酔っぱらったルキア
結婚から、4か月が経とうとしていた。
白哉との仲は相変わらずだ。
嫌がらせをされたり、したり。
仕事も終わり、一護はルキアと一緒に、居酒屋を訪れた。
「たまには、外食もいいよな。酒も飲めるし」
朽木邸で酒が飲めないわけではないのだが、健康のためと飲み過きになる前に下げられてしまう。
「一体どうしたのだ、一護」
「いや、二人きりの時間が欲しいからさ」
「朽木邸や執務室で、いつでも二人だけの時間を作れるではないか」
「それとは別に、お前と飲んだりして他愛もないことを話せる時間が欲しいんだよ!」
「一護・・・・流石にこんな店では、白玉餡蜜は売っていないか」
「居酒屋だぜ。売ってないだろ」
鳥の串焼きを二人前注文して、冷えたビールを注文する。
「貴様、本来ならば現世では未成年で飲めないのではないか?」
「え、ああそうだけど。ここは尸魂界だし、子供の冬獅郎だって飲んでるし、別にいいだろ」
「まぁ、問題はないが・・・・」
鳥の串焼きがやってきた。熱いうちにぼうばると、じゅわりと肉汁が口いっぱいに広がった。
「うまいな、これ」
「ああ、うまいな」
「ルキア・・・・好きだぜ」
「ぐっ・・・急に何を言い出すのだ。思わず中身を吹き飛ばしそうになったではないか!」
「お前は、俺のこと好きか?」
「そうに決まっておろう。そうでなければ、結婚式など挙げたりせぬ」
「そっか。嬉しいな」
ルキアの隣に座り直して、一護はルキアの頭を撫でた。
「なんだ、子供ではないのだぞ」
「ルキアって、小さいもんな。144センチだっけ」
「そうだが、何か問題でもあるのか」
「いや、俺180センチあるから、約40センチも身長が違うんだなって思って」
冷えたビールが持ってこられた。それを、一護もルキアもごくごくごくと飲んでいく。
「くー冷えた生ビールはうまいな!」
「そうだろ!この味が分かるようになった分、お前も大人になったな!」
「たわけ!私はすでに成人しておる。見た目は若いが・・・・・」
身長も低く、細いせいもあり10代半ばといわれても、否定できそうにないが。
鳥の串焼きの次は、焼肉を頼んだ。あとはホルモン焼きとか。肉類が豊富で、馬刺しまであった。
二人で、時間を忘れて食べて飲みあった。
「うーい。いちごお。世界が廻っておるぞ」
「やっべ。飲ませすぎた・・・・」
一護は限界を知っているので、酔うまでは飲まなかったが、ルキアはまだ自分がどれほど飲めば酔うのか分かっておらず、酒をぱかぱかと飲んでいた。
楽しそうだったが、こうなる前に止めておければよかったと思うが、後の祭りだ。
「いちご。好きだ・・・・・・」
店の前で、ベロチューされた。
「おい、ルキア、酔ってるんだろう。少し休んでいくか?」
「酔ってなぞおらぬ。うーーーい。いちごめぇ、貧乳派だな、貴様は」
「いきなり何言い出してたんだよ!」
「私のことを、ういっく、好きなのであろう?大好きで大好きで、死にそうなほど好きなのであろう?」
「ああ、そうだぜ。お前のことが好きすぎて、死にそうだ」
そう真顔で返すと、酔っているだけではない、頬に赤みがさした。
「恥ずかしいやつめ」
「言い出したのはお前だろ!」
ルキアの手を握りしめて、徒歩で朽木邸に向かう。
「いちご、ぺろちゅーもう一回だ!」
「へいへい」
舌が絡むキスをしていたら、ルキアがすり寄ってきた。
「んあっ・・・・・・いちご、きもちいい・・・」
「おい、頼むから道端で寝るなよ!?」
「うーい。大丈夫だ、私は素面だ。はははははははは」
今度は笑いだした。
千鳥足のルキアに肩をかしながら、歩いていく。
「こんな風になっても、ルキアのことが大好きだ。付き合う時間がなかったから、口説けなかったけど。ほんとは、もっと甘い時間を過ごして、ゴールインしたかったんだよな」
一護は、ルキアにそう言い聞かせた。
「何おう、籍をいきなり入れられたのは不満だというのか!」
「いや、そんなことはねぇけど」
「ならよいではないか。うーい。お日様が照ってる・・・・・・」
どこに?と言おうとして、つるりんとした頭の一角が見えた。
「あ、一角さん弓親さん。飲んでたのか?」
「あれ、一護じゃねぇか。手前も飲んでたのか?」
「うーい。まぶしいぞ、太陽め!つるつるだな!」
「おい、この酔っ払いなんだ」
「ああ、ちょっと飲ませすぎたみたいだ」
弓親が、ルキアの酔っぱらう姿に眉を潜めた。
「朽木隊長、酔ってるのかい?酔い方が美しくないね」
「酔うのに美しいも醜いもねーだろ」
「ふ、僕なら美しく酔うよ」
「誰も聞いてねぇ・・・・」
一角も弓親も隊舎に帰る途中だったようなので、少し会話して離れた。
「うーい。いちご。おぶれ」
「あーはいはい」
ルキアをおんぶして、暗い道を歩いていく。
尸魂界には街灯がないので、瀞霊廷の中からでも星がよく見えた。
「私は、いつか世界征服をしてチャッピーを世界中に広めるのだ」
「大それた野望だな」
「そして、兄様のわかめ大使も世界中に広めるのだ」
「まずが尸魂界に広めろよ」
「うーい。星が、綺麗だな・・・・・・」
「ああ。月も綺麗だ」
そのまま、朽木邸につくと、眉間に皺を寄せた白哉が待っていた。
「こんな時間まで、飲み歩いていたのか。ルキアは、酔っているな」
「うーい。兄様、わかめ大使を、尸魂界中に広めるましょう」
「ルキア」
「うーい?ふふふ、兄様かわいい」
白哉に抱き着いて、そのままルキアは眠ってしまった。
「一護、兄は、ルキアを酔わせすぎだ」
「すまねぇ。それには反省している。こんな変な酔っぱらい方するとは思わなかった」
「だから、私は常日頃、ルキアにあまり酒は飲まさぬのだ」
「そうなのか」
一護は、驚いた。
ルキアにあまり酒を飲ませたがらないのは、こんな悪酔いをするからなのかと、初めて知った。
「ルキアを連れて、寝所へ行け。湯あみは、明日の朝にするように。湯をその時にわかせておく」
「分かった。なぁ、白哉」
「なんだ」
「白哉も今度、飲みに行こうぜ。ルキアも一緒に。といっても、ルキアに酒はほどほどにしておくが」
そんな誘いを受けるとは思っていなかったのか、白哉は吃驚していた。
「考えておく」
それだけ言うと、白哉は自分の寝室に戻ってしまった。
眠ってしまったルキアを抱き上げて、その軽さに驚きつつも、一護も寝室に戻り、そのまま服を着替えて寝た。
翌日。
「うう・・・・地面が廻っている。気持ち悪い」
「そりゃあんだけ飲んだんだ。普通は二日酔いになる」
「く、適当なところで止めておけばよかった。昨日はふわふわしていて気持ちよかったが、その次の日がこれだと、もうふわふわするのはいらぬ」
今日は、ルキアは二日酔いで仕事は欠席であった。
休暇が大分溜まっていたため、一護も同じく休暇をとった。
白哉は、一度ルキアの様子を見て、薬を飲ませた後、8時には朽木邸を出てしまった。
「俺、これから湯あみだけど、ルキアはどうする」
「こんな気分で、であるけぬ。夜に入ることにする」
「そうか」
今日は、白哉が帰ってくるまでの間、二日酔いのルキアを相手ではあるが、ラブラブイチャイチャできると思っていた。
ルキアは、一護が湯あみを終えると、眠ってしまっていた。
「白哉か・・・・・」
二日酔いの状態を味合わせえるより、眠剤を与えて自然に治るまで寝かせるべきだと判断したのであろう。
「ま、いいか。ルキアの寝顔でも見とこ」
午後の3時頃になって、ルキアが起き出した。
「おう、二日酔いはどうだ?」
「嘘のように治まっている」
「そうか、よかったな。とりあえず、湯あみして昼餉でも食えよ」
「うむ。腹が減った」
ルキアは湯あみをして、寝室に戻ると、少し長くなったその髪を、一護がかわかしてくれた。最近はやりのドライヤーであった。
「何か、食べるもんもってきてもらうわ」
厨房にいき、ルキアの食事を頼むと、豪華なメニューが寝室まで持ってこられえた。
「こんなに、食べきれぬ」
「残ったら、俺が食うから」
「ふむ。それなら安心だ」
ルキアは、普段残すことをあまりしない。白哉もだ。メニューは豊富であるが、その量は少ないのだ。飯時に、食事を残すような不作法はしないのだ、二人とも。
貴族だから、てっきりいろんなメニューを好きなだけ食べて、残ったものは捨てるのだと思っていた、一護であった。
6時半になり、白哉が帰ってきた。
一護の顔を見て、猫缶を投げてよこした。
「琥珀の分か?」
ルキアが飼っている、オッドアイの白猫の名前だ。
「琥珀には、先ほど餌を与えた。兄の分だ。兄はそれでも食していろ」
ピキピキピキ。
一護は、血管マークを浮かべながらも、猫缶を受け取った。
夕餉の時間になって、ささみと猫缶の中身が、一護の席に置かれてあった。
その程度のことで動じる一護ではない。
ぺろりと、ささみと猫缶を平らげて、おかわりがほしいといって、普通の食事にもありついていた。
白哉は、それを残念そうな目で見ていた。
もっと怒ると思っていたのだろう。
ちなみに、白哉の真実に忍び込み、褥に琥珀のトイレの砂をまいておいたので、今日の嫌がらせは一護の勝ちのようだった。
「にゃあ」
「琥珀、おいで」
ルキアが、琥珀を抱いて、寝室にまで戻る。一護は、白哉にあかんべーをしてから寝室に戻った。
一方の、白哉は。
「く・・・・・・やられた・・・・・」
琥珀のしたうんこまで、砂とまみれてざらりと褥に広げられていて、どうやって一護に次の嫌がらせをしてやろうかと悩むのであった。
白哉との仲は相変わらずだ。
嫌がらせをされたり、したり。
仕事も終わり、一護はルキアと一緒に、居酒屋を訪れた。
「たまには、外食もいいよな。酒も飲めるし」
朽木邸で酒が飲めないわけではないのだが、健康のためと飲み過きになる前に下げられてしまう。
「一体どうしたのだ、一護」
「いや、二人きりの時間が欲しいからさ」
「朽木邸や執務室で、いつでも二人だけの時間を作れるではないか」
「それとは別に、お前と飲んだりして他愛もないことを話せる時間が欲しいんだよ!」
「一護・・・・流石にこんな店では、白玉餡蜜は売っていないか」
「居酒屋だぜ。売ってないだろ」
鳥の串焼きを二人前注文して、冷えたビールを注文する。
「貴様、本来ならば現世では未成年で飲めないのではないか?」
「え、ああそうだけど。ここは尸魂界だし、子供の冬獅郎だって飲んでるし、別にいいだろ」
「まぁ、問題はないが・・・・」
鳥の串焼きがやってきた。熱いうちにぼうばると、じゅわりと肉汁が口いっぱいに広がった。
「うまいな、これ」
「ああ、うまいな」
「ルキア・・・・好きだぜ」
「ぐっ・・・急に何を言い出すのだ。思わず中身を吹き飛ばしそうになったではないか!」
「お前は、俺のこと好きか?」
「そうに決まっておろう。そうでなければ、結婚式など挙げたりせぬ」
「そっか。嬉しいな」
ルキアの隣に座り直して、一護はルキアの頭を撫でた。
「なんだ、子供ではないのだぞ」
「ルキアって、小さいもんな。144センチだっけ」
「そうだが、何か問題でもあるのか」
「いや、俺180センチあるから、約40センチも身長が違うんだなって思って」
冷えたビールが持ってこられた。それを、一護もルキアもごくごくごくと飲んでいく。
「くー冷えた生ビールはうまいな!」
「そうだろ!この味が分かるようになった分、お前も大人になったな!」
「たわけ!私はすでに成人しておる。見た目は若いが・・・・・」
身長も低く、細いせいもあり10代半ばといわれても、否定できそうにないが。
鳥の串焼きの次は、焼肉を頼んだ。あとはホルモン焼きとか。肉類が豊富で、馬刺しまであった。
二人で、時間を忘れて食べて飲みあった。
「うーい。いちごお。世界が廻っておるぞ」
「やっべ。飲ませすぎた・・・・」
一護は限界を知っているので、酔うまでは飲まなかったが、ルキアはまだ自分がどれほど飲めば酔うのか分かっておらず、酒をぱかぱかと飲んでいた。
楽しそうだったが、こうなる前に止めておければよかったと思うが、後の祭りだ。
「いちご。好きだ・・・・・・」
店の前で、ベロチューされた。
「おい、ルキア、酔ってるんだろう。少し休んでいくか?」
「酔ってなぞおらぬ。うーーーい。いちごめぇ、貧乳派だな、貴様は」
「いきなり何言い出してたんだよ!」
「私のことを、ういっく、好きなのであろう?大好きで大好きで、死にそうなほど好きなのであろう?」
「ああ、そうだぜ。お前のことが好きすぎて、死にそうだ」
そう真顔で返すと、酔っているだけではない、頬に赤みがさした。
「恥ずかしいやつめ」
「言い出したのはお前だろ!」
ルキアの手を握りしめて、徒歩で朽木邸に向かう。
「いちご、ぺろちゅーもう一回だ!」
「へいへい」
舌が絡むキスをしていたら、ルキアがすり寄ってきた。
「んあっ・・・・・・いちご、きもちいい・・・」
「おい、頼むから道端で寝るなよ!?」
「うーい。大丈夫だ、私は素面だ。はははははははは」
今度は笑いだした。
千鳥足のルキアに肩をかしながら、歩いていく。
「こんな風になっても、ルキアのことが大好きだ。付き合う時間がなかったから、口説けなかったけど。ほんとは、もっと甘い時間を過ごして、ゴールインしたかったんだよな」
一護は、ルキアにそう言い聞かせた。
「何おう、籍をいきなり入れられたのは不満だというのか!」
「いや、そんなことはねぇけど」
「ならよいではないか。うーい。お日様が照ってる・・・・・・」
どこに?と言おうとして、つるりんとした頭の一角が見えた。
「あ、一角さん弓親さん。飲んでたのか?」
「あれ、一護じゃねぇか。手前も飲んでたのか?」
「うーい。まぶしいぞ、太陽め!つるつるだな!」
「おい、この酔っ払いなんだ」
「ああ、ちょっと飲ませすぎたみたいだ」
弓親が、ルキアの酔っぱらう姿に眉を潜めた。
「朽木隊長、酔ってるのかい?酔い方が美しくないね」
「酔うのに美しいも醜いもねーだろ」
「ふ、僕なら美しく酔うよ」
「誰も聞いてねぇ・・・・」
一角も弓親も隊舎に帰る途中だったようなので、少し会話して離れた。
「うーい。いちご。おぶれ」
「あーはいはい」
ルキアをおんぶして、暗い道を歩いていく。
尸魂界には街灯がないので、瀞霊廷の中からでも星がよく見えた。
「私は、いつか世界征服をしてチャッピーを世界中に広めるのだ」
「大それた野望だな」
「そして、兄様のわかめ大使も世界中に広めるのだ」
「まずが尸魂界に広めろよ」
「うーい。星が、綺麗だな・・・・・・」
「ああ。月も綺麗だ」
そのまま、朽木邸につくと、眉間に皺を寄せた白哉が待っていた。
「こんな時間まで、飲み歩いていたのか。ルキアは、酔っているな」
「うーい。兄様、わかめ大使を、尸魂界中に広めるましょう」
「ルキア」
「うーい?ふふふ、兄様かわいい」
白哉に抱き着いて、そのままルキアは眠ってしまった。
「一護、兄は、ルキアを酔わせすぎだ」
「すまねぇ。それには反省している。こんな変な酔っぱらい方するとは思わなかった」
「だから、私は常日頃、ルキアにあまり酒は飲まさぬのだ」
「そうなのか」
一護は、驚いた。
ルキアにあまり酒を飲ませたがらないのは、こんな悪酔いをするからなのかと、初めて知った。
「ルキアを連れて、寝所へ行け。湯あみは、明日の朝にするように。湯をその時にわかせておく」
「分かった。なぁ、白哉」
「なんだ」
「白哉も今度、飲みに行こうぜ。ルキアも一緒に。といっても、ルキアに酒はほどほどにしておくが」
そんな誘いを受けるとは思っていなかったのか、白哉は吃驚していた。
「考えておく」
それだけ言うと、白哉は自分の寝室に戻ってしまった。
眠ってしまったルキアを抱き上げて、その軽さに驚きつつも、一護も寝室に戻り、そのまま服を着替えて寝た。
翌日。
「うう・・・・地面が廻っている。気持ち悪い」
「そりゃあんだけ飲んだんだ。普通は二日酔いになる」
「く、適当なところで止めておけばよかった。昨日はふわふわしていて気持ちよかったが、その次の日がこれだと、もうふわふわするのはいらぬ」
今日は、ルキアは二日酔いで仕事は欠席であった。
休暇が大分溜まっていたため、一護も同じく休暇をとった。
白哉は、一度ルキアの様子を見て、薬を飲ませた後、8時には朽木邸を出てしまった。
「俺、これから湯あみだけど、ルキアはどうする」
「こんな気分で、であるけぬ。夜に入ることにする」
「そうか」
今日は、白哉が帰ってくるまでの間、二日酔いのルキアを相手ではあるが、ラブラブイチャイチャできると思っていた。
ルキアは、一護が湯あみを終えると、眠ってしまっていた。
「白哉か・・・・・」
二日酔いの状態を味合わせえるより、眠剤を与えて自然に治るまで寝かせるべきだと判断したのであろう。
「ま、いいか。ルキアの寝顔でも見とこ」
午後の3時頃になって、ルキアが起き出した。
「おう、二日酔いはどうだ?」
「嘘のように治まっている」
「そうか、よかったな。とりあえず、湯あみして昼餉でも食えよ」
「うむ。腹が減った」
ルキアは湯あみをして、寝室に戻ると、少し長くなったその髪を、一護がかわかしてくれた。最近はやりのドライヤーであった。
「何か、食べるもんもってきてもらうわ」
厨房にいき、ルキアの食事を頼むと、豪華なメニューが寝室まで持ってこられえた。
「こんなに、食べきれぬ」
「残ったら、俺が食うから」
「ふむ。それなら安心だ」
ルキアは、普段残すことをあまりしない。白哉もだ。メニューは豊富であるが、その量は少ないのだ。飯時に、食事を残すような不作法はしないのだ、二人とも。
貴族だから、てっきりいろんなメニューを好きなだけ食べて、残ったものは捨てるのだと思っていた、一護であった。
6時半になり、白哉が帰ってきた。
一護の顔を見て、猫缶を投げてよこした。
「琥珀の分か?」
ルキアが飼っている、オッドアイの白猫の名前だ。
「琥珀には、先ほど餌を与えた。兄の分だ。兄はそれでも食していろ」
ピキピキピキ。
一護は、血管マークを浮かべながらも、猫缶を受け取った。
夕餉の時間になって、ささみと猫缶の中身が、一護の席に置かれてあった。
その程度のことで動じる一護ではない。
ぺろりと、ささみと猫缶を平らげて、おかわりがほしいといって、普通の食事にもありついていた。
白哉は、それを残念そうな目で見ていた。
もっと怒ると思っていたのだろう。
ちなみに、白哉の真実に忍び込み、褥に琥珀のトイレの砂をまいておいたので、今日の嫌がらせは一護の勝ちのようだった。
「にゃあ」
「琥珀、おいで」
ルキアが、琥珀を抱いて、寝室にまで戻る。一護は、白哉にあかんべーをしてから寝室に戻った。
一方の、白哉は。
「く・・・・・・やられた・・・・・」
琥珀のしたうんこまで、砂とまみれてざらりと褥に広げられていて、どうやって一護に次の嫌がらせをしてやろうかと悩むのであった。
PR
- トラックバックURLはこちら