院生時代のの部屋23
朝起きると、隣に京楽の顔があった。
頭痛がする、二日酔いだろうか。多分自分が悪いので、その日浮竹は京楽を蹴り落とさなかった。
いつもなら「起きろ!」と叫んで、ベッドから蹴り落とすのだが。
「いたたたた・・・・・」
ズキズキする頭痛に、自分で回道をかけて、痛み止めの薬を飲んだら随分とましになった。
浮竹の昨日の記憶は、京楽の杯に自分の好きな果実酒を注いだところで止まっていた。体は軽しいしどこにも異常はないので、酒に酔った勢いで体を重ねた、というわけでもなさそうだ。
それに安心する。
一度、過ちでもそんな関係に陥ってしまったら、もう元には戻れないだろう。
今の、親友であれる関係が一番いいのだ。多分。
京楽は、浮竹が頷くまで何度も告白してくる。アピールしてくる。それを無視して、親友でいようとするのだが、浮竹がしぶればしぶるほど燃えるのか、だんだん変態じみてきて、否、今はもうただの変態である。
「うふふ・・・・・・ああん、浮竹そこはだめ・・・・・」
浮竹の笑顔をプリントアウトした抱き枕を抱き締めて、京楽はむにゃむにゃと寝言を言う。
いかがわしい夢でも見てるのだろう。
蹴り起こしてやろうかと思ったが、この前熱を出したときずっと傍で看病してくれたことを思いだし、思いとどまる。
「今日だけだからな」
まだ朝も早い。
浮竹は、京楽のいる自分のベッドで眠るわけにもいかず、空いていた京楽のベッドに横になった。
「京楽の匂いがする・・・」
柑橘系の、香水の匂い。あと、お日様の匂い。安心する。
はっ。
何を考えていた俺!?
そう突っ込みをいれて、冷静になり、そのまま眠気に任せて二度寝をした。
起きると、朝の9時半だった。
とっくの昔に授業が始まっている。
「京楽、何故起こさなかった!」
浮竹のベッドのほうをみると、京楽はまだ眠っていた。否、苦しそうにしていた。
「京楽?」
額に手をあててみる。すごい熱だった。
いつもは熱を出す自分だから分かる。きっと、悪寒と吐き気と眩暈、それに喉と関節が痛いだろう。多分、風邪だ。
京楽も熱を出すとき大抵風邪だった。
浮竹は、一度学院に登校し、今日は休むと告げて寮の部屋まで戻ってきた。
「浮竹・・・?」
京楽が、熱で潤んだ瞳で見上げてくる。
「今、氷水でタオルひたしてるから、少し待て」
ぎゅっとしぼり、それを京楽の額に当てると、京楽はとても気持ちよさそうだった。
「これが、いつも浮竹の味わっている世界か・・・・酷いもんだね」:
視界がくらくらして、まともに浮竹の姿をとらえれない。
本当なら、おはようのキスが欲しいが、風邪をうつすわけにもいかず、大人しくしていた。
「食欲はあるか?」
「ないけど」
「お粥をつくるから、食欲がなくても数口でいいから食え。薬が飲めない」
空腹に薬をいれても効果は半減する。
「浮竹が作ってくれるの?」
「これでも、弟や妹を世話して食事を作ったりしていた。腕は悪くないはずだ」
卵粥をつくり、京楽のもとにもっていくと、少し熱が下がったのか、半身を起こしていた。
「無理をするな」
「でも、半身起こさなきゃ、お粥食べれないでしょ。はい、口あけるから、あーんして食べさせてね」
「お前な・・・・・」:
「いいじゃない。熱を出したときくらい、甘えさせてよ」
「仕方のないやつだな・・・・・」
浮竹は、京楽に冷ました粥を一口ずつ食べさせていく。
「おいしいね」
「だから、腕は悪くないといっただろう」
「浮竹の知らなかった一面を知れて、嬉しいよ」
結局、食用がないといいながら、お粥を全部平らげた京楽に、浮竹は解熱剤と常備薬である風邪薬を飲ませた。
「浮竹に飲ませて欲しいけど、風邪うつしちゃだめだからね・・・・・」
「薬くらい自力で飲め、このバカ」
「夕飯は鮭いりの粥がいい」
「ああ、分かった。買いだしにいってくるから、ちゃんと寝てろよ」
浮竹は、食材を求めて街に出かけてしまった。
「さて暇だね・・・・そうか、このベッド浮竹のベッドか!道理で甘いにおいがするはずだ」
京楽は、浮竹のベッドの上でひたすらシーツや枕の匂いをかいでいた。
浮竹は、赤子の頃に花の神に捧げられて愛されたせいで、甘い花の香を体や髪から自然とにおいただよわせる体質だった。
香水など、いるはずもない。
シャンプーや石鹸にの匂いを漂わせる風呂上がりの浮竹は、生まれ持った匂いといあいまって、なんとも男心をくすぐる甘ったるい匂いを漂わせていることがある。
そのせいもあり、浮竹は公共浴場にいくのを嫌がる。
女生徒が圧倒的に少ないこの学院では、男でも性の対象として見られることが多い。麗人である浮竹は3回生だが、年下から年上まで、とにかく女生徒だけでなく男子生徒にももてた。
それに辟易をとしている浮竹に、京楽が告白した。
そのニュースは一夜で学院内をかけまわり、以後浮竹に告白してくる者は数がぐっと減った。京楽家ににらまれれば、学院を退学にさせられることもあるのだ。
ある先輩は、浮竹に断られたのに強引に関係を結ぼうとして、それを知った京楽の手によって、学院を退学の上に警邏隊に強姦未遂で捕まり、1年の投獄の刑にされた。、
それを知ってから、浮竹の周りで京楽以外の者が、愛を囁くことはなくなった。
「浮竹愛してるよ・・・・早く帰ってこないかなぁ」
そんなことを考えていると、解熱剤にふくまれていた眠剤成分と、風邪薬の中に含まれていた鎮静剤の効果で、眠ってしまった。
数時間後に起きると、熱は平熱まで下がっていた。
いい匂いがして、キッチンの方を見る。
浮竹が、鮭いりの粥をつくってくれていた。
「できたぞ」
「はい、あーん・・・・・・」
口を開くが、浮竹は食べさせてくれなかった。
「熱が下がっているだろう。自力で食え」
「ちぇっ・・・・」
浮竹のお粥は、これまだ美味だった。
「君、料理人でもやっていけそうだね」
「ばかいうな。俺は死神になるんだ」
「そして、僕のお嫁さんになるんだね」
頭をはたかれた。
「愛が痛い!病み上がりなのに!」
「もう具合は全然平気みたいだな。安心した」
「僕のこと、心配してくれてたの?」
「当たり前だ!大前は俺の大切な・・・・・親友だからな」
「親友かぁ。そこが恋人ならいいのになぁ」
「それより、ベッドを交換しろ。もう、動けるだろう?俺のベッドを占領するな」
「ちぇっ。せっかく浮竹の匂いをかいでいたのに」
「かぐな!この変態がっ!」
「そうだよ。僕は浮竹に関しては変態だからね」
ついに認めやがった・・・・・・・そう思いながら、浮竹は溜息を零した。
「ああ、昨日の浮竹は可愛かったなぁ・・・・酔っぱらって甘えてきて・・・キスしてくれっていったり、もっとハグしてって・・・・・」:
「記憶から抹消しろ」
浮竹が、笑顔で血管マークを浮かべながら、いつまでも自分のベッドを占領する親友を、蹴り落とした。
「ぎゃっ!」
尻もちをついら京楽を無視して、どこからとりだしたのか、ファブリーズのようばもので、シーツと布団を消毒する。
「酷いなぁ。僕は病原菌じゃないよ」
「同じようなものだ」
隅々まで消毒して、やっと納得がいったのか、浮竹は自分のベッドに腰かけた。
「ああっ、でも僕が浮竹のベッドを占領していたということは、浮竹は僕のベッド眠って・・・・・(*´Д`)ハァハァ」
はぁはぁ息の洗い変態を、張り倒す。
「ああっ、愛が痛い!」
京楽は、愛が痛いと次の日もうるさかったので、水をぶっかけると、愛が寒いとかいいだすのだった。
頭痛がする、二日酔いだろうか。多分自分が悪いので、その日浮竹は京楽を蹴り落とさなかった。
いつもなら「起きろ!」と叫んで、ベッドから蹴り落とすのだが。
「いたたたた・・・・・」
ズキズキする頭痛に、自分で回道をかけて、痛み止めの薬を飲んだら随分とましになった。
浮竹の昨日の記憶は、京楽の杯に自分の好きな果実酒を注いだところで止まっていた。体は軽しいしどこにも異常はないので、酒に酔った勢いで体を重ねた、というわけでもなさそうだ。
それに安心する。
一度、過ちでもそんな関係に陥ってしまったら、もう元には戻れないだろう。
今の、親友であれる関係が一番いいのだ。多分。
京楽は、浮竹が頷くまで何度も告白してくる。アピールしてくる。それを無視して、親友でいようとするのだが、浮竹がしぶればしぶるほど燃えるのか、だんだん変態じみてきて、否、今はもうただの変態である。
「うふふ・・・・・・ああん、浮竹そこはだめ・・・・・」
浮竹の笑顔をプリントアウトした抱き枕を抱き締めて、京楽はむにゃむにゃと寝言を言う。
いかがわしい夢でも見てるのだろう。
蹴り起こしてやろうかと思ったが、この前熱を出したときずっと傍で看病してくれたことを思いだし、思いとどまる。
「今日だけだからな」
まだ朝も早い。
浮竹は、京楽のいる自分のベッドで眠るわけにもいかず、空いていた京楽のベッドに横になった。
「京楽の匂いがする・・・」
柑橘系の、香水の匂い。あと、お日様の匂い。安心する。
はっ。
何を考えていた俺!?
そう突っ込みをいれて、冷静になり、そのまま眠気に任せて二度寝をした。
起きると、朝の9時半だった。
とっくの昔に授業が始まっている。
「京楽、何故起こさなかった!」
浮竹のベッドのほうをみると、京楽はまだ眠っていた。否、苦しそうにしていた。
「京楽?」
額に手をあててみる。すごい熱だった。
いつもは熱を出す自分だから分かる。きっと、悪寒と吐き気と眩暈、それに喉と関節が痛いだろう。多分、風邪だ。
京楽も熱を出すとき大抵風邪だった。
浮竹は、一度学院に登校し、今日は休むと告げて寮の部屋まで戻ってきた。
「浮竹・・・?」
京楽が、熱で潤んだ瞳で見上げてくる。
「今、氷水でタオルひたしてるから、少し待て」
ぎゅっとしぼり、それを京楽の額に当てると、京楽はとても気持ちよさそうだった。
「これが、いつも浮竹の味わっている世界か・・・・酷いもんだね」:
視界がくらくらして、まともに浮竹の姿をとらえれない。
本当なら、おはようのキスが欲しいが、風邪をうつすわけにもいかず、大人しくしていた。
「食欲はあるか?」
「ないけど」
「お粥をつくるから、食欲がなくても数口でいいから食え。薬が飲めない」
空腹に薬をいれても効果は半減する。
「浮竹が作ってくれるの?」
「これでも、弟や妹を世話して食事を作ったりしていた。腕は悪くないはずだ」
卵粥をつくり、京楽のもとにもっていくと、少し熱が下がったのか、半身を起こしていた。
「無理をするな」
「でも、半身起こさなきゃ、お粥食べれないでしょ。はい、口あけるから、あーんして食べさせてね」
「お前な・・・・・」:
「いいじゃない。熱を出したときくらい、甘えさせてよ」
「仕方のないやつだな・・・・・」
浮竹は、京楽に冷ました粥を一口ずつ食べさせていく。
「おいしいね」
「だから、腕は悪くないといっただろう」
「浮竹の知らなかった一面を知れて、嬉しいよ」
結局、食用がないといいながら、お粥を全部平らげた京楽に、浮竹は解熱剤と常備薬である風邪薬を飲ませた。
「浮竹に飲ませて欲しいけど、風邪うつしちゃだめだからね・・・・・」
「薬くらい自力で飲め、このバカ」
「夕飯は鮭いりの粥がいい」
「ああ、分かった。買いだしにいってくるから、ちゃんと寝てろよ」
浮竹は、食材を求めて街に出かけてしまった。
「さて暇だね・・・・そうか、このベッド浮竹のベッドか!道理で甘いにおいがするはずだ」
京楽は、浮竹のベッドの上でひたすらシーツや枕の匂いをかいでいた。
浮竹は、赤子の頃に花の神に捧げられて愛されたせいで、甘い花の香を体や髪から自然とにおいただよわせる体質だった。
香水など、いるはずもない。
シャンプーや石鹸にの匂いを漂わせる風呂上がりの浮竹は、生まれ持った匂いといあいまって、なんとも男心をくすぐる甘ったるい匂いを漂わせていることがある。
そのせいもあり、浮竹は公共浴場にいくのを嫌がる。
女生徒が圧倒的に少ないこの学院では、男でも性の対象として見られることが多い。麗人である浮竹は3回生だが、年下から年上まで、とにかく女生徒だけでなく男子生徒にももてた。
それに辟易をとしている浮竹に、京楽が告白した。
そのニュースは一夜で学院内をかけまわり、以後浮竹に告白してくる者は数がぐっと減った。京楽家ににらまれれば、学院を退学にさせられることもあるのだ。
ある先輩は、浮竹に断られたのに強引に関係を結ぼうとして、それを知った京楽の手によって、学院を退学の上に警邏隊に強姦未遂で捕まり、1年の投獄の刑にされた。、
それを知ってから、浮竹の周りで京楽以外の者が、愛を囁くことはなくなった。
「浮竹愛してるよ・・・・早く帰ってこないかなぁ」
そんなことを考えていると、解熱剤にふくまれていた眠剤成分と、風邪薬の中に含まれていた鎮静剤の効果で、眠ってしまった。
数時間後に起きると、熱は平熱まで下がっていた。
いい匂いがして、キッチンの方を見る。
浮竹が、鮭いりの粥をつくってくれていた。
「できたぞ」
「はい、あーん・・・・・・」
口を開くが、浮竹は食べさせてくれなかった。
「熱が下がっているだろう。自力で食え」
「ちぇっ・・・・」
浮竹のお粥は、これまだ美味だった。
「君、料理人でもやっていけそうだね」
「ばかいうな。俺は死神になるんだ」
「そして、僕のお嫁さんになるんだね」
頭をはたかれた。
「愛が痛い!病み上がりなのに!」
「もう具合は全然平気みたいだな。安心した」
「僕のこと、心配してくれてたの?」
「当たり前だ!大前は俺の大切な・・・・・親友だからな」
「親友かぁ。そこが恋人ならいいのになぁ」
「それより、ベッドを交換しろ。もう、動けるだろう?俺のベッドを占領するな」
「ちぇっ。せっかく浮竹の匂いをかいでいたのに」
「かぐな!この変態がっ!」
「そうだよ。僕は浮竹に関しては変態だからね」
ついに認めやがった・・・・・・・そう思いながら、浮竹は溜息を零した。
「ああ、昨日の浮竹は可愛かったなぁ・・・・酔っぱらって甘えてきて・・・キスしてくれっていったり、もっとハグしてって・・・・・」:
「記憶から抹消しろ」
浮竹が、笑顔で血管マークを浮かべながら、いつまでも自分のベッドを占領する親友を、蹴り落とした。
「ぎゃっ!」
尻もちをついら京楽を無視して、どこからとりだしたのか、ファブリーズのようばもので、シーツと布団を消毒する。
「酷いなぁ。僕は病原菌じゃないよ」
「同じようなものだ」
隅々まで消毒して、やっと納得がいったのか、浮竹は自分のベッドに腰かけた。
「ああっ、でも僕が浮竹のベッドを占領していたということは、浮竹は僕のベッド眠って・・・・・(*´Д`)ハァハァ」
はぁはぁ息の洗い変態を、張り倒す。
「ああっ、愛が痛い!」
京楽は、愛が痛いと次の日もうるさかったので、水をぶっかけると、愛が寒いとかいいだすのだった。
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