桜のあやかしと共に95
「顔を奪われる?」
「そう。ちまたを騒がせてるあやかしでね。狙われた人間はのっぺらぼうみたいなになっちゃうらしいんだ。祓い屋の会合で、ボクが退治することになってねぇ」
「ふむ。じゃあ、俺も行くぞ」
「うん。神出鬼没らしいから、十四郎の妖力を敏感に察知でききる能力がいるよ」
「あやかしは襲わないのか?」
「それがねぇ、あやかしも襲うんだよ。何人かの椿の花鬼が顔を奪われたらしい。冬獅郎君にも、協力を求めようと思ってね。あやかしで狙われるのは、椿の花鬼だけなんだよ。人間も、何かしらの形で椿と関わってる。植木職人だったり、花屋だったり、椿のアクセサリーをつけてた者だったり」
京楽は、まずは冬獅郎の元に行こうというと、浮竹は召喚すると言い出した。
「四季の王の名において命ずる。いでよ、冬の椿の王!」
「だから雛森、俺は大丈夫だからっ・・・うああああ、また勝手に召喚したな!」
冬獅郎とだけでなく、その契約者である雛森桃という人間の少女も一緒だった。
「しっぽりしてたのか?」
「するわけねぇだろ、この色ボケ四季の王が!」
すっかり彼岸花の精霊の浮竹のペースに飲み込まれていた浮竹は、カップルを見るとしっぽりしているんだろうかとか考えるようになっていた。
ちょっとあぶない。
「あの、こちらの方々は?」
雛森が、浮竹と享楽を見る。
「ああ、話にだけはだしてただろう。こっちの長い白髪のが浮竹、春の桜の王で四季の王でもある。こっちが桜鬼の京楽。浮竹の契約者だな」
「契約者・・・つまり、できてるってことですよね」
雛森は頬を染める。
「俺は確かに京楽とはしっぽりしているが・・・・・・・」
「おい、雛森はまだ子供なんだ、下ネタはやめろ」
「しっぽりって、下ネタになるのか?」
浮竹が京楽を見ると、京楽はうなずいた。
それに浮竹が赤くなって、話題を切り替える。
「椿の花鬼ばかり、顔を奪われるらしいな。人間にも被害者が出ているが、なんらかの形で椿とゆかりがある者たちばかりだ」
「ああ、ちょうどその顔を奪うやつの住処を見つけたから、今から退治にいくとこだった」
「お、いいタイミングだねぇ。ボクも顔を奪うやつの退治を祓い屋の会合で命じられてね。まぁ、あやかしになったボクの存在に、他の祓い屋は気づいてないみたいなんだけど」
「祓い屋って案外まぬけなんだな」
「京楽が、それほど体を人間に近くさせて、妖力を出してないだけだぞ」
「ふーん。京楽、あんたもやるな」
「いやぁ、それほどでも・・・・・・」
「そんなことはどうでもいいから、住処とやらに行くか。倒せば、多分顔を奪われた者たちの顔も戻るはずだ」
「十四郎どうでもいいってひどい」
「どうでもいいことはどうでもいいことだろう。今は顔を奪うやつを倒すのが先だ」
こうして、浮竹、京楽、冬獅郎、それに一人にすると藍染の手が伸びる恐れがあるので、雛森も連れていくことにした。
雛森には、冬獅郎と京楽が強力な結界で守っているので、藍染でもそうやすやすと手は出せないはすであった。
顔を奪うあやかしは、季節外れの椿が咲き狂う、洋館に住んでいるらしかった。
「背後をつうくか?それとも正面突破か?」
冬獅郎の服の袖を、雛森がぎゅっと握る。
「シロちゃん、危ない真似はしないでね」
「わーってるって」
「めんどくさいから、正面突破で。桜の花神になる。京楽も、桜鬼神になっておけ」
「おいおい、二人そろって神様になっちまったのかよ」
「そうだ。いろいろあってな」
浮竹は、玄関を桜の術でこじあけ、洋館の中に入る。
洋館野中はマネキンだらけで、そのマネキン一体一体が、奪われれ顔をしていた。
「悪趣味な奴だな。おい、出てこい。出てこなきゃ、このマネキン全部ぶっ壊しちまうぞ」
「ふふふふ・・・・・藍染様の言っていた通りだ。椿ばかりを襲っていれば、冬の王が出てくる。その冬の王をエサに、四季の王をおびき寄せて・・・・・・」
「四季の王ならここにいるぞ。とりあえず、桜の花びらよ、動を奪え」
「げ、まじかよ!まだ四季の王を迎え撃つ準備できてない・・・・ここは、一旦退かせてもらうことにしよう」
異界に逃げ込もうとするので、浮竹が桜の花神の力で異界へのゲートを遮断する。
「なんだと!」
「おいおまえ、名前はわからんからインキンタムシでいいか。インキンタムシ、大人しく奪った顔を返せ!」
浮竹がインキンタムシよばわりすると、あやかしは怒った。
「誰がインキンタムシだーーー!!俺には、顔奪いという名がある!」
「えーと、インキンタムシくん、藍染の手下なんだよね?」
「そうだ。魔神となられた偉大なる藍染様の部下だ!って、誰がインキンタムシだあああ」
「じゃあ、死んで?」
京楽は、桜鬼神の力を開放させて、桜の文様のある刀で、顔奪いの右手と左手を切り落とす。
「な、いきなりピンチだ!こんなに強いなんてきいてないぞ。かくなる上は、その人間の女の顔を奪って人質にしてやる!」
「きゃあああああああ!!!」
雛森に遅いかかった顔奪いは、強い結界にはじかれて、数歩たたらを踏む。
「浮竹、京楽、悪いがこの獲物は俺がもらう。雛森を傷つけようとした。許せん」
冬獅郎は、愛刀の氷輪丸を出すと、氷の龍を召喚して、顔奪いを氷つかせた。
「いやだ、死にたくない」
「じゃあ、藍染の居場所を言え」
浮竹が、なんとかしゃべることはできる氷像となった顔奪いに、桜の花びらで居場所を吐かせようとしたら、顔奪いは、なんと体を四散させた。
「藍染様、ばんざあああういいいい」
それだけを言い残して。
「ちっ、どうやら藍染の居場所を言おうとすると、自爆装置みたいになるようになっていたみたいだぞ」
「冬獅郎くん、このマネキン壊せる?ボクらの強い妖力だと、過剰に破壊する恐れがあるから」
「ああ、わかった。いけ、氷輪丸!」
「シロちゃん、壊していったマネキンから、顔が消えてる!」
「どうやら、奪われた顔は無事元の持ち主の元に返ったみたいだな」
「そうだね」
浮竹と京楽は、神の力を封印した。
「冬獅郎くん、雛森ちゃん、せっかくこっちにきたんだし、ちょっと泊まっていかない?」
「いいのか?」
「え、いいんですか?」
「藍染のせいで迷惑をかけたからな。俺の手料理をごちそうしよう」
「え、浮竹、お前料理なんてできんのか?」
「失礼な。これでも、一流シェフ並みには腕はいいぞ。人間の社会で習ったからな」
冬獅郎は、浮竹が人間に化けて、人間の料理学校に通っていたことなど知らないし、言う必要もなかった。
「あたしも手伝いますね。シロちゃんの好物、知ってますから」
京楽に材料を買いに行かせて、浮竹は白哉と仲良さげに話をする。
「日番谷冬獅郎。冬の椿の王だ」
「ほう。椿は私も好きな花だ」
「3千歳以上なんだけど、見た目は子供なんだ」
「あやかしに年齢などあまり関係ないしな」
「おいこらそこ、俺を子供扱いするなよ」
京楽が帰ってくると、スーパーの袋に甘納豆が入っていたので、冬獅郎は雛森と一緒に食べるのだった。
その日の夕飯は、冬獅郎の好きなものばかりがでてきた。
冬獅郎と雛森の仲睦まじげな様子を白哉は好奇心から、浮竹と京楽は初々しいなと、みるのであった。
「そう。ちまたを騒がせてるあやかしでね。狙われた人間はのっぺらぼうみたいなになっちゃうらしいんだ。祓い屋の会合で、ボクが退治することになってねぇ」
「ふむ。じゃあ、俺も行くぞ」
「うん。神出鬼没らしいから、十四郎の妖力を敏感に察知でききる能力がいるよ」
「あやかしは襲わないのか?」
「それがねぇ、あやかしも襲うんだよ。何人かの椿の花鬼が顔を奪われたらしい。冬獅郎君にも、協力を求めようと思ってね。あやかしで狙われるのは、椿の花鬼だけなんだよ。人間も、何かしらの形で椿と関わってる。植木職人だったり、花屋だったり、椿のアクセサリーをつけてた者だったり」
京楽は、まずは冬獅郎の元に行こうというと、浮竹は召喚すると言い出した。
「四季の王の名において命ずる。いでよ、冬の椿の王!」
「だから雛森、俺は大丈夫だからっ・・・うああああ、また勝手に召喚したな!」
冬獅郎とだけでなく、その契約者である雛森桃という人間の少女も一緒だった。
「しっぽりしてたのか?」
「するわけねぇだろ、この色ボケ四季の王が!」
すっかり彼岸花の精霊の浮竹のペースに飲み込まれていた浮竹は、カップルを見るとしっぽりしているんだろうかとか考えるようになっていた。
ちょっとあぶない。
「あの、こちらの方々は?」
雛森が、浮竹と享楽を見る。
「ああ、話にだけはだしてただろう。こっちの長い白髪のが浮竹、春の桜の王で四季の王でもある。こっちが桜鬼の京楽。浮竹の契約者だな」
「契約者・・・つまり、できてるってことですよね」
雛森は頬を染める。
「俺は確かに京楽とはしっぽりしているが・・・・・・・」
「おい、雛森はまだ子供なんだ、下ネタはやめろ」
「しっぽりって、下ネタになるのか?」
浮竹が京楽を見ると、京楽はうなずいた。
それに浮竹が赤くなって、話題を切り替える。
「椿の花鬼ばかり、顔を奪われるらしいな。人間にも被害者が出ているが、なんらかの形で椿とゆかりがある者たちばかりだ」
「ああ、ちょうどその顔を奪うやつの住処を見つけたから、今から退治にいくとこだった」
「お、いいタイミングだねぇ。ボクも顔を奪うやつの退治を祓い屋の会合で命じられてね。まぁ、あやかしになったボクの存在に、他の祓い屋は気づいてないみたいなんだけど」
「祓い屋って案外まぬけなんだな」
「京楽が、それほど体を人間に近くさせて、妖力を出してないだけだぞ」
「ふーん。京楽、あんたもやるな」
「いやぁ、それほどでも・・・・・・」
「そんなことはどうでもいいから、住処とやらに行くか。倒せば、多分顔を奪われた者たちの顔も戻るはずだ」
「十四郎どうでもいいってひどい」
「どうでもいいことはどうでもいいことだろう。今は顔を奪うやつを倒すのが先だ」
こうして、浮竹、京楽、冬獅郎、それに一人にすると藍染の手が伸びる恐れがあるので、雛森も連れていくことにした。
雛森には、冬獅郎と京楽が強力な結界で守っているので、藍染でもそうやすやすと手は出せないはすであった。
顔を奪うあやかしは、季節外れの椿が咲き狂う、洋館に住んでいるらしかった。
「背後をつうくか?それとも正面突破か?」
冬獅郎の服の袖を、雛森がぎゅっと握る。
「シロちゃん、危ない真似はしないでね」
「わーってるって」
「めんどくさいから、正面突破で。桜の花神になる。京楽も、桜鬼神になっておけ」
「おいおい、二人そろって神様になっちまったのかよ」
「そうだ。いろいろあってな」
浮竹は、玄関を桜の術でこじあけ、洋館の中に入る。
洋館野中はマネキンだらけで、そのマネキン一体一体が、奪われれ顔をしていた。
「悪趣味な奴だな。おい、出てこい。出てこなきゃ、このマネキン全部ぶっ壊しちまうぞ」
「ふふふふ・・・・・藍染様の言っていた通りだ。椿ばかりを襲っていれば、冬の王が出てくる。その冬の王をエサに、四季の王をおびき寄せて・・・・・・」
「四季の王ならここにいるぞ。とりあえず、桜の花びらよ、動を奪え」
「げ、まじかよ!まだ四季の王を迎え撃つ準備できてない・・・・ここは、一旦退かせてもらうことにしよう」
異界に逃げ込もうとするので、浮竹が桜の花神の力で異界へのゲートを遮断する。
「なんだと!」
「おいおまえ、名前はわからんからインキンタムシでいいか。インキンタムシ、大人しく奪った顔を返せ!」
浮竹がインキンタムシよばわりすると、あやかしは怒った。
「誰がインキンタムシだーーー!!俺には、顔奪いという名がある!」
「えーと、インキンタムシくん、藍染の手下なんだよね?」
「そうだ。魔神となられた偉大なる藍染様の部下だ!って、誰がインキンタムシだあああ」
「じゃあ、死んで?」
京楽は、桜鬼神の力を開放させて、桜の文様のある刀で、顔奪いの右手と左手を切り落とす。
「な、いきなりピンチだ!こんなに強いなんてきいてないぞ。かくなる上は、その人間の女の顔を奪って人質にしてやる!」
「きゃあああああああ!!!」
雛森に遅いかかった顔奪いは、強い結界にはじかれて、数歩たたらを踏む。
「浮竹、京楽、悪いがこの獲物は俺がもらう。雛森を傷つけようとした。許せん」
冬獅郎は、愛刀の氷輪丸を出すと、氷の龍を召喚して、顔奪いを氷つかせた。
「いやだ、死にたくない」
「じゃあ、藍染の居場所を言え」
浮竹が、なんとかしゃべることはできる氷像となった顔奪いに、桜の花びらで居場所を吐かせようとしたら、顔奪いは、なんと体を四散させた。
「藍染様、ばんざあああういいいい」
それだけを言い残して。
「ちっ、どうやら藍染の居場所を言おうとすると、自爆装置みたいになるようになっていたみたいだぞ」
「冬獅郎くん、このマネキン壊せる?ボクらの強い妖力だと、過剰に破壊する恐れがあるから」
「ああ、わかった。いけ、氷輪丸!」
「シロちゃん、壊していったマネキンから、顔が消えてる!」
「どうやら、奪われた顔は無事元の持ち主の元に返ったみたいだな」
「そうだね」
浮竹と京楽は、神の力を封印した。
「冬獅郎くん、雛森ちゃん、せっかくこっちにきたんだし、ちょっと泊まっていかない?」
「いいのか?」
「え、いいんですか?」
「藍染のせいで迷惑をかけたからな。俺の手料理をごちそうしよう」
「え、浮竹、お前料理なんてできんのか?」
「失礼な。これでも、一流シェフ並みには腕はいいぞ。人間の社会で習ったからな」
冬獅郎は、浮竹が人間に化けて、人間の料理学校に通っていたことなど知らないし、言う必要もなかった。
「あたしも手伝いますね。シロちゃんの好物、知ってますから」
京楽に材料を買いに行かせて、浮竹は白哉と仲良さげに話をする。
「日番谷冬獅郎。冬の椿の王だ」
「ほう。椿は私も好きな花だ」
「3千歳以上なんだけど、見た目は子供なんだ」
「あやかしに年齢などあまり関係ないしな」
「おいこらそこ、俺を子供扱いするなよ」
京楽が帰ってくると、スーパーの袋に甘納豆が入っていたので、冬獅郎は雛森と一緒に食べるのだった。
その日の夕飯は、冬獅郎の好きなものばかりがでてきた。
冬獅郎と雛森の仲睦まじげな様子を白哉は好奇心から、浮竹と京楽は初々しいなと、みるのであった。
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