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血と聖水と名において20

「血と聖水の名において、アーメン!」

「ぐぎゃああああああああ!!」

そのヴァンパイアは、大量のグールを操っていたが、浮竹が放った銀の弾丸で心臓を貫かれて、あっさりと死んでしまった。

「むう。倒しがいがない」

「そう言わないでよ。レイモンドがブラッディア帝国の皇帝になって、今まで隠れて人の血を吸っていたようなヴァンパイアばかりになった。有名どころは、レイモンドに忠誠を誓うかわりに、今までの罪を許してもらう・・・・・」

「いやなシステムだ」

「でも、ハンターを退けるほどのヴァンパイアを束ねるなら、強いだろうね」

「それもいやで厄介なことだ」

「ほんとにね。ハンターギルドの賞金首がごっそり消えちゃってまぁ。まぁ、こんなやつでも金貨4百枚はあるから」

「まぁ、無収入よりはましだな」

ヴァンパイアの灰をカプセルにつめる。

それをギルドに提出すると、ギルドマスターに呼ばれた。

「ヴァンパイア化したドラゴンが出た。やれるか?」

「どうだろう。ボクの力が、ドラゴンに通じるかどうか」

「俺なら、精霊を使役できるからなんとかなりそうな気がする」

浮竹がフェンリルを召喚して、抱き上げる。

「そうなんだ。A級だが、実力はもうS級だろう。浮竹のエレメンタルマスターの力があればどうにかなるおと思うんだ。いってくれるか?」

「ああ、分かった」

「あの、ボクは?」

ギルドマスターはきっぱり言った。

「おまけで声をかけただけだ。お前はヴァンパイアには強いが、違うモンスターだとどうだかわからんしな。おまけに今回はドラゴンだ」

「ドラゴンなら、冒険者ギルドも動くんじゃないのか?」

「血の帝国のブラッディアからくる下級ヴァンパイアとグールの群れを阻止するのに手いっぱいらしい」

「レイモンドは、何がしたいんだろうね?」

「人間への、復讐かもな。母様、ブリュンヒルデが死んだのは、人間がわざと母様に病気をうつしたせいだ。病原菌を、直接無理やり摂取させた」

「あー。そりゃ、レイモンドでも怒るね。ブリュンヒルデは、ヴァンパイアになっていなかったの?」

「ああ。母様はヴァンパイアに近いが人間だった。レイモンドと不老の契約を交わしていた」

「とにかく、任せたぞ。場所はイアラの村だ。馬車で2週間かかるが、お前たちなら一瞬だろう。転移魔法が使えるのだから」

「まぁ、退治してみせよう」

浮竹は、ちゃっかり金貨4百枚を受け取って、巨大化したフェンリルの背に京楽と共に乗って、風の上位精霊ジルフェを呼ぶ。

「イアラの村まで、転移してくれ」

「了解した」

二人は、イアラの村のど真ん中に出た。

周囲は、焼け焦げていた。

アンデット化したドラゴンなら聞いたことはあるが、ヴァンパイア化したドラゴンは聞くのは初めてだった。

「きしゃあああああああ」

ドラゴンは、人の血をすすっていた。

食べるのではなく、すするのだ。周囲には、血を吸われつくしてミイラとなった死体の山。

「いけ、フェニックス!」

「きゅおおおおん」

「ボクも行くのにゃあ!」

「フェンリル、足を凍らせろ」

「分かったのにゃ!」

フェンリルは、氷のブレスでドラゴンの動きを封じる。フェニックスの業火は、ドラゴンには効いたことは効いたが、すぐに傷を再生してしまう。

「戻れ、フェニックス!フェンリル、氷のブレスで全体を凍らせろ!」

「今やってるにゃん。こいつ、魔法耐性が強くてなかなか凍らないのにゃん!」

「仕方ない。闇の精霊王、ダークピュリアよ、顕現せよ」

浮竹は、久しぶりに精霊王を呼び出す。

「はーい。呼んだぁ?」

「あのドラゴンを、お前の力でなんとかしてほしい」

「お安いご用よ。ヴァンパイア化したとはいえ、普通のドラゴンでしょ?」

「ああ」

「ヘルズゲート!」

「きゅああああああああああああ」

ドラゴンは、地獄に通じる門に吸い込まれて、大量の灰だけがその場に残った。

「やっつけたわよ?久しぶりなんだから、あたしとしっぽりしない?」

「しない!」

「浮竹の浮気者おおおおお。うわああああああん」

京楽が、何の役にも立てなかった上に、精霊王とはいえ、美しい女性と親密げに話す浮竹に浮気者といって、精霊王に嫉妬する。

「浮気者おおお。しっぽりとはボクとだけしてよおおおお」

「あれ、あなたの花嫁の成れの果て?」

「ああ」

「最初はかわいかったのに」

「今は変態のアホの子だ」

「酷いいいいいい」

「まぁ、いいわ。あなたの顔を久しぶりに見れたから。今度、精霊王が揃う祭りがあるの。全ての精霊王と契約しているあなたも、忘れずにきなさいね?」

「ああ、分かった」

「じゃあ、私は精霊界に戻るから。その花嫁としっぽりでもしてなさいな」

闇の精霊王ダークピュリアは、それだけ言い残すと精霊界に帰っていった。

「浮竹ええええ。ボクを捨てないでえええ」

「うわ、鼻水をかめ!」

「ちーん」

「何俺のぱんつでかんでるんだ!」

「だって、ティッシュもってない」

「ほら、てぃっしゅ」

「ちーん」

思いついたように、京楽はつけたす

「こ」

ちーんこ。

浮竹は、冷たい目で京楽の頭をハリセンではたきまくる。

「暴力反対!」

「お前のせいだろうが!」

「うわあああんん、愛が痛いいいいいい」




「ちっ、普通のドラゴンをヴァンパイア化させるだけではだめだったか」

それは、藍染であった。

本体だ。

藍染は、フードを目深に被り、闇に同化していくのであった。



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