忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 26 27 28 29 30 12

緋真の命日

「春だな・・・・・」

桜の満開の季節、白哉は恋次を呼んで、ルキアと一護と共に、庭で花見をした。

「朽木家の桜は、ほんとにすごいっすね」

「当たり前であろう!兄様の斬魄刀が千本桜と分かって、桜の木をたくさ植えたのだ!」

ルキアが、さも自分のことのように得意げになる。

「おい、ルキア」

「なんだ一護」

「せっかくの花見なんだから、二人きりにさせてやろうぜ」

「ふむ、それもそうだな。では兄様、私と一護は向こうの方で花見をします故、好きなだけいちゃついてください」

ルキアの言葉に、ぴくりと眉を動かしたが、感情には出さなかった。

「一護のやつ、気が利きますね」

「別に、お前と二人きりでなくともよかったのに」

「まぁ、そう言わずに。酒でも飲みましょう」

恋次が、白哉に杯をもたせて、高級酒を注ぐ。

それを、白哉は一気に飲み干した。

恋次も、同じ酒を飲んでみる。その酒の強さに、顔をしかめた。

「隊長、この酒きつすぎます。違う酒持ってきますね」

そう言って、恋次は朽木家の厨房に消えていった。

白哉は、その強い酒を何度か飲んで、残りを桜の木にかけた。

「緋真・・・桜の花が満開だぞ・・・・そなたの笑顔のようだ」

帰ってきた恋次に、その言葉の全てを聞かれていた。

「隊長、俺と居る時は、俺を見てください」

「すまぬ・・・・軽率であった」

死人に嫉妬しても、何にもならない。

白哉の心は手に入れた。でも、緋真を愛する心までは、何があろうとも奪えなかった。

「こっちの酒なら、そんなに強くないですから」

杯に酒を注ぐ。

白哉は、浴びるように酒を飲んだ。

恋次も、同じように浴びるように酒を飲んだ。

二人して、酔っぱらったが、悪酔いはせず、桜の花を見ていた。

「今宵、あの館で・・・・・」

誘われて、恋次はガッツポーズをとる。

そのまま桜を見ながら、お弁当を食べて、その日の休日の午後は緩やかに過ぎていった。

夜がきて、いつも逢瀬に使う館にくると、白哉がすでに酒を飲んでいた。

「隊長、今日がちょっと飲みすきじゃないですか?」

「よいのだ。酒に溺れたい」

「どうしてですか?」

「今日は・・・・緋真の、命日なのだ」

その言葉に、恋次が息を飲む。

道理で、緋真のことを口にするはずだった。いつもの白哉は、緋真のことを普段口にしない。

「緋真さんの命日なのに、いいんですか、俺といて」

「寂いのだ。あの陽だまりを失った日から、今日という日はただ虚しく悲しいだけだった。それが嫌なのだ」

白哉は、恋次に抱き着いた。

「酒に溺れても、忘れられぬ。緋真の最期が」

真っ赤な血を吐いて、そのまま散っていった、最愛の者。

「全てを忘れたい・・・・・・」

「とりあえず、食事にしましょう。何も食べなかったら、余計に気が滅入りますよ」

恋次の言葉に、白哉も頷いて、用意されていた夕餉を全て食した。

それから、また酒を飲んだ。

「緋真のことを、忘れたくないのだ。だが、忘れたい」

相反する感情に苛まれる。

酒で酔った白哉は、いつもより色香が増していた。

「一時でいいなら。全部、忘れさせてあげます」

白哉を抱き抱えて、褥に横にさせる。

貴族の証を乱暴にはぎとって隊長羽織と死覇装に手をかけた。

「恋次、約束しろ・・・・私を置いて、先に逝かぬと」

「いくらでも約束します。それであんたの気が紛れるのなら」

「恋次・・・好きだ。愛している。私を置いていくな・・・・・」

「隊長、あんたがどうしようもないほどに愛しい。俺はあんたを置いていかない」

安堵して、心なしか表情が柔らかくなった、白哉の鎖骨から胸元にかけて、キスマークを残していく。

「ふ・・・くすぐったい・・・・・」

そう言う白哉に深い口づけをした。

舌が絡まりあい、銀の糸をひいて舌が出ていく。

胸の先端にかみついて、もう片方を指で転がすと、白哉がぴくりと反応した。

「あ・・・・・」

声を噛み殺すように、口元に手を当てる。

その手に口づけて、恋次が自分の背中に回させた。入れ墨だらけの体は引き締まっていて、筋肉質だった。ただ、その背中には白哉の爪によるひっかき傷ができていた。

交わる頻度が高くなったために、完治する前に次のひっかき傷ができた。

白哉の花茎に手をかけて、まずは先にいかせようとするのを、白哉が止めた。

「お前と一緒に、いきたい」

「じゃあ・・・・」

お互いのものをくっつけて、手でしごいた。白哉は恋次のものを扱っていたが、恋次の扱いの方がうまくて、白哉は先にいってしまった。

「あああ!」

恋次も、白哉の手で次の瞬間には、白濁した液を吐きだしていた。

「指、いれますよ」

こくりと、白哉が頷く。

つぷりと音をたてて、恋次の潤滑油にまみれた指が入ってきた。

「んんん・・・・・・」

キスを何度も繰り返しながら、ぐちゃぐちゃと音をたてて、中を解していく。

前立腺をひっかかれて、ぴくんと白哉が反応した。

「もういい。来い」

指をひきぬき、恋次は自分のものを宛がい、ゆっくりと埋めていった。

「ひう」

根元まで埋め込むと、白哉がようやく息をした。、

そのまま、突き上げる。

「あ!」

前立腺をすりあげるように突き上げると、白哉は白濁した液をぽたぽたと滴らせていた。

「今日は、感じやすいんですか?いつもより、いくの早いですね」

「言うな・・・・・」

突き上げられて、抉られて、揺さぶられる。

黒絹のような白哉の髪が、宙を舞った。

「あ・・・・・・」

騎乗位にされて、白哉が戸惑う。

下から突き上げられて、白哉の髪が宙を舞った。

「あ、はげし・・・・・・あああ!」

下から突き上げながら、恋次は白哉の花茎に手をかけてしごいていく。

前も後ろも攻められて、何も考えられなくなった。

「ああああ!」

ぽたぽたと、恋次の腹の上に精液を吐きだしていた。

恋次も、白哉の中に欲望を吐きだす。

「あ、もう・・・・・」

3回もいってしまった白哉は、もう吐き出すものはほとんど残っていなかった。

下からリズミカルに突き上げられながら、オーガズムで達していた。

「恋次・・・・!」

恋次は、白哉を押し倒した。

内部を深く抉られて、白哉の体が痙攣をおこす。

「あああ!」

外からでも分かるくらい、恋次の太いものが白哉の腹の中にいるのが分かった。

「あ・・・・・あ!」

最奥を抉り、こじあけて恋次は最後の一滴までを白哉に注ぎ込んだ。

ぬくと、ぽたぽたと恋次が放ったものが逆流して太腿を伝い落ちる。それをタオルでふきとって、白哉を横抱きにして湯殿に向かった。

「あ・・・・」

恋次のはきだしたものが、またとろりと白哉の太腿を伝う。

そのまま、中にだしたものをかき出された。

「座ってください。髪と体、洗うから」

言われた通りにすると、恋次が白哉の髪と体を洗った。

恋次も、自分の髪と体を洗う。

それから、湯船に浸かって、白哉のほうを見た。

「一時でも、緋真さんのこと、忘れられましたか?」

「今の今まで、忘れていた。私は薄情者だな」

「セックスしてる時に、他の奴のこと考える間なんて与えません」

「緋真の命日だというのに、昔のように悲しくないのだ。確かに悲しい気持ちはあるにはあるが、恋次、お前のせいで薄らいでいっている」

「無理に忘れろとかはいいません。ただ、俺と居る時は、俺のことを考えてください」

「分かった・・・・」

そのまま湯からあがり、下着をつけて浴衣を着て、上から羽織りを着て、褥とは別にしかれていた二組の布団の上に、それぞれ横にになった。

「添い寝、しましょうか?」

「いらぬ」

「じゃあ、隊長が俺に添い寝してください」

「仕方ない・・・・」

恋次の寝ている布団に、白哉がもぐりこんでくる。

「ああもう、なんであんたこんなにかわいいんだ」

「んんっ」

唇を奪われて、恋次の胸を叩いた。

「もう盛るな!」

「すみません」

結局、恋次に添い寝を強要されて、白哉は恋次と同じ布団で眠りについた。


「ん・・・・・朝か」

隣に恋次はいなかった、

「恋次?」

姿を探すと、恋次は冷蔵庫にあった食材で、簡単な朝食を作っていた。

「隊長も、朝飯食べていきますよね」

いつもなら、目覚めるとそのまま朽木家に戻り、朝食を食べるのだが、せっかくなので恋次の作った朝食を食べた。

「意外と美味い・・・・」

「伊達に、一人暮らししてませんよ。自炊くらいしますからね」

「そうか」

ふわりと、白哉が微笑んだ。

それに見惚れて、ぼとりと卵焼きを落とす。

「どうしたのだ」

「あんたの笑顔が、あんまりにも綺麗だったから、見惚れてしまいました」

「ふっ・・・おかしな奴だな」

流れる時間は穏やかで、優しかった。

「もう、緋真さんのこと、大丈夫ですか」

「ああ。もう寂しくはない。お前のお陰だ」

恋次は、白哉を抱き締めた。

「不安になったり、寂しくなった時は言ってください。慰めることしかできないけど、一人で抱え込むより楽になるはずです」

「そう・・・だな。今まで、ずっと一人で抱え込んでいた。お前の言う通りだ。私の周囲には、お前だけでなくルキアもついでに婿入りいした一護もいるのだし・・・・」

「なるべく、俺を頼ってくださいね。ルキアならともなく、一護には渡したくない」

「一護は、ルキアの夫だ。家族だ。何もお前が考えているようなことは起こらない」

「そうでしょうけど、なんか一護に頼られると、俺の存在がない感じがして嫌です」

「ふっ・・・・」

白哉は笑った。

綺麗な微笑みだった。

ぼとり。

恋次は、また卵焼きを落とした。

「あーもう、その笑みはあんまり外で見せないように!」

「分かっている。お前の前だけだ」

「ほんと、性質が悪いですね。あんたの笑みって、なまじすごい綺麗な顔してるから、微笑むと男女見境なく視線を集めますから・・・・・」

白哉が、笑うようになったのは、最近だ。

恋次を愛していると気づいてからだった。

恋次の存在で、笑みを浮かべるほどに穏やかになった。それはいいことなのだが、男女関係なく視線を集めるのが気になった。

朝食を食べ終えて、今日は休日なので、恋次をつれて朽木家まで帰還した。自分の寝室で、恋次と穏やかな時間を過ごす。

それもまた、愛の形の一つだろう。

緋真の命日は、いつも寂しかった。周りに人がいても不安だった。哀しかった。でも、恋次と過ごし、恋次を愛していると自覚した時からくる、緋真の命日は、寂しいとか不安とか悲しみが薄らいでいるのに気づいた。

全部、恋次のお陰だということに気づいていた。

「恋次・・・・永久(とこしえ)の愛を、お前に・・・・・・」

そう言うと、恋次はびっくりして、その後に笑った。

「俺も、隊長に永久の愛を・・・・・」

互いに誓い合い、口づけを交わす。



緋真。

そちらにいくまで、私が恋次を愛することを、許してほしい。

緋真。

そなたを、永遠に愛している。この気持ちだけは、決して消えない。

だが、恋次を愛することを、どうか許してくれ。











拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/25)
(11/25)
(11/22)
(11/21)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"