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血と聖水と名において6

ドラゴンサモナーの浮竹からヴァンパイアロードの灰をもらい、浮竹は京楽と共にハンターギルドに行って、事情を説明すると、手間賃として浮竹と京楽には金貨20枚、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンに、金貨千枚が渡されることになった。

『やあ、一週間ぶりかな?』

『野宿する羽目になるので、悪いが宿を借りにきた』

ドラゴンサモナーの浮竹は、申し訳なさそうにしていた。

乱れていた衣服を直して、浮竹が対応する。

京楽としっぽりしかけていたのだ。京楽のぺースに巻きまれて、あやうくしっぽりするところだった。

「ぶーぶー。せっかくしっぽりしようと思ってたのに」

京楽が不満を露わにすると、浮竹がハリセンでその頭をはたく。ドラゴンサモナーの浮竹は赤くなり、パートナードラゴンの京楽は顔色を変えてはいなかった。

「客人の前だぞ。おとなしくしとけ」

「おとなしく浮竹にハグしとく」

「好きにしろ」

浮竹は京楽のしたいようにさせて、事情を説明して金貨千枚を渡そうとしたが、断られた。

『この館を買い取るのにお金がいるんだろう?俺たちも厄介になるし、館の負債の足しにでもしてくれ』

『そうそう、ボクらは有名人だし金には困ってないからね。むしろ金があまってて困ってる』

「二人がそう言うなら、ありがたくもらっておく」

ちなみに、京楽は抱き着いたままだ。

「ええい、うっとうしい!」

浮竹がハリセンをうならせると、京楽は涙ぐんだ。

「きゃんきゃん!動物じゃなしに恋人虐待」

「このだアホが!」

浮竹はさらにハリセンで京楽の頭を殴る。

『神父の京楽、お前、本当にSランクハンターなんだよな?』

ドラゴンサモナーの浮竹が、どうしてもS級に見えないので聞いてみた。

「ん?そうだよ。いつでも休業中だけど」

「ただの俺のひもだ」

「酷い!家事全般してるから、ヒモじゃありませーん」

「生活費は俺が出しているだろう」

「う”」

京楽は言葉に詰まった。

「このだアホが!夕飯の準備でもしてこい!お前は家事くらいしか取り柄がなんだからな」

「きゃいん!酷い!でも夕食作ってくる。4人前だから少し時間がかかるよ?」

「かまわん」

『あ、俺も手伝う』

『ボクも』

「ああ、もう好きにしてくれ」

『一泊の恩義になるしね。金は受け取ってくれなさそうだし」

ドラゴンサモナーの浮竹は、金貨をちらつかせるが、浮竹は興味を抱かなかった。

屋敷の負債の完済まで、あと少しなのだ。

元々住んでた家であるが、父であるヴァンパイアマスターが失踪したことで、悪徳業者の手にかかり、館は売られてしまった。

まだ、浮竹も若かった。人間の年で換算すと、13歳くらいだろうか。

人の言葉を素直に信じて、住んでいた館を追放された。

競売にかけられて、子供であったが、代理人をたてて競り落とした。

代理人の名は朽木白哉。浮竹と同じようん、ヴァンパイアマスターを師とあおぐカイザーヴァンパイアであった。

ヴァンパイア社会の皇族で、とにかく強い。S級ハンターを殺しはせずに倒して、森に放置したりする。

浮竹は、ハンターが嫌いではなかった。

たまにいいハンターもいて、何もしていない父や白哉、浮竹の話し相手になってくれたりした。

ハンターも、賞金がかけられない限り。。緊急の時をのぞいてヴァンパイアは殺さない。

だが、最近のハンターは見境なく殺しており、浮竹はそれが嫌だった。

「どうしたの?具合悪いの?」

「ああ、お前がしっぽりしようとしたせいで具合が悪い」

「そんな!しっぽりは楽園だよ!」

「だアホのお前にはな。ちょっと考え事をしていただけだ」

京楽は、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽に手伝ってもらい、4人分の夕食を完成させてもってきた。

「今日はカルボナーラと、チーズハンバーグだよ。浮竹、好きでしょ?」

「ああ。いただく」

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、少し手伝いをしただけなので、味は京楽が調整した。

『なにこれめっちゃうまいんだが』

『おいしすぎる・・・・・』

感動する二人に、浮竹は苦笑する。

「このだアホを、花嫁にもらっていいかなと思ったきっかけが、食事だ」

「ええ、愛じゃないの!?」

「あ、愛はないこともないんだからな!」

『『ツンデレだ』』

夕飯をごちそうになり、湯あみもすませて就寝することにした。

「ねぇ、浮竹、しっぽり・・・・」

「お前の頭にはそれしかないのか。客人がきているんだぞ。しっぽりなんかするか!キスで我慢しとけ」

居楽のキスは深くねちっこかった。

「いい加減にしろ!」

ハリセンで頭をはたいた。

次の日になり、ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は旅の続きをと去ってしまった。

「さて、俺たちもハンターギルドにいくぞ」

「この前仕事したばかりじゃない」

「次の仕事あたりで、館の負債を完済できそうなんだ」

「それなら、仕事に行かないとね。久しぶりにボクもまじめにハンター稼業するかな」

ヴァンピールが、ヴァンバイアハンターをするなど、過去に例がなかった。はじめは血を吸いにきたのか、復讐にきたのかと勘違いされて駆除されそうになったが、当時から使役魔がいたのでなんとかなった。

「お、浮竹と京楽じゃないか。いいところにきたな。ヴァンパイアキングの退治依頼が出ている。A級以上のハンターじゃないと受注できない。すでに6人がやられている。まぁ、忠告を無視して狩りにいった新米ばかりだがな」

「それでも、新米でも経験をつんでいけばいずれA級S級になる。新米を失いのは痛い」

「そうなんだ。だから、S級の京楽に頼みたかったんだ」

「えーボクー?どうしようかなぁ」

「引き受けて倒した夜なら、しっぽりにつきあってやるぞ」

浮竹は京楽に耳打ちする。

「うん、引き受ける。マジで本気だす。しっぽりだー、わーい」

浮竹は赤くなって、京楽はハリセンで殴り倒す。

「公衆の面前でいうな!」

「ぐふっふふ、しっぽり・・・・今から退治いこう」

「まだ準備が済んでないぞ」

「君の銀の銃と短剣はもってきているよ」

「抜け目のないやつめ」

フェンリルを呼び出し。3メートルのサイズになってもらうと、その背中に乗ってヴァンパイアキングの出るダンジョンに向かった。

普通はダンジョンで発生したモンスターは冒険者が倒すのだが、ヴァンパイアキングは外からダンジョンにきて居座り、冒険者を襲っているらしい。

「ついたぞ」

フェンリルに乗って走ること5時間。

すでに辺りは暗く、転移魔法陣で一度ウィキティの自宅に戻って一夜をあかすと、朝は活動のにぶいヴァンぽイアを駆除するために、ダンジョンにもぐる。

ゴブリンやらオークやら、どうでもいいモンスターは召喚したフェニックスの炎で焼いて、魔石だけは回収した。

金になるものは、基本拾うようにしていた。

「くくく、愚かな冒険者ども、きたな。ヴァンパイアキングであるこの私が血を吸ってやろう・・・て、浮竹?」

「お、伯父さん?」

「え、血縁者なの?」

「伯父さん、こんなところで何をしているんだ。懸賞金がかけられている。悪いが、討伐させてもらうぞ」

浮竹の叔父が、ヴァンパイアキングだった。もう冒険者を含めると20人以上は殺している。

「伯父さんは、逃げます。しばらく人は襲いません」

「どうする、京楽」

「いや、伯父でも人を殺してる。駆除する」

「そんな、浮竹、見逃してよ」

「無理だ、伯父さん」

「じゃあ、久しぶりに働きますか!」

そういった瞬間、浮竹の叔父である強力なヴァンパイアキングは、首と銅が切り離されていた。

「ぐがががが、何をした!?」

「ちょっと、聖銀でできた聖剣をふるっただけだよ」

「すごい・・・・動きが見えなかった」

「えへへ、浮竹ボクに惚れ直した?しっぽり・・・おぶ」

顔面にハリセンをくらい、京楽は蹲る。

「伯父さん、悪いが死んでくれ。出でよ、カイザーフェニックス」

「きゅああああああ!!我にようか、ヴァンピールの気高き子よ」

「ここヴァンぽイアを、灰になるまで焼き尽くしてくれ」

「ちょ、待ってくれ!私はお前の本当の叔父だぞ!?」

「だから、余計に許すわけにはいかない。俺は同胞殺しの水銀の浮竹」

「ぎゃあああああああ」

ヴァンぽイアキングは、炎の高位精霊に焼かれ、灰となった。

「浮竹、大丈夫?」

「少し疲れた。高位精霊も呼び出したしな」

カイザーフェニックスは、すでに精霊界に帰ってしまっていた。

「あの優しかった伯父さんが、こんなことになるなんて」

「悲しいよね?これで波をふいで」

京楽は、白い布をさしだす。

「ってこれ、俺のパンツじゃないか!このだアホの変態があああ!出でよ、エターナルフェニックス!」

炎の最高位精霊に燃やされて、京楽は髪がアフロになった。

手加減はしているし、京楽は耐性が強いので、魔法攻撃に分類される精霊の力など、大したケガをさせられる相手ではない。

「帰ってのしっぽりは?」

「無論、なしだ。さらに2週間の禁欲を言い渡す」

「そんなぁ」

京楽の間抜けな声をききながら、スクロールで浮竹と京楽はダンジョンの外に出て、ウィキティの町に転移魔法陣で帰還して、ハンターギルドに行って、灰を提出する。

「今回は、俺の実の叔父だった。ヴァンパイアマスターのにおいがほのかにした気がする。父上が、動いているかもしれない」

「簡便してくれ。ヴァンパイアマスターだぞ?S級ハンターが束になっても勝てやしない。いや、京楽ならあるいは・・・・・・」

「父の件は、俺に任せてくれないか。あの人は人を襲うヴァンパイアじゃない」

「まあ、浮竹がそう言うなら、任せよう」

「しっぽりは~~~?」

「しつこい!」

「あべし!」

また顔面にハリセンを受けて、痛みで京楽は転がってじたばたするのであった。



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