翡翠に溶ける 番外編「名付け親」
ユーハバッハとの大戦が終わり、命を失うはずだった浮竹は、京楽が花の神の器になることを条件に助かった。
13番隊の隊長に新たについたのは、朽木ルキアだった。
浮竹は霊圧を生きるエネルギーに変換したことで失っており、もう霊圧はなかった。肺の病は、花の神の力によって完治した。
書類仕事などは変わらずできるため、霊圧を失くした浮竹は、13番隊の隊長補佐となっていた。もう戦う力はないが、書類仕事や雑務などを任されていた。
「今日もいい天気だねぇ」
「ああ、そうだな」
薄紅色の髪と瞳の色になってしまった京楽は、半神の証の色だ。花の神を宿したことで、色を変えてしまった髪と瞳の色だが、特にこれといった不自由はない。
「浮竹隊長!」
「お、朽木どうした」
今は結婚して阿散井になっているが、浮竹は変わらずルキアのことを朽木と呼んでいた。
ルキアも、もう浮竹は隊長でないのだが、浮竹隊長と呼んでいた。
「もうすぐ、子が生まれるんです。隊長に、名付け親になってもらいたくて」
「もうそんな時期か」
「うっ」
「どうした?」
「ルキアちゃん?」
京楽も浮竹も、顔色を変えたルキアを心配する。
「まだ産み月には・・・でも、陣痛が・・・!」
「大変だ!京楽、瞬歩で朽木を4番隊まで!」
「君も連れていくから」
京楽は、ルキアを抱き上げ、背中に浮竹をおぶさって、4番隊の救護詰所までやってくると、勇音が対応してくれた。
「早産ですね。まだ産み月には半月はありますが、でも大丈夫です。とりあえず、阿散井副隊長を呼びましょう」
「うう・・・破水、したかも・・・・」
「タオルを!湯をわかして!」
勇音は、てきぱきと指示を出した。
瞬歩でやってきた恋次が、ルキアの手を握る。
「早産でも、大丈夫だ。俺たちの子供だ。絶対に、無事に生まれてくる」
「そうだな、恋次」
3時間ほどして、おぎゃあおぎゃあという声が響いて、待合室で待っていた恋次も浮竹も京楽も、喜び合った。
やがて、赤子を抱いたルキアと対面できた。
「名を・・・浮竹隊長に、決めていただきたくて」
「女の子か・・・・髪色は阿散井副隊長だね・・・苺。苺花(いちか)というのはどうだろう。一護君のおかげで、今があるから、彼の名前もとって・・・・・」
「いい名前ですね!それに決めます!」
「浮竹さん、ありがとうございます。いい名前ですね」
こうして、ルキアと恋次の娘は苺花と名付けられた。
--------------------------------------
「なぁ」
「なんだ、京楽」
「お前も、子供、ほしいか?」
「うーん。別にいらない」
「でも、もしも俺が女なら、お前の子を産めたのに。涅隊長にいえば、女性化できる薬作ってもらえそうだなぁ」
「あのね、浮竹。僕は子供なんて別にいらないし、今のままの浮竹がいいんだよ」
1番隊の隊首室のの奥にある寝室で、ごろごろと寝転んでいた浮竹を抱きしめて、京楽は口づけた。
「ん・・・・」
「僕は、今のままの君がいい」
「そうか」
浮竹は、はにかんで笑った。
ルキアのように愛しい者の子を成すことはできないが、京楽は今のままがいいという。
浮竹は、つきものがとれたように、ほわりと笑った。
「俺も今の京楽が好きだ。半神になったが、そのままでもいい」
「うん。お互い、今のままでいいんだよ。変わるなら少しずつでいい」
大戦を生き延びれただけでも奇跡なのだ。
元々、浮竹は死ぬ運命だった。
それをも捻じ曲げたのは、花の神という存在を呼び出した京楽の想い。
浮竹の願い。
花の神は、京楽の奥底で眠り続けている。
もう、これ以上叶えてほしい願いはなかった。
浮竹の命を救ってくれただけで十分だ。
京楽と浮竹は、キスをしたり触れ合いながら、ベッドでごろごろしていた。
「仕事、しなきゃね」
「ああ。俺も、13番隊の仕事、朽木の代わりにやらなければ」
二人して、いちゃつくのをやめて、今日の仕事にとりかかった。
午前中は休みをとっていたため、ゆっくりしていたが、京楽は総隊長だし、隊長を辞任したとはいえ、浮竹も13番隊隊長補佐についている。
「でも、ルキアちゃんの子の名前はいい名前だったね」
「一護君の名前を、いれてあげたいと思ったら、髪の色は赤いし苺が浮かんだ。苺花って名前、かわいいと思うし、きっと美人に育つ」
「美人に育っても、浮気しないでね」
「ロリコンにはならないぞ」
くすくすと、浮竹が笑う。
京楽も、つられて笑った。
今日も、尸魂界は平和だ。
翡翠に溶けて溶けて。
翡翠は輝き続ける。
13番隊の隊長に新たについたのは、朽木ルキアだった。
浮竹は霊圧を生きるエネルギーに変換したことで失っており、もう霊圧はなかった。肺の病は、花の神の力によって完治した。
書類仕事などは変わらずできるため、霊圧を失くした浮竹は、13番隊の隊長補佐となっていた。もう戦う力はないが、書類仕事や雑務などを任されていた。
「今日もいい天気だねぇ」
「ああ、そうだな」
薄紅色の髪と瞳の色になってしまった京楽は、半神の証の色だ。花の神を宿したことで、色を変えてしまった髪と瞳の色だが、特にこれといった不自由はない。
「浮竹隊長!」
「お、朽木どうした」
今は結婚して阿散井になっているが、浮竹は変わらずルキアのことを朽木と呼んでいた。
ルキアも、もう浮竹は隊長でないのだが、浮竹隊長と呼んでいた。
「もうすぐ、子が生まれるんです。隊長に、名付け親になってもらいたくて」
「もうそんな時期か」
「うっ」
「どうした?」
「ルキアちゃん?」
京楽も浮竹も、顔色を変えたルキアを心配する。
「まだ産み月には・・・でも、陣痛が・・・!」
「大変だ!京楽、瞬歩で朽木を4番隊まで!」
「君も連れていくから」
京楽は、ルキアを抱き上げ、背中に浮竹をおぶさって、4番隊の救護詰所までやってくると、勇音が対応してくれた。
「早産ですね。まだ産み月には半月はありますが、でも大丈夫です。とりあえず、阿散井副隊長を呼びましょう」
「うう・・・破水、したかも・・・・」
「タオルを!湯をわかして!」
勇音は、てきぱきと指示を出した。
瞬歩でやってきた恋次が、ルキアの手を握る。
「早産でも、大丈夫だ。俺たちの子供だ。絶対に、無事に生まれてくる」
「そうだな、恋次」
3時間ほどして、おぎゃあおぎゃあという声が響いて、待合室で待っていた恋次も浮竹も京楽も、喜び合った。
やがて、赤子を抱いたルキアと対面できた。
「名を・・・浮竹隊長に、決めていただきたくて」
「女の子か・・・・髪色は阿散井副隊長だね・・・苺。苺花(いちか)というのはどうだろう。一護君のおかげで、今があるから、彼の名前もとって・・・・・」
「いい名前ですね!それに決めます!」
「浮竹さん、ありがとうございます。いい名前ですね」
こうして、ルキアと恋次の娘は苺花と名付けられた。
--------------------------------------
「なぁ」
「なんだ、京楽」
「お前も、子供、ほしいか?」
「うーん。別にいらない」
「でも、もしも俺が女なら、お前の子を産めたのに。涅隊長にいえば、女性化できる薬作ってもらえそうだなぁ」
「あのね、浮竹。僕は子供なんて別にいらないし、今のままの浮竹がいいんだよ」
1番隊の隊首室のの奥にある寝室で、ごろごろと寝転んでいた浮竹を抱きしめて、京楽は口づけた。
「ん・・・・」
「僕は、今のままの君がいい」
「そうか」
浮竹は、はにかんで笑った。
ルキアのように愛しい者の子を成すことはできないが、京楽は今のままがいいという。
浮竹は、つきものがとれたように、ほわりと笑った。
「俺も今の京楽が好きだ。半神になったが、そのままでもいい」
「うん。お互い、今のままでいいんだよ。変わるなら少しずつでいい」
大戦を生き延びれただけでも奇跡なのだ。
元々、浮竹は死ぬ運命だった。
それをも捻じ曲げたのは、花の神という存在を呼び出した京楽の想い。
浮竹の願い。
花の神は、京楽の奥底で眠り続けている。
もう、これ以上叶えてほしい願いはなかった。
浮竹の命を救ってくれただけで十分だ。
京楽と浮竹は、キスをしたり触れ合いながら、ベッドでごろごろしていた。
「仕事、しなきゃね」
「ああ。俺も、13番隊の仕事、朽木の代わりにやらなければ」
二人して、いちゃつくのをやめて、今日の仕事にとりかかった。
午前中は休みをとっていたため、ゆっくりしていたが、京楽は総隊長だし、隊長を辞任したとはいえ、浮竹も13番隊隊長補佐についている。
「でも、ルキアちゃんの子の名前はいい名前だったね」
「一護君の名前を、いれてあげたいと思ったら、髪の色は赤いし苺が浮かんだ。苺花って名前、かわいいと思うし、きっと美人に育つ」
「美人に育っても、浮気しないでね」
「ロリコンにはならないぞ」
くすくすと、浮竹が笑う。
京楽も、つられて笑った。
今日も、尸魂界は平和だ。
翡翠に溶けて溶けて。
翡翠は輝き続ける。
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