血と聖水と名において22
「何度もごめんなさいね、ソアラ」
「いえ、母様のためなら」
浮竹は、ロッエというヴァンパイアの猫に憑依して蘇った、実の母であるブリュンヒルデに血の帝国ブラッディアまで来てほしいと言われ、風の上位精霊ジルフェを使えば転移可能なので、京楽と共にブラッディアをまた訪れていた。
「レイモンドが、どうしても私を抱きたいとうものだから」
「まさか、人化する薬を?」
「そうなの。ソアラは錬金術師としての腕前は確かでしょう。作れないかしら」
「作れるが、問題が。材料の在庫がない」
「なんでも言ってちょうだい。レイモンドが皇帝の力と金を使って揃えるから」
本当に、レイモンドは素材を全て揃えてしまった。
帝国の本格的な錬金術師の部屋を貸してもらい、人化の薬は完成した。
「母様、その体で飲むと、女性ではなく男性になるが」
「ああ、この猫のロッエはオスですものね。禁断の果実の味を、私も味わってみたいわ。ソアラも京楽に抱かれているのでしょう?」
「それは、まぁ」
その場には、京楽はいなかった。
京楽は、宮廷魔法士に魔法を学びに行っていた。
「まぁ、赤くなってかわいい。ソアラはますます私に似てきたわね」
「レイモンドもそう言う」
「じゃあ、レイモンドを呼ぶわね?」
「え、あ・・・・」
浮竹派やめておいたほうがいいと言いかけたが、レイモンドがやってきた。
「おお、美しい。ブリュンヒルデの外見をしているが、何故男性なのだ」
「それは、母様が憑依している猫がオスだから」
「それでもかまわん。ブリュンヒルデ、ソアラに弟か妹を作ってやろう」
「この体は男だし、仮初のものだから、子はできないわよ?」
浮竹は、言わなかった。女性化する薬もあるのだと。
味をじめて、何度も呼び出されて、薬を作らされるのは嫌だったからだ。
「じゃあ、父様は母様としっぽりしてくる。京楽とやらが、宮廷魔法士の教えを全て吸収して緑の館でまっているそうだ」
「この短時間で、全て吸収?・・・・さぼりかな」
緑の館にいくと、ふんどし一丁でフラダンスを踊っている京楽と遭遇する。
「この変態がああああ」
「違うよおおお。これ、修行なの。自分の好きなかっこでフラダンスを踊って、リズム乗せて体中に魔力をいき渡らせる訓練」
「そんな方法、聞いたこともないな」
「ええ、まじで。キラっていう、宮廷魔法士の一番お偉いさんから学んだんだけど」
「ああ、キラは痴呆症だ。その日食べた朝食も思い出せない。魔法の知識もあやふたで、でも魔力は帝国でも5本の指に入るくらいで、主に毎日魔道具に魔力を注ぐ、雑用係にされている。地位は、宮廷魔法士の中でも一番上だが」
「ぎゃああああああ、騙されたああああ」
「時間はまだある。今からでいいから、違う魔法士に教えをこうてこい」
「やだ」
京楽は、ふんどしを脱いで、浮竹に襲いかかる。
「しっぽりしよう!」
「フェニックス!」
「きゅおおおおん」
命令するまでもなく、フェニックスは京楽を真っ黒焦げにしてアフロにした。
とりあえず、意識を失っているので、京楽のかばんを漁ってぱんつくらいはかせやろうとみるが、ほとんどが浮竹のパンツだった。
「あ、これこの前なくしたやつ。これもこれも・・・・・・」
浮竹は、パンツを燃やすと、京楽のパンツを京楽の頭にかぶせて、股間を葉っぱで隠した。
「変態なお前には、こんな格好がお似合いだ」
「う、うーん」
意識を取り直した京楽は、自分の巣をみて、喜んだ。
「浮竹にも、ボクのセンスが分かってきたんだね。ただ、頭のパンツがボクのパンツじゃだめだね。京楽のパンツじゃなきゃ」
「お前の荷物の中にあった俺のパンツは、全部燃やした」
「ぎゃあああああ、ボクのコレクションが!」
「どうせ、また俺のパンツ盗んで、またコレクションするんだろう?」
「当り前だよ!」
股間の葉っぱだけではものたりないので、京楽は自分の乳首にも葉っぱをつけた。
「大自然と一体化したボクに抱かれてしっぽりしよう」
「ぎゃあああああ、くるなああああ」
京楽は、フェンリルに氷像にされた。
「マスターも変わってるのだにゃん。こんな変態のどこがいいのにゃん」
「変態だが、一応俺の花嫁だしな。決める時は真面目なこともある」
次の日から、浮竹が紹介した宮廷魔法士から魔法日中は学び、夜になると変態になる京楽がいた。
京楽に教えているのは、阿散井恋次という、皇族である朽木白哉の知り合いであった。
燃えるような赤い髪をした青年で、宮廷魔法士であるが、騎士団にも所属していた。
主に白哉の身辺警護にあたっている。
白哉は数少ない皇族の一人で、皇族の血を吸うと強くなれるという迷信のせいで、たまに襲われる。それを防ぐのが、恋次の仕事だった。
「お、京楽さんなんで簀巻きなのかは知りませんが、今日は何を教えましょう?」
「水を出せる魔法を覚えたいな。浮竹をびしょぬれにしてむふふふ」
「死ね」
「ぎゃああああああああ」
浮竹も、ついてきていた。
「じゃ、じゃあ水の初級魔法から教えますね。ウォーターボール」
恋次が小さな水の玉を作ったのを真似て、京楽も簀巻きのまま魔法を唱える。
「ウォーターボール・・・・へあ!?」
頭上に巨大な水の玉が出現した。
「恋次くん、こいつは死にがえりをしたせいで、魔力がアホなことになっているんだ。俺はエレメンタルマスターだから、普通の魔法は使えない。どうか。一人前にしてやってくれ」
「わわ、浮竹さん頭をあえてください!ちゃんと教えますから」
京楽はその後数日でめきめきと魔法の力をつけた。
「浮竹、おはよう、愛のキッスをジュテ~~ム」
ただ、アホなのと変態なのは、直らなかった。
「フェニックス」
「きゅおおおんん」
「ああ。今日もいい火だね!魔法を覚えたおかげで、黒焦げにならないようになったよ。まだまだ甘いね、浮竹。さぁ、しっぽりしよう!」:
「フェニックス、オーバーモード!」
「きゅあああああああああ!!
真っ黒こげされて、京楽は地面に浮竹とダイニングメッセージを残して、気絶するのだった。
ちなみに、ウィキティには今ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽がいる。帝国から戻ってくると、ドラゴンサモナーの浮竹に浮竹は抱きつかれて、いろいろ説明している間に、京楽が脱ぎだしフルチンになるものだから、フェンリルで氷漬けにして、放置プレイをしておくのだった。
一応、股間は葉っぱで隠しておいたのだった。
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