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院生時代の部屋11

また、風呂が壊れた。
寮の備え付けの風呂が。壊したのは京楽だ。こいつ、わざとじゃないかってくらい風呂を壊していて、さすがの浮竹も疑いを持ち始めた。

何はともあれ、今日も公共浴場だ。

別に、公共浴場に入るのがいやなわけではない。公共浴場に、京楽と一緒に入るのが嫌なのだ。

京楽は、風呂の少し前の時間あたりからニマニマしていた。

こいつ、絶対風呂壊したのわざとだ・・・・・そう思いながら、浮竹は銭湯グッズを手に、京楽と公共浴場にきた。

もう決めた。

堂々としていよう。

腰のところにバスタオルを巻いて、湯殿に入る。

体と髪を洗って、普通に浴槽につかっていた。

「あれ・・・このお湯、温泉の元か何か入れてたっけ・・・・だんだん赤く・・・ぎゃああああああああ」

浮竹の悲鳴と、同じ風呂に浸かっていた者たちも悲鳴をあげた。

「ぎゃああああああ!」

「うわあああああ!」

「血だ!血の池地獄だ!!」

見ると、浴槽の端のほうで、鼻血を垂らして浮かんでいる京楽の姿があった。

白い艶めかしい浮竹の、ほぼ裸を見てしまったのだ。仕方ない。浮竹に罪はなかった。
いつもは胸のところまでバスタオルを巻いて、京楽が髪を洗っている間にバスタオルを外して体を洗っていたのだ。

まさか、浮竹が腰にバスタオルを巻くなんて思っていなかった京楽は、腰にバスタオルは巻いていれど、ほぼ裸に近い恰好を見たせいで、鼻血を出して浴槽に浮かんでいた。

「誰か、京楽を浴槽から出してやれ」

「うふふふふ」

京楽は、鼻血を出しながら笑っていた。

みんな気味悪がって、近づかない。

仕方ないので、浮竹ががたいのいい京楽をかついで、浴槽の外にだした。

「おい、京楽!京楽!」

ぺシぺシとその頬を叩いてみる。

「あれ浮竹・・・・・・ぶっ!」

目の前に浮竹の平坦な胸があった。

ピンク色の突起を見て、京楽はまたも鼻血を吹き出して意識を失った。

「もう、知らん・・・・・・」

鼻血をだらだら流す京楽を放置して、皆で浴槽の湯を入れ替えた。

「なぁ浮竹・・・・やっぱ、京楽と公共浴場なんて危険な場所にくるのよせば?」

「そうだよ浮竹。お前、操狙われてるんだし。こんなところで裸になってみろ、飢えた京楽のえじきに・・・・・あわわわ、想像しただけでやばい」

友人の一人が、鼻血を零した。

浮竹はため息をつく。

「俺は男だぞ?」

「この学院、圧倒的に男子が多いからな。浮竹は見た目が良すぎるんだよ。京楽以外にも、気をつけろよ?」

「ああ、それは分かってる」

友人にも、浮竹の裸は目の毒だった。

腰に巻いたバスタオルを外して、服を着ていく。

その、バスタオルを外した、完全なる浮竹の全裸を見て、京楽は鼻血を大量に出して、倒れた。

「うわ、また京楽が倒れた」

「ほっとけば、そのうち生き返る」

浮竹の返答は冷たい。

「でも、今回の出してる鼻血の量やばいぞ。輸血」必要かも」

「誰か、医務室に運んでやれ」

たまたま公共浴場に入っていた教師が、そう言った。

誰が運ぶ?という話になって、みんな嫌がってじゃんけんになった。

ぱーを出した、浮竹が運ぶ羽目になった。

「めんどうな・・・・」

京楽の重い体重を支えて移動する。

「浮竹。積極的になってくれてうれしいよ」

さわさわと、服の上から尻を撫でられて、浮竹は京楽を背負い投げした。

「ああ、でも幸せ~~」

そう言って、京楽は学院の廊下で伸びたまま、翌日になって発見された。

浮竹が、医務室まで運ぶのを止めたのだ。

翌日に発見された京楽は、血液不足で本当に輸血をしてもらったそうな。




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