忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 27 28 29 30 12

甘味物中毒

「ぐ・・・・犯人は海燕だ」

ばたりと、浮竹は倒れた。

「しっかりして、浮竹!」

浮竹を抱き起こす。

8番隊の執務室にいきなり入ってきて、倒れたのだ。

最近、仕事に忙しくてここ2週間ばかり、雨乾堂を訪れていなかった。こんな場合は、よく浮竹が8番隊の執務室にくるのだが、それもなかった。

「海燕君のなにされたの!」

「2週間の甘味物断食・・・・・ガクッ」

「浮竹から甘味を奪うなんて!なんて酷い!」

「京楽隊長、本人を目の前に何言ってるんですか」

心配して、海燕がついてきていたのだ。

「海燕君、なんで浮竹に甘味の断食を?」

「ちゃんと朝に起きないからです。11時に最近おきてるんですよ?」

「それは浮竹が悪いね」

「京楽、俺の味方じゃなかったのか!」

浮竹が起き上がり、抗議する。

「でも、死神の業務開始時間は9時だよ。11時はいくらなんでも寝坊しすぎだよ」

「ちゃんと、その日の仕事はその日のうちにかたづけている!」

「それでも、浮竹、君は隊長だよ?人の上に立つ者として、しっかりしばきゃ」

「う・・・・・・」

後退るが、後ろには海燕が控えていた。

「せめて、8時半には起きなさい」

京楽が、じりじりと距離をつめてくる。

「そこだ!」

海燕が浮竹を捕まえようとすると、浮竹はひらりとそれを交わした。

代わりに、京楽に捕まった。

「離せー!11時まで寝るんだ、俺は!」

「8時半に起きるなら、3日に1回は甘味屋に連れてってあげる」

「よーし、俺は明日から8時半に起きるぞおおおお!」

切り替えの早さに、海燕ががくっときた。

「ほら、戻りますよ、隊長。今日はまだ仕事が残ってるんですから」

「鬼海燕!この姑め!」

「はいはい、好きなようにいってください」

「甘味物を補給しないと、動けないー」

駄々をこねだす浮竹に、京楽が明日にもで浮竹のところに持って行こうと思っていた、おはぎをだしてきた。

「おはぎ!甘味物!」

浮竹は、目の色をかえておはぎを食べだした。

「ああ、京楽隊長!勝手に餌付けしないでください!」

「でも、浮竹から甘味物をとりあげるのは、浮竹にとっていつも熱があるようなものなんだよ」

「そこまで甘味物に毒されてるんですか」

「うん」

浮竹を、海燕は哀れな目で見だした。

「なんだ、俺は普通だからな!ちょっと糖分が不足すると動きが鈍くなるだけだ!」

「遠征の時とかってどうしてたんでしょう」

「砂糖もっていって、それ舐めてたらしいよ」

「うわー、重症じゃないですか」

海燕の言葉に抗議する。

「重症じゃない!普通だ!甘い物が好きで飯とかで補給できないから、遠征には砂糖もっていっただけだ!」

「それがすでに重症なんです」

「普通だよな、京楽?」

「いやぁ、重症だと思うねぇ」

「でも、よく虫歯とかになりませんね」

海燕が不思議に思う。

「代々、浮竹家の血筋は虫歯になりにくいんだ。ちゃんと歯磨きもしてるしな」

「そういうものなんですか」

「虫歯だと、京楽とディープキスができないだろう」

「ああ、確かにそうですね」

「浮竹は、肺と病弱で熱を出したり倒れたりすることはあるけど、虫歯とかにはなったことがないよ」

京楽が、浮竹の頭を撫でた。

「早く、仕事片付けておいで。終わったら、甘味屋に連れてってあげるから」

「海燕、帰るぞ!ばりばり仕事するぞ!」

「本当に、えめちゃくちゃな人だな・・・・・・」

海燕は、呆れた声を出しながら、雨乾堂に戻っていく上官の後を追うのであった。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/26)
(11/25)
(11/25)
(11/22)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"