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桜のあやかしと共に94

浮竹は、どうしても小さい京楽の姿が見たかった。

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹と一緒にお茶会を開くことになった。お茶には、子供になる謎の薬が混ぜられていた。

京楽はというと、浮竹がお茶なんて珍しくいれるものだから、絶対何か変なものが入っているに違いないと、警戒して飲まなかった。

『にゃんだこれはーーー』

彼岸花の精霊の浮竹がお茶を飲んでしまい、3歳児になってしまう。だが、中身は元のままのようだが、言葉がうまくしゃべれない。

『よくもまたやってくれたな。おまえも同じ刑ら」

彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹に無理やり紅茶を飲ませる。

ぼふんと音をたてて、浮竹も3歳児になっていた。

「か・・・・かわいいいいい」

京楽は、浮竹を抱き上げて頬ずりをする。

「いたい!おじさん、ちくちくひげいたいから、や!」

浮竹は精神も3歳児なっていて、京楽が自分の恋人であるということが抜けていた。

「おじさん・・・・・・・」

大切な恋人におじさん扱いされた挙句、いやと言われて京楽はちょっとしょげるが、浮竹を抱き上げて、お菓子用に携帯していたキャンディーをあげる。

「おいちい」

「十四郎、ボクは京楽春水。いえる?」

「きょーらく、しゅすい」

「あああ、かわいい」

『独り占めはじゅるい。俺も、桜の王と遊ぶ』

『そういえば、異界にあやかし専用の遊園地ができたんだってね?そこに、行ってみない?』

鴆の京楽は、人間がだめなので、人間世界の遊園地にはいけない。

なので、あやかしが管理する遊園地に前々からひそかに行きたかったのだ。もちろん、彼岸花の精霊の浮竹と一緒に。

『ゆーえんち!おもしりょそう』

「ゆーえんち?なにそれ」

浮竹の反応はそれぞれで、浮竹は遊園地が何であるかわからず、彼岸花の精霊の浮竹は情報のみ知っていた。

「いいねぇ、今から行こうか」

『そうだね。解毒薬つくったらすぐに元に戻っちゃいそうだし』

『こら、きょーらく、俺は元の姿でいきちゃい』

『だめだめ。かわいい今の姿だから行きたいんだよ。大人の浮竹とは、いつでも行けるからね』

こうして、異界にある遊園地に4人は行くことになった。

「あれに乗りたい!」

「ああ、あれはジェットコースターだね。身長制限があるから無理だね」

「のーりーたーいー」

「はい、苺のキャンディ」

「むーーー」

キャンディをなめなながら、浮竹は京楽にだっこされて、メリーゴーランドに乗った。

「おうま、うごいてる」

「そうだねぇ。十四郎、かわいいねぇ」

『よし、きょーらく。俺たちも、あれに、のるじょ』

『メリーゴーランドでいいの?お化け屋敷もあるよ?』

『あんなの、作り物とあやかしでできているだけじゃにゃいか。あやかし同士でばけあって、何がたにょしいんだ』

『まぁ、それもそうだねぇ。ああ、桜鬼のボクじゃないけど、浮竹かわいいね。抱き上げていい?』

『好きにしゅるといい』

4人は、メリーゴーランド、観覧車、コーヒーカップに乗った。

あやかしが管理しているので、人間社会の遊園地よりは劣るが、鴆の京楽は、彼岸花の精霊の浮竹と一緒にこれて、すごくうれしそうだった。

「たまには、童心にかえるのもいいかもねぇ」

『うん、そうだね』

お昼は、レストランで4人そろってお子様ランチを食べた。

午後は、鏡の迷路、全然怖くないお化け屋敷などに行った。

アイスを食べたりもした。浮竹は苺味のアイスを気に入り、おかわりをもらっていた。

彼岸花の精霊の浮竹は、普通にバニラとチョコ味を食べていた。

『全部食べれにゃい。きょーらく、のこりくえ』

『はいはい』

『ねむくにゃってきた』

「ねむい」

2人の浮竹は、アイスを食べ終えると、京楽たちに抱かれながら、眠ってしまった。

「最後は映画館行こうと思ったんだけど、ボクの十四郎は精神も3歳児だから、見せても意味わからないだろうね」

『そうだね。でも、二人とも寝顔かわいいね』

「写真とろう。スマホで」

『うん』

鴆の京楽はスマホをもっていないので、京楽のスマホで写真をとった。

『いい思い出になったよ』

「二人とも起きそうにないし、帰ろうか」

『そうだね』

浮竹たちは、寄り添いあって、眠りについていた。寝顔が天使みたいで、二人の京楽は離れさせられずにいた。

京楽たちは、桜鬼の京楽のマンションに帰還する。

「むにゃあ・・・・」

『んー、もうたべれにゃい・・・・』

『いったい、どんな夢見てるんだか』

「浮竹、ひたすらかわいい。(*´Д`)ハァハァ」

京楽は、ちょっとやばい人になっていた。鴆の京楽は、浮竹たちが風邪をひかないように、ブランケットをかけてやった。

夕方になって、腹をすかせた浮竹たちは目を覚ます。

京楽は、さっそく浮竹をだっこしようとする。

「おひげのおじちゃん、や!」

『うう、ねむってしまった』

浮竹は、彼岸花の精霊の浮竹の服の裾をつかんで離さない。

「いっしょが、いい」

『桜の王・・・・・・』

浮竹は、甘えん坊の寂しがりやだった。

「きょーらく、寂しい?」

「うん、寂しい。十四郎がかまってくれないから」

「俺と、しっぽり、したい?」

「ぶーーーーー」

京楽は、飲みかけの緑茶を噴き出していた。

「しっぽりって、十四郎。あ、彼岸花の精霊の浮竹のせいだね」

『ばれてちまっては、しかたにゃい。俺はしっぽりしたい。早く解毒剤よこしぇ』

『はいはい、今夕飯と一緒に出すから』

鴆の京楽が、大人4人分の食事と解毒剤をいれたオレンジジュースをもってきた。

彼岸花の精霊の浮竹は、一気に飲み干してもとに戻る。

『ふふふふ、桜の王は、俺をまきこんだ罰として、明日の朝までその姿でいろ』

「おじちゃん、だあれ?」

浮竹におじさん呼ばわりされて、それがかなりショックで、彼岸花の精霊の浮竹は浮竹に解毒剤入りのオレンジジュースを飲ませた。

『どうだ、3歳児を体験した気分は』

「あんまり、覚えてない。お前をおじちゃん呼ばわりしたのは覚えてる」

『せめて、お兄さんと言え』

「そう言われても、中身も3歳児だったんだぞ。無茶を言うな」

『これにこりて、縮む薬はもう作らないことだな』

「ああ、そうする」

本当に信用して良いのかうさんくさいにおいがしたが。とリあえず元に戻ったので、夕食を食べて、彼岸花の精霊の浮竹と、鴆の京楽は泊まるが、しっぽりするので結界をはっていた。

「ねぇ、十四郎、ボクらも・・・・・・」

「しない」

「がびーん。かびんががびーん」

「おやじくさい」

しっしと、いつも一緒に眠る寝室ではなく、浮竹は自分の部屋で寝た。

しっぽりしないときは、たまに一人で寝ることもあった。

「くすん。今日は白夜くんの部屋におじゃまして寝るかな。誰かと一緒じゃないと、眠れなくなってきちゃった」

「なにーーーーー!白夜と一緒に寝るだと!3億5千万7421年早いわ!」

スパ-ンと、浮竹にハリセンで殴られて、結局しっぽりはしないが、京楽と一緒に眠ることになるのであった。





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