緋真の命日
「春だな・・・・・」
桜の満開の季節、白哉は恋次を呼んで、ルキアと一護と共に、庭で花見をした。
「朽木家の桜は、ほんとにすごいっすね」
「当たり前であろう!兄様の斬魄刀が千本桜と分かって、桜の木をたくさ植えたのだ!」
ルキアが、さも自分のことのように得意げになる。
「おい、ルキア」
「なんだ一護」
「せっかくの花見なんだから、二人きりにさせてやろうぜ」
「ふむ、それもそうだな。では兄様、私と一護は向こうの方で花見をします故、好きなだけいちゃついてください」
ルキアの言葉に、ぴくりと眉を動かしたが、感情には出さなかった。
「一護のやつ、気が利きますね」
「別に、お前と二人きりでなくともよかったのに」
「まぁ、そう言わずに。酒でも飲みましょう」
恋次が、白哉に杯をもたせて、高級酒を注ぐ。
それを、白哉は一気に飲み干した。
恋次も、同じ酒を飲んでみる。その酒の強さに、顔をしかめた。
「隊長、この酒きつすぎます。違う酒持ってきますね」
そう言って、恋次は朽木家の厨房に消えていった。
白哉は、その強い酒を何度か飲んで、残りを桜の木にかけた。
「緋真・・・桜の花が満開だぞ・・・・そなたの笑顔のようだ」
帰ってきた恋次に、その言葉の全てを聞かれていた。
「隊長、俺と居る時は、俺を見てください」
「すまぬ・・・・軽率であった」
死人に嫉妬しても、何にもならない。
白哉の心は手に入れた。でも、緋真を愛する心までは、何があろうとも奪えなかった。
「こっちの酒なら、そんなに強くないですから」
杯に酒を注ぐ。
白哉は、浴びるように酒を飲んだ。
恋次も、同じように浴びるように酒を飲んだ。
二人して、酔っぱらったが、悪酔いはせず、桜の花を見ていた。
「今宵、あの館で・・・・・」
誘われて、恋次はガッツポーズをとる。
そのまま桜を見ながら、お弁当を食べて、その日の休日の午後は緩やかに過ぎていった。
夜がきて、いつも逢瀬に使う館にくると、白哉がすでに酒を飲んでいた。
「隊長、今日がちょっと飲みすきじゃないですか?」
「よいのだ。酒に溺れたい」
「どうしてですか?」
「今日は・・・・緋真の、命日なのだ」
その言葉に、恋次が息を飲む。
道理で、緋真のことを口にするはずだった。いつもの白哉は、緋真のことを普段口にしない。
「緋真さんの命日なのに、いいんですか、俺といて」
「寂いのだ。あの陽だまりを失った日から、今日という日はただ虚しく悲しいだけだった。それが嫌なのだ」
白哉は、恋次に抱き着いた。
「酒に溺れても、忘れられぬ。緋真の最期が」
真っ赤な血を吐いて、そのまま散っていった、最愛の者。
「全てを忘れたい・・・・・・」
「とりあえず、食事にしましょう。何も食べなかったら、余計に気が滅入りますよ」
恋次の言葉に、白哉も頷いて、用意されていた夕餉を全て食した。
それから、また酒を飲んだ。
「緋真のことを、忘れたくないのだ。だが、忘れたい」
相反する感情に苛まれる。
酒で酔った白哉は、いつもより色香が増していた。
「一時でいいなら。全部、忘れさせてあげます」
白哉を抱き抱えて、褥に横にさせる。
貴族の証を乱暴にはぎとって隊長羽織と死覇装に手をかけた。
「恋次、約束しろ・・・・私を置いて、先に逝かぬと」
「いくらでも約束します。それであんたの気が紛れるのなら」
「恋次・・・好きだ。愛している。私を置いていくな・・・・・」
「隊長、あんたがどうしようもないほどに愛しい。俺はあんたを置いていかない」
安堵して、心なしか表情が柔らかくなった、白哉の鎖骨から胸元にかけて、キスマークを残していく。
「ふ・・・くすぐったい・・・・・」
そう言う白哉に深い口づけをした。
舌が絡まりあい、銀の糸をひいて舌が出ていく。
胸の先端にかみついて、もう片方を指で転がすと、白哉がぴくりと反応した。
「あ・・・・・」
声を噛み殺すように、口元に手を当てる。
その手に口づけて、恋次が自分の背中に回させた。入れ墨だらけの体は引き締まっていて、筋肉質だった。ただ、その背中には白哉の爪によるひっかき傷ができていた。
交わる頻度が高くなったために、完治する前に次のひっかき傷ができた。
白哉の花茎に手をかけて、まずは先にいかせようとするのを、白哉が止めた。
「お前と一緒に、いきたい」
「じゃあ・・・・」
お互いのものをくっつけて、手でしごいた。白哉は恋次のものを扱っていたが、恋次の扱いの方がうまくて、白哉は先にいってしまった。
「あああ!」
恋次も、白哉の手で次の瞬間には、白濁した液を吐きだしていた。
「指、いれますよ」
こくりと、白哉が頷く。
つぷりと音をたてて、恋次の潤滑油にまみれた指が入ってきた。
「んんん・・・・・・」
キスを何度も繰り返しながら、ぐちゃぐちゃと音をたてて、中を解していく。
前立腺をひっかかれて、ぴくんと白哉が反応した。
「もういい。来い」
指をひきぬき、恋次は自分のものを宛がい、ゆっくりと埋めていった。
「ひう」
根元まで埋め込むと、白哉がようやく息をした。、
そのまま、突き上げる。
「あ!」
前立腺をすりあげるように突き上げると、白哉は白濁した液をぽたぽたと滴らせていた。
「今日は、感じやすいんですか?いつもより、いくの早いですね」
「言うな・・・・・」
突き上げられて、抉られて、揺さぶられる。
黒絹のような白哉の髪が、宙を舞った。
「あ・・・・・・」
騎乗位にされて、白哉が戸惑う。
下から突き上げられて、白哉の髪が宙を舞った。
「あ、はげし・・・・・・あああ!」
下から突き上げながら、恋次は白哉の花茎に手をかけてしごいていく。
前も後ろも攻められて、何も考えられなくなった。
「ああああ!」
ぽたぽたと、恋次の腹の上に精液を吐きだしていた。
恋次も、白哉の中に欲望を吐きだす。
「あ、もう・・・・・」
3回もいってしまった白哉は、もう吐き出すものはほとんど残っていなかった。
下からリズミカルに突き上げられながら、オーガズムで達していた。
「恋次・・・・!」
恋次は、白哉を押し倒した。
内部を深く抉られて、白哉の体が痙攣をおこす。
「あああ!」
外からでも分かるくらい、恋次の太いものが白哉の腹の中にいるのが分かった。
「あ・・・・・あ!」
最奥を抉り、こじあけて恋次は最後の一滴までを白哉に注ぎ込んだ。
ぬくと、ぽたぽたと恋次が放ったものが逆流して太腿を伝い落ちる。それをタオルでふきとって、白哉を横抱きにして湯殿に向かった。
「あ・・・・」
恋次のはきだしたものが、またとろりと白哉の太腿を伝う。
そのまま、中にだしたものをかき出された。
「座ってください。髪と体、洗うから」
言われた通りにすると、恋次が白哉の髪と体を洗った。
恋次も、自分の髪と体を洗う。
それから、湯船に浸かって、白哉のほうを見た。
「一時でも、緋真さんのこと、忘れられましたか?」
「今の今まで、忘れていた。私は薄情者だな」
「セックスしてる時に、他の奴のこと考える間なんて与えません」
「緋真の命日だというのに、昔のように悲しくないのだ。確かに悲しい気持ちはあるにはあるが、恋次、お前のせいで薄らいでいっている」
「無理に忘れろとかはいいません。ただ、俺と居る時は、俺のことを考えてください」
「分かった・・・・」
そのまま湯からあがり、下着をつけて浴衣を着て、上から羽織りを着て、褥とは別にしかれていた二組の布団の上に、それぞれ横にになった。
「添い寝、しましょうか?」
「いらぬ」
「じゃあ、隊長が俺に添い寝してください」
「仕方ない・・・・」
恋次の寝ている布団に、白哉がもぐりこんでくる。
「ああもう、なんであんたこんなにかわいいんだ」
「んんっ」
唇を奪われて、恋次の胸を叩いた。
「もう盛るな!」
「すみません」
結局、恋次に添い寝を強要されて、白哉は恋次と同じ布団で眠りについた。
「ん・・・・・朝か」
隣に恋次はいなかった、
「恋次?」
姿を探すと、恋次は冷蔵庫にあった食材で、簡単な朝食を作っていた。
「隊長も、朝飯食べていきますよね」
いつもなら、目覚めるとそのまま朽木家に戻り、朝食を食べるのだが、せっかくなので恋次の作った朝食を食べた。
「意外と美味い・・・・」
「伊達に、一人暮らししてませんよ。自炊くらいしますからね」
「そうか」
ふわりと、白哉が微笑んだ。
それに見惚れて、ぼとりと卵焼きを落とす。
「どうしたのだ」
「あんたの笑顔が、あんまりにも綺麗だったから、見惚れてしまいました」
「ふっ・・・おかしな奴だな」
流れる時間は穏やかで、優しかった。
「もう、緋真さんのこと、大丈夫ですか」
「ああ。もう寂しくはない。お前のお陰だ」
恋次は、白哉を抱き締めた。
「不安になったり、寂しくなった時は言ってください。慰めることしかできないけど、一人で抱え込むより楽になるはずです」
「そう・・・だな。今まで、ずっと一人で抱え込んでいた。お前の言う通りだ。私の周囲には、お前だけでなくルキアもついでに婿入りいした一護もいるのだし・・・・」
「なるべく、俺を頼ってくださいね。ルキアならともなく、一護には渡したくない」
「一護は、ルキアの夫だ。家族だ。何もお前が考えているようなことは起こらない」
「そうでしょうけど、なんか一護に頼られると、俺の存在がない感じがして嫌です」
「ふっ・・・・」
白哉は笑った。
綺麗な微笑みだった。
ぼとり。
恋次は、また卵焼きを落とした。
「あーもう、その笑みはあんまり外で見せないように!」
「分かっている。お前の前だけだ」
「ほんと、性質が悪いですね。あんたの笑みって、なまじすごい綺麗な顔してるから、微笑むと男女見境なく視線を集めますから・・・・・」
白哉が、笑うようになったのは、最近だ。
恋次を愛していると気づいてからだった。
恋次の存在で、笑みを浮かべるほどに穏やかになった。それはいいことなのだが、男女関係なく視線を集めるのが気になった。
朝食を食べ終えて、今日は休日なので、恋次をつれて朽木家まで帰還した。自分の寝室で、恋次と穏やかな時間を過ごす。
それもまた、愛の形の一つだろう。
緋真の命日は、いつも寂しかった。周りに人がいても不安だった。哀しかった。でも、恋次と過ごし、恋次を愛していると自覚した時からくる、緋真の命日は、寂しいとか不安とか悲しみが薄らいでいるのに気づいた。
全部、恋次のお陰だということに気づいていた。
「恋次・・・・永久(とこしえ)の愛を、お前に・・・・・・」
そう言うと、恋次はびっくりして、その後に笑った。
「俺も、隊長に永久の愛を・・・・・」
互いに誓い合い、口づけを交わす。
緋真。
そちらにいくまで、私が恋次を愛することを、許してほしい。
緋真。
そなたを、永遠に愛している。この気持ちだけは、決して消えない。
だが、恋次を愛することを、どうか許してくれ。
桜の満開の季節、白哉は恋次を呼んで、ルキアと一護と共に、庭で花見をした。
「朽木家の桜は、ほんとにすごいっすね」
「当たり前であろう!兄様の斬魄刀が千本桜と分かって、桜の木をたくさ植えたのだ!」
ルキアが、さも自分のことのように得意げになる。
「おい、ルキア」
「なんだ一護」
「せっかくの花見なんだから、二人きりにさせてやろうぜ」
「ふむ、それもそうだな。では兄様、私と一護は向こうの方で花見をします故、好きなだけいちゃついてください」
ルキアの言葉に、ぴくりと眉を動かしたが、感情には出さなかった。
「一護のやつ、気が利きますね」
「別に、お前と二人きりでなくともよかったのに」
「まぁ、そう言わずに。酒でも飲みましょう」
恋次が、白哉に杯をもたせて、高級酒を注ぐ。
それを、白哉は一気に飲み干した。
恋次も、同じ酒を飲んでみる。その酒の強さに、顔をしかめた。
「隊長、この酒きつすぎます。違う酒持ってきますね」
そう言って、恋次は朽木家の厨房に消えていった。
白哉は、その強い酒を何度か飲んで、残りを桜の木にかけた。
「緋真・・・桜の花が満開だぞ・・・・そなたの笑顔のようだ」
帰ってきた恋次に、その言葉の全てを聞かれていた。
「隊長、俺と居る時は、俺を見てください」
「すまぬ・・・・軽率であった」
死人に嫉妬しても、何にもならない。
白哉の心は手に入れた。でも、緋真を愛する心までは、何があろうとも奪えなかった。
「こっちの酒なら、そんなに強くないですから」
杯に酒を注ぐ。
白哉は、浴びるように酒を飲んだ。
恋次も、同じように浴びるように酒を飲んだ。
二人して、酔っぱらったが、悪酔いはせず、桜の花を見ていた。
「今宵、あの館で・・・・・」
誘われて、恋次はガッツポーズをとる。
そのまま桜を見ながら、お弁当を食べて、その日の休日の午後は緩やかに過ぎていった。
夜がきて、いつも逢瀬に使う館にくると、白哉がすでに酒を飲んでいた。
「隊長、今日がちょっと飲みすきじゃないですか?」
「よいのだ。酒に溺れたい」
「どうしてですか?」
「今日は・・・・緋真の、命日なのだ」
その言葉に、恋次が息を飲む。
道理で、緋真のことを口にするはずだった。いつもの白哉は、緋真のことを普段口にしない。
「緋真さんの命日なのに、いいんですか、俺といて」
「寂いのだ。あの陽だまりを失った日から、今日という日はただ虚しく悲しいだけだった。それが嫌なのだ」
白哉は、恋次に抱き着いた。
「酒に溺れても、忘れられぬ。緋真の最期が」
真っ赤な血を吐いて、そのまま散っていった、最愛の者。
「全てを忘れたい・・・・・・」
「とりあえず、食事にしましょう。何も食べなかったら、余計に気が滅入りますよ」
恋次の言葉に、白哉も頷いて、用意されていた夕餉を全て食した。
それから、また酒を飲んだ。
「緋真のことを、忘れたくないのだ。だが、忘れたい」
相反する感情に苛まれる。
酒で酔った白哉は、いつもより色香が増していた。
「一時でいいなら。全部、忘れさせてあげます」
白哉を抱き抱えて、褥に横にさせる。
貴族の証を乱暴にはぎとって隊長羽織と死覇装に手をかけた。
「恋次、約束しろ・・・・私を置いて、先に逝かぬと」
「いくらでも約束します。それであんたの気が紛れるのなら」
「恋次・・・好きだ。愛している。私を置いていくな・・・・・」
「隊長、あんたがどうしようもないほどに愛しい。俺はあんたを置いていかない」
安堵して、心なしか表情が柔らかくなった、白哉の鎖骨から胸元にかけて、キスマークを残していく。
「ふ・・・くすぐったい・・・・・」
そう言う白哉に深い口づけをした。
舌が絡まりあい、銀の糸をひいて舌が出ていく。
胸の先端にかみついて、もう片方を指で転がすと、白哉がぴくりと反応した。
「あ・・・・・」
声を噛み殺すように、口元に手を当てる。
その手に口づけて、恋次が自分の背中に回させた。入れ墨だらけの体は引き締まっていて、筋肉質だった。ただ、その背中には白哉の爪によるひっかき傷ができていた。
交わる頻度が高くなったために、完治する前に次のひっかき傷ができた。
白哉の花茎に手をかけて、まずは先にいかせようとするのを、白哉が止めた。
「お前と一緒に、いきたい」
「じゃあ・・・・」
お互いのものをくっつけて、手でしごいた。白哉は恋次のものを扱っていたが、恋次の扱いの方がうまくて、白哉は先にいってしまった。
「あああ!」
恋次も、白哉の手で次の瞬間には、白濁した液を吐きだしていた。
「指、いれますよ」
こくりと、白哉が頷く。
つぷりと音をたてて、恋次の潤滑油にまみれた指が入ってきた。
「んんん・・・・・・」
キスを何度も繰り返しながら、ぐちゃぐちゃと音をたてて、中を解していく。
前立腺をひっかかれて、ぴくんと白哉が反応した。
「もういい。来い」
指をひきぬき、恋次は自分のものを宛がい、ゆっくりと埋めていった。
「ひう」
根元まで埋め込むと、白哉がようやく息をした。、
そのまま、突き上げる。
「あ!」
前立腺をすりあげるように突き上げると、白哉は白濁した液をぽたぽたと滴らせていた。
「今日は、感じやすいんですか?いつもより、いくの早いですね」
「言うな・・・・・」
突き上げられて、抉られて、揺さぶられる。
黒絹のような白哉の髪が、宙を舞った。
「あ・・・・・・」
騎乗位にされて、白哉が戸惑う。
下から突き上げられて、白哉の髪が宙を舞った。
「あ、はげし・・・・・・あああ!」
下から突き上げながら、恋次は白哉の花茎に手をかけてしごいていく。
前も後ろも攻められて、何も考えられなくなった。
「ああああ!」
ぽたぽたと、恋次の腹の上に精液を吐きだしていた。
恋次も、白哉の中に欲望を吐きだす。
「あ、もう・・・・・」
3回もいってしまった白哉は、もう吐き出すものはほとんど残っていなかった。
下からリズミカルに突き上げられながら、オーガズムで達していた。
「恋次・・・・!」
恋次は、白哉を押し倒した。
内部を深く抉られて、白哉の体が痙攣をおこす。
「あああ!」
外からでも分かるくらい、恋次の太いものが白哉の腹の中にいるのが分かった。
「あ・・・・・あ!」
最奥を抉り、こじあけて恋次は最後の一滴までを白哉に注ぎ込んだ。
ぬくと、ぽたぽたと恋次が放ったものが逆流して太腿を伝い落ちる。それをタオルでふきとって、白哉を横抱きにして湯殿に向かった。
「あ・・・・」
恋次のはきだしたものが、またとろりと白哉の太腿を伝う。
そのまま、中にだしたものをかき出された。
「座ってください。髪と体、洗うから」
言われた通りにすると、恋次が白哉の髪と体を洗った。
恋次も、自分の髪と体を洗う。
それから、湯船に浸かって、白哉のほうを見た。
「一時でも、緋真さんのこと、忘れられましたか?」
「今の今まで、忘れていた。私は薄情者だな」
「セックスしてる時に、他の奴のこと考える間なんて与えません」
「緋真の命日だというのに、昔のように悲しくないのだ。確かに悲しい気持ちはあるにはあるが、恋次、お前のせいで薄らいでいっている」
「無理に忘れろとかはいいません。ただ、俺と居る時は、俺のことを考えてください」
「分かった・・・・」
そのまま湯からあがり、下着をつけて浴衣を着て、上から羽織りを着て、褥とは別にしかれていた二組の布団の上に、それぞれ横にになった。
「添い寝、しましょうか?」
「いらぬ」
「じゃあ、隊長が俺に添い寝してください」
「仕方ない・・・・」
恋次の寝ている布団に、白哉がもぐりこんでくる。
「ああもう、なんであんたこんなにかわいいんだ」
「んんっ」
唇を奪われて、恋次の胸を叩いた。
「もう盛るな!」
「すみません」
結局、恋次に添い寝を強要されて、白哉は恋次と同じ布団で眠りについた。
「ん・・・・・朝か」
隣に恋次はいなかった、
「恋次?」
姿を探すと、恋次は冷蔵庫にあった食材で、簡単な朝食を作っていた。
「隊長も、朝飯食べていきますよね」
いつもなら、目覚めるとそのまま朽木家に戻り、朝食を食べるのだが、せっかくなので恋次の作った朝食を食べた。
「意外と美味い・・・・」
「伊達に、一人暮らししてませんよ。自炊くらいしますからね」
「そうか」
ふわりと、白哉が微笑んだ。
それに見惚れて、ぼとりと卵焼きを落とす。
「どうしたのだ」
「あんたの笑顔が、あんまりにも綺麗だったから、見惚れてしまいました」
「ふっ・・・おかしな奴だな」
流れる時間は穏やかで、優しかった。
「もう、緋真さんのこと、大丈夫ですか」
「ああ。もう寂しくはない。お前のお陰だ」
恋次は、白哉を抱き締めた。
「不安になったり、寂しくなった時は言ってください。慰めることしかできないけど、一人で抱え込むより楽になるはずです」
「そう・・・だな。今まで、ずっと一人で抱え込んでいた。お前の言う通りだ。私の周囲には、お前だけでなくルキアもついでに婿入りいした一護もいるのだし・・・・」
「なるべく、俺を頼ってくださいね。ルキアならともなく、一護には渡したくない」
「一護は、ルキアの夫だ。家族だ。何もお前が考えているようなことは起こらない」
「そうでしょうけど、なんか一護に頼られると、俺の存在がない感じがして嫌です」
「ふっ・・・・」
白哉は笑った。
綺麗な微笑みだった。
ぼとり。
恋次は、また卵焼きを落とした。
「あーもう、その笑みはあんまり外で見せないように!」
「分かっている。お前の前だけだ」
「ほんと、性質が悪いですね。あんたの笑みって、なまじすごい綺麗な顔してるから、微笑むと男女見境なく視線を集めますから・・・・・」
白哉が、笑うようになったのは、最近だ。
恋次を愛していると気づいてからだった。
恋次の存在で、笑みを浮かべるほどに穏やかになった。それはいいことなのだが、男女関係なく視線を集めるのが気になった。
朝食を食べ終えて、今日は休日なので、恋次をつれて朽木家まで帰還した。自分の寝室で、恋次と穏やかな時間を過ごす。
それもまた、愛の形の一つだろう。
緋真の命日は、いつも寂しかった。周りに人がいても不安だった。哀しかった。でも、恋次と過ごし、恋次を愛していると自覚した時からくる、緋真の命日は、寂しいとか不安とか悲しみが薄らいでいるのに気づいた。
全部、恋次のお陰だということに気づいていた。
「恋次・・・・永久(とこしえ)の愛を、お前に・・・・・・」
そう言うと、恋次はびっくりして、その後に笑った。
「俺も、隊長に永久の愛を・・・・・」
互いに誓い合い、口づけを交わす。
緋真。
そちらにいくまで、私が恋次を愛することを、許してほしい。
緋真。
そなたを、永遠に愛している。この気持ちだけは、決して消えない。
だが、恋次を愛することを、どうか許してくれ。
PR
- トラックバックURLはこちら