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翡翠に溶ける 卒業

6回生の冬がきて、そのまま季節は進み、春になった。

死神統学院の卒業式が行われた。

その場にいた者のほとんどが、護廷13隊の隊士として死神になるのは決まっていた。

卒業生代表には、浮竹が選ばれた。

スピーチをする。

山本総隊長からの言葉を聞く。

「皆、6年間よう励んだ。このまま護廷13隊入りする者がほとんどだと思う。護廷13隊の死神になっても、ここで学んだことを忘れず、尸魂界のために命を賭けて守りぬくのじゃ!」

わああと、歓声があがった。

山本総隊長を会えることなど、滅多にないのだ。

山本総隊長じきじきの言葉に感動して、泣き出す者が後を絶たなかった。

浮竹も、この6年間を思い、じんわりと涙を浮かべていた。

もう、浮竹の髪は背中の中ほどに届くまで長くなった。今日はその髪を京楽の手で結い上げられて、プレゼントされた翡翠の髪飾りで留めていた。

この6年間、京楽とずっと一緒だった。だが、今日からは別々の道を歩み出す。

浮竹は13番隊の3席として、京楽は8番隊の3席として。

学院はじまっての、卒業と同時の席官入りだった。

「春水、十四郎」

恩師に呼ばれて、理事長室までやってきた。

「春水、十四郎、お主らは春休みが終わると同時に、3席として働いてもらうことが決まっておる。学院時代のように、常に一緒にはおれぬ。それは分かっておろうな?」

「それくらい分かってるよ、山じい」

「分かっています、先生」

「それならよいのじゃ。春水と十四郎にこれを」

花天狂骨と双魚理を渡された。

「え、なんで山じいが?」

「バカ者!浅打として己の斬魄刀として配られたものを一度回収して、卒業と同時に死神になった者に渡すのじゃ!」

「え、そうなの」

「京楽、俺は知っていたぞ」

「え、じゃあ教えてよ」

「いや、お前が知らなかったことを知らなかった」

「そりゃそーだよねぇ」

笑い合う二人に、山本総隊長が厳しい目を向ける。

「これからは、生と死は紙一重の世界じゃ。分かっておろうな?」

「実習で、何度も虚退治をしたし、隊士の死も経験した。大丈夫だよ。僕らは強い。そうそうのことがなれば、死なないさ」

「それもそうじゃの」

山本総隊長も、納得したようだった。

「これより、京楽春水及び浮竹十四郎を、それぞれ護廷13隊の8番と13番の3席に任命する!」

「分かったよ、山じい」

「謹んで、お受けいたします」

二人は、その日最後の寮での一日を過ごして、京楽の人手を借りて、寮を引き払うために荷物を全て京楽も浮竹も、席官クラスの者に与えられる館に移動した。

「京楽も席官クラスに与えられる館で寝泊まりするのか?自分の屋敷に戻らないのか?」

「屋敷から、わざわざ毎日出勤するのがめんどくさい。与えられた館のほうが断然近いし。別に贅沢を求めてるわけじゃないから、小さいけど館でいいよ。」」

今まで広いとはいえ、寮の二人部屋で二人で暮らしていたのだ。例え、一人用の館でも我慢しようと思えばそれなりになった。

「そうか。ならば、それでいい。もしも、逢瀬の時はどうする?」

「互いの館か、僕の屋敷を使おう」

「分かった」


週末、その日は最後だったので、京楽の館で体を重ねた。

キスを何度も繰り返した。

明日からお互い死神としての生活のスタートだ。

「んあ・・・・・」

もう何度目になるかも分からないキスを繰り返す。

院生の寮を出る日の前日に体を重ねたが、実に2週間ぶりだろうか、体を重ねるのは。

いつも3~4日に1回は睦みあっていたので、浮竹の体調が悪い時い以来くらい、体を重ねていなかった。

「ううん・・・・」

口の中に指を突っ込まれた。それに舌を這わす。

「久しぶりだけど、明日から本番だからね。混じり合うのはやめよう」

「どうするんだ?」

「久しぶりに素股でお願い」

「分かった」

太腿をきゅっと閉めて、そこに京楽の怒張したものが出入りする。潤滑油をつけていたので、ぬるぬるとよく滑った。

「ああ、ああん」

素股をされながら、前をいじられる。

何度も扱われて、精液をはきだしていた。

「ひう」

はきだしたばかりなのに、またぐちゃぐちゃと花茎を扱われた。

「いあああ、きょうら・・・・ああああ」

連続していってしまった。

びくんと浮竹の体がはねる。

「君の声、いいね。素股でも最高だ」

京楽は、浮竹の素股で二度ほど欲望を吐きだして、後はお互いをいじりあった。

「あああ・・・・・」

京楽の口腔に入れられる。口に含まれて、口淫で攻められて、浮竹は3度目の熱を京楽の口の名中に放った。

「ひああああ!」

「もっと出るでしょ?」

「や、もう無理・・・・・」

また、ねっとりとまた口腔に含まれて、しごかれると4度目の薄い精液を吐きだしていた。

「もう流石に出ないか」

「やあん・・・も、無理・・・・・・」

「じゃあ、僕のほうをお願い。手だけでいいから」

潤滑油にまみれた京楽のものをくちゃくちゃと手で滑らせていくと、3度目の熱を浮竹の手にはだした。

「まだ、いけるのか?」

まだ萎えない京楽のものを扱う。

4度目の熱を放ったところで、ようやく京楽も満足した。

「一緒にお風呂入ろうか」

「変なことはなしだぞ」

「流石に、僕もこれ以上たたないよ」

二人で入るには狭かったが、我慢して浴槽に浸かる。

お互いの髪と体を洗った。

「君の髪、長くなったね」

「そろそろ切ろうと思うのだが」

「だめだめ!腰まで伸ばして!」

「でも、いろいろとめんどくさい・・・・・」

「ここまで伸ばしたんだから、もう少しだよ。君の白い髪はとても綺麗なんだ。日に透けると銀色に輝いて、まるでプラチナだ」

「褒めすぎだ」

「今日は最後の日だし、一緒に寝よう」

一組の布団で、眠った。

ベッド以外で寝るのは久しぶりだったが、これが普通なのだ。


「おはよう」

「おはよう」

京楽家の料理人に作らせたという、朝からわりと豪華な食事をした。

「今日から、お互いに3席だね。頑張ろう」

「ああ」

食事がすむと、舌を絡めらうキスをして、抱き締めあい、別れを惜しんだ。

「これからしばらく会えないなると思うと、寂しいね」

「週末にはまた会えるさ」

「そうだね。週末の土日は休みなんだし」

死神の業務も、忙しい時は休みがない時もあるが、基本土日は休みだった。

「じゃあ、行ってくるよ」

「ああ、俺も行ってくる」

互いに、反対方向に向かって歩き出す。

今日から本当の死神だ。

でも、また週末に会えると思えば、それも苦にならなかった。





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