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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます15 苺花

ルキアと恋次の間に、待望の子ができた。

妊娠していると告げられて、浮竹は意識を失った。ショックではなく、嬉しさのあまりに。

「大丈夫、浮竹?」

「ん、ああ。早く、子供を見に行こう」

浮竹に急かされて、朽木邸までやってきた。

子供が1歳になるまで、実家である朽木家で過ごすことを決めたルキアと恋次であった。

「わぁ、かわいいなぁ」

すやすやと寝ている赤子は女の子ということだった。

「名前は苺花です、浮竹隊長」

まだ産後間もないので、ベビーベッドの隣に布団をしいて、ルキアは横になっていた。

出産も、朽木家で行った。 産婆を呼んでいた。念のためにかかりつけの医師にも待機してもらっていた。

初産は、時間は少々かかったが、何の問題もなかった。

出産には恋次も立ち会った。 白哉は、別室で生まれるのを今か今かと待っていた。

「おぎゃあおぎゃあ」

生まれたのが女の子だと分かって、ちょっとした騒動になった。

男の子だと言われていたのだ。 産着から将来のための服までと、気が早い白哉は用意してしまっていた。女の子分かったので、産着はまぁいいといして、子供用の男の子用の着物がすぐに女の子用のものに変えさせた。

「兄様、気が早すぎます」

「子が成長するのは早い」

朽木家にも縁続きの姫君が生まれたのだ。

「朽木、抱いても大丈夫だろうか」

「そっとなら」

全身を実体化させて、浮竹は恐る恐るベビーベッドから苺花を抱き上げた。

苺花はすやすやと眠っていた。

「かわいいなあ。目元はなどは朽木そっくりだ。美人になるぞ」

「僕にも抱かせて」

京楽の腕の中に入ると、苺花は火がついたように泣きだした。

「なんで!?」

「ああ、多分お乳の時間なんです」

恋次も傍にいたが、浮竹と京楽を部屋の外へ追い出した。

「妻の、お乳をあげる姿を見せるわけにはいきません」

「白哉はいいのか?」

「隊長は家族なので」

浮竹と京楽が顔を見合わせた。

「なぁ、僕らも子供を」

「無理だ!産めない!」

「涅隊長に・・・・」

「却下!」

浮竹は、苺花をみてとても嬉しがり、にこにこしていたが、今は怒っていた。

「いいか、俺との間に子供を求めるな!できないのは自然の理だ!」

「うん、分かった」

京楽は、ちょっと残念そうな顔をしていた。

やがてお乳をあげ終わったことが告げられて、京楽も浮竹も苺花とルキアのいる部屋に戻った。

「女の子ということは、いつかお嫁に・・・・・・」

「浮竹隊長、気が早すぎます」

ルキアが笑っていた。

「浮竹もそう思うか。私は少し年が離れることになるが、四楓院家の当主がいいのではないかと思っておるのだ」

「兄様まで!苺花は一昨日生まれたばりなのですよ!」

ルキアに怒られて、浮竹だけでなく白哉までしょげた顔をしていた。

「ほら浮竹、もう十分でしょ。いつでも見にこれるんだから、帰るよ」

京楽は、家族の時間の邪魔をするのは悪いと、実体化したままの浮竹を引きずって、朽木家を後にした。

霊体に戻って、浮竹はぼんやりと考える。

苺花が花嫁にいく姿を、このまま拝むことがきるだろうかと。 きっと、100年以上先の話になるが、その時自分がまだこうして京楽の隣に在れるかどうか・・・・考えていると、ポロリと涙が頬を伝った。

それに、京楽がぎょっとなる。

「どうしたの。そんなに苺花ちゃんの傍にいたかったの?」

「違う。苺花ちゃんが嫁に行く頃・・・・俺は、こうしてまだ京楽と共に在れるのかと思ったら、不安で・・・・・」

「大丈夫。100年でも200年でも、このままだよ」

少しだけ実体化した浮竹を抱き寄せて、頭を撫でてやる。

「浮竹は甘えん坊だね。大丈夫、君はずっと僕の傍にいれる」

「どうして、言いきれる?」

涙を流す浮竹に口づける。

「君が僕に憑いた日から思ってた。君、存在するのに僕の霊圧を食っている」

「霊圧を?」

「そう。霊圧を食うことで、存在し続けられている。つまりは、僕が生きている以上はそのまま在れるってことだよ」

浮竹が食う霊圧の量はたかが知れていて、浮竹は気づかなかったのだろう。

他の者も気づいていない。 本人である京楽だから分かるのだ。 浮竹は泣き止んでいた。

「俺は、お前が死ぬその時まで傍にいることを誓う」

「僕も、僕が息絶えるまで君の傍にいることを誓うよ」

それは、まるで結婚式で誓いを立てるようで。 二人は、いつまでの抱き締めあっていた。 やがて、浮竹の実体化の限界時間がきて離れるが、心は寄り添いあったままだった。

「甘味屋にでも行って、気分転換でもしよう」

「ああ。食べまくるぞ!」

「そうそう、元気だして!」

浮竹は、京楽が驚くくらい甘味物を食べた。実体化するためのエネルギーにするのだ。いつしかの大食い選手権のように食べまくる浮竹に、苦笑を零す京楽であった。

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