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禁忌という名の番外編「一緒に」

涅マユリに作られた、クローン体である浮竹は、今日も京楽と共にいた。

「なぁ、京楽」

「なんだい、浮竹」

「もう、春だな。そのうち桜が咲きそうだ。4月15日で、俺は生まれて1年になる」

「そうだね。時が経つのは早いね」

「誕生にプレゼント、今欲しいって言ったら、怒るか?」

「ううん、怒らないよ」

「お前を、くれ」

「え」

「お前がほしい」

浮竹は、京楽にキスをした。

京楽は驚きながらも、浮竹を抱き上げて、寝室にやってきた。

「ん・・・ふあっ」

舌が絡み合う口づけをしながら、互いに服を脱がし合う。

「春水、愛してる」

「僕も愛してるよ、十四郎」

互いに裸になって、京楽は浮竹の肌を愛撫した。

「あ・・・・・・」

真っ白なその肌に、所有者の証を残していく。

「もっと、してくれ。お前のものだって証拠を、俺にくれ」

「十四郎、好きだよ」

胸の先端を口に含んで転がすと、浮竹は京楽の黒髪を掴んだ。

「あ、あ・・・・・」

「こっち、もう濡れてるね」

浮竹は花茎は、顔をもたげて先走りの蜜を零していた。

「あ!」

口に含まれて、浮竹は甲高い声をあげた。

「や、あ、はぁっ・・・・・あ、あ」

京楽の与える刺激で、浮竹はあっけなく京楽の口の中に精液を放ってしまった。

「あ・・・・飲んだのか」

「うん」

「バカ・・・・・」

浮竹は赤くなった。

京楽は、浮竹の額と頬に口づけをして、潤滑油を取り出した。

「あ・・・・」

「解すから。リラックスしてね」

「んん・・・・冷た・・・」

「ちょっと辛抱してね」

指が一本中に入ってくる。

くちゅりと音をたてて、蕾の入り口に円を描いてから指が入ってきた。

「んっ」

指はくにくにと動かされて、二本、三本と増やされていく。

「ああ!」

いい場所を刺激されて、浮竹は背を弓ぞらせた。

「も、いいから・・・こい」

「まだ、だめだよ」

ぐちゅぐちゅと指で愛撫されて、浮竹は軽くドライでいってしまった。

「あああ!」

「いちゃったの?出してない、みたいだけど・・・・」

「もう、いいから、早く来い。俺の中にこい」

「いれるよ」

「んっ・・・・」

京楽は、猛ったもので浮竹を引き裂いた。

「あああ!」

「痛い?」

「だい、じょうぶ・・・・・」

京楽は、浮竹の中に全てを埋め込むと、しばらく動かなかった。

「もう、動いて大丈夫?」

「大丈夫だ。あ、あ、あ!」

浮竹の右足を肩に担ぎあげて、正常位で浮竹を犯した。

「あ!んあ!」

最奥に突きいれては、入り口近くまで戻る。そんな行為を数回繰り返して、京楽は浮竹に問う。

「中に出すよ?」

「あ、奥に・・・・胎の奥に、出せ」

「んっ・・・・・ああ、きもちいいね」

浮竹の胎の奥で弾けた熱は、ドロドロに溶けて浮竹の中に染み込んでいく。

「あ・・・」

騎乗位にされて、浮竹が戸惑った。

「大丈夫。僕の首にしがみついてて」

「わかった」

下から突き上げられて、浮竹は白い髪を宙に舞わせた。

「あ、あ、あ!ん・・・・・・ああ!」

京楽の首にしがみついて、浮竹は何度か突き上げられると、自分の腹に精を弾けさせた。

「ああ、一緒にいけなかったね・・・まぁいいや。また出すよ」

「あ、奥に・・・・・」

「うん」

京楽は、また熱を浮竹の中に放っていた。

ズルリとひきぬかれて、こぽりと白濁した液体と潤滑油が混じったものが溢れてくる。

それを濡れたタオルでふき取ってから、二人は風呂に入って、浮竹は京楽に中に出したものをかき出してもらった。


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花の神によって作り出された特別な義魂丸でできた浮竹は、生前の浮竹と何一つとして変わっていなかった。

肺の病もあるし、病弱だ。

それでも、浮竹は京楽と共に生きた。

1年という、短い限られた時間を。

京楽は気づいていた。

浮竹に残された時間が少ないことを。

それでも、ただひたすら純粋に愛した。

「君をもう失いたくない。今度君がいなくなったら、僕は生きていけない」

「京楽、俺は、もうすぐ・・・・・・」

「言わないで、浮竹」

京楽は、浮竹を抱きしめていた。

涙が溢れた。

京楽と離れたくない。

でも、残された時間は少ない。

「僕は、君に巡り合ったことに後悔はしていないんだ。たとえ禁忌でも、またこうして君に会えたから。君を愛せたから」

「俺も、京楽お前のことが好きだ。ずっと一緒にいたい」

「ずっと一緒にいようよ」

でも、残された命の期間はあと1カ月もない。

それでも。

それでも、離れられない。

きっと、京楽は浮竹が死ぬ時、同じ場所に落ちていくだろう。

花の神の愛児として散っていく浮竹と共に。

「ねぇ」

「なんだ?」

「誓って。ずっと、僕の傍にいるって」

「ああ。誓う。俺は、お前の傍にいる。たとえこの命が潰えても、お前の傍に・・・・」

浮竹は花の甘い香りがした。

花の神に愛されている証。

愛児として、義魂丸という形で授けられた命。

涅マユリにクローン体として作り出されて、花の神によって義魂丸という形で命を授かり、もうすぐ1年になる。

1年が、浮竹がクローンでありながらも、生前の記憶を持って生きていられる命の限られた時間だ。

「僕は、君を離さない」

浮竹をきつく抱きしめて、京楽は浮竹の白い髪に顔を埋めた。

「京楽。お前と出会えて、よかった・・・・・」

禁忌の果てに、命を授かって。

禁忌の果てに、愛し合って。

そして禁忌の果てのせいで、散りゆこうとしている。

なぁ、京楽。

俺が我儘なんだ。

俺が死んだら、お前は・・・・・・。

お前も、こっちに、きてくれるか?

なぁ、京楽。

ずっと一緒にいてくれるなら、こちら側に落ちてきてくれるか?


静かな水底へ。

魂の末路へ。

花の神と一緒に、散って散って、魂だけの存在となっても、傍にいてくれるか?


なぁ。

「京楽・・・・一緒に、いて、くれるか・・・・・」

たくさんのものを犠牲にしても、俺の傍に。

なぁ、京楽。

俺は、それを望むんだ。

お前が、俺と一緒に落ちてきてくることを。



「愛してる」


それだけは、偽りのない真実。

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