忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
03 2025/04 4 7 8 10 1213 14 15 16 17 18 1920 21 22 23 24 25 2627 28 29 30 05

色のない世界番外編

「愛しているよ」

「俺も愛してる」

二人の恋人であり結ばれた伴侶は、愛を囁きあった。


護廷13隊1番隊隊長京楽春水。元13番隊隊長浮竹十四郎。

花の神に再び命をもらった二人は、寄り添いあいながら生きた。

結婚して、2年が経とうとしていた。

ルキアと恋次の子、苺花は10歳になり、元々おませだったのが余計に酷くなってきた。

「そろそろ、チカさんと体の関係を築きたいんだけど・・・」

「だめ、絶対だめ!」

「そうだぞ、せめてあと最低5年は待て!」

1番隊の執務室に遊びにきていた苺花は、京楽と浮竹の言葉に唇を尖らせた。

「えーなんでー。あたし、おっぱいふくらんできたし、もう月経もはじまってるよ」

「おい、まだ10歳だったよな」

「最近の子は発育がいいからね」

こそこそと相談しあう二人。

「この件、朽木に相談するか?」

「そうだね、ルキアちゃんにちゃんと説明したほうがいいだろうね」

「ねーねー。何こそこそ話してるの、シロさん総隊長」

「この尸魂界では、14歳未満の子は体の関係は築いちゃだめなの」

「えー絶対嘘!それ現世の法律じゃん」

「苺花ちゃん、もっと自分を大切にしろ」

「シロさん、いつも総隊長と寝てるんでしょ?チカさんと同じことしたいだけだよ?」

「それがだめなんだ!」

浮竹が、がたんと立ち上がって、苺花の両肩を掴む。

「俺と京楽は爛れた関係だから、少々何かあろうがどうでもいいけど、苺花ちゃんは初めてだろう!しかもまだ10歳だ!初めてはもっと、特別にとっておくものだ!」

「えー。だからチカさんと」

「綾瀬川3席と君が寝たら、綾瀬川3席が処罰をうけるんだよ」

「ええっ、まじで?」

「まじで。児童への姦淫罪で」

「ああ、そうだ。だから、まだ初めては、せめて15歳になるまでとっておきなさい」

「あと5年か~。あたし、待てるかな?チカさんに恋人できたらどうしよう」

「綾瀬川3席に恋人はできないんじゃないかい。あの子、自分のこと大好きのナルシストだし」

「え、じゃああたしを恋人にしてくれないの?」

目にみるみる涙をためて、苺花は泣きだした。

「うわーん。総隊長がいじめるーーー」

「いじめてないから!」

「お菓子あげるから、泣き止みなさい」

浮竹が、日番谷にあげようとしていたキャンディの入った缶詰を、苺花にあげた。

「あーそういえば、バロウィンだな。せっかくだし、ハロウィンパーティーでもしようか」

浮竹の思い付きで、10月最後の日はハロウィンパーティーが行われることになった。


みんな、その日は思い思いのコスプレをして、カボチャを使った料理や、普通のお菓子を食べたりした。

「ハッピーハロウィン。トリックオアトリート」

ルキアが、チャッピーの恰好をして、旦那の恋次にお菓子をねだっていた。

旦那の恋次は、チャッピーの着ぐるみを無理やり着せられていた。ちょっとシュールだった。

それより目を引いたのは、白哉のわかめ大使の着ぐるみだろうか。

シュールだが、怖くて誰も笑えなかったとこを、浮竹が笑いだした。

「白哉、なんだその恰好は!せっかくの美貌が台無しだぞ。あはははは」

「兄は・・・・・トリックオアトリート」

「む、お菓子は日番谷隊長にあげてしまってないぞ」

「私が、兄にあげたいのだ。わかめ大使スペシャルだ」

どんと、どこに隠して持っていたのか、巨大わかめ大使や、わかめ大使チョコ、キャンディ・・・・・いろいろ詰まったお菓子セットを渡された。

「ありがとう、白哉」

「兄は、今幸せか?総隊長と結婚して・・・・・・」

「ああ、幸せだぞ。毎日を大切にしながら過ごしている」

「そうか。それならよいのだ」

白哉はルキアのほうへいった。ルキアは、白哉と同じで芸術的センスがちょっといかれているので、わかめ大使の着ぐるみをきた義兄を、「さすが兄様とても似合っています」と褒めまくっていた。

白哉も、まんざらではなさそうだった。

写真を撮ったり撮りあったり。

日番谷は、狼男のコスプレを松本は魔女のコスプレをしていた。

「あーん、隊長のコスプレかわいいー写真撮っていいですよね?」

「松本は、ちょっと年齢考えたらどうだ」

「ひどい!わたし、まだまだぴちぴちですよ!女の子です」

「女の子だって・・・・年考えろってやつだね」

フランケンシュタインにコスプレした弓親が、松本を怒らせる。

「なんですってーーー!」

「おお怖い。更年期障害かな」

「キーーー!」

京楽はかぼちゃそのもののコスプレを・・・これも笑えるのだが。

浮竹は、お岩さんのコスプレをしていた。

なんかちょっと、趣旨がずれていた。

浮竹の芸術センスもゼロだから、みんなまったりとして、京楽の恰好もきっと浮竹の仕業だと話しだす。

事実、その通りだった。

ハロウィンでは、コスプレのコンテストもあった。

優勝したのは白哉だった。

開催したのは京楽である。金一封などは意味もないだろうから、現世への旅行へ行けるチケットと有給休暇をあげた。

「ルキア、恋次、苺花。北海道へいくぞ」

「お、いいですね、隊長」

「兄様が選ぶ場所は間違っていない!」

「白哉叔父様の選ぶ場所はいいとこ!」

朽木家と縁続きのある者たちは、金銭感覚がおかしい。唯一まともなのは恋次だった。


「はぁ。久しぶりにみんなでわいわい楽しめたな」

「そうだね。こういうの、たまにはいいよね」

コスプレを終えて、元に恰好に戻る。

1番隊の隊首室の奥にある寝室で、浮竹は大きなベッドの上に体を投げ出した。

「今年ももう10月の終わりか。年末年始も、あっという間だろうな」

「そうだね」

浮竹に覆いかぶさって、京楽が口づける。

「んっ」

「今日は、していいかい?2週間ぶりだし」

「ああ、いいぞ」

浮竹からYESをもらって、口づけあいながら、違いの衣服を脱がしていく。

「んあっ」

中に入ってきた京楽の熱い熱を感じた。

「あああっ」

前立腺をすりあげていく性急な動きに、浮竹が京楽に抱き着いた。

「もっとゆっくり・・・・俺はもう、消えたりしないから」

「ごめん。ちょっと急すぎたね」

ゆっくりと内部を侵していく。

「あっ」

胸の先端をかじられ、入れられたまま揺さぶられた。

「ひあっ・・・・・いあああ」

前立腺をこすりあげられて、花茎に手をかけられる。あっという間に吐精してしまった。

「んっ」

そのまま体位を変えられ、後ろから貫かれた。

「ああっ!」

咥内に、指が入ってくる。

「んうっ」

舌を絡める。

浮竹は、ペロリと自分の唇を舐めた。

「はぁっ」

引き抜かれ、また挿入される。何度かその行為を繰り返していくうちに、結合部から水音がした。ぐちゃぐちゃと音をたてて、侵される。

「んあ!」

最奥を貫かれて、浮竹は射精した。

腹の奥で、京楽がはじけるのを感じた。

「春水・・・・もっとキスを」

「十四郎は、いつでもかわいいね」

浮竹が、京楽の眼帯を外す。右目がもう見えないが、義眼をはめてあった。浮竹と同じ、緑色の義眼だった。

「オッドアイみたいで、綺麗だ」

「こっちの目は、もうだめで摘出してしまったからね」

「片目だと、きつくないか?」

「もう、慣れてしまったよ」

何度も口づけしあう。

ハロウィンの夜も更けていく。





ふっと、水底で花の神は揺らめいた。

「愛児たちに、祝福あれ・・・」

ぶわりと、寝室の天井から花びらの奔流が降ってくる。

それはちらちらと舞う程度になり、最後は光の雨になって音もなく消えていった。

その光景を見つめながら、思う。

もう一度与えられた命の大切さを。


「俺は幸せだ」

「僕も幸せだよ」

もう、姿を現す力もない花の神に、微笑んだ。

冬になれば、雨乾堂の池に、椿を沈めよう。別名椿の狂い咲きの王のために。

椿姫に恋い焦がれれた、孤独な王に、せめて椿の花を。

色のない世界が色づいていく。

それは、椿の色。

薄紅色だった。


拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(04/11)
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/06)
"ココはカウンター設置場所"