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翡翠を愛する者番外編

浮竹を手に入れた京楽は、機嫌がよかった。

浮竹は浮竹で、京楽とそういった大人の関係になったことを、今更ながら恥ずかしく思っていた。

「浮竹様は、王に愛されておいでですね」

女官に髪の手入れをしてもらいながら、浮竹は顔を真っ赤にさせていた。

先代王との時は、ただの体の関係だけだった。

ただ、京楽とは心が通じあっている。

京楽のことが本気で好きだと思ったのは、体の関係に至ってからだった。

京楽はいつも甘くて、そしてエッチなことをするときは受け身の負担も考えてくれて、ちゃんと蕾を解してくれる。

先代王の時は無理やりつっこまれて、その場所が切れて血が滲むのなんて日常茶飯事だった。

気持ちいいと感じるようになったのは、男を受け入れるために、自分で蕾を潤滑油で濡らしてから、寝所に通うようになってからだ。

京楽は先代王と全然似ていなかった。

先代王は小柄だったが、京楽は大きい。

本当に血の繋がりがあるのかと、大きくなった頃に疑われたが、先代王の正妃の出産も初夜も、貴族たちが見守っていたので、偽りの子とは言われなかった。

「俺は、あいつの奴隷だから」

女官に、化粧水を肌に塗られながら、浮竹はそう答える。

「あ、王!」

女官が傅く。

「京楽?」

「やぁ。そんなに畏まらなくていいよ。ただ遊びにきただけだから」

京楽は、浮竹にあげた精霊猫のヒスイを抱き上げながら、浮竹が座っているソファーの隣に座った。

女官たちが気を利かして、二人きりにさせてくれた。

「キスしていいかい?」

「いいぞ」

了承をとって、京楽は浮竹に触れるだけのキスをした。

「ん・・・これだけ、か?」

「もっといっぱいしたいけど、ここじゃねぇ。そういえば、この前僕の誕生日だったんだ」

「知らなかった。何か欲しいものあったのか?あったら、あげたのに」

「欲しいものは「浮竹」だったよ。この前もらったでしょ。だから、僕の誕生日プレゼントはもう受け取ってるんだ」

浮竹は顔を真っ赤にして、京楽に抱き着いて、京楽の肩で顔を隠した。

「恥ずかしいやつ・・・・」

「ふふ、照れてるの?かわいいね」

「あ・・・・・・」

長い白い髪を、手ですかれる。

「君を抱きたい。寝所に行こう」

抱き上げられて、浮竹は真っ赤な顔を隠そうともせずに京楽にしがみついた。

「にゃあん」

「ヒスイ、おとなしくしてるんだぞ」

浮竹の膝に座っていたヒスイは、またにゃあんとないて、浮竹の部屋のベッドで丸くなった。

浮竹の部屋で行為に及ぶには、潤滑油などがないので、無理がある。

京楽は、後宮から宮殿までの少しの距離であるが、浮竹を抱き上げたまま進んでいく。

すれ違う家臣や兵士たちは、皆傅いて王者への忠誠を現す。

寝所につくと、すでに風呂には入っていたが、風呂に入ろうと誘われた。

拒否することもできたが、京楽を洗ってやりたくて、浮竹は京楽と風呂に入った。

薔薇が浮かべられた薔薇風呂だった。

シャンプーで京楽の長い髪を洗ってやると、京楽がお返しにと浮竹の長い白髪を洗ってくれた。

「風呂はいいねぇ。体にもいいし、汗が流せてすっきりする」

「風呂は好きだ、俺も」

「ねぇ、これ飲んでみて?」

ふと、風呂の中で渡された透明な瓶を、浮竹は受け取る。

「なんだ、これは?」

「ただの栄養ドリンクだよ」

浮竹は、中身を口にした。

「甘い・・・・・」

すると、ぼふんと音をたてて、浮竹に猫耳と猫の尻尾がはえた。

「え、なんだこれ、どうなっているんだ!?」

「いやねぇ、錬金術で最近作られるようになった、獣人の姿になれるポーション」

「獣人って・・・・こういうのが好きなのか、お前は」

「いやまぁ嫌いじゃないけど。問題は、浮竹に猫耳と尻尾が生えるのに意味があるんだよ」

ぎゅっと尻尾を摑まれると、ぞくりと体に衝撃が走った。

「にゃあん・・・・・や、なにこれ・・・ふあ・・・」

「猫耳と尻尾、性感帯になるそうだよ」

「京楽のバカ!」

「まぁまぁ。たまには違ったかんじもいいでしょ?」

猫耳をつままれて、浮竹は京楽に抱き着いた。

「・・・・っあ」

風呂からあがり、雑多に水分を拭き取られて、天蓋つきのベッドに押し倒される。

ゆらゆらと、猫の尻尾が揺れていた。

「んんっ」

尻尾を摑まれながら、口づけされる。

「ふあ・・・・・・」

口内に京楽の舌が入ってくる。縮こまった舌を吸い上げて、甘く噛まれる。尻尾をさわられていると、本当に性感帯みたいで、感じてしまった。

「あ、あ・・・にゃあっ」

「あ、副作用でたまに語尾ににゃあってつくからv」

「ばか京楽!うあ!」

尻尾をくるくると巻かれて、体がのけ反る。

「ううん」

胸の先端を口に含まれる。

「あ、は・・・・や・・・・・」

猫耳をいじられて、目の奥がちかちかした。

ぷっくりとたちあがった先端を甘噛みされる。

「んっ」

胸でも感じるように体ができているので、浮竹は熱い吐息を吐いた。

「あ、もぅ・・・・・京楽」

「だめだよ、ちゃんとしないと」

京楽は、浮竹の猫耳と尻尾を何度もいじった後で、潤滑油を取り出して蕾に塗っていく。

指を増やされて、ぐちゅぐちゅと音をたてていじられて、前立腺をいじられてドライでいってしまった。

精液を吐き出せない体は、女のようにオーガズムでいくことを覚えてしまっていた。

「ああっ!」

「いったの?かわいいね」

「ひあ・・・・あ、んあ」

くるくると縁を描くように蕾を撫で上げられる。

指がまた入ってきて、浮竹は眩暈を覚えた。同時に尻尾をいじられたせいだ。

「あ・・んん・・・・・・」

こりこりと、前立腺をこすりあげられる。

「んあ・・・もう、も・・・や、早くこい、春水。俺の奥に来い」

京楽は浮竹の右足を担ぎあげて、正常位で浮竹を抱いた。

ズチュリと音を立てて、中に入ってくる。

ぞくぞくと、浮竹は尻尾を揺らしていた。

「んん・・・・は、ああ・・・・・」

中をすりあげられるのが、たまらなく心地よい。

「もっと・・・・・にゃああ」

ゆらゆらと揺れる尻尾を見て、京楽が微笑んだ。

「気持ちいいんだね?僕もきもちいいよ」

浮竹の中は、熱くてきゅうきゅうと締め付けてくる。

いきそうなのを我慢して、浮竹を追い上げた。

「あ、もう、もうだめ・・・・春水、早く!」

「うん、君の奥に出しちゃうよ?いいかい?」

「ンア・・・・奥に出せ、いっぱい、お前の子種を」

「一緒にきもちよくなろうね?」

「んああああ!にゃあああ!」

最奥を突き上げられるのと、同時に猫耳をつまみあげられた。

あまりの快感に、浮竹は頭が真っ白になった。

だが、京楽は一度果てたが、まだ硬かった。

「あ・・・・・」

「もう1ラウンド、付き合ってね?」

「あ、あ、春水・・・あっ」

浮竹は、もう啼くことしかできなかった。

「あ、いい・・いあ、ううん・・・・・」

ずちゅりずちゅり。

結合部は泡立ち、潤滑油と体液が混じったものが溢れてくる。

「ンク・・・・あぁ・・・んあああ!」

「十四郎、愛してるよ」

「にゃあっ」

浮竹を好きなだけ攻め立てて、京楽は熱を浮竹の最奥に放った。


「京楽のばか!」

浮竹は、猫耳と尻尾が消えると、後始末をちゃんとされたが怒っていた。

本気で怒っているわけではないが、薬を使われたことがお気に召さないようだった。

「ごめん、今度からこういうのする時はちゃんと許可とるから」

「誰が許可なんて出すか」

「愛してるよ・・・」

耳元で囁かれ、耳朶を甘噛みされて、浮竹は真っ赤になる。

「ね、また今度・・・・」

「ん・・・考えとく・・・・・」

よっしゃ。

京楽は、心の中で叫んだ。

王は、翡翠を愛する。

翡翠は王に愛され、輝きを増すのだ。

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