浮竹死んだけど幽霊です憑いてます3
「そうか、朽木が隊長か!」
「はい、浮竹隊長!」
一番隊の執務室で、ルキアは京楽の隣にいる幽霊浮竹に報告した。
この度、13番隊隊長となることが決まった。
ずっと空席だった13番隊の副官になり、そしてまた空席となってしまった、浮竹の死後のその地位につくことを、ルキアがようやく決心したのだ。
「浮竹隊長、つきましては今後もいろいろご指導ください」
「いや、朽木はもう十分一人でやっていける。あとは、仙太郎と仲良くな。俺は元気にしているって伝えといてくれ」
「はい、では失礼します」
「ルキアちゃん」
「はい」
「浮竹はこう言ってるけど、ほんとは君にもっと会いたがっているから、よければこれからも一番隊の執務室に時々でいいから遊びにおいで」
「はい!」
ルキアは、顔を輝かせて出て行った。
「こら、京楽!」
怒った浮竹が、ぽかぽかと京楽を殴ってくるが、透けているので全然痛くない。
「はははは、全然痛くも痒くもないよ、浮竹」
「むすー」
膨れた浮竹がかわいくて、京楽は機嫌をとろうとする。
「おはぎ買ってあるから、食べてもいいよ」
「じゃあ、出してくれ」
「はいはい」
重箱からおはぎをだすと、さっと一つがなくなった。
全部食べられる前にと、京楽も一つ手に取って食べた。
京楽の霊圧を浴び続けている浮竹は、最近具現化する時間が長くなってきた。
そのうち、睦みあえるかもと淡く期待心を抱く京楽の心中を知らないまま、浮竹はおはぎをさっと全部食べてしまった。
おいしそうな顔をしている。幽霊だが、味は分かるのだ。
満腹感はあるが、逆に空腹感はなかった。
霊体だからだろうか。
存在にはエネルギーを使うが、そもそも食事をとる必要などはないのだが、幽霊の浮竹が食事できると知って、いつも朝から二人分の食事を用意させていた。
「さて、今日は溜まりに溜まった仕事を片付けますか」
「おう!」
浮竹も、暇なので手伝ってくれる。
といっても、見て間違いを訂正するだけだが、それでも一人でやるよりは大分と負担が減った。
「こんな時、誰かの体に入ればOKなんだろうけど、意識のある誰かに入るのってなんだかためらわれるからなぁ」
「義骸には入れないの?」
「試したことない」
そうだと思いついて、涅隊長の元にいくと、保存されていた浮竹の義骸があった。
「随分と変わった幽霊だネ。ものを食べて成仏もしないし人を祟ることもしない、まして虚でもない。研究材料にぜひほしいネ」
「ごめんこうむる!」
浮竹の義骸に、幽霊浮竹は入ってみた。ぴくりと、義骸の体が動く。
「お、成功かい?」
「んー。体全部を動かすのは無理だ。エネルギ―が足りない。そもそも霊体だから、義魂丸があるわけじゃあないから、無理みたいだ」
「そっかぁ」
京楽は残念がった。
もしも、浮竹が義骸で活動できれば、もっとスキンシップをはかれるし、むふふふなこともできると考えていたからだ。
「なんなら、浮竹隊長の義骸をもっていくかネ?ダッチワイフ代わりに」
浮竹は真っ赤になった。
「だめだぞ、京楽!」
「あ、うん。・・・・・・いらない」
少し、惹かれたのは事実だ。
浮竹の霊体が入った義骸でセックスすれば、浮竹も気持ちよくなれるんだろうかと、真剣で考え込んだほどだ。
「言っとくが、義骸に入っても、何もかんじれなかったからな」
「そうかー。残念だなー」
「お前が何を考えているのか、大体分かる」
浮竹は拗ねて、しばらく口を聞いてくれなかった。
「まぁまぁ、そんなに機嫌損ねないでよ」
「このエロ魔人が!」
「だって、もう5年近くも浮竹を抱いていないんだよ!?」
「俺がいるだけでは、ダメなのか?」
「あ、そうじゃないんだ!」
涙をポロポロと零す幽霊浮竹の涙は、本物の涙になっていた。
「顔をあげて、十四郎」
「ん」
触れられた。
どうしてかは分からない。
口づけをした。舌が絡み合う。
「僕には君が必要だ。だから、泣かないで」
「分かった」
すーっと、また体が透けていく。
もう、触れなかった。
「まだそんなところにいたのかネ。浮竹隊長を、実験体としてよこしてくれるということかネ?」
「違う!帰るぞ、浮竹」
「ああ」
一番隊の執務室に戻り、仕事の続きをする。
全部片付いたのは深夜の1時だった。
「あーもうくたくた」
見れば、幽霊浮竹もへばっていた。
「幽霊でも疲れるんだな・・・・」
浮竹は、この体どうなっているんだと、本気で思いこんだ。
「寝れたり、食事できたり、具現化できたり・・・・追加で疲れる、と」
京楽は、メモをとっておいた。
「そんなものメモして、どうするんだ?」
「何かあった時のために役に立つかなと思って」
「未練を・・・・全て忘れてしまうと、俺は成仏してしまうのかな?」
「だめだよ。成仏なんかしちゃ!」
「いや、普通成仏してくれっていうべきだろう」
「嫌だよ。せっかく浮竹が、たとえ触れなくても隣にいるんだもの。このままがいい」
「まぁ、俺も京楽をおいて成仏はしたくないな。まだまだ未来あるお前の傍で、助け合いながら過ごしていきたい」
浮竹の指には、先日温泉宿であげたエンゲージリングが光っているのであった。
「はい、浮竹隊長!」
一番隊の執務室で、ルキアは京楽の隣にいる幽霊浮竹に報告した。
この度、13番隊隊長となることが決まった。
ずっと空席だった13番隊の副官になり、そしてまた空席となってしまった、浮竹の死後のその地位につくことを、ルキアがようやく決心したのだ。
「浮竹隊長、つきましては今後もいろいろご指導ください」
「いや、朽木はもう十分一人でやっていける。あとは、仙太郎と仲良くな。俺は元気にしているって伝えといてくれ」
「はい、では失礼します」
「ルキアちゃん」
「はい」
「浮竹はこう言ってるけど、ほんとは君にもっと会いたがっているから、よければこれからも一番隊の執務室に時々でいいから遊びにおいで」
「はい!」
ルキアは、顔を輝かせて出て行った。
「こら、京楽!」
怒った浮竹が、ぽかぽかと京楽を殴ってくるが、透けているので全然痛くない。
「はははは、全然痛くも痒くもないよ、浮竹」
「むすー」
膨れた浮竹がかわいくて、京楽は機嫌をとろうとする。
「おはぎ買ってあるから、食べてもいいよ」
「じゃあ、出してくれ」
「はいはい」
重箱からおはぎをだすと、さっと一つがなくなった。
全部食べられる前にと、京楽も一つ手に取って食べた。
京楽の霊圧を浴び続けている浮竹は、最近具現化する時間が長くなってきた。
そのうち、睦みあえるかもと淡く期待心を抱く京楽の心中を知らないまま、浮竹はおはぎをさっと全部食べてしまった。
おいしそうな顔をしている。幽霊だが、味は分かるのだ。
満腹感はあるが、逆に空腹感はなかった。
霊体だからだろうか。
存在にはエネルギーを使うが、そもそも食事をとる必要などはないのだが、幽霊の浮竹が食事できると知って、いつも朝から二人分の食事を用意させていた。
「さて、今日は溜まりに溜まった仕事を片付けますか」
「おう!」
浮竹も、暇なので手伝ってくれる。
といっても、見て間違いを訂正するだけだが、それでも一人でやるよりは大分と負担が減った。
「こんな時、誰かの体に入ればOKなんだろうけど、意識のある誰かに入るのってなんだかためらわれるからなぁ」
「義骸には入れないの?」
「試したことない」
そうだと思いついて、涅隊長の元にいくと、保存されていた浮竹の義骸があった。
「随分と変わった幽霊だネ。ものを食べて成仏もしないし人を祟ることもしない、まして虚でもない。研究材料にぜひほしいネ」
「ごめんこうむる!」
浮竹の義骸に、幽霊浮竹は入ってみた。ぴくりと、義骸の体が動く。
「お、成功かい?」
「んー。体全部を動かすのは無理だ。エネルギ―が足りない。そもそも霊体だから、義魂丸があるわけじゃあないから、無理みたいだ」
「そっかぁ」
京楽は残念がった。
もしも、浮竹が義骸で活動できれば、もっとスキンシップをはかれるし、むふふふなこともできると考えていたからだ。
「なんなら、浮竹隊長の義骸をもっていくかネ?ダッチワイフ代わりに」
浮竹は真っ赤になった。
「だめだぞ、京楽!」
「あ、うん。・・・・・・いらない」
少し、惹かれたのは事実だ。
浮竹の霊体が入った義骸でセックスすれば、浮竹も気持ちよくなれるんだろうかと、真剣で考え込んだほどだ。
「言っとくが、義骸に入っても、何もかんじれなかったからな」
「そうかー。残念だなー」
「お前が何を考えているのか、大体分かる」
浮竹は拗ねて、しばらく口を聞いてくれなかった。
「まぁまぁ、そんなに機嫌損ねないでよ」
「このエロ魔人が!」
「だって、もう5年近くも浮竹を抱いていないんだよ!?」
「俺がいるだけでは、ダメなのか?」
「あ、そうじゃないんだ!」
涙をポロポロと零す幽霊浮竹の涙は、本物の涙になっていた。
「顔をあげて、十四郎」
「ん」
触れられた。
どうしてかは分からない。
口づけをした。舌が絡み合う。
「僕には君が必要だ。だから、泣かないで」
「分かった」
すーっと、また体が透けていく。
もう、触れなかった。
「まだそんなところにいたのかネ。浮竹隊長を、実験体としてよこしてくれるということかネ?」
「違う!帰るぞ、浮竹」
「ああ」
一番隊の執務室に戻り、仕事の続きをする。
全部片付いたのは深夜の1時だった。
「あーもうくたくた」
見れば、幽霊浮竹もへばっていた。
「幽霊でも疲れるんだな・・・・」
浮竹は、この体どうなっているんだと、本気で思いこんだ。
「寝れたり、食事できたり、具現化できたり・・・・追加で疲れる、と」
京楽は、メモをとっておいた。
「そんなものメモして、どうするんだ?」
「何かあった時のために役に立つかなと思って」
「未練を・・・・全て忘れてしまうと、俺は成仏してしまうのかな?」
「だめだよ。成仏なんかしちゃ!」
「いや、普通成仏してくれっていうべきだろう」
「嫌だよ。せっかく浮竹が、たとえ触れなくても隣にいるんだもの。このままがいい」
「まぁ、俺も京楽をおいて成仏はしたくないな。まだまだ未来あるお前の傍で、助け合いながら過ごしていきたい」
浮竹の指には、先日温泉宿であげたエンゲージリングが光っているのであった。
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