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海燕も味わえ

「ほらほら起きろおおおおおお」

休日の海燕の家に、浮竹は来ていた。

「のああああああ!?まだ7時だぞ!おい、都!」

寝ていた海燕の布団をひっぺがす。途端に訪れた寒気に、はっくしょんとくしゃみを一つ。

「はい、俺は誰でしょう」

「浮竹隊長・・・・・ってええええ!なんで隊長が俺の家に!」

海燕は驚くが、浮竹は淡々としていた。

「毎日毎日布団をはぎとられる俺の気持ち、少しは理解したか?」

「まさか、それだけのために俺の家にきて、俺の布団ひっぺかしたんですか?」

「そうだ」

「あんた、あほだろ」

「むきーーー」

アホといわれて、事実アホな行動をとりにきた浮竹は、怒った。

「おい都!海燕の財布で買い物にいこう!」

「ええ、あ、はい」

「ちょっと!何人んちの妻を持って行こうとしてるんですか!しかも俺の財布って」

浮竹は、海燕の財布を取り出すと、中に金が入っているのを確認して都とと一緒に瞬歩で消えてしまった。

「なんだったんだ・・・・」

10分後、瞬歩で帰宅してきた二人がもつおはぎやらの甘味の量に、海燕は使われた金を思って、叫んだ。

「これ、ほとんどあんたの好物でしょう!こんな無駄遣いして!金返せ!」

「残念ながら、今月はもう0円だ。貯蓄もないしな!」

けらけらと笑う浮竹が、悪魔に見えてきた。

「んで、自分の部下にたかりにきたんですか」

「ただの、嫌がらせだ」

勝手に、買ってきたおはぎを食べだす浮竹。

「全くこの人は・・・・・」

「いやぁ、壬生の甘味屋のおはぎがやっぱり一番だな」

「どいてください。俺も食べる」

もう買ってしまったものを、しかも食品だ。戻して金に変換するのは無理なので、海燕も食べたが、量が量なのでほとんど浮竹が一人で食べてしまった。

「最悪な嫌がらせだ」

「そうだろう。今度から起こした方変えないと、またこうやって海燕の財布を直撃するぞ」

「はあ・・・分かりましたよ。もっと優しく起こします。それで起きなかったら、外に追い出しますけどね」

「それはないだろう!」

「あんまし嫌がらせしてると、山本総隊長にちくりますよ」

「う・・・・・・・」

痛いところをつかれて、浮竹は逃げ出した。

伝令神機で、京楽のところに連絡をいれる。

雨乾堂にきたところで、京楽に捕まった。

「京楽、海燕とグルか!」

「いやね、お仕置きをしてくれと言われて・・むふふふふ」

嫌な予感がして、一歩後ろに下がる。

瞬歩で逃げ出そうとした時は、もう京楽に捕まっていた。

「俺は無実だーーー!離せーーー」

「こんなこと言ってるけど?」

「いいえ、有罪です。勝手に俺の財布使って飲食に使いました」

伝令神機から、海燕の声がした。

「海燕の卑怯者ーー!」

「悪いのはあんただろうが!このアホ!」

「あほっていうほうはあほなんだーーーーー!」

「あほが!」

「お前があほだ!」

「いいや、あんたがあほだ!」

伝令神機ごしにアホだアホだと言い続ける二人を、京楽は他人事なので、どうでもよさそうだった。

「京楽隊長、後は頼みました」

「任せなさい。浮竹、覚悟はいいかい?」

「海燕の卑怯者!ぎゃああああああああああああ!!!」

京楽に押し倒せされて、美味しく京楽が満足するまで食べられて、浮竹は流石に懲りた。

だけど、朝起きる時はやっぱり意地汚く布団にしがみついたままで、ひっぺがされなくなったけど、布団と一緒に外の廊下に放置されて、そして外の寒さに起きるのだった。

「今に覚えてろよ、海燕め・・・・・」

呪いの言葉を吐いて、今日も起き出す。

朝の8時半には毎日起きる癖がついて、しまいには朝起こされなくても起きるようになったが、結局それは一時的なものだった。











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