手によって滅ぼされたが、核は封印されていた。
核をどうやっても、壊すことができなかったからだ。
藍染は、深い深い深海の果てに封印されていた魔神ユーハバッハの核の封印を、無理やり壊して核をもちだす。
そこからエネルギーを抽出して、自分の体内に取り込んだ。
「ぐああああああああ」
すさまじいエネルギーに、9つある命のうち、2つを失い、残りの命は7つになったが、藍染は仮初ではあるが、魔神となった。
「やった、やったぞ!ついに私は神になったのだ!」
藍染は喜ぶ。
その力が一時的なものとは知らずに。
「牛鬼」
「はっ」
「神の血を与えよう。四季の王を葬り、私をさらなる神の高みへと至らしめるために」
「この牛鬼、必ずや藍染様のお力となりましょうぞ」
----------------------------------------------------
「桜の王、助けてくださいな。雨が降らんのです。このままでは、あやかしまんじゅうに入れるあずきが収穫できなくなっちまうだ」
小豆とぎが訪れてきたかと思うと、浮竹を頼りにくる。
「雨なら、水龍神に頼んだほうがいいんじゃないか?」
「それが、藍染に女の水龍神様がさらわれて、それから行方不明なんだな」
「ああ‥‥」
千早という水龍神と藍染の子と、その母親である水龍神を藍染の呪縛から解き放ち、どこへでもいくといいと言った記憶があった。
「俺のせいでもあるのか‥‥‥」
「桜の王のせい?なにかしただか?」
「いや、こっちの話だ。京楽、一緒にきてくれるか。お前の式の力をかりたい」
「うん。ボクはどこにで十四郎についていくよ。たとえ行き先が地獄でも」
京楽は、雨を降らせれる式神の呪符を取り出す。
「この子なら、雨を降らせそう」
「ああ。俺の桜の術でも雨は降らせれるが、範囲はあまり広くないからな」
「桜の王とそのおつきの者、あずき畑に案内するだ」
小豆とぎは、異界へと入っていく。
異界に入ると、一面にあずき畑が広がっていたが、皆枯れかけていた。
「ごらんの有様なんだな。雨が降らないせいで、枯れるのも時間の問題なんだな」
京楽は、式神の呪符を取り出す。
それは一羽の小鳥となって、空を羽ばたいていく。
「天空破邪!天雨!」
ざぁぁぁと、ばけつをひっくりかえしたような雨が降ってきた。
「よし、俺も。桜よ、このあずき畑に命をふきこめ」
桜の花びらが雨と一緒になって、散っていく。
桜の花びらに触れたあずきの株は、みるみる緑色に戻り、元気になっていく。
「桜の王もすごいけど、おつきの者もすごいのだ」
「ボクは桜鬼の京楽春水。おつきの者じゃないからね。桜の王のパートナーだよ」
「桜の王は、春を司るだけに春がきてるのかなんだな」
このままいけば、あずきは無事収穫できそうで、あやかしまんじゅうが作れなくなる日は、当分の間訪れないと思えた。
あずき畑を出て、久しぶりに桜の花鬼の里にきていた。
「ふははははは、待っていたぞ、四季の王それに桜鬼」
「は?お前誰。京楽、知ってるか?」
「いや、知らないよ。頭がわいたあやかしなんじゃない」
桜の里で、頭がレインボーアフロ姿のあやかしと出会う。
「きーーーーー。藍染様の部下の俺様が、頭がわいているだと?この人の姿は仮のもの。俺様は人間の誰もが恐れる人食いの牛鬼様だ!」
「あっそ。じゃあ、俺たちは帰るから」
「待て待て待てーーーーーーー!無視しようよするなああああ!!」
「めんどくさいねぇ。天空破邪、天雷」
「うぎゃああああああああ。しびれるうううううう」
京楽の術を食らっても、牛鬼はぴんぴんしていた。
「思ったより、たふそうだな」
「牛鬼だからな。力はそれなりにあるんだろう」
「ふははははは!俺様は、魔神ユーハバッハの力を受け継ぎ、魔神となられた藍染様の血をもらっているのだ!」
「魔神ユーハバッハだと!?」
牛鬼の言葉を聞いて、浮竹が驚く。
「どうしたの、十四郎」
「はるか昔、人とあやかしの手によって滅ぼされ封印された魔神の名だ。そして、全ての花鬼の父でもある」
「花鬼の父?」
「ああ。ユーハバッハが、花鬼というあやかしを誕生させた」
「そんなすごいやつの力を?藍染ごときが?」
「きいいいい、藍染様といえ!」
「壊せなかった核が、深海に封印されていたはずだ。封印を無理やり解いたのか」
「そ、そんなことまではしらん!」
「核だけではユーハバッハの復活はありえない。人を一億人は生贄に捧げないと、復活はありえないから、大丈夫だとは思うが、核からエネルギーを抽出したら、一時的に魔神と同じ存在になれる」
「やばいじゃない。どうするの?」
「放置だな。放っておけば、魔神じゃなくなる。あのアホは、しぶといだけでそれに気づいていないようだが」
「藍染様は偉大なのだ!アホなどではない!多分!」
牛鬼は、体中に鋭い刃をつけて襲い掛かってくる。
「桜の花びらよ!」
「天空破邪、天地!」
浮竹が桜の花びらで牛鬼の体を燃やして、京楽が大地を割って牛鬼を落とす。
「ぬがあああああ、これしきのことでええええ」
魔神藍染の血というのは本物なのか、本来のあやかしであればくたばるだけの威力があった。
「桜の花びらよ、生気を吸ってしまえ!」
「うぎゃあああああ」
「天空破邪、天嵐!」
生気をごっそりもっていかれた牛鬼は、大分弱った。そこに、京楽が嵐を叩きこむ。
「あああああ、藍染様、万歳!!!」
牛鬼は、ぼろぼろになって、最後は京楽の桜鬼神の力で、桜の文様の刀で首を落とされて、死んだ。
「まさか、ユーハバッハにまで手を出すなんて。命がいくつもないと、できない芸当だな」
「あいつ、確か命が10個あるんだっけ。この前1個なくなったから、今回のことでさらに命をなくして、残りの命は8個以下だろうね」
「命に個数があるのが、そもそもおかしい」
「まぁ、そうなんだけど。まぁ、今は藍染がどこにいるかも分からないし、刺客と言ってもたいしたことないから、放っておこうか」
「そうだな。藍染はゴキブリみたいにしぶといから、まぁ魔神になったって喜んでいられるのも今のうちだな。そのうち、また元の神もどきに戻る」
「うん」
浮竹は、牛鬼の死体を養分に、桜を育てた。
花びらが真っ赤な桜咲いた。
「真っ赤な桜‥‥‥不吉だね」
「まぁ、美しくはあるがな」
-------------------------------------------------------------------------
「いちいち、血を与えるのではこの私は痛い思いをしなければならない。魔神の種を作ろう」
藍染は、また動き出す。
ユーハバッハの核は、エネルギーをいくら吸い取られても、壊れることはなかった。
かつて、遠い昔魔神として君臨していたユーハバッハは、人とあやかしの手によって滅ぼされたが、核は封印されていた。
核をどうやっても、壊すことができなかったからだ。
藍染は、深い深い深海の果てに封印されていた魔神ユーハバッハの核の封印を、無理やり壊して核をもちだす。
そこからエネルギーを抽出して、自分の体内に取り込んだ。
「ぐああああああああ」
すさまじいエネルギーに、9つある命のうち、2つを失い、残りの命は7つになったが、藍染は仮初ではあるが、魔神となった。
「やった、やったぞ!ついに私は神になったのだ!」
藍染は喜ぶ。
その力が一時的なものとは知らずに。
「牛鬼」
「はっ」
「神の血を与えよう。四季の王を葬り、私をさらなる神の高みへと至らしめるために」
「この牛鬼、必ずや藍染様のお力となりましょうぞ」
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「桜の王、助けてくださいな。雨が降らんのです。このままでは、あやかしまんじゅうに入れるあずきが収穫できなくなっちまうだ」
小豆とぎが訪れてきたかと思うと、浮竹を頼りにくる。
「雨なら、水龍神に頼んだほうがいいんじゃないか?」
「それが、藍染に女の水龍神様がさらわれて、それから行方不明なんだな」
「ああ‥‥」
千早という水龍神と藍染の子と、その母親である水龍神を藍染の呪縛から解き放ち、どこへでもいくといいと言った記憶があった。
「俺のせいでもあるのか‥‥‥」
「桜の王のせい?なにかしただか?」
「いや、こっちの話だ。京楽、一緒にきてくれるか。お前の式の力をかりたい」
「うん。ボクはどこにで十四郎についていくよ。たとえ行き先が地獄でも」
京楽は、雨を降らせれる式神の呪符を取り出す。
「この子なら、雨を降らせそう」
「ああ。俺の桜の術でも雨は降らせれるが、範囲はあまり広くないからな」
「桜の王とそのおつきの者、あずき畑に案内するだ」
小豆とぎは、異界へと入っていく。
異界に入ると、一面にあずき畑が広がっていたが、皆枯れかけていた。
「ごらんの有様なんだな。雨が降らないせいで、枯れるのも時間の問題なんだな」
京楽は、式神の呪符を取り出す。
それは一羽の小鳥となって、空を羽ばたいていく。
「天空破邪!天雨!」
ざぁぁぁと、ばけつをひっくりかえしたような雨が降ってきた。
「よし、俺も。桜よ、このあずき畑に命をふきこめ」
桜の花びらが雨と一緒になって、散っていく。
桜の花びらに触れたあずきの株は、みるみる緑色に戻り、元気になっていく。
「桜の王もすごいけど、おつきの者もすごいのだ」
「ボクは桜鬼の京楽春水。おつきの者じゃないからね。桜の王のパートナーだよ」
「桜の王は、春を司るだけに春がきてるのかなんだな」
このままいけば、あずきは無事収穫できそうで、あやかしまんじゅうが作れなくなる日は、当分の間訪れないと思えた。
あずき畑を出て、久しぶりに桜の花鬼の里にきていた。
「ふははははは、待っていたぞ、四季の王それに桜鬼」
「は?お前誰。京楽、知ってるか?」
「いや、知らないよ。頭がわいたあやかしなんじゃない」
桜の里で、頭がレインボーアフロ姿のあやかしと出会う。
「きーーーーー。藍染様の部下の俺様が、頭がわいているだと?この人の姿は仮のもの。俺様は人間の誰もが恐れる人食いの牛鬼様だ!」
「あっそ。じゃあ、俺たちは帰るから」
「待て待て待てーーーーーーー!無視しようよするなああああ!!」
「めんどくさいねぇ。天空破邪、天雷」
「うぎゃああああああああ。しびれるうううううう」
京楽の術を食らっても、牛鬼はぴんぴんしていた。
「思ったより、たふそうだな」
「牛鬼だからな。力はそれなりにあるんだろう」
「ふははははは!俺様は、魔神ユーハバッハの力を受け継ぎ、魔神となられた藍染様の血をもらっているのだ!」
「魔神ユーハバッハだと!?」
牛鬼の言葉を聞いて、浮竹が驚く。
「どうしたの、十四郎」
「はるか昔、人とあやかしの手によって滅ぼされ封印された魔神の名だ。そして、全ての花鬼の父でもある」
「花鬼の父?」
「ああ。ユーハバッハが、花鬼というあやかしを誕生させた」
「そんなすごいやつの力を?藍染ごときが?」
「きいいいい、藍染様といえ!」
「壊せなかった核が、深海に封印されていたはずだ。封印を無理やり解いたのか」
「そ、そんなことまではしらん!」
「核だけではユーハバッハの復活はありえない。人を一億人は生贄に捧げないと、復活はありえないから、大丈夫だとは思うが、核からエネルギーを抽出したら、一時的に魔神と同じ存在になれる」
「やばいじゃない。どうするの?」
「放置だな。放っておけば、魔神じゃなくなる。あのアホは、しぶといだけでそれに気づいていないようだが」
「藍染様は偉大なのだ!アホなどではない!多分!」
牛鬼は、体中に鋭い刃をつけて襲い掛かってくる。
「桜の花びらよ!」
「天空破邪、天地!」
浮竹が桜の花びらで牛鬼の体を燃やして、京楽が大地を割って牛鬼を落とす。
「ぬがあああああ、これしきのことでええええ」
魔神藍染の血というのは本物なのか、本来のあやかしであればくたばるだけの威力があった。
「桜の花びらよ、生気を吸ってしまえ!」
「うぎゃあああああ」
「天空破邪、天嵐!」
生気をごっそりもっていかれた牛鬼は、大分弱った。そこに、京楽が嵐を叩きこむ。
「あああああ、藍染様、万歳!!!」
牛鬼は、ぼろぼろになって、最後は京楽の桜鬼神の力で、桜の文様の刀で首を落とされて、死んだ。
「まさか、ユーハバッハにまで手を出すなんて。命がいくつもないと、できない芸当だな」
「あいつ、確か命が10個あるんだっけ。この前1個なくなったから、今回のことでさらに命をなくして、残りの命は8個以下だろうね」
「命に個数があるのが、そもそもおかしい」
「まぁ、そうなんだけど。まぁ、今は藍染がどこにいるかも分からないし、刺客と言ってもたいしたことないから、放っておこうか」
「そうだな。藍染はゴキブリみたいにしぶといから、まぁ魔神になったって喜んでいられるのも今のうちだな。そのうち、また元の神もどきに戻る」
「うん」
浮竹は、牛鬼の死体を養分に、桜を育てた。
花びらが真っ赤な桜咲いた。
「真っ赤な桜‥‥‥不吉だね」
「まぁ、美しくはあるがな」
-------------------------------------------------------------------------
「いちいち、血を与えるのではこの私は痛い思いをしなければならない。魔神の種を作ろう」
藍染は、また動き出す。
ユーハバッハの核は、エネルギーをいくら吸い取られても、壊れることはなかった。
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