禁忌という名の番外編 リピート
それは、願い。
どうかどうか、京楽がこちら側へきませんように。
一度散ってしまった命だ、浮竹の命は。
京楽が、オリジナルの一房の白い髪から作り上げられた霊骸のクローン。
それが今の浮竹だった。
涅マユリの手で生み出されたクローンである浮竹には、花の神によって与えられた特殊な義魂丸が入ってる。
それが今の浮竹だった。
オリジナルの浮竹がもっているはずの記憶を、完全ではないがもっていた。
たくさん愛された。偽りの命でありながら、1年という限られた時間ではあったが、愛され愛しあった。
1年が経った。
お別れの時間になった。
笑って別れようと思っていたのに、涙が止まらなかった。
ああ。
お前は、こちら側にくるな。
でも、京楽はこちら側へくることを選んだ。
たくさんのありがとうを。
一緒に落ちてくる京楽に。
京楽には、生きていて欲しかった。でも、「俺」という存在をつくりだすほどに浮竹を愛していた京楽には、たとえ偽りでも「俺」という名の浮竹を失うのは、もう我慢ができなかったのだろう。
ゆらりと、水底で花の神の愛児となり、眠りにつく二人はまた始める。
二人の物語を。
「俺は、浮竹十四郎という」
「京楽春水だよ」
学院で出会った、違う世界線の二人に、花の神は水底に眠る愛児たちの記憶を与えた。
学院で、たくさんの人が見ている中、二人は逃げるようにお互いの手を取り合って走り出した。
誰もいないのを確認する。
「本当に、浮竹?これは夢じゃないの?」
今の京楽には、過去に浮竹と一緒に落ちることを選んだ記憶があった。
「お前こそ、本当に京楽なのか?」
クローンの浮竹であった記憶が、今の浮竹の中にあった。
「これは現実なのか・・・・」
「本当の本当に?」
二人は、涙をぼろぼろ零しながら、抱き合った。
口づける。
お互い、甘い花の香がした。
「この世界の未来はもう知っている。浮竹、一緒にこの世界をユーハバッハの手から守ろう」
500年以上先の未来まで知っている。
「ああ。俺はもう神掛もしないし、ミミハギ様を失ったりしない。未来を知る俺たちなら、ユーハバッハが完全に目覚めるまでになんとかできそうだ」
もう、二度とこの世界で失わないようにと。
山本元柳斎重國と卯ノ花烈も死なないような、未来を描こう。
誰もが、笑顔でいられるような未来を。
「おっと、授業には出なきゃいけないね」
「そうだな。お互い卍解もできるだろうが、まだ斬魄刀もない。鍛錬して、霊圧を高めないと、未来でユーハバッハと戦えない」
この世界で、もう誰も散ることのないように。
世界の歴史を捻じ曲げるだろう。
そうなることで、この世界がどうなるかは分からない。
それでも。
それでも、もう一度
「君」と
「お前」と
生きることができるのならば。
本望。
永遠の愛を
「君」へ
「お前」へ
どうかどうか、京楽がこちら側へきませんように。
一度散ってしまった命だ、浮竹の命は。
京楽が、オリジナルの一房の白い髪から作り上げられた霊骸のクローン。
それが今の浮竹だった。
涅マユリの手で生み出されたクローンである浮竹には、花の神によって与えられた特殊な義魂丸が入ってる。
それが今の浮竹だった。
オリジナルの浮竹がもっているはずの記憶を、完全ではないがもっていた。
たくさん愛された。偽りの命でありながら、1年という限られた時間ではあったが、愛され愛しあった。
1年が経った。
お別れの時間になった。
笑って別れようと思っていたのに、涙が止まらなかった。
ああ。
お前は、こちら側にくるな。
でも、京楽はこちら側へくることを選んだ。
たくさんのありがとうを。
一緒に落ちてくる京楽に。
京楽には、生きていて欲しかった。でも、「俺」という存在をつくりだすほどに浮竹を愛していた京楽には、たとえ偽りでも「俺」という名の浮竹を失うのは、もう我慢ができなかったのだろう。
ゆらりと、水底で花の神の愛児となり、眠りにつく二人はまた始める。
二人の物語を。
「俺は、浮竹十四郎という」
「京楽春水だよ」
学院で出会った、違う世界線の二人に、花の神は水底に眠る愛児たちの記憶を与えた。
学院で、たくさんの人が見ている中、二人は逃げるようにお互いの手を取り合って走り出した。
誰もいないのを確認する。
「本当に、浮竹?これは夢じゃないの?」
今の京楽には、過去に浮竹と一緒に落ちることを選んだ記憶があった。
「お前こそ、本当に京楽なのか?」
クローンの浮竹であった記憶が、今の浮竹の中にあった。
「これは現実なのか・・・・」
「本当の本当に?」
二人は、涙をぼろぼろ零しながら、抱き合った。
口づける。
お互い、甘い花の香がした。
「この世界の未来はもう知っている。浮竹、一緒にこの世界をユーハバッハの手から守ろう」
500年以上先の未来まで知っている。
「ああ。俺はもう神掛もしないし、ミミハギ様を失ったりしない。未来を知る俺たちなら、ユーハバッハが完全に目覚めるまでになんとかできそうだ」
もう、二度とこの世界で失わないようにと。
山本元柳斎重國と卯ノ花烈も死なないような、未来を描こう。
誰もが、笑顔でいられるような未来を。
「おっと、授業には出なきゃいけないね」
「そうだな。お互い卍解もできるだろうが、まだ斬魄刀もない。鍛錬して、霊圧を高めないと、未来でユーハバッハと戦えない」
この世界で、もう誰も散ることのないように。
世界の歴史を捻じ曲げるだろう。
そうなることで、この世界がどうなるかは分からない。
それでも。
それでも、もう一度
「君」と
「お前」と
生きることができるのならば。
本望。
永遠の愛を
「君」へ
「お前」へ
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