浮竹死んだけど幽霊です憑いてます18 映画鑑賞会とレモン
年末がやってきた。
年末年始は、総隊長である京楽の仕事も休みだ。
でも、休みが少し長いせいですることもなく、暇だった。
暇なので、幽霊に触れる手袋で浮竹の頭を撫でたり、脇腹から胸にかけてを触っていると、浮竹に怒られた。
「これは、こんなセクハラまがいのことをするために、作られたわけじゃあないんだぞ!」
「ごめん」
浮竹に怒られて、京楽はしょんぼりとなった。
進化した伝令神機を使い、音楽とホログラムで映画を再生させて時間を潰した。
リングと、リング2を見た。
「貞子が・・・・・・」
「貞子おおおおお」
二人とも、作り物と分かっているのに、恐怖にかられて、浮竹は無理に実体化してまで京楽と抱きあった。
「怖かった・・・・」
「現世で一時期流行った映画らしいけど・・・洋風の映画はもっと怖いけど、和風のものはじっとりとした怖さがあるね」
「俺も幽霊だぞ?俺は恐くないのか?」
「浮竹は幽霊っていっても悪霊でもないしね。僕の恋人だ。怖いわけがない」
ふと、伝令神機で涅チャンネルをセットした。
「なんなのだネ!年末年始くらい、休みをくれないのかネ!」
「いやぁ、リングとリング2のお化けみたいな義骸、作れないかい?」
「そんなもの、作ってどうするというんだネ!」
「年末に映画鑑賞会を開くことに決めたんだ。最後に義魂丸を入れた義骸で、みんなを驚かせようと思って」
「ふむ・・・・君が思いつくわりには、面白そうじゃないか。いいネ、用意しておこう」
こうして、年末の最後に、護廷13隊の隊長副隊長全員を収集した隊首会が開かれ、それからそのまま映画鑑賞へと流れていった。
「ひいいいいいいいいい」
松本が、白目をむいて気絶した。
「おい、松本!」
日番谷も恐そうな顔をしていた。
ホラームービーが苦手な白哉に至っては、失神していた。
ずるり、ずるり。
「祟ってやる・・・・・・」
「きゃあああああ!」
ルキアが悲鳴をあげた。
長い黒髪の貞子が、画面から這い出してきたのだ。
阿鼻叫喚地獄となった。
「破道の4、白雷!」
ボン!
DVDプレイヤーと、テレビが、音を立てて壊れた。
貞子の義骸に、とどめをさしたのは日番谷だった。
「ふう・・・虚じゃないみてぇだけど、なられたら困るからな」
「いや、これみんなを驚かせようとして・・・・」
説明すると、京楽に批難ゴーゴーだった。
「こわかったんですからぁ!」
松本が、京楽の首を締め上げた。
「兄の行動は、褒めれたものではない」
「あれー朽木隊長、失神しておいてそういうこというの?」
「ぐ・・兄など、もう知らん!」
「まぁそういわずに、白哉」
幽霊の浮竹が、気分を害していたメンバーに謝ったり、ものでつったりして、機嫌をとる。
「こんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。ただ、みんなで怖がってきゃあきゃあ言おうと思ってただけなんだけど」
「君はそういうところが浅はかというんだヨ」
「涅隊長だって、喜んで貞子の義骸作ってたじゃないか」
視線が涅マユリに集中する。
「なんのことだかわからないネ。私は忙しいのでこで失礼するヨ!」
結局、みんなそれなりの恐怖を味わえたと、納得してくれた。
「あーもう、映画鑑賞会っていうから、きっとお涙ありのラブストーリーだと思ってたのに、
ホラームービーとか最悪だわ」
松本は、楽しめなかったようだった。
「あー腹立ってきた。今度の京楽×浮竹は略奪愛にしましょ。朽木隊長に美味しくもっていかれる最後に・・・・・・」
「兄は、まだ同人誌を続けているのか」
びくりとなった。
もう去ったと思っていた白哉が、まだいたのだ。
「兄の同人誌に、私を出すことは許さぬ。出した暁には、千本桜の塵になると思え」
「うわーーーーん」
松本は、泣きだした。
「松本、みっともねぇから泣くな!」
「だって隊長、朽木隊長がいじめるーーーー!」
「元はお前が悪いんだろうが!同人誌を続けるのはいいが、朽木は出すな!俺のところにまで被害が及ぶ!」
以前、恋白で同人誌を出したことがばれて、松本が普段使っている隊首室から執務室に至るまで、半壊にされたのだ。
「じゃあ、解散ってことで」
みんな、思い思いに一番隊執務室を後にする。
「あーあ、テレビとDVDプレイヤー壊れちゃったな」
「何、買いかえればいいだけだよ。お金なら腐るほどあるからね」
「全く、京楽は・・・・・」
浮竹は、日番谷に氷漬けにされた貞子の義骸から、手だけを実体化して義魂丸を出した。
恐怖用に作られており、たまに祭りで開催される「お化け屋敷」なんかに配置された義骸から取り出したもので、借り物だったのだ。
「義魂丸が無事でよかった」
「そうだね」
「壊れていたら弁償ものだぞ。義魂丸を弁償だなんて、ばかげてる」
「ねぇ、浮竹」
ふと、寂しそうな顔で京楽が切り出す。
「なんだ?」
「浮竹は、貞子みたいに悪霊にはならないでね」
「なるなら、とっくにそうなって虚になってるだろうさ」
「そうだね。浮竹が虚にもなれない幽霊でよかった」
少しだけ実体化して、京楽を抱き締めた。
「虚になるかもしれない幽霊と、抱きあえるはずないだろう?」
「うん、うん、そうだね」
キスをした。
浮竹は霊体のまま、レモンのキャンディを舐めていた。
キスは、レモンの味がした。」
年末年始は、総隊長である京楽の仕事も休みだ。
でも、休みが少し長いせいですることもなく、暇だった。
暇なので、幽霊に触れる手袋で浮竹の頭を撫でたり、脇腹から胸にかけてを触っていると、浮竹に怒られた。
「これは、こんなセクハラまがいのことをするために、作られたわけじゃあないんだぞ!」
「ごめん」
浮竹に怒られて、京楽はしょんぼりとなった。
進化した伝令神機を使い、音楽とホログラムで映画を再生させて時間を潰した。
リングと、リング2を見た。
「貞子が・・・・・・」
「貞子おおおおお」
二人とも、作り物と分かっているのに、恐怖にかられて、浮竹は無理に実体化してまで京楽と抱きあった。
「怖かった・・・・」
「現世で一時期流行った映画らしいけど・・・洋風の映画はもっと怖いけど、和風のものはじっとりとした怖さがあるね」
「俺も幽霊だぞ?俺は恐くないのか?」
「浮竹は幽霊っていっても悪霊でもないしね。僕の恋人だ。怖いわけがない」
ふと、伝令神機で涅チャンネルをセットした。
「なんなのだネ!年末年始くらい、休みをくれないのかネ!」
「いやぁ、リングとリング2のお化けみたいな義骸、作れないかい?」
「そんなもの、作ってどうするというんだネ!」
「年末に映画鑑賞会を開くことに決めたんだ。最後に義魂丸を入れた義骸で、みんなを驚かせようと思って」
「ふむ・・・・君が思いつくわりには、面白そうじゃないか。いいネ、用意しておこう」
こうして、年末の最後に、護廷13隊の隊長副隊長全員を収集した隊首会が開かれ、それからそのまま映画鑑賞へと流れていった。
「ひいいいいいいいいい」
松本が、白目をむいて気絶した。
「おい、松本!」
日番谷も恐そうな顔をしていた。
ホラームービーが苦手な白哉に至っては、失神していた。
ずるり、ずるり。
「祟ってやる・・・・・・」
「きゃあああああ!」
ルキアが悲鳴をあげた。
長い黒髪の貞子が、画面から這い出してきたのだ。
阿鼻叫喚地獄となった。
「破道の4、白雷!」
ボン!
DVDプレイヤーと、テレビが、音を立てて壊れた。
貞子の義骸に、とどめをさしたのは日番谷だった。
「ふう・・・虚じゃないみてぇだけど、なられたら困るからな」
「いや、これみんなを驚かせようとして・・・・」
説明すると、京楽に批難ゴーゴーだった。
「こわかったんですからぁ!」
松本が、京楽の首を締め上げた。
「兄の行動は、褒めれたものではない」
「あれー朽木隊長、失神しておいてそういうこというの?」
「ぐ・・兄など、もう知らん!」
「まぁそういわずに、白哉」
幽霊の浮竹が、気分を害していたメンバーに謝ったり、ものでつったりして、機嫌をとる。
「こんなつもりじゃなかったんだけどなぁ。ただ、みんなで怖がってきゃあきゃあ言おうと思ってただけなんだけど」
「君はそういうところが浅はかというんだヨ」
「涅隊長だって、喜んで貞子の義骸作ってたじゃないか」
視線が涅マユリに集中する。
「なんのことだかわからないネ。私は忙しいのでこで失礼するヨ!」
結局、みんなそれなりの恐怖を味わえたと、納得してくれた。
「あーもう、映画鑑賞会っていうから、きっとお涙ありのラブストーリーだと思ってたのに、
ホラームービーとか最悪だわ」
松本は、楽しめなかったようだった。
「あー腹立ってきた。今度の京楽×浮竹は略奪愛にしましょ。朽木隊長に美味しくもっていかれる最後に・・・・・・」
「兄は、まだ同人誌を続けているのか」
びくりとなった。
もう去ったと思っていた白哉が、まだいたのだ。
「兄の同人誌に、私を出すことは許さぬ。出した暁には、千本桜の塵になると思え」
「うわーーーーん」
松本は、泣きだした。
「松本、みっともねぇから泣くな!」
「だって隊長、朽木隊長がいじめるーーーー!」
「元はお前が悪いんだろうが!同人誌を続けるのはいいが、朽木は出すな!俺のところにまで被害が及ぶ!」
以前、恋白で同人誌を出したことがばれて、松本が普段使っている隊首室から執務室に至るまで、半壊にされたのだ。
「じゃあ、解散ってことで」
みんな、思い思いに一番隊執務室を後にする。
「あーあ、テレビとDVDプレイヤー壊れちゃったな」
「何、買いかえればいいだけだよ。お金なら腐るほどあるからね」
「全く、京楽は・・・・・」
浮竹は、日番谷に氷漬けにされた貞子の義骸から、手だけを実体化して義魂丸を出した。
恐怖用に作られており、たまに祭りで開催される「お化け屋敷」なんかに配置された義骸から取り出したもので、借り物だったのだ。
「義魂丸が無事でよかった」
「そうだね」
「壊れていたら弁償ものだぞ。義魂丸を弁償だなんて、ばかげてる」
「ねぇ、浮竹」
ふと、寂しそうな顔で京楽が切り出す。
「なんだ?」
「浮竹は、貞子みたいに悪霊にはならないでね」
「なるなら、とっくにそうなって虚になってるだろうさ」
「そうだね。浮竹が虚にもなれない幽霊でよかった」
少しだけ実体化して、京楽を抱き締めた。
「虚になるかもしれない幽霊と、抱きあえるはずないだろう?」
「うん、うん、そうだね」
キスをした。
浮竹は霊体のまま、レモンのキャンディを舐めていた。
キスは、レモンの味がした。」
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