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翡翠に溶ける 愉悦

浮竹が、また大きな発作を起こした。

吐血しまくった雨乾堂は、真っ赤だった。

遊びにきていた京楽が倒れている浮竹を発見して、急いで4番隊にに駆け込んだ。

卯ノ花に回道をかけてもらっているが、発見が遅れたせいで状況は芳しくなく、集中治療室に連れていかれた。

点滴と輸血、酸素呼吸器に他にもいろいろと管に繋がれた浮竹が、痛々しかった。

浮竹の霊圧でいつもなら感知できるのに、その日は久しぶりの休暇だと浮かれていて、霊圧の感知をしていなかった。

そんな自分を、呪った。

「卯ノ花隊長、浮竹は・・・・・」

「処置は施しました。あとは浮竹隊長次第です」

「そうかい・・・仮眠室、借りるよ」

「あまり自分を責めないでください。もっと発見が遅れていたら、命はなかったでしょう」

そんな言葉、気休めにしかならなかった。

浮竹。

あのはにかんだ顔で笑う、翡翠の瞳が懐かしかった。

浮竹を思い、仮眠室で仮眠をとった。

「ご臨終です・・・・力及ばす、申し訳ありません」

卯ノ花が、申し訳なさそうに謝る。

「浮竹ーーーーー!」

白く美しい顔(かんばせ)のまま、浮竹はいってしまった。

はっと起きる。

「夢・・・夢だ。夢だよね?」

集中治療室の前にくると、大きな硝子越しに、青白い顔の浮竹がいた。

呼吸器を外していた。

1枚の窓ガラス越しに手を重ね、キスをした。

「卯ノ花隊長、浮竹が!!!」


浮竹は、一時はどうなることかと思ったが、意識を回復させてから2日後には、普通の病室に移ることができた。

「京楽・・・心配をかけた。すまない」

「いいんだよ。君が無事で良かった」

りんごをむいてやると、兎型にカットしたそれを、しゃりっと音を立てて齧った。

まだ安静にしていなければいけないので、食事は流動食で、果物だけは食べていいと言われたので、りんごと桃をもってきていた。

桃をむいて口元にもっていってやると、果汁にまみれた手ごと舐められて、果肉を口にする。

「桃は好きだ・・・・甘いから」

口元にもっていくと、おいしそうに食べてくれた。

桃は3個もってきたいたのだが、美味しそうに食べる浮竹についつい全部与えてしまった。2日に分けて食べさせてあげようと思っていがのだが。

「僕は、今日はここで帰るね。仕事しなきゃいけないから。明日、また桃をもってきてあげる」

「ああ・・・」

浮竹は、鎮静剤を投与されて、眠ってしまった。

天敵の管が、痛々しかった。

次の日になると、浮竹はベッドから降りてもいい許可をもらい、ふらつきながらも湯あみをしにいこうとしていた。

「浮竹、一人で湯浴みできる?」

「ちょっと、無理かもしれない・・・」

特別に許可をもらって、浮竹を抱き上げて湯殿までもっていき、湯に浸からせてから髪と体を洗ってあげた。

濡れたタオル体をふいているとはいえ、湯浴みが好きな浮竹にはできないのが苦痛で、洗ってもらって幸せそうな顔をしていた。

綺麗になったところで、水気を吸い取って患者服に着替えさせて、また抱き上げてベッドまで移動した。

浮竹はここ数日の発作で、大分疲れがたまっており、普通の食事を許可されたのに残してしまった。

「食欲がない・・・・・」

点滴がされてあるので、食事を残しても何も言われなかった。

桃をむいてあげて、皿にいれて、渡す。

「食べさせて?」

甘えてくる浮竹に、京楽はでろでろになって、桃を口にすると浮竹に食べさせた。

「んあう・・・・・」

その後は、人目が怖いので普通に食べさせた。

「なんか、桃と点滴で生きてるかんじがする」

「ちゃんと、ご飯も食べてね?」

「努力する」

それから1週間が経ち、ようやく退院が許可された。

京楽は、浮竹を抱きあげて、瞬歩で雨乾堂まできた。

そのまま、衣服を脱がせていく。

「早く・・・・・」

浮竹から求めてきた。

キスをする。

舌と舌とが絡まり合った。

「ううん・・・」

袴と下着を脱がすと、とろとろと蜜を零す花茎があった。

それに舌を這わす。

「ああああああ!!!」

数週間ぶりのセックスだった。

口腔にねっとりと絡みとられて、浮竹はあっけなく熱を放っていた。

「うあああああああ」

体内に潤滑油で濡らしているとはいえ、乱暴に入ってくる指に悲鳴があがる。

「止めた方がいい?」

「いいから、早く、お前をくれ!」

前立腺をいじりながら解して、浮竹が待ちに待った瞬間がやってくる。

引き裂かれながら、浮竹はびゅるるると、精液を吐きだしていた。

「ひあああああああ!!!!」

内部をすりあげる熱に、浮竹が涙を零す。

「つらい?」

「大丈夫・・・ああああ!」

何度もぐちゃぐちゃと中を犯す熱に、浮竹は愉悦を感じていた。

ああ、生きている。

「あああ!」

何度目かも分からない熱を中に放たれて、浮竹もまた熱を放ち、意識を失った。

京楽は、結局一度いっただけだったので、後は自分で処理した。

浮竹は病み上がりだ。

無理はさせられない。

「ん・・・・京楽?」

けっこうすぐに、浮竹は意識を取り戻した。

「したりないだろう、抱いてもいいぞ」

「いや、自分で処理したから」

「俺がまだ満足してない。いかせてくれ」

そう言われて、浮竹のものを口にした。

「あああ!手で、手でいいから!」

「こっちのほうが、きもちいいでしょ?」

「やあああ、変にになるうううう」

舌でちろちろと鈴口を刺激して、花茎全体を手でしごいてやると、透明な蜜の混じった液体が、京楽の口の中に放たれた。

さらにしごくと、またほとんど透明な蜜を吐きだした。

「ひああああああ!」

「もう、いくものないね。愛してるよ、十四郎」

「ああ!俺もあいしてる、春水!」

二人で、雨乾堂の風呂に入り、髪と体を洗い、浮竹の中に放ったものをかき出す。

一度しか放っていなかったので、少量だった。

湯からあがり、二人でシーツを変えた布団に横になっていると、セックスで体力を消耗したのか、何時の間にか意識は闇に落ちて行った。

浮竹は、愉悦に微笑む。

ああ、俺は今を生きている。京楽と、一緒に。


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