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緋真の墓参り

朽木緋真の墓参りに、白哉はきていた。

「何故、貴様までついてくる」

「だって、隊長が愛した人でしょう?」

朽木家の者が代々葬られる廟堂に、白哉と恋次の姿があった。

白哉は、本当なら一人で訪れるはずが、途中で恋次と出会ってそのまま恋次がついてきたのだ。

「ルキアに、似てましたか?」

「見た目は実の姉妹だから、そっくりだ。だが、性格が違う。緋真は、陽だまりのような人だった。ルキアは、太陽そのものだ」

「ルキアを、陽だまりにしたような人か・・・・・」

想像できなかった。

ルキアは芯が強く、流魂街にいた頃からどこか気品があって、男言葉を使うせいもあり、どこか少年のような形をもっていた。

「ルキアが、陽だまり・・・・」

「ついたぞ」

「うわ、立派だな」

廟堂は、立派なものだった。

中に入り、緋真の眠っている墓の前にきて、緋真が好きだった梅の花をそえた。

「緋真、ルキアは元気にしている。この通り、私も元気だ」

「緋真さん、隊長は俺がもらっていくけど、悪く思わないでくれよ」

「そのような戯言を・・・・・」

恋次の手をはたく。

「緋真、他の男に体を許しているといえば、お前はどんな顔をしてしまうのだろうな。こんな情けない夫を、許してくれ」

「緋真さん、隊長は責任をもって俺が幸せにするんで、天国から見守っていてください」

「また戯言を・・・・・」

黙祷を捧げて、緋真の好きだった食べ物をそえて、廟堂の外に出た。

「んっ」

恋次に、いきなりかき抱かれ、舌が絡み合う口づけをされて、白哉は眉をしかめた。

「緋真が見ているかもしれないような場所で、このような真似を・・・・」

「見せつけてるんすよ」

「貴様、切られたいのか?」

「俺を切ったら、隊長の体を慰めてくれる人がいなくなりますよ」

「戯言を・・・・」

ぷいっとあっちの方を向いて、白哉が歩いていく。

その後を、恋次が追いかける。

「いつか、絶対緋真さんを忘れさせてみせる!」

「そのようなこと、この世界が滅んでもありえぬ」

白哉の心の奥深くには、今も緋真がいる。

いつか、追い出してみせる。

追い出すのが無理なら、片隅にいかす。

「緋真・・・愛している」

廟堂を遠くからみながら、白哉は陽だまりであった、あの愛しい妻のことを思うのだった。

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