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院生時代の二人

時は院生時代。3回生の頃の話だ。

お互い、友人以上の仲だった。

友人以上恋人未満。そんな仲がずっと続いていた。

ある日、浮竹は桜舞う季節、桜の木の下に呼び出された。内心ドキドキしながら、京楽を待つ。

やってきた京楽は、真面目な話があると、浮竹に告げた。

「迷惑かもしれないけど・・・・君のことが好きなんだ。恋愛感情で」

浮竹は迷うことなく告げる。

「俺も、お前が好きだ。恋愛感情で」

京楽は目を見開く。友人以上恋人未満の関係が続いていたので、きっと拒否されると思っていたのだ。

「本当に?僕の傍にいてくれる?」

「ああ。お前が嫌だといっても、傍にいる」

京楽は、浮竹を抱き締めていた。

友人以上恋人未満といっても、プラトニックな関係に近く、抱き締めるのは初めてだった。

「細いね。ちゃんと食べてる?」

「食べてるぞ。あまり太らない体質なんだ」

「キスしてもいい?」

「あ、ああ・・・・」

翡翠の瞳が閉じられる。

京楽は、そっと触れるだけのキスをして、また浮竹を抱き締めた。

「君に想いが届く日がくるなんて・・・・・・」

その日から、二人は変わった。

お互いを恋人同士として接するようになった。

学院の中では隠していたつもりだったが、けっこうばればれであった。

「浮竹、起きて。もう8時だよ」

冬の季節になると、浮竹は冬眠するように眠りに入り、なかなかおきない。

同じ寮の部屋を、上流貴族の権限でとっていた京楽は、浮竹との甘い毎日に満足していた。

「んーあと10分・・・」

「用意とかしてると遅刻するよ」

布団をひっぺがすと、寝ぼけ眼で浮竹が起きた。

今日も朝食はなしだ。顔を洗い、院生の服に着替えて、荷物をもって走って学院に行った。なんとか遅刻は免れた。

冬になると、放っておくと浮竹はけっこう遅刻する。

京楽が浮竹を起こし、遅刻ぎりぎりで登校した。

恋人同士になって、半年が経とうとしていた。

ハグやキスはするけれど、それ以上はまだしていない。

京楽は、ある日の夜、浮竹に思い切って告げる。

「君を、抱いてもいいかい?」

浮竹は真っ赤になったが、頷いた。

「覚悟は、もうできていたんだ。抱いてもいいぞ」

お互い、1つのベッドの上で正座した。

「では、よろしくお願いします」

「よ、よろしく・・・」

浮竹の衣装を脱がしていく。

真っ白な肌だった。白い髪と同じで色素の少ない肌だった。

京楽も服を脱ぎ捨てる。

「キスを・・・・・」

浮竹は、京楽とのキスが好きだった。

深く口づけられて、浮竹は吐息を漏らす。

「んんっ・・・・」

その声を聞きながら、体全体を愛撫して、薄い筋肉のついた胸の先端をかりかりとひっかく。

「ああっ」

反応してくれることが嬉しくて、何度もつまみあげたり舌で転がしたりした。

浮竹のものに手をはわす。

「あっ」

花茎はとろとろと先走りの蜜を零していた。

そのまま手でしごき、先端に爪を立てると、浮竹はあっけなくいってしまった。

「ああああ!」

ぜぇぜぇと荒い息をつく浮竹にキスをして、潤滑油で濡らした指を蕾に突き入れる。

「ああ!」

初めての感覚に、体がついてこない。

やがて前立腺をいじられて、浮竹は痛みだけでないものを感じ出した。

「あ、京楽、変になる・・・・・・あああ!」

「ここ、きもちいんだね?」

「んんっ」

キスを何度もした。

ぐちゃぐちゃと音がたつほどに解された場所に、京楽のものが宛がわれる。潤滑油で濡らしているとはいえ、その質量に浮竹が息を飲む。

「痛いかもしれないけど、我慢してね」

「分かった」

はじめて受け入れるそこは、浮竹に苦痛をもたらした。

「ひう!」

痛みでぽろぽろと涙が零れる。

「ごめん、痛いよね。やめようか?」

「大丈夫だ・・・・・こい」

浮竹は京楽を迎え入れた。

中の締め付けはきつくて、いれただけで京楽は熱を浮竹の中に放っていた。

「君の中すごい・・・」

「あ・・・・」

じんわりと広がっていく熱を感じた。

前立腺を突き上げると、浮竹の体がはねた。

「あ!」

「きもちいい?」

何度も前立腺をすりあげてやると、浮竹はこくこくと頷いた。

「きもちいい・・・・」

「よかった・・・男は後ろでも感じれる場所があるから」

「そうなのか?」

そんな知識0の浮竹には、男が後ろで感じれることが不思議でたまらなかった。

「前立腺っていってね。感じれる場所があるんだよ。ほら、ここ」

突き上げられて、浮竹はびくりと体を震わせた。

「あ、そこなんか変・・・・」

「かんじてるんだよ。僕が君の処女を奪った」

京楽の陶酔した言葉に、浮竹が異を唱える。

「俺は男だ。処女とかそういうのはない」

「あるよ。男で後ろを奪われるのは処女を失うに等しいんだ」

「じゃあ、責任、とれよ?」

「もちろんだよ。君が嫌といっても離さない」

そのまま、何度か貫かれて、奥までねじこまれて、浮竹は啼いた。

「ああああ・・・・・あああ!」

もういきすぎて、花茎はトロトロと蜜を零すだけで、精液などでなかった。

「んう」

何度も京楽とキスを交わした。

京楽も数度浮竹の中に熱を放って、満足した。

中からひきぬかれると、こぽりと出したものが逆流して溢れてくる。

「あわわ、タオルタオル」

シーツは体液で汚れてしまい、洗うことにした。

新しいシーツを広げて、浮竹を浴室につれていき、中にだしたものをかきだして、体と髪を洗った。京楽も体と髪を洗い、二人では少し狭い浴槽で湯に浸かる。

「体、大丈夫かい?」

「腰が痛い・・・・・・」

「ごめん、初めてなのにやり過ぎたね」

「別にいい。こうなることを望んだのは俺だ」

「愛してるよ、十四郎」

「俺もだ、春水」

もうさすがに交わることはしなかったが、何度もキスをした。

「また、あの桜の木の下にいこう」

「ん?」

浮竹は、首を傾げた。それ以上京楽が何も言ってこないので、その時はそれで終わった。



季節は流れ、4回生の春になった。

呼び出され、浮竹は桜舞い散る、告白された場所にきていた。大きな桜の大木があって、そこで告白すると成就すると院生内では噂のスポットだった。

京楽がやってくる。

肩まで伸びた浮竹の白い髪が、風で桜の花びらと一緒にさらさらと流れた。

「どうしたんだ、京楽」

「指を出して」

「?」

素直に指を出すと、翡翠のはめこまれた指輪をされた。

「指輪?」

「エンゲージリング。婚約指輪だよ。結婚はできないけど、これがその想いの代わりだよ」

浮竹は、涙を零した。

「京楽、俺は・・・・・」

「もう片方。僕の指に君がはめてくれる?」

同じ形の指輪を、京楽の指にはめた。

「想いは永遠だよ。何があっても、君を離さない」

「京楽・・・・・」

桜の木の下で、将来のための2回目のプロポーズ。

桜の大木は、花びらを雨のように降り注がせて、二人を祝福するのだった。


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