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院生時代の部屋10

浮竹は怒っていた。

自分をおかずに自虐していた京楽に対して。

そりゃ男性なんだから、定期的に抜いておかないと、いろいろと支障をきたしかねない。

それは分かっていた。

浮竹とて、欲望は薄いが風呂場でぬくときがある。

それでも。

調子が悪くて咳をしだして、発作がやばいと思った浮竹は、薬を飲んでベッドに横になろうとした。

ガチャリ。

扉をあけると、そそり立つでかいものをしごいて、「浮竹好きだ」とかほざいている京楽を見てしまった。

真っ赤になった。

次の言葉は、言葉にならなかった。

ふらりと、眩暈がおこる。

発作が酷くなると分かっていて破道を放った。

それを京楽はやすやすと避けて・・・・・・。

一度切れると、もう自分でも手がつけれない。

京楽が奇声を放って押し倒してきて、したたかに背を床でうった。

かっと、喉から血が逆流してくる。それをなんとか飲み込んで、もう一度破道を放った。

それさえも避けられて、浮竹は今度こそげほげほを咳をしだして、吐血した。

いつもの優しい京楽なら、浮竹のことを思ってすぐに駆け寄ってきてくれるが、今は自虐をして服とかべとべとだ。

こっちへ来るなという言葉は、意識を失うことで奪われた。

「・・・・・・・・」

「浮竹?」

「・・・・・・死ね」

ベッドで目覚めると、京楽が心配そうにこちらを見てきた。

「そんなぁ」

捨てられた子犬みたいな顔をする京楽。

「ごめん、悪かったよ。まさか浮竹がこんなに早く帰ってくるとは思わなくって。浮竹をおかずにしていたことは謝らないけど、部屋でしていたことには謝る」

素直に、全部謝罪すればいいのにと、浮竹は思う。

「もう二度と、部屋の中ではするな」

「分かった。誓うよ。その代わり、浴室で抜くのは許してほしい。浮竹も、浴室で抜いてるでしょ?」

かっと、顔が赤くなった。

何故、それを知っているのはこの男は。

「何で知ってるかって?だって、抜いた後の君はすごくエロい顔してるから」

そんなつもりはなかったのだが。

京楽に知られていたのは、酷く恥ずかしかった。

「浴室なら、許す」

自分もしていることだし、他人のことはいえない。

「じゃあ、さっそく浮竹をおかずに抜いてくる」

がしっと、その腕を浮竹が掴んだ。

「破道の4.白雷」

プスプスと焦げて、それでも京楽はにこにこしていた。

「勝手にしろ」

つーんと横を向いて、浮竹は薬を飲んでまた眠ってしまった。

「浮竹・・・・抜く時、僕を思っててくれたらいいのになぁ」

京楽は思う。

だが、浮竹は女性を思い抜いているのを知っている。

想いが通じ合うのは、当分先になりそうだった。


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