桜のあやかしと共に96
「京楽、しっぽりしよう。激しくしっぽりしまくろう」
浮竹がそう言ってきたので、しかも真昼から。これは夢なのではないうかと頬をつねるが、現実だった。
「よし、十四郎、結界はってしっぽりしまくろうね」
「ああ、しっぽりだ」
手をひいて歩いて行く途中で、浮竹の手が少し熱を持っているのに気づく。
「十四郎、おでこ触るよ」
京楽は、浮竹の額に手をあてると、ひどい熱だった。
40度はこえているであろうと思われる熱に、京楽が慌てだす。
「十四郎、しっぽりどころじゃないから!今すぐ寝て!」
「え、ここでしっぽりするのか?床は背中が痛くなる」
「だから、しっぽりはお預け!」
「むう。じゃあ白哉としっぽりする」
「何気に近親相姦!?その前に、十四郎も白哉くんも受けでしょうに!いや、そんなことはどうでもいいんだった。今、鴆のボクのところにいって、解熱剤とかもらってくるね。君はおとなしく寝てて」
京楽に、ベッドに寝かしつけられて、浮竹は頭がふらふらするので、適当に返事する。
「ふにゃあ」
「大分重症だねぇ。あやかしインフルかもね」
あやかしインフルとは、その名の通りあやかしだけがかかるインフルエンザだ。
今猛威をふるっていて、昨日遊びにきた浮竹の知り合いもあやかしインフルにかかっていたのだと、その日の午後に発覚するのだが。
京楽は、鴆の京楽からあやかしインフル用の薬をもらった。
解熱剤と、あとは風邪薬のようなものである。あやかしインフルに特効薬は今のところなく、薬草を煎じて症状を和らげる程度だった。
「ああ、鴆のボク。ボクも十四郎からうつってるかもしれないから、薬念のために飲んでおいてね。ボクから感染して、薬師が病気になったら大変だから」
『わざわざありがとうね。ボクも、あともう少しで浮竹も帰ってくるから、念のために薬を飲ませておくよ』
京楽は、あやかしインフルにかかった浮竹のためにおかゆを作り、薬を出した。
「いやだ、苦い」
「そう言わないで。薬のまないと、もっとひどくなるよ?」
「むう。しっぽり・・・・」
「なぜに、そこでしっぽり!?」
「彼岸花の精霊の俺が、しっぽりって言えば京楽が喜ぶって・・・・・」
「浮竹、しっぽりの意味わかってて言ってる?」
「ん?キスしたり、ハグしたりのことだろ?」
実は、浮竹はしっぽりの正確な意味を分かっていなかった。
「はあ。しっぽりはね、セックスって意味だよ」
「ななななな!!!!」
浮竹は、真っ赤になった。体温計で熱をはかると、40度から41度にまであがっていた。
「だめだ、世界が回る・・・・薬飲んで、寝る」
「うん、そうしなさいな。ボクと白哉くんも一応かかってる可能性あるから、薬飲んでおくから」
京楽は、浮竹の額のぬるくなった冷えピタシートをはりかえてやって、浮竹が寝たのを確認すると、白哉を呼んで、浮竹があやかしインフルにかかったことを話して、薬を飲ませた。
基本、浮竹をゲストルームに隔離する形をとる。
『様子はどうだ?』
「彼岸花の精霊の浮竹!」
「兄が、どうしてここに?」
『いや、京楽が桜の王があやかしインフルにかかったといっていたので、お見舞いにきた』
「ごめんね、わざわざ。でもうつるから、会わせられないけど」
『そうか。しっぽりすれば、全てよくなると言っておいたんだが、しっぽりは未遂か』
「あ、君ねぇ、十四郎に変な意味でしっぽりを教えるのはよしてね」
『なんだ、もうばれてしまったのか。つまらない』
彼岸花の精霊の浮竹は、白哉と格闘ゲームをしだす。
「はぁ。反省する気なさそう」
白哉が苦笑する。
『ここで、俺の勝ちだ』
「むう。私の負けだ。もう一度」
『ちょっと、浮竹、いつまで居候してるの。見舞いすんだら、早く帰ってくるって約束だったでしょ』
そこへ。鴆の京楽が現れる。
『ああ、忘れてた。あやかしインフルの客ばかりくるから、いっそこっちのほうが安全な気がする』
『でも、ボクは薬師だし、君はその手伝いをしてくれるでしょう?住処に戻ろう』
『白哉、ゲームの続きは次回だ』
「むう、勝ち逃げか」
『ふふふふ・・・・・』
住処の裏山の洞窟に戻ると、客がきていた。
あやかしまんじゅうを作る工場で、あやかしインフルのクラスターがおこり、しばらくの間あやかしまんじゅうは売りに出されないとのことだった。
何気にあやかしまんじゅうを気に入っていた、彼岸花の精霊の浮竹は、それにショックを受けて洞窟の奥でふて寝をし始める。
『もう、全然手伝ってくれないんだから・・・・・・』
『手伝ったら、しっぽりするか?』
『いいけど、夜に、ね』
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽が作った薬を整理して、やってきた客に渡していく。
代金はきっちりもらう。
人間社会のお金だったり、黄金だったり、食べ物だったり、支払いはいろいろだった。
一番多いのは、あやかしの通貨とされている小判だったが。
『はぁ。桜の王、早くあやかしインフル治らないかな。暇だ』
『まぁ、ボクの処方した薬は治りやすいから、普通は1週間以上かかるけど、3日くらいで治るんじゃないかな』
『その3日間が暇だ』
彼岸花の精霊の浮竹は、溜息をついた。
『ボクがいるじゃない』
『京楽は恋人で、遊び相手じゃない』
『まぁそうなんだけど。3日くらいすぐだよ』
『じゃあ、しっぽりしよう』
『ええ、まだ夜になってないよ。客がきたらどうするの』
『無視すればいい。結界をはって、しっぽりするぞ』
こうして、二人はしっぽりするのだった。
浮竹は本当に3日であやかしインフルが治り、白哉にも京楽にもうつらずで、安堵するのだった。
浮竹がそう言ってきたので、しかも真昼から。これは夢なのではないうかと頬をつねるが、現実だった。
「よし、十四郎、結界はってしっぽりしまくろうね」
「ああ、しっぽりだ」
手をひいて歩いて行く途中で、浮竹の手が少し熱を持っているのに気づく。
「十四郎、おでこ触るよ」
京楽は、浮竹の額に手をあてると、ひどい熱だった。
40度はこえているであろうと思われる熱に、京楽が慌てだす。
「十四郎、しっぽりどころじゃないから!今すぐ寝て!」
「え、ここでしっぽりするのか?床は背中が痛くなる」
「だから、しっぽりはお預け!」
「むう。じゃあ白哉としっぽりする」
「何気に近親相姦!?その前に、十四郎も白哉くんも受けでしょうに!いや、そんなことはどうでもいいんだった。今、鴆のボクのところにいって、解熱剤とかもらってくるね。君はおとなしく寝てて」
京楽に、ベッドに寝かしつけられて、浮竹は頭がふらふらするので、適当に返事する。
「ふにゃあ」
「大分重症だねぇ。あやかしインフルかもね」
あやかしインフルとは、その名の通りあやかしだけがかかるインフルエンザだ。
今猛威をふるっていて、昨日遊びにきた浮竹の知り合いもあやかしインフルにかかっていたのだと、その日の午後に発覚するのだが。
京楽は、鴆の京楽からあやかしインフル用の薬をもらった。
解熱剤と、あとは風邪薬のようなものである。あやかしインフルに特効薬は今のところなく、薬草を煎じて症状を和らげる程度だった。
「ああ、鴆のボク。ボクも十四郎からうつってるかもしれないから、薬念のために飲んでおいてね。ボクから感染して、薬師が病気になったら大変だから」
『わざわざありがとうね。ボクも、あともう少しで浮竹も帰ってくるから、念のために薬を飲ませておくよ』
京楽は、あやかしインフルにかかった浮竹のためにおかゆを作り、薬を出した。
「いやだ、苦い」
「そう言わないで。薬のまないと、もっとひどくなるよ?」
「むう。しっぽり・・・・」
「なぜに、そこでしっぽり!?」
「彼岸花の精霊の俺が、しっぽりって言えば京楽が喜ぶって・・・・・」
「浮竹、しっぽりの意味わかってて言ってる?」
「ん?キスしたり、ハグしたりのことだろ?」
実は、浮竹はしっぽりの正確な意味を分かっていなかった。
「はあ。しっぽりはね、セックスって意味だよ」
「ななななな!!!!」
浮竹は、真っ赤になった。体温計で熱をはかると、40度から41度にまであがっていた。
「だめだ、世界が回る・・・・薬飲んで、寝る」
「うん、そうしなさいな。ボクと白哉くんも一応かかってる可能性あるから、薬飲んでおくから」
京楽は、浮竹の額のぬるくなった冷えピタシートをはりかえてやって、浮竹が寝たのを確認すると、白哉を呼んで、浮竹があやかしインフルにかかったことを話して、薬を飲ませた。
基本、浮竹をゲストルームに隔離する形をとる。
『様子はどうだ?』
「彼岸花の精霊の浮竹!」
「兄が、どうしてここに?」
『いや、京楽が桜の王があやかしインフルにかかったといっていたので、お見舞いにきた』
「ごめんね、わざわざ。でもうつるから、会わせられないけど」
『そうか。しっぽりすれば、全てよくなると言っておいたんだが、しっぽりは未遂か』
「あ、君ねぇ、十四郎に変な意味でしっぽりを教えるのはよしてね」
『なんだ、もうばれてしまったのか。つまらない』
彼岸花の精霊の浮竹は、白哉と格闘ゲームをしだす。
「はぁ。反省する気なさそう」
白哉が苦笑する。
『ここで、俺の勝ちだ』
「むう。私の負けだ。もう一度」
『ちょっと、浮竹、いつまで居候してるの。見舞いすんだら、早く帰ってくるって約束だったでしょ』
そこへ。鴆の京楽が現れる。
『ああ、忘れてた。あやかしインフルの客ばかりくるから、いっそこっちのほうが安全な気がする』
『でも、ボクは薬師だし、君はその手伝いをしてくれるでしょう?住処に戻ろう』
『白哉、ゲームの続きは次回だ』
「むう、勝ち逃げか」
『ふふふふ・・・・・』
住処の裏山の洞窟に戻ると、客がきていた。
あやかしまんじゅうを作る工場で、あやかしインフルのクラスターがおこり、しばらくの間あやかしまんじゅうは売りに出されないとのことだった。
何気にあやかしまんじゅうを気に入っていた、彼岸花の精霊の浮竹は、それにショックを受けて洞窟の奥でふて寝をし始める。
『もう、全然手伝ってくれないんだから・・・・・・』
『手伝ったら、しっぽりするか?』
『いいけど、夜に、ね』
彼岸花の精霊の浮竹は、鴆の京楽が作った薬を整理して、やってきた客に渡していく。
代金はきっちりもらう。
人間社会のお金だったり、黄金だったり、食べ物だったり、支払いはいろいろだった。
一番多いのは、あやかしの通貨とされている小判だったが。
『はぁ。桜の王、早くあやかしインフル治らないかな。暇だ』
『まぁ、ボクの処方した薬は治りやすいから、普通は1週間以上かかるけど、3日くらいで治るんじゃないかな』
『その3日間が暇だ』
彼岸花の精霊の浮竹は、溜息をついた。
『ボクがいるじゃない』
『京楽は恋人で、遊び相手じゃない』
『まぁそうなんだけど。3日くらいすぐだよ』
『じゃあ、しっぽりしよう』
『ええ、まだ夜になってないよ。客がきたらどうするの』
『無視すればいい。結界をはって、しっぽりするぞ』
こうして、二人はしっぽりするのだった。
浮竹は本当に3日であやかしインフルが治り、白哉にも京楽にもうつらずで、安堵するのだった。
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