院生時代の部屋 えとせとら
それは、一目惚れだった。
院生時代、入学式に首席の子の挨拶があった。
京楽はさぼっていたので、入学式には出ずに桜の木の上で居眠りをしていた。山じいに見つかり、こっぴどく叱られた。
そして、自分を学院に放り込んだ両親に反抗するかのように、新しく用意されていた屋敷を使わずに寮で生活することにした。
一人部屋を希望していたが、山じいが、病弱なのでどうしても同じ部屋にして、面倒を見てほしいという相手を紹介された。
「浮竹十四郎だ。よろしく」
ぽかん。
そんな顔を、京楽はしていた。
ドストライクだった。だが、残念なことに性別は同じ男だった。
気づけば、あれは一目惚れだったのだろう。
「あ・・・・」
「これ、春水!」
山じいに叱られて、京楽も挨拶する。
「京楽春水だよ。よろしくね」
こうして、もやもやした学院での生活は始まった。
とにかく、浮竹は白い髪に翡翠の瞳という、他の人とは全く違った色をしていた。人目を集めてしまう。
本人はあんまり気にしてないようだが、その視線が鬱陶しいのだと、京楽は浮竹を見てくる、特に男を中心に睨み返した。
浮竹はもてた。
女だけでなく、男にまで。
はじめて男に告白されて、目を白黒させている間に既成事実を作られようとして、助け出したのは昨日のことだった。
浮竹は、ショックのあまり、がたがたと震えていた。
同じ男に、そういう目で見られているということは昔から知っていたが、襲ってこられたのははじめてで、護身術を身に着けていたが、茫然としてしまって対処できなかった。
ピンチを救ってくれたのは、京楽春水という、同じ寮の相手だった。
「大丈夫?」
「あ、ああ・・・・・」
まだ、がたがたと震えていた。
「かわいそうに」
ふわりと抱き締められた。
なぜか、震えが収まった。
「あ・・・」
「ごめん、嫌だったかな」
「いや・・・すまない、もう少し、このままで・・・」
京楽に抱き締められると、何故か安堵した。その体温の暖かさにも、安堵を覚えた。
「君、見た目がいいから気をつけたほうがいいよ。ただでさえ、死神は男の方が多いからね」
「護身術を・・・・習って、いたんだ。子供の頃からそういう目で見られることがあるから、念のためにって・・・でも、いざとなるとだめだった」
くやし涙を浮かべる浮竹の白い髪を手ですいて、頭を撫でてやった。
「困ったことがあったら僕にいいなよ。解決できるなら、手を貸すから」
京楽春水は、優しかった。
でも、女遊びが激しくて、授業をさぼることも多かった。
よく、山じいに怒られていた。
いつの間にか、親友になっていた。寮だけでなく、学院生活に私生活も一緒のことが多かった。
浮竹は病弱で、よく熱を出して、肺病を患っているせいで吐血もした。
でも、そんなことを微塵も感じさせない、明るい性格をしていた。
冗談で、友人の一人が浮竹と京楽はできていると言い出して、みんなして笑っていた。
1回生が過ぎ、2回生になり、3回生になった。
いつの間にか、親友以上の関係になっていた。
京楽の女遊びもなりをひそめ、京楽は浮竹を見ていた。浮竹は、それに気づいていたが、どうすればいいのか分からず、ただ京楽の隣にいた。
4回生の春。
桜の木の下で、京楽に告白された。
「あのね、浮竹。僕、君のことがどうやら好きみたいなんだ。いきなり襲ったりしないから、ためしに付き合ってみない?」
「俺も・・・・お前のことが好きだ」
浮竹は、その答えていた。
京楽は、告白したが浮竹とどうこうなるわけではなかったが、今までなかったキスとハグを経験した。
初めてキスをした時、浮竹は真っ赤になって逃げた。
浮竹は、純粋培養でできた人物で、誰か特定の相手とどうこうなるというのを、経験したことがなかった。
何度かキスをしていると、浮竹は京楽に問いかけた。
「お前は・・・・その、俺と・・・寝たい、のか?」
「あ、もう頭の中では君はあられもない恰好で、僕にいろんなことされてるから」
浮竹は真っ赤になった。
「でも、無理強いはしないから」
京楽は、浮竹がたとえ自分を受け入れなくてもいいと思っていた。
ただ、隣にあれればいいと。
5回生の春。
「お前に、俺の全部をやる!」
意を決した浮竹に、桜の木の下でそう言われて、京楽は浮竹を抱き締めた。
「本当に、いいんだね?」
「ああ・・・・その、やっぱり、俺が抱かれる側なのか?」
「僕を抱きたいなら、それでもいいよ」
「いや・・・お前が抱くで、いい・・・・・・」
初夜は、いろいろと入念に準備しておいた。
男とそんな関係をもったことのない京楽は、男とのやり方を、陰間茶屋で色子を買って、ただ買うだけで抱くことはせず知識をもらった。
潤滑油、媚薬など、いろいろ用意した。
浮竹に、媚薬を使えばきもちいいだけで、痛みはないからと言ったが、媚薬を使うのはいらないと拒否された。
ちょっぴり残念だったが、ずっと欲しかった浮竹を手に入れれるのなら、なくてもよかった。
お互い正座して、ベッドの上に座った。
「その、よろしく」
「あ、ああ・・・・」
軽く触れるだけのキスから始めた。
舌を絡めるようなキスをするのは、これで何回目だろうか。
「ん・・・・」
浮竹の熱のこもった声を聞きたくて、服の上から体のあちこちを弄った。
「あ・・・・」
衣服を脱がされていく。
そのまま、鎖骨を甘噛みされて、胸から臍にかけてキスマークを残された。
「んん・・・・」
浮竹のものを、握りしめると、びくんと浮竹が強張った。
「一緒に、きもちよくなろう」
そそり立った京楽のものと一緒にしごきあって潤滑油もたして、ぬるぬると互いのものを手でいじくりあった。
「あああ!」
「きもちいい?」
こくこくと、浮竹は頷いた。
そのままお互い射精して、呼吸を整える。
「指、いれるよ」
潤滑油に濡れた指を浮竹の体内に入れると、浮竹は体から力を抜いた。
「そうそう。リラックスリラックス」
「あ!」
前立腺がある部分をいじると、浮竹が反応した。
男という生き物は、後ろでもいけるのだ。それは誰もが同じで。色子からもらった知識をフル活用して、浮竹を追い詰めていった。
「あああ!」
ずるりと指をぬいて、自分の怒張したものを宛がう。
優しくするつもりではあるが、侵入するとその中のよさに、あっという間に果ててしまいそうになった。
「ああ!」
なんとか我慢して、根本まで入れた。
「痛くない?」
「少し、痛い・・・・・」
「動くから・・・・きつかったらいって」
「ああ」
ゆっくりと、律動する。
なるべく前立腺をすりあげるように動くと、浮竹もきもちよいのか、感じていた。
その表情を見るだけで、熱が集まる。
「あ、大きくなって・・・・・ああ!」
最奥を犯すと、浮竹は体を痙攣させた。
浮竹がいったのを確認してから、またいくように前立腺を突き上げて、とにかくよいと思う場所を突いた。
「あ、ああ・・・・ひあああ!」
浮竹は、長くなった白い髪を乱していた。
最高にエロかった。
その声と表情だけで軽く何発でも抜けそうだ。
「ん・・・出すよ」
「あ・・・・・・」
じんわりとした熱を腹の奥で感じて、浮竹は目を閉じた。
「好きだ、春水」
「僕もだよ、十四郎」
何度も口づけしあった。
そのまま、また何度か突き上げて、浮竹がいったのを確認してから、京楽もまた熱を浮竹の中に放った。
「ああ・・・・んんん・・・ああ・・・・」
ズチュリと、中を犯す。
体位を変えると、中を抉られて、浮竹は言葉もなく体を痙攣させた。
「ああ、すごいね君の中・・・・・」
「あ・・やあああああ」
気づけば、ぱんぱんと腰がぶつかる音が響いていた。
優しくするはずだったのに、あまりの良さに、加減ができなくなっていた。
「やあ!」
浮竹は、泣いてた。
生理的な涙なのか、感情からくる涙なのか判断がつきかねた。
散々浮竹を蹂躙して、京楽は満足した。
最後は、浮竹は意識を失っていた。
後始末をして、浮竹の中に吐きだした己の精液をかきだすと、驚くほどでてきた。
「ん・・・・・・」
「気づいた?」
「俺は?」
「意識、失ってた」
「もう終わりで、いいか?もう無理だ・・・・」
「うん。初めてなのに、加減できなくてごめんね」
「別に、いい」
浮竹は、照れたように赤くなりながらそっぽを向いた。
「好きだよ」
「うん・・・・・・」
その日から、週に一度は体を重ね合うようになった。
6回生になり、互いに席官として死神になった後も逢瀬を続け、気づけば隊長にまでなっていた。
「浮竹、入るよ」
「ああ、京楽か」
雨乾堂で、今日も浮竹はおはぎをほうばっていた。
昔から、甘いものが好きな子だった。
「京楽も食べるか、おはぎ」
「うん、もらおうかな」
院生時代を経て、なおも続くその関係。
全ては、京楽の一目惚れからはじまったのだった。
院生時代尾の部屋、えとせとら。 終
院生時代、入学式に首席の子の挨拶があった。
京楽はさぼっていたので、入学式には出ずに桜の木の上で居眠りをしていた。山じいに見つかり、こっぴどく叱られた。
そして、自分を学院に放り込んだ両親に反抗するかのように、新しく用意されていた屋敷を使わずに寮で生活することにした。
一人部屋を希望していたが、山じいが、病弱なのでどうしても同じ部屋にして、面倒を見てほしいという相手を紹介された。
「浮竹十四郎だ。よろしく」
ぽかん。
そんな顔を、京楽はしていた。
ドストライクだった。だが、残念なことに性別は同じ男だった。
気づけば、あれは一目惚れだったのだろう。
「あ・・・・」
「これ、春水!」
山じいに叱られて、京楽も挨拶する。
「京楽春水だよ。よろしくね」
こうして、もやもやした学院での生活は始まった。
とにかく、浮竹は白い髪に翡翠の瞳という、他の人とは全く違った色をしていた。人目を集めてしまう。
本人はあんまり気にしてないようだが、その視線が鬱陶しいのだと、京楽は浮竹を見てくる、特に男を中心に睨み返した。
浮竹はもてた。
女だけでなく、男にまで。
はじめて男に告白されて、目を白黒させている間に既成事実を作られようとして、助け出したのは昨日のことだった。
浮竹は、ショックのあまり、がたがたと震えていた。
同じ男に、そういう目で見られているということは昔から知っていたが、襲ってこられたのははじめてで、護身術を身に着けていたが、茫然としてしまって対処できなかった。
ピンチを救ってくれたのは、京楽春水という、同じ寮の相手だった。
「大丈夫?」
「あ、ああ・・・・・」
まだ、がたがたと震えていた。
「かわいそうに」
ふわりと抱き締められた。
なぜか、震えが収まった。
「あ・・・」
「ごめん、嫌だったかな」
「いや・・・すまない、もう少し、このままで・・・」
京楽に抱き締められると、何故か安堵した。その体温の暖かさにも、安堵を覚えた。
「君、見た目がいいから気をつけたほうがいいよ。ただでさえ、死神は男の方が多いからね」
「護身術を・・・・習って、いたんだ。子供の頃からそういう目で見られることがあるから、念のためにって・・・でも、いざとなるとだめだった」
くやし涙を浮かべる浮竹の白い髪を手ですいて、頭を撫でてやった。
「困ったことがあったら僕にいいなよ。解決できるなら、手を貸すから」
京楽春水は、優しかった。
でも、女遊びが激しくて、授業をさぼることも多かった。
よく、山じいに怒られていた。
いつの間にか、親友になっていた。寮だけでなく、学院生活に私生活も一緒のことが多かった。
浮竹は病弱で、よく熱を出して、肺病を患っているせいで吐血もした。
でも、そんなことを微塵も感じさせない、明るい性格をしていた。
冗談で、友人の一人が浮竹と京楽はできていると言い出して、みんなして笑っていた。
1回生が過ぎ、2回生になり、3回生になった。
いつの間にか、親友以上の関係になっていた。
京楽の女遊びもなりをひそめ、京楽は浮竹を見ていた。浮竹は、それに気づいていたが、どうすればいいのか分からず、ただ京楽の隣にいた。
4回生の春。
桜の木の下で、京楽に告白された。
「あのね、浮竹。僕、君のことがどうやら好きみたいなんだ。いきなり襲ったりしないから、ためしに付き合ってみない?」
「俺も・・・・お前のことが好きだ」
浮竹は、その答えていた。
京楽は、告白したが浮竹とどうこうなるわけではなかったが、今までなかったキスとハグを経験した。
初めてキスをした時、浮竹は真っ赤になって逃げた。
浮竹は、純粋培養でできた人物で、誰か特定の相手とどうこうなるというのを、経験したことがなかった。
何度かキスをしていると、浮竹は京楽に問いかけた。
「お前は・・・・その、俺と・・・寝たい、のか?」
「あ、もう頭の中では君はあられもない恰好で、僕にいろんなことされてるから」
浮竹は真っ赤になった。
「でも、無理強いはしないから」
京楽は、浮竹がたとえ自分を受け入れなくてもいいと思っていた。
ただ、隣にあれればいいと。
5回生の春。
「お前に、俺の全部をやる!」
意を決した浮竹に、桜の木の下でそう言われて、京楽は浮竹を抱き締めた。
「本当に、いいんだね?」
「ああ・・・・その、やっぱり、俺が抱かれる側なのか?」
「僕を抱きたいなら、それでもいいよ」
「いや・・・お前が抱くで、いい・・・・・・」
初夜は、いろいろと入念に準備しておいた。
男とそんな関係をもったことのない京楽は、男とのやり方を、陰間茶屋で色子を買って、ただ買うだけで抱くことはせず知識をもらった。
潤滑油、媚薬など、いろいろ用意した。
浮竹に、媚薬を使えばきもちいいだけで、痛みはないからと言ったが、媚薬を使うのはいらないと拒否された。
ちょっぴり残念だったが、ずっと欲しかった浮竹を手に入れれるのなら、なくてもよかった。
お互い正座して、ベッドの上に座った。
「その、よろしく」
「あ、ああ・・・・」
軽く触れるだけのキスから始めた。
舌を絡めるようなキスをするのは、これで何回目だろうか。
「ん・・・・」
浮竹の熱のこもった声を聞きたくて、服の上から体のあちこちを弄った。
「あ・・・・」
衣服を脱がされていく。
そのまま、鎖骨を甘噛みされて、胸から臍にかけてキスマークを残された。
「んん・・・・」
浮竹のものを、握りしめると、びくんと浮竹が強張った。
「一緒に、きもちよくなろう」
そそり立った京楽のものと一緒にしごきあって潤滑油もたして、ぬるぬると互いのものを手でいじくりあった。
「あああ!」
「きもちいい?」
こくこくと、浮竹は頷いた。
そのままお互い射精して、呼吸を整える。
「指、いれるよ」
潤滑油に濡れた指を浮竹の体内に入れると、浮竹は体から力を抜いた。
「そうそう。リラックスリラックス」
「あ!」
前立腺がある部分をいじると、浮竹が反応した。
男という生き物は、後ろでもいけるのだ。それは誰もが同じで。色子からもらった知識をフル活用して、浮竹を追い詰めていった。
「あああ!」
ずるりと指をぬいて、自分の怒張したものを宛がう。
優しくするつもりではあるが、侵入するとその中のよさに、あっという間に果ててしまいそうになった。
「ああ!」
なんとか我慢して、根本まで入れた。
「痛くない?」
「少し、痛い・・・・・」
「動くから・・・・きつかったらいって」
「ああ」
ゆっくりと、律動する。
なるべく前立腺をすりあげるように動くと、浮竹もきもちよいのか、感じていた。
その表情を見るだけで、熱が集まる。
「あ、大きくなって・・・・・ああ!」
最奥を犯すと、浮竹は体を痙攣させた。
浮竹がいったのを確認してから、またいくように前立腺を突き上げて、とにかくよいと思う場所を突いた。
「あ、ああ・・・・ひあああ!」
浮竹は、長くなった白い髪を乱していた。
最高にエロかった。
その声と表情だけで軽く何発でも抜けそうだ。
「ん・・・出すよ」
「あ・・・・・・」
じんわりとした熱を腹の奥で感じて、浮竹は目を閉じた。
「好きだ、春水」
「僕もだよ、十四郎」
何度も口づけしあった。
そのまま、また何度か突き上げて、浮竹がいったのを確認してから、京楽もまた熱を浮竹の中に放った。
「ああ・・・・んんん・・・ああ・・・・」
ズチュリと、中を犯す。
体位を変えると、中を抉られて、浮竹は言葉もなく体を痙攣させた。
「ああ、すごいね君の中・・・・・」
「あ・・やあああああ」
気づけば、ぱんぱんと腰がぶつかる音が響いていた。
優しくするはずだったのに、あまりの良さに、加減ができなくなっていた。
「やあ!」
浮竹は、泣いてた。
生理的な涙なのか、感情からくる涙なのか判断がつきかねた。
散々浮竹を蹂躙して、京楽は満足した。
最後は、浮竹は意識を失っていた。
後始末をして、浮竹の中に吐きだした己の精液をかきだすと、驚くほどでてきた。
「ん・・・・・・」
「気づいた?」
「俺は?」
「意識、失ってた」
「もう終わりで、いいか?もう無理だ・・・・」
「うん。初めてなのに、加減できなくてごめんね」
「別に、いい」
浮竹は、照れたように赤くなりながらそっぽを向いた。
「好きだよ」
「うん・・・・・・」
その日から、週に一度は体を重ね合うようになった。
6回生になり、互いに席官として死神になった後も逢瀬を続け、気づけば隊長にまでなっていた。
「浮竹、入るよ」
「ああ、京楽か」
雨乾堂で、今日も浮竹はおはぎをほうばっていた。
昔から、甘いものが好きな子だった。
「京楽も食べるか、おはぎ」
「うん、もらおうかな」
院生時代を経て、なおも続くその関係。
全ては、京楽の一目惚れからはじまったのだった。
院生時代尾の部屋、えとせとら。 終
PR
- トラックバックURLはこちら