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花街夜話

「かわいいね。君どこの店の子?」

「椿の廓の--------」

「そう。椿の廓の遊女か」

女ものの着物を着せられて、肩までの髪を結い上げて、少しだけ値段のする髪飾りをして、化粧もしていた浮竹は、その男に遊女と間違われた。

本当は、色子なのに。

自分の容姿がいいのは知っていた。
できれば、死神になりたかった。学院に通いたかったが、今までかかった薬代のかたにと、色子として売られて行ってしまった。
両親には浮竹をいれて8人に子供がいた。浮竹は病弱で、特に肺の病が酷くて、両親は借金に借金を重ねて、過労で死んでしまった。
残った7人の兄弟たちも、いずこかに売られていってしまった。

残ったのは、下級貴族という称号と浮竹。

浮竹は病弱のせいで、容姿がいいので色子として売られていくのは決まっていたが、買い手がなかなかつかないでいた。
その浮竹を買ったのが椿という廓だった。遊女も色子もどちらもいる廓で、花街の中では3番目に大きい廓だった。

そんな廓に、よく遊びにくる男がいた。護廷13番隊8番隊の隊長、京楽春水だった。

色子として、生きる術を教えられた。でも、それがいやでいやで、抜け出そうとしたら、酷い折檻を食らった。
半ば、心は死んでいるような状態。

その京楽という男は、廓の花魁とを買いにやってきた。熱が出て、とても客の相手をさせれないが、少しくらい働けと言われて、本当は禿がするであろう花魁の周りの世話をしていた。

熱のせいで、呼吸が乱れる。くらくらして、世界が廻っているようだ。

「ぐっ・・・・」

けほけほと咳込むと、花魁の椿姫という女は、いやなものを見る目でこっちを見てきた。

「その病、ほんとに人にうつるものじゃないんでしょうね!」

「これは・・・・ちがう・・・・」

喉がからからに乾いていた。水を飲むと、椿姫にぶたれた。

「何勝手に水なんて飲んでるの!この店の水はね、特別に調合されているんだからね!お前のような客がつかない色子風情が飲むもんじゃないんだよ!」

「何か飲むものを・・・・・・」

喉が渇いて、死にそうだ。

「これをお飲み」

浮竹の細くまだ幼い体を、少し毛むくじゃらの手が、支えていた。

「京楽の旦那、それ甘露水じゃないか!そんな高いもの、こんなできそうこないにやることはないわ!」

京楽の手から、甘露水を奪おうとする椿姫を、京楽が見る。

「君が、こんな酷い子だとは思わなったよ。今日はこの子を指名する」

「なんだって!この泥棒猫、京楽の旦那に言い寄ったのかい!」

再びぶたれそうになった。椿姫の手を、京楽が止めた。

「君にはうんざりだよ。今日はこの子を買う」

「京楽の旦那、そんなこと言わずに。それにその子は色子だよ、旦那にそっちの趣味はなかったでしょう。あたいが満足させてあげるから、いつもみたいにあたいを買っておくれよ」

「興味ないね」

一度、京楽に見捨てられたら、二度と買ってもらえない。色街でも、有名な噂だった。

「そうだ、その子をいれて3人でするのはどうだい」

いいことを思いついたと、椿姫は京楽の腕から浮竹を奪うと、その衣服を脱がしていく。色子なのだと分からせれば、興味を失うと思って。

「やめなさい、椿姫」

細い体を毛布でくるんで、京楽はまだ幼い浮竹の体を抱き上げた。
年の頃なら、13、14歳くらいだろうか。色子が春を売る時間は短い。二十歳をいくつか過ぎても春を売る色子もいるが、たいてい二十歳くらいには花街から身請けするか年季あけで、いなくなってしまう。

「名前は?」

京楽に抱き上げられて、浮竹はかすれた声をだしていた

「翡翠・・・・・・」

瞳が極上の翡翠色だと、廓の女将が喜んでいた。そのまま、翡翠という名が与えられた。

色街は、色を売る場所。春を売る場所だ。
色を求めて群がってくる男どもに、本当の名を明かすことなどほとんどない・

「翡翠か・・・いい名前だね、今日の昼、色街の外れであったね。覚えてる?」

コクリと、浮竹は頷いた。

「遊女だとばかり思っていたけど、色子だったのか。熱があるね・・・君は僕が買うから」

その言葉に、びくりと浮竹の体が強張った。

「大丈夫、何もしないよ」

褥に横たわらせて、甘露水を店の主人に頼んだ。甘露水の他にも薔薇水や檸檬水などを注文する。

「飲めるかい?これは薔薇水・・・・・・」

「ん・・・」

こくこくと、白い喉を薔薇水が嚥下していく。

「こっちは檸檬水。少しすっぱいけど、飲んでこらん」

「ん」

檸檬水を飲んで、その甘酸っぱさに、浮竹は目を見開いた。檸檬をしぼった汁に、蜂蜜をまぜてあるのだ。甘露水は砂糖だ。

どちらも高値で、とてもじゃないが稼ぎのない色子風情の浮竹が、口にできるものではなかった。

「あの、お金・・・・・・」

「気にしなくていいから」

「でも・・・・俺、まだ何もしてない・・・・・」

「君みたいな小さい子を、買って無理やりするような大人じゃないよ、僕は。そうだ、これ椿姫にあげようと思っていたんだけど、君にあげるよ」

上半身を起こしている浮竹の細い体を支えて、京楽は翡翠の髪飾りを浮竹に与えた。

「似合っているよ。かわいいね、翡翠」

少し毛深いけど、美丈夫な京楽は、女たちにもてた。花街で、抱く相手に困ったことはない。いつも美しい遊女や花魁を相手にしていた。

最近お熱だった椿姫に愛想をつかせた京楽は、戯れに買った浮竹に手を伸ばす。

深く口づけられて、浮竹は驚いていた。

「檸檬水の味がするね・・・何か、熱を下げたりする薬もらってないのかい?」

「奥の部屋の戸棚に・・・・・」

とてもじゃないが、立ち上がって取りに行く体力など残っていなかった。

京楽が、薬を手に戻ってきた。廓の者に命じて、井戸から冷たい水をもってきてもらい、タオルをひたして、それを額の上に乗せられた。
そして、口移しに薬を飲まされた。解熱剤もあって、その成分に含まれる睡眠薬のせいで、いつの間にか浮竹の意識は闇に墜ちていた。


次の日、目覚めると隣で寝ている京楽に気づき、悲鳴をあげそうになった。

「そうだ・・・・俺は、この男に買われて・・・・・」

でも、キスしたくらいで、それ以上は何もしていない。

まだ、初めてさえ経験していないのだ。初めてを売るのは、あさってと決まっていたが、京楽が浮竹を買ったことにより、浮竹の初めては京楽が相手ということにされた。

京楽は、起きると浮竹の幼い体をまさぐった。

「な、何・・・・?」

「君・・・・ちゃんと、食べさせてもらってるかい?肋骨が浮き出ているじゃないか」

「この前、2回目の脱走してから、あまり食べさせてもらってない」

「僕がきちんと店の主に言っておくから。ちゃんと食べなさい」

きちんと衣服を着せて、京楽は浮竹の細い体を抱き寄せた。

「またくるから」

そう言って、京楽は廓を去ってしまった。

触られた場所が、ぽかぽかする。心に何かがしみわたってくる。絶望のどん底にいた浮竹は、翡翠という名で椿の廓で色子として売られるようになるまで、時間はかからかった。

「またきたよ」
「京楽・・・・・・」
「こら、翡翠!京楽様とお呼びしなさい」
店の前で、道路に水を撒いていたら、京楽がやってきた。名前を呼び捨てにすると、同じく店の前の道路に水を撒いていたいた店の主人に怒られた。
「あれから、君を買った人はいるかい?」
そんな質問をされた。
ぷるぷると首を横に振ると、京楽は心から安堵したように浮竹を抱き上げた。
「今日も君を買うよ。主人、この子を指名する」
「はい、京楽の旦那様」
病を抱え、熱を出して寝込み・・・・廓の主人でさえ、こんな色子買うんじゃなかったと後悔していたのだが、色街でも有名な上流貴族の京楽に指名される浮竹に、廓の主人も満足げだった。
何せ、椿姫を捨てたという。椿姫には他にも常連のいい客がいたが、一番のお気に入りの京楽を奪われて、嫉妬で浮竹をいじめていた。
はじめは、廓の主人も注意しなかった。ただの京楽の気まぐれだろうと。
だが、3回、4回と浮竹を買っていく京楽に、京楽の旦那様は色子の翡翠がお気に入りという噂も広まって、頬を叩いたり、蹴ったりという暴行をくわえていた椿姫にお仕置きがされた。
「これにこりたら、もう翡翠に手をだすんじゃないぞ!何せ、毎日のように京楽の旦那様がきてくれる。お前の時は2週間に一度だった。翡翠の値段をお前と同じにしたけど、毎日買ってくれるからな。棚から牡丹餅だよ。買って損したと思っていた翡翠は、まるで金の成る木だ]
店の主人は、逃げ出そうとして折檻をしていた浮竹が、逃げようとしなくなったことにも満足していた。
京楽は、浮竹を買った。最初はお菓子を与えていたり雑談するだけだったが、そのうち肉体関係をもつようになった。
「あっ・・・・」
まだ幼い浮竹のそこは狭くて、異物を排除しようとする動きが酷く心地よかった、
「翡翠、痛くないかい?」
京楽に貫かれて、でも浮竹は首を横に振っていた。
「大丈夫・・・・・・・」
「ごめん、少し動くよ・・・・」
ずずっと、中の前立腺をすりあげように動かれて、浮竹は啼いた。
「ああっ!」
その珍しい白い髪は、肺の病にかかった時になってしまったのだという、
「んあっ」
京楽の手が、まだ精通を迎えて間もない、浮竹の花茎に手を伸ばす。
「あっあっあっ」
前も後ろも愛されて、ぐちゃぐちゃになっていく。
「春水っ」
「翡翠っ」
浮竹の体の奥に精液を吐き出して、京楽は浮竹の体を抱き締めた。
「ごめんね。こんな幼い君を抱いて。でも、君に夢中なんだ」
「京楽が俺を求めるから、それに応えている。別に、謝らなくていい」
濡れたタオルで全身を清められて、浮竹は京楽の腕の中でまどろんでいた。
その日も、京楽は浮竹の元で泊まっていった。
それを快く思わない者がいた。花魁の椿姫だ。店の看板の名を与えられ、廓のNO1の花魁だった。それなのに、翡翠に京楽を奪われたと憤慨していた。
暴力を与えて折檻していたのが店にばれて、花魁なのにお仕置きをされた。
それさえ屈辱で。
椿姫は、まだ京楽しか知らない浮竹を呼びつけた、
「なんだ」
「いいご身分ね」
「用がないなら、帰る」
「おっとまちなよ」
椿姫が、浮竹の細い腕をとった。
「へへへ・・・・・・」
「ひゅーかわいい」
「ほんとにただでやってまっていいのか?」
3人の男に囲まれて、浮竹はやばいと思った。
「いいんだよ。金払ってる分、可愛がってやっておくれ」
3人の男は、椿姫の馴染みだった。しけた金額しか払わなないので、まだ抱かせてやったこともない。そんな男たちに、自分を抱かせる権利と金を与えた、
色子の、翡翠を穢せと。
「やめろ、何する!」
椿姫の褥で押し倒された
「この!」
暴れると、殴られた。
「いやだ、いやだ、京楽!」
浮竹は、涙を流して京楽の名を呼ぶが、それに応えてくれるものはいなかった。
どれくらい時間が経っただろうか。
輪姦された浮竹は、ボロボロになった着物のまま、自分の部屋に戻って行った。
そして、何度も風呂に入り、男たちに穢された体を洗った。皮膚が赤くなるまで洗っていると、京楽が呼んでいると言われた。
「京楽・・・・・・」
京楽はぎょっとした。泣きはらした赤い目に、着物の合わせ目から見えるキスマーク。細い手首には、戒められた痕まであった。
「誰にやられたの」
「京楽・・・俺は穢された。京楽が抱くと、京楽まで穢れる・・・・・・・」
「そんなことないよ」
抱き締められた。
翡翠の瞳からいくつも涙があふれ、滴っていく。
「あ・・・・・・」
押し倒されて、その優しさに浮竹は言葉を飲み込んだ。
「君を身請けする。もう、君は僕だけのものだ」
「ああっ」
輪姦されたせいでもあるが、すでにとろとろにとけていた場所を貫かれて、浮竹は涙を零した。
「もっと、京楽でいっぱいにして・・・・・」
「君は、僕のものだ・・・・・」
自分がつけたのではないキスマークを上書きするかのように、痕を残していく。
「あああああああ」
京楽で満たされて、いっぱいになる。
貫かれ、揺さぶれて、いつの間にか射精していた。
「んあああっ!」
世界が真っ白になっていく。男たちに汚されたことなど、まるで初めからなかったかのように思えてきた。
「あっ」
京楽に抱きかかえられて、足を広げられた。
「やだっ、奥までくるっ」
騎乗位にされて、軽い体重ではあまり京楽のものを飲み込めなかったので、京楽が浮竹を抱き下ろした。
「ああっ」
深く繋がって、一つになって溶けていく。
「んんっ」
激しく突き上げられる。
いつもより激しく抱かれて、いつの間にか浮竹は意識を失っていた。
その間にも時間は進む。浮竹の話から、浮竹を穢した男たちを探り当てて、自分の手で半殺しの目に合わせた。それから、それを企んだ椿姫を身請けした。椿姫は喜んだが、身請けされてつれてこられたのは、下級の廓。病気もちの女がいるような店に、はした金で売られた。
「京楽の旦那、あたしが悪かったよ!もう翡翠には手だししないから、こんな廓に売るのはよしとくれ!」
泣き叫ぶ椿姫の髪をひっぱって、廓に戻す。
「その美貌があれば、直に違う廓にうつれるさ。まぁ、病気をもらわなきゃね」
こんな下級の廓にくるのは、病気もちの男ばかりだ。
---------------------------------------------
「ん・・・・・・・・」
浮竹が気づくと、そこは知らない部屋だった。
「気づいたかい?」
「ここはどこだ?」
「僕の館だよ」
「え」
浮竹が、京楽を見る、
「言ったでしょ、君を身請けするって」
「本当に?俺は自由なのか?」
「ああ、自由だよ。ただし、君は僕のものだ」
「んっ」
深い口づけを受けて、浮竹は泣いた。
「本当の名前、教えて?翡翠の他にも、名前があるんでしょう?」
「・・・・浮竹十四郎」
「そう。これからは、十四郎と呼ぶね」
京楽は優しかった。仕事に出かける時以外は、常に傍にいてくれた。そして、他の場所に売られていった妹や弟たちを買い戻してくれた。
浮竹には、一軒の屋敷が与えられて、そこで兄弟仲良くくらしていた。毎日のように京楽が来る。
京楽の館に連れていかれては、抱かれた。
「春水っ」
「十四郎・・・・僕のものだ」
やせ細っていた体は、栄養があるものをたくさん与えられて、細いがしなやかな筋肉がつくようになった。
「そういえば、君は死神になりたがっていたね。霊圧はあるし・・・・今度の学院の試験、受けてみるかい?」
「いいのか?」
浮竹が、おずおずと京楽の様子を見る。
「君が死神になったら、僕のところにこれるようにする。そしたら、仕事の時間も一緒にいられるしね」
「春水、大好きだっ」
思いきり抱き着かれて、京楽は尻もちをついた。
その後、無事に学院の試験を突破し、特進クラスに進み、飛び級で学院を卒業して、京楽と同じ8番隊になった。
周りが羨むほど、二人の仲はよかった。
「春水、愛している・・・・」
「僕もだよ、十四郎・・・・・・」
二人は、いつまでの共にいた。やがて浮竹が成人すると、3席に置かれた。そして、とても大切にされた------------。




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