風邪はあげれません
白哉が風邪をひいた。
今年の冬は風邪が流行った。インフルエンザも流行ったが、幸いなことに白哉のはただの風邪であるらしかった。
治りが遅く長引いていた。
「隊長、大丈夫っすか?」
「大丈夫と言いたいところだが、あまり芳しくなはない」
ごほごほと咳き込んで、まるで浮竹のようだなと、ふと白哉は思った。
浮竹はこんな咳の辛い状態をいつも抱えてるのかと思うと、脱帽する思いだった。
布団に横になっていたが、恋次がきたので半身を起こしていた。
「昼、何か食べました?」
「粥を食した。薬も飲んだ。医者にも診てもらった。後は、自然治癒に任せるしかない」
まさか、ただの風邪で4番隊にかかるわけもいかないので、白哉は風邪が長引いてるために、職務を休みながら自宅で療養生活を送っていた。
「りんご剥いたんですけど、食べれますか」
「ああ」
かわいくウサギカットにされたりんごを見て、ふっと、小さな笑みをこぼす。
「はい、あーん」
「何のつもりだ。一人で食べれる」
「まぁまぁ。はいあーん」
そうしないと、いつまでたっても終わらないだろうと感じて・・・恋次はしつこいから。
素直に口を開けると、りんごを放り込まれた。
少しだけ甘い味が口に広がる。
甘いのは嫌いだが、たまにはいいかと思う。
「はい、あーん」
そうやって、1個分のりんごを食べさせられた。
2個目を剥いていくので、白哉が声をかける。
「もう、りんごはいらぬ」
「あ、俺が食べるんす」
「それよりも、うつるかもしれぬ。早々にでていけ」
「いやです。今日は隊長の傍にいたい」
もう、1週間も会っていなかった。
寂しさは募り、こうやって会いにきたのだ。
「ん・・・・」
少し、熱いと感じた。
「隊長、顔赤いですよ。熱あるんじゃないっすか」
「ふむ・・・・・少し、あるようだ」
「寝てください!濡れたタオル、用意しますから」
「それより、薬箱から解熱剤をとってほしい」
薬箱を探して見つけて、解熱剤をとってもってくる。水の入ったコップを渡すと、白哉はそれを飲んだ。
「少し寝れば、熱も下がるであろう」
「じゃあ寝てください」
「貴様は戻れ」
「嫌です。隊長の顔を見ていたい」
「眠った私を見ていても、つまらぬであろう」
「いや、いろいろと想像するから、大丈夫です」
「貴様・・・・下劣なことを考えているのではあるまいな」
「さぁ?」
白哉はため息をついた。
「こちらにこい、恋次」
「はい」
ちゅっ。
頬にキスを受けて、恋次が目を見開く。
「貴様にかまってやれぬ、詫びだ」
「唇にもしてください」
「調子に乗るな。それに、風邪がうつる」
「隊長からもらえるなら、風邪でもいい」
「愚か者」
ぴしゃりと、そう言われた。
熱が上がってきたのか、白哉は咳込みながら、布団に横になった。
額にひんやりとしたものが当てられて、ふと目を開ける。
恋次が氷水で冷やしたタオルを白哉の額に置いたのだ。
「すまぬ・・・・」
「いいんすよ」
解熱剤に入っていた、睡眠成分のせいか、白哉はすーっと深い眠りに落ちていった。
「ん・・・何時だ」
「午後の5時です」
「まだいたのか・・・・仕事はどうした」
「今日は休暇をとりました」
「隊長である私がいないというのに、副隊長の貴様までいないと・・・・」
「何、今まで戦時中もそんな日が多々とあったので、平気っすよ。それより、熱さがりましたよね?」
聞かれると、確かに熱は下がっていた。
「大分、風邪は癒えたようだ。明日から、通常通り仕事に戻る」
「そうですか」
恋次は嬉しそうだった。
「貴様も、風邪などひかぬようにな」
「大丈夫、風邪とかほとんどひいたことないんで」
真冬でも、薄い死覇装一枚の恋次は、とにかく元気だ。
健康すぎて、白哉も少し羨ましくなるくらいだ、個人的に親しい浮竹に、その元気を分けてやりたいと思うのだった。
今年の冬は風邪が流行った。インフルエンザも流行ったが、幸いなことに白哉のはただの風邪であるらしかった。
治りが遅く長引いていた。
「隊長、大丈夫っすか?」
「大丈夫と言いたいところだが、あまり芳しくなはない」
ごほごほと咳き込んで、まるで浮竹のようだなと、ふと白哉は思った。
浮竹はこんな咳の辛い状態をいつも抱えてるのかと思うと、脱帽する思いだった。
布団に横になっていたが、恋次がきたので半身を起こしていた。
「昼、何か食べました?」
「粥を食した。薬も飲んだ。医者にも診てもらった。後は、自然治癒に任せるしかない」
まさか、ただの風邪で4番隊にかかるわけもいかないので、白哉は風邪が長引いてるために、職務を休みながら自宅で療養生活を送っていた。
「りんご剥いたんですけど、食べれますか」
「ああ」
かわいくウサギカットにされたりんごを見て、ふっと、小さな笑みをこぼす。
「はい、あーん」
「何のつもりだ。一人で食べれる」
「まぁまぁ。はいあーん」
そうしないと、いつまでたっても終わらないだろうと感じて・・・恋次はしつこいから。
素直に口を開けると、りんごを放り込まれた。
少しだけ甘い味が口に広がる。
甘いのは嫌いだが、たまにはいいかと思う。
「はい、あーん」
そうやって、1個分のりんごを食べさせられた。
2個目を剥いていくので、白哉が声をかける。
「もう、りんごはいらぬ」
「あ、俺が食べるんす」
「それよりも、うつるかもしれぬ。早々にでていけ」
「いやです。今日は隊長の傍にいたい」
もう、1週間も会っていなかった。
寂しさは募り、こうやって会いにきたのだ。
「ん・・・・」
少し、熱いと感じた。
「隊長、顔赤いですよ。熱あるんじゃないっすか」
「ふむ・・・・・少し、あるようだ」
「寝てください!濡れたタオル、用意しますから」
「それより、薬箱から解熱剤をとってほしい」
薬箱を探して見つけて、解熱剤をとってもってくる。水の入ったコップを渡すと、白哉はそれを飲んだ。
「少し寝れば、熱も下がるであろう」
「じゃあ寝てください」
「貴様は戻れ」
「嫌です。隊長の顔を見ていたい」
「眠った私を見ていても、つまらぬであろう」
「いや、いろいろと想像するから、大丈夫です」
「貴様・・・・下劣なことを考えているのではあるまいな」
「さぁ?」
白哉はため息をついた。
「こちらにこい、恋次」
「はい」
ちゅっ。
頬にキスを受けて、恋次が目を見開く。
「貴様にかまってやれぬ、詫びだ」
「唇にもしてください」
「調子に乗るな。それに、風邪がうつる」
「隊長からもらえるなら、風邪でもいい」
「愚か者」
ぴしゃりと、そう言われた。
熱が上がってきたのか、白哉は咳込みながら、布団に横になった。
額にひんやりとしたものが当てられて、ふと目を開ける。
恋次が氷水で冷やしたタオルを白哉の額に置いたのだ。
「すまぬ・・・・」
「いいんすよ」
解熱剤に入っていた、睡眠成分のせいか、白哉はすーっと深い眠りに落ちていった。
「ん・・・何時だ」
「午後の5時です」
「まだいたのか・・・・仕事はどうした」
「今日は休暇をとりました」
「隊長である私がいないというのに、副隊長の貴様までいないと・・・・」
「何、今まで戦時中もそんな日が多々とあったので、平気っすよ。それより、熱さがりましたよね?」
聞かれると、確かに熱は下がっていた。
「大分、風邪は癒えたようだ。明日から、通常通り仕事に戻る」
「そうですか」
恋次は嬉しそうだった。
「貴様も、風邪などひかぬようにな」
「大丈夫、風邪とかほとんどひいたことないんで」
真冬でも、薄い死覇装一枚の恋次は、とにかく元気だ。
健康すぎて、白哉も少し羨ましくなるくらいだ、個人的に親しい浮竹に、その元気を分けてやりたいと思うのだった。
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