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浮竹と京楽と海燕と 苺大福

「起きろおおおおおおおおおおおお」

「いやだああああああああああ」

「起きろおおおおおおこのやろおおおおおお」

「布団ひっぺがすのやめろおおおお、海燕ーーーーーーー!」

毛布と布団にしがみついた浮竹を、海燕はめんどくさくなって、ぺっと廊下に放り投げた。

「寒い!でも毛布と布団がある!くるまれば平気だ!」

寒い空気が入ってくる縁側の廊下で、それでも浮竹は寝ようとしていた。

「ごら”あああああああああああ」

それに切れた海燕が、廊下で一人ぬくぬくしている浮竹の毛布と布団を奪った。

「寒い!この薄情者!」

「10時まで寝てるあんたが悪いんです!」

「まだ10時だろう!」

「あんたね、死神の業務開始時間9時!9時ですよ!もう1時間遅刻してますからね!」

「よそは「




よそ、うちはうち」

「がーーーーー!!!」

頭を掻きむしった海燕は、浮竹の目のまえに水のはったたらいを置いた。

「顔洗ってください。少しは眠気もすっきりするでしょうし」

浮竹は、大人しく顔を洗った。

「つめたい!タオル!」

「ばつでタオルはなしです」

「こうしてやる!」

海燕の死覇装で水気をぬぐった。

「うわ、何しやがるんだ、あんた!」

「海燕が、タオルを渡してこないからだ」

「だからって、普通人の服でふきますか!」

「俺ならふく!」

「だーーーーーー!」

朝餉を用意されて、普通に食べた。

その間も時間は進んでいく。10時半になった。

ようやくすっきりした顔で、普通の隊長達より1時間半遅く、13番隊のTOPである浮竹が動き出す。

すでに13番隊全体は仕事を始めており、たまってきた書類が回されてきた。

冬は、眠りたいという強い本心からか、仕事をする速度もその中身もほぼ完ぺきだった。

「これは昨日のだな。何故、昨日のうちに出しておかなかった」

「あんたが甘味屋いって、京楽隊長のところに泊まりにいくからです」

「う、うむまぁやむをえない事情があったんだな」

「人の話聞いてるのか、あんた」

その間も、浮竹は書類に目を通し、ハンコを押していく。

つけたす書類には、筆で文字をしたためた。

「これ、8番隊に回す仕事だな。後で俺がもっていく」

「そのまま泊まって、この前みたいにめっちゃ大遅刻したら、怒りますからね。3時のおやつ1か月抜きの刑です」

「殺生な・・・・・」

きびきびしていた浮竹が、げんなりとしおれる。

3時のおやつ抜きは、かなり堪えるらしい。

「今日のおやつは、苺大福です」

「なんと!最近人気の、現世のやつか!」

「そうです」

「よし、きびきび仕事するぞ」

夕方の6時までかかると思われた仕事も、昼休憩をとって1時からはじめた午後の部の、ちょうど3時に仕事は終わってしまった。

「相変わらず、仕事する速度は冬は早いですね。ミスもないし・・・・」

棚から苺大福をとりだして、皿にのせて浮竹の前にさしだす。

「これが苺大福・・・・」

おそるおそる、一口食べて、目を見開いた。

「苺の果実の味に大福がまっちして・・・・うーまーいー!」

「そんなに美味しいですか。まぁ、今日は特別ですよ。もう1個あげます」

「海燕、大好きだーーーーーー!」

海燕を押し倒して、苺大福をほうばっているシーンを、やってきた京楽に目撃された。

「京楽隊長、これは誤解ですから!」

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・。

そんな音をたてていると思ったら、腹の虫の音だった。

「僕にも苺大福ちょうだい」

にへらっと笑ってきたので、海燕も安堵する。

「京楽隊長はいつも3時頃には遊びにくるので、ちゃんと用意してますよ」

京楽も、苺大福が気に入ったようで、部下に買わせにいくとかいっていた。

その分、浮竹は部下に何かを買いに行かせないはしない。

どうしても欲しいものがあると、京楽に頼み込む。そして京楽は、自分の部下や家人を用いて、現世のものを買ってくる。

「いいねぇ、これ。甘味屋に売ってもらうようにしたらどうだい」

「それはナイスだ。今度、壬生の甘味屋にリクエストしておこう」

その後、壬生の甘味屋では苺大福がヒットして、繁盛している店が更に客が多くなるのだった。

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