白哉が現世にやってきたその1
その日は、運命の日。
高校受験の日だって、大学受験の日だって、こんなに緊張したことはない。否、緊張というより蛇に睨まれた蛙状態で、ほんとどうしようと考えていた。
「一護、来たぞ」
穿界門をあけて、愛しいルキアがやってきた。
アパートの一室にあがってくるのは、ルキア一人ではなかった。
ルキアの義兄、朽木白哉。
凛とした佇まい。気高く美しく、そこにいるだけで桜が咲き乱れているような。
百哉は、美し青年であった。女であれば、一度は振り返りたくなるような、そんな容姿をしていた。
いやそれはどうでもいい。
うん。
「・・・・・・・物置か。住まいはどこだ?」
白哉は、一護の部屋を見た後、本当に住んでいるところがどこだろうと探し出した。
「白哉のやつ、わざとやってるのか?」
「いや兄様は本気だ。本気でここを物置だと思っているようだ」
「ごほん。あのな、白哉、あんたが物置だと思っているこの部屋が、俺の住まいなんだよ!」
白哉は雷に打たれたような衝撃を受けた。
「このような家畜小屋にルキアを・・・・・・」
「あのなぁ、現世と尸魂界は違うんだよ!俺はあんたのような貴族でも金持ちでもねぇ。今の身分で働いて住めるのは、これくらいの部屋しかねーんだよ!」
「至急、尸魂界から金を運んで屋敷を・・・・・・・・・・」
「いらねぇから!俺の家はこの部屋で十分なんだよ。それに、ルキアもこの部屋を気に入ってjくれている」
白哉に見られて、ルキアは朱くなりながらも答える。
「大きな屋敷もよいですが、この部屋はこの狭さが落ち着くのです・・・・すぐ近くに一護を感じられる」
一護も、顔を朱くさせた。
「床をともにしていると聞いたが・・・・避妊はしているのだな?」
「当たり前だろ!大事なルキアを罪人になんてできるか!」
尸魂界の決まり事。死神と人間の間で子が生まれた場合、処刑。
それは、死神の血が現世の人間に混ざらぬようにと、とられた苦肉の法律。
「本来ならば、兄がルキアを抱くことなど許しがたい。だが、ルキアがそれを望んでいるのだ。この件に関しては、もう何も言うまい」
「兄様!」
嬉しそうなルキア。
「だが、しばらくの間、私も現世にいることになった。5つ星ホテルのスウィートルームを用意してある。ルキアはどうするのだ」
5つ星のホテルのスウィートルームと聞いて、ルキアは断言した。
「兄様についていきます」
「おい、ルキア・・・・・」
「ふ。貧乏人でも体験したいであろう。兄もくるがよい」
「貧乏人は余計なんだよ!」
白哉は、死覇装に隊長羽織のままでもいかず、高級な衣服店で正装をかってきた。
何を着ても似合っていて、少し羨ましかった。
そういう一護は、入学式の時にきたスーツ姿だった。荷物の中に、ラフな格好の衣服を入れてある。
「うわあ」
ルキアが目を輝かせた。
5つ星ホテルだけあって、あまりに豪華だった。
入口をあけてくれるドアボーイがいて、白哉はチップの代わりに小さめの金の塊をあげたりしていた。ドアボーイが驚いて、こんなに要りませんというのを無視して、中に入る。
シャンデリアが美しかった。
磨かれた大理石の床は、顔が映るくらいにぴかぴかだった。
ホテルのカウンターまでいく。
「朽木白哉様、朽木ルキア様、ただの家畜様ですね?」
「おい、ただの家畜様ってなんだ」
「修正を。低劣な義妹の婚約者で」
「はい、分かりました。低劣な義妹の婚約者様ですね?」
一護の額に血管マークが浮かぶが、こんなところで喧嘩をはじめたら、死神の姿になって刀をぬくことになるので、我慢した。
平常心平常心。
「エレベーターで最上階にだ。行くぞ、ルキア、低劣な義妹の婚約者」
「お前、絶対わざとだろ!!」
エレベーターの中で襟元を締め上げると、ふっと、白哉が溜息を零した。
「この程度で怒るなど、まだまだだな。兄には、いずれ朽木家に名をつらねてもらう」
「え”・・・・・・・」
「ルキアをくださいと言ったとき、三日三晩いろいろ勉強させたであろう」
そんなもの、とっくの昔に忘れてしまっていた。
「俺、やっぱりかえ・・・・・・」
「帰さぬ」
「ぎゃああああああああああああ」
白哉に縛道でぐるぐる巻きにされて、スィートルームに連れていかれる。
このホテルのスウィートルームの値段は一晩300万。そんなの、白哉にとってははした金でしかなかった。
現世と尸魂界は通貨が違うので、ある程度札束はもってきていたが、重いだろうに金塊とかまでもってきていた。
「そもそも、白哉ではなく義兄様と呼ぶがよい」
「呼べるかーーーーーーーー!」
我慢の限界にきた一護は、死神姿になると斬月を構えた。
「ふ・・・散れ、千本桜」
流石にスィートルームの中では卍解できなくて、雨のように降る千本桜に圧された。
「兄様、一護、やめてください!せっかくのスィートルームを破壊してしまいます!」
まず、一護が刀を収めた。
次に白哉が。
「兄は、少し怒りっぽいようだな。そのあたりも、4大貴族に名をつらねるためにも修行してもらおう」
「いやだあああああああああああ!!」
逃げ出そうとする一護を、また縛道でぐるぐる巻きにして、その日は一日中白夜に貴族としてのなんたるであるかを教えられて、一護はスィートルームに泊まっといるはずが、地獄いるような一夜を味わうのであった。
その2に続く
高校受験の日だって、大学受験の日だって、こんなに緊張したことはない。否、緊張というより蛇に睨まれた蛙状態で、ほんとどうしようと考えていた。
「一護、来たぞ」
穿界門をあけて、愛しいルキアがやってきた。
アパートの一室にあがってくるのは、ルキア一人ではなかった。
ルキアの義兄、朽木白哉。
凛とした佇まい。気高く美しく、そこにいるだけで桜が咲き乱れているような。
百哉は、美し青年であった。女であれば、一度は振り返りたくなるような、そんな容姿をしていた。
いやそれはどうでもいい。
うん。
「・・・・・・・物置か。住まいはどこだ?」
白哉は、一護の部屋を見た後、本当に住んでいるところがどこだろうと探し出した。
「白哉のやつ、わざとやってるのか?」
「いや兄様は本気だ。本気でここを物置だと思っているようだ」
「ごほん。あのな、白哉、あんたが物置だと思っているこの部屋が、俺の住まいなんだよ!」
白哉は雷に打たれたような衝撃を受けた。
「このような家畜小屋にルキアを・・・・・・」
「あのなぁ、現世と尸魂界は違うんだよ!俺はあんたのような貴族でも金持ちでもねぇ。今の身分で働いて住めるのは、これくらいの部屋しかねーんだよ!」
「至急、尸魂界から金を運んで屋敷を・・・・・・・・・・」
「いらねぇから!俺の家はこの部屋で十分なんだよ。それに、ルキアもこの部屋を気に入ってjくれている」
白哉に見られて、ルキアは朱くなりながらも答える。
「大きな屋敷もよいですが、この部屋はこの狭さが落ち着くのです・・・・すぐ近くに一護を感じられる」
一護も、顔を朱くさせた。
「床をともにしていると聞いたが・・・・避妊はしているのだな?」
「当たり前だろ!大事なルキアを罪人になんてできるか!」
尸魂界の決まり事。死神と人間の間で子が生まれた場合、処刑。
それは、死神の血が現世の人間に混ざらぬようにと、とられた苦肉の法律。
「本来ならば、兄がルキアを抱くことなど許しがたい。だが、ルキアがそれを望んでいるのだ。この件に関しては、もう何も言うまい」
「兄様!」
嬉しそうなルキア。
「だが、しばらくの間、私も現世にいることになった。5つ星ホテルのスウィートルームを用意してある。ルキアはどうするのだ」
5つ星のホテルのスウィートルームと聞いて、ルキアは断言した。
「兄様についていきます」
「おい、ルキア・・・・・」
「ふ。貧乏人でも体験したいであろう。兄もくるがよい」
「貧乏人は余計なんだよ!」
白哉は、死覇装に隊長羽織のままでもいかず、高級な衣服店で正装をかってきた。
何を着ても似合っていて、少し羨ましかった。
そういう一護は、入学式の時にきたスーツ姿だった。荷物の中に、ラフな格好の衣服を入れてある。
「うわあ」
ルキアが目を輝かせた。
5つ星ホテルだけあって、あまりに豪華だった。
入口をあけてくれるドアボーイがいて、白哉はチップの代わりに小さめの金の塊をあげたりしていた。ドアボーイが驚いて、こんなに要りませんというのを無視して、中に入る。
シャンデリアが美しかった。
磨かれた大理石の床は、顔が映るくらいにぴかぴかだった。
ホテルのカウンターまでいく。
「朽木白哉様、朽木ルキア様、ただの家畜様ですね?」
「おい、ただの家畜様ってなんだ」
「修正を。低劣な義妹の婚約者で」
「はい、分かりました。低劣な義妹の婚約者様ですね?」
一護の額に血管マークが浮かぶが、こんなところで喧嘩をはじめたら、死神の姿になって刀をぬくことになるので、我慢した。
平常心平常心。
「エレベーターで最上階にだ。行くぞ、ルキア、低劣な義妹の婚約者」
「お前、絶対わざとだろ!!」
エレベーターの中で襟元を締め上げると、ふっと、白哉が溜息を零した。
「この程度で怒るなど、まだまだだな。兄には、いずれ朽木家に名をつらねてもらう」
「え”・・・・・・・」
「ルキアをくださいと言ったとき、三日三晩いろいろ勉強させたであろう」
そんなもの、とっくの昔に忘れてしまっていた。
「俺、やっぱりかえ・・・・・・」
「帰さぬ」
「ぎゃああああああああああああ」
白哉に縛道でぐるぐる巻きにされて、スィートルームに連れていかれる。
このホテルのスウィートルームの値段は一晩300万。そんなの、白哉にとってははした金でしかなかった。
現世と尸魂界は通貨が違うので、ある程度札束はもってきていたが、重いだろうに金塊とかまでもってきていた。
「そもそも、白哉ではなく義兄様と呼ぶがよい」
「呼べるかーーーーーーーー!」
我慢の限界にきた一護は、死神姿になると斬月を構えた。
「ふ・・・散れ、千本桜」
流石にスィートルームの中では卍解できなくて、雨のように降る千本桜に圧された。
「兄様、一護、やめてください!せっかくのスィートルームを破壊してしまいます!」
まず、一護が刀を収めた。
次に白哉が。
「兄は、少し怒りっぽいようだな。そのあたりも、4大貴族に名をつらねるためにも修行してもらおう」
「いやだあああああああああああ!!」
逃げ出そうとする一護を、また縛道でぐるぐる巻きにして、その日は一日中白夜に貴族としてのなんたるであるかを教えられて、一護はスィートルームに泊まっといるはずが、地獄いるような一夜を味わうのであった。
その2に続く
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