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浮竹と京楽と海燕と 朝っぱらから盛った

「んっ・・・・んんっ・・・・・・」

朝に起こしにきた海燕が見たのは、乱れた着衣の浮竹と、それを押し倒している京楽の姿だった。

「なっ・・・あんたら、朝っぱらから何してるんだ!」

「え。せっくす」

「ばか、京楽、こんな朝からなんて・・・・んんっ」

浮竹の文句は、京楽の唇に塞がれて、届かない。

「海燕君、2時間どっかいってて。2時間後にまたきてね」

そう言って、海燕を雨乾堂から追い出して、京楽は浮竹との行為を再開した。

「もう、1か月も君を抱いてない・・・いい加減、我慢の限界だよ・・・・」

「だからって、何も朝に・・・・・」

「夜になって、抱こうとしたら眠ってしまうのはどこの誰だろうね」

「どこの、誰、だろうな」

浮竹は、体を這う恋人の指に翻弄されながら、言葉を濁した。

「んっ」

胸の先端を口に含まれて、もう片方を指でひっかかれて、ぴくんと浮竹の体が反応する。

「君なしじゃ、僕は狂ってしまう」

「俺は、別にこんな行為なくてもいいんだがな・・・・」

性欲の薄い浮竹にとって、京楽と体を重ねるのは苦痛ではなかったが、自分から抱かれにいくとかいうことはほとんどなかった。

しなかったらずっとしないままで、一人で抜いて処理することもしない。

「あああ!」

死覇装を脱がされて、花茎に手をかけられて、浮竹は喘いだ。

「君は、本当に淡泊だねぇ。そのくせ、ここはとろとろに愛されることを願っている」

蕾に潤滑油で濡れた指が突き入れられる。

2時間と時間を決めたので、行為は性急だった。

「んあ!」

浮竹の花茎を手でしごきながら、もう片方の手で浮竹の体内に埋めた指をばらばらに動かしていく。

「あ!」

前立腺を刺激されて、浮竹はいってしまった。

「もういいかな?」

潤滑油を直接注ぐくらいたっぷり中までいれられて、京楽の灼熱に引き裂かれた。

「ひあああああああ!」

「ん・・・久しぶりだから、狭いね」

「んあ・・・・ああ・・・・」

ズチュリと音をたてて、突き上げられる。

「あ!」

くちゅくちゅと音をたてて、浅い部分を抉り、次に最奥まで突き上げた。

「んあ!」

浮竹は、キスをねだってきた。

「京楽・・・・キス、して・・・・」

「愛してるよ、十四郎」

「春水・・・・」

睦み合いの時だけ、下の名で呼びあった。

「んん・・・・んう」

ぴちゃりと舌が絡みあう。

「あ!あ!・・・・やっ」

背後から突き上げられて、浮竹の白い髪が宙を舞う。

「やああ!」

「十四郎・・・・・・」

浮竹の腹の奥で、京楽は熱を弾けさせた。

でも、それだけではまだ行為は終わらない。

何度も、浮竹を貫いた。

抉られ、突き上げられて、浮竹も精液を吐きだしていた。

京楽に抱かれ慣れてしまった体は、京楽の行為に敏感に反応する。

お互い何も出ないほどに貪り合って、終わった。

「うわお。1時間45分。3時間にしてもらうべきだったかな」

「海燕がくるんだろう!早く風呂に入るぞ!」

浮竹は、とろりと太腿を京楽の出した精液が伝い落ちるのも構わずに、風呂に入って体や髪を洗ったりはせずに、行為の痕を洗い流した。

京楽が、浮竹の中に出したものをかき出す。

「んっ」

「もう、そんな声ださないでよ。またしたくなっちゃう」

「ばか!」

浮竹は慌てていたが、京楽はゆっくりしていた。

一人、湯船に浸かっている。

浮竹は先にあがって、髪をかわかしていた。

長い白髪は、なかなかかわいてくれない。水分をふきとって、あとは自然乾燥に任せることにした。

「・・・・・・失礼します」

ちょうど2時間きっちり経って、海燕が現れた。

「海燕、これはだな・・・・・」

「仕事は、してもらいますからね。ああもう、また髪を乾かしてないんですか。ドライヤーあるでしょ。乾かしますよ?」

「あ、ああ、すまない」

その時、京楽が風呂からあがってきた。

「すとーっぷ。浮竹の髪を乾かすのは、僕の役目だよ」

「どっちでもいいですけど。朝餉はなしです。いい年なんだから、朝っぱらから盛らずに夜に盛ってくださいね」

「ああ、すまない・・・・・・」

全くその通りだ。

まさか京楽が朝から盛ってくるとは思っていなかったので、浮竹も頷く。

「全部、京楽が悪いんだ」

ドライヤーで浮竹の髪を乾かしながら、京楽がにんまりと笑む。

「僕が悪いでいいよ。君を抱けるなら」

「ああもう、お前は!」

浮竹は、頭を抱えた。

「気にしないでください。俺は空気になれますから。どうぞ、気にせず睦み合うなり、仕事するなり、好きにしてください」

「海燕~~~」

情けない声をあげる浮竹に、京楽はキスをする。

「空気なら、何しても・・・・」

ばきっ。

浮竹に殴られて、京楽は地面に沈んだ。

「仕事するぞ、仕事!」

海燕が、京楽を踏みつけた。

「もぎゅっ!」

「ああ、いたんですか」

絶対、わざとだった。

「海燕君・・・・空気になれるわりには、わざとだね」

「そりゃわざとですよ。体の弱い上司を、朝っぱらから抱く他の隊の隊長なんて、この雨乾堂にはいりませんから」

「でも、浮竹は拒否しなかったよ」

「そりゃ、あんたとは夫婦ですからね」

「そうだねぇ。よく夫婦っていわれる」

「ああもう、京楽も海燕も、いいから仕事するぞ仕事!京楽も仕事もってきているんだろう?」

浮竹が聞くと、京楽は仕事をまた持ち込んでいて、浮竹と並んで黒檀の文机の上に書類を置き、二人で仕事にとりかかった。

すでに10時をこえており、仕事時間には遅刻だが、さぼることのない浮竹と、浮竹と一緒にいたいがために、わざわざ8番隊から仕事を持ち込む京楽は、けっこうなスピードで仕事を片していった。

やがて昼食の時間になる。

京楽がくると思っていなかったし、指示を忘れていたので、京楽だけ一般隊士の食事をとった。浮竹は隊長だけあって、一般隊士より豪華なメニューだった。

「今日は泊まっていくんですか」

「うん」

海燕は、夕食を二人分にするように、厨房に指示を出した。

浮竹が終わらせた書類をチェックしていく海燕は、溜息をつきつつ3時の休憩時間を入れた。

「冗談抜きに、朝から盛るんは勘弁してくださいね」

「悪かった」

「隊長に言ってるんじゃありません。そこの笠を被ったどこぞの隊長に言ってるんです」

「えー、うん、まぁなるべく夜にするから」

曖昧な回答をして、京楽はへらへらと笑った。

浮竹を抱けて満足して、浮竹と同じ空間にいれることを素直に喜んでいるのだ。

全く。

海燕は思う。

自分の隊長の恋人の分まで、食事とか世話を焼かないといけないのだが、浮竹のためと思えばそれも苦でないと思う自分がいるのに、苦笑するのだった。



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