院生時代の部屋12
街を歩いていた。京楽と一緒だった。
学校も終わり、甘味屋に行こうという話になった。浮竹は甘いものに目がなくて、本当にその細い体のどこに入るんだろうという量の甘味を食べる。
甘味屋なら、浮竹は喜んでついてきてくれる。
その甘味屋に入ったのは、夕方の5時。夕食に間に合うように、時間を調節した。もっとも、甘味を食べ終えた後に、浮竹が夕飯を食べるところは見たことがないので、浮竹にとってはこれが夕飯だった。
「あれ・・・なんか苦い・・・・・?」
「ん・・・ほんとだ・・・・」
甘味屋には他に客がいなかった。
お汁粉を注文したのだが、その中に混じっている苦さに、顔をしかめていると、意識が闇へ墜ちていった。
「おい、どっちが京楽春水なんだ?」
「知るか。どっちかが京楽春水なのは確実だ」
「違ったやつはどうする?」
「身代金をとれそうになかったら、殺しちまえ」
なんて物騒な・・・・浮竹は、意識を取り戻した。手を、背中で戒められて、ロープでぐるぐる巻きにされていた。
「なんだこれはっ!」
「お。気づきやがった。おい、お前が京楽春水か?」
「違う!俺は浮竹十四郎だ」
「浮竹?聞いたことあるか?」
浮竹と京楽を拉致した者たち全員が首を振る。
「きっと平民じゃねぇか?」
「ちっ、価値なしか・・・・ああでもこの美貌は売れるかもな。陰間茶屋にでも売りとばそうぜ」
色子として売られる。
その言葉に怒りを感じていると、隣にいた京楽が目を覚ました。
「京楽、大丈夫か!」
「あーあ。見事に攫われちゃったねぇ。どうせ、僕の身代金目当てでしょうよ」
「京楽・・・・・・」
「んで、いくらほしいの」
「そうだな、5000万環は欲しいな」
「そんな大金!」
屋敷の一つは余裕で建つであろう値段に、浮竹が青くなる。
「それくらい、僕の口座にあるから、勝手にもっていきなよ」
「ほう。まぁいい、その方が楽だ。京楽家に身代金の手紙を渡して、受け取る手間もないしな」
京楽が、自分の銀行の口座番号と、パスワードを教えた。
「じゃあ、こいつはこのままいただいていくぞ」
「うわぁ!京楽!」
浮竹が、悲鳴をあげる。
「ちょっと・・・・浮竹をどうするつもり」
「何、ちょっと味見してから色子として売り飛ばすのさ。この容姿だ、大金になるぞ」
「やめろ、放せ!」
「大人しくしてろよ。ちゃんと味見してやるからよ」
げらげらと笑う誘拐犯の一人に、着ていた院生の服を破かれた。
「嫌だ!嫌だ京楽!」
ゆらりと、殺気を帯びた霊圧が高くなった。
「破道の七十三双連蒼火墜」
その霊圧は、京楽を巻き込んで、京楽は縛られていたローブを外すのと同時に、浮竹を味見しようとしていた誘拐犯たちの上半身が吹きとんた。
「ぎゃあああああ!」
「ひいいいいい!」
びちゃびちゃと、下半身だけになった体から血が吹きでて、それは犯されそうになっていた浮竹の頬と衣服を汚した。
「やばい、鬼道がつかえたのかこいつら!逃げろ!」
「逃がすと思ってるの?僕の浮竹にこんな真似をしておいて・・・・破道の4白雷!」
かっと、雷が空間を渡る。逃げようとした男たちは、みんな感電して身を焦がして落命した。
「浮竹・・・・・・・」
「京楽・・・・・」
浮竹にロープを解いてもらい、引きちぎられた衣服を隠すように、感電死した誘拐犯の衣服の上着をはいで、それを浮竹に着せた。
「すまない、俺のせいで・・・」
「浮竹は、怖くないの?」
「なにがだ?」
「人殺しの僕が」
「俺がお前の身なら、同じことをしていたと思う」
浮竹は、京楽を怖がらなかった。
その白い、肩より少し長い髪に口づける。
「君が無事でよかった・・・・・」
「ん・・・・・」
キスされて、それに浮竹は応えた。
「帰ろう、京楽」
「ああ」
騒動になると面倒なので、破道で建物に火をつけた。
「血、浴びちゃったね。気持ち悪いでしょ。ここから僕のもってる屋敷が近い。湯あみして着替えていこう」
「いいのか?」
「いいよ。君がその恰好のまま、寮に戻ると問題になる」
隠してはいるが、衣服はびりびりに破かれて、強姦されそうになったのだと一目で分かった。
京楽の館は広かった。これで、別宅というのだから、呆れかえる、
使用人に案内されて風呂に入り、出された衣服を着る。血をすっかり洗い落としてさっぱりした浮竹は、京楽に礼をいった。
「ありがとう、京楽。その、今日は助かった」
「謝るのは僕の方だよ。まさか身代金目的で、一緒に誘拐なんてされると思ってなかったからね。あの甘味屋もぐるだろうね。京楽家の名の元で、始末をつける」
京楽を怒らすととても怖い。そう思った浮竹だった。
翌日には、もうそのこともすっかり忘れた二人は、追いかけっこをしていた。
一方的に、浮竹を京楽が追いまわていた。
「浮竹、もう一度お尻触らせて!」
「しつこいわああ、この変態がああああ!」
ついに浮竹の我慢の限界がきた。
リミットブレイク!
京楽に足払いをしかける。京楽は見事にひっかかって、顔面から床にダイブした。
鼻血を流しながら、京楽は笑う。
「もう、この恥ずかしがりや屋さんVVV」
ぞっと悪寒が背中に走って、浮竹は京楽を蹴り飛ばすのだった。
学校も終わり、甘味屋に行こうという話になった。浮竹は甘いものに目がなくて、本当にその細い体のどこに入るんだろうという量の甘味を食べる。
甘味屋なら、浮竹は喜んでついてきてくれる。
その甘味屋に入ったのは、夕方の5時。夕食に間に合うように、時間を調節した。もっとも、甘味を食べ終えた後に、浮竹が夕飯を食べるところは見たことがないので、浮竹にとってはこれが夕飯だった。
「あれ・・・なんか苦い・・・・・?」
「ん・・・ほんとだ・・・・」
甘味屋には他に客がいなかった。
お汁粉を注文したのだが、その中に混じっている苦さに、顔をしかめていると、意識が闇へ墜ちていった。
「おい、どっちが京楽春水なんだ?」
「知るか。どっちかが京楽春水なのは確実だ」
「違ったやつはどうする?」
「身代金をとれそうになかったら、殺しちまえ」
なんて物騒な・・・・浮竹は、意識を取り戻した。手を、背中で戒められて、ロープでぐるぐる巻きにされていた。
「なんだこれはっ!」
「お。気づきやがった。おい、お前が京楽春水か?」
「違う!俺は浮竹十四郎だ」
「浮竹?聞いたことあるか?」
浮竹と京楽を拉致した者たち全員が首を振る。
「きっと平民じゃねぇか?」
「ちっ、価値なしか・・・・ああでもこの美貌は売れるかもな。陰間茶屋にでも売りとばそうぜ」
色子として売られる。
その言葉に怒りを感じていると、隣にいた京楽が目を覚ました。
「京楽、大丈夫か!」
「あーあ。見事に攫われちゃったねぇ。どうせ、僕の身代金目当てでしょうよ」
「京楽・・・・・・」
「んで、いくらほしいの」
「そうだな、5000万環は欲しいな」
「そんな大金!」
屋敷の一つは余裕で建つであろう値段に、浮竹が青くなる。
「それくらい、僕の口座にあるから、勝手にもっていきなよ」
「ほう。まぁいい、その方が楽だ。京楽家に身代金の手紙を渡して、受け取る手間もないしな」
京楽が、自分の銀行の口座番号と、パスワードを教えた。
「じゃあ、こいつはこのままいただいていくぞ」
「うわぁ!京楽!」
浮竹が、悲鳴をあげる。
「ちょっと・・・・浮竹をどうするつもり」
「何、ちょっと味見してから色子として売り飛ばすのさ。この容姿だ、大金になるぞ」
「やめろ、放せ!」
「大人しくしてろよ。ちゃんと味見してやるからよ」
げらげらと笑う誘拐犯の一人に、着ていた院生の服を破かれた。
「嫌だ!嫌だ京楽!」
ゆらりと、殺気を帯びた霊圧が高くなった。
「破道の七十三双連蒼火墜」
その霊圧は、京楽を巻き込んで、京楽は縛られていたローブを外すのと同時に、浮竹を味見しようとしていた誘拐犯たちの上半身が吹きとんた。
「ぎゃあああああ!」
「ひいいいいい!」
びちゃびちゃと、下半身だけになった体から血が吹きでて、それは犯されそうになっていた浮竹の頬と衣服を汚した。
「やばい、鬼道がつかえたのかこいつら!逃げろ!」
「逃がすと思ってるの?僕の浮竹にこんな真似をしておいて・・・・破道の4白雷!」
かっと、雷が空間を渡る。逃げようとした男たちは、みんな感電して身を焦がして落命した。
「浮竹・・・・・・・」
「京楽・・・・・」
浮竹にロープを解いてもらい、引きちぎられた衣服を隠すように、感電死した誘拐犯の衣服の上着をはいで、それを浮竹に着せた。
「すまない、俺のせいで・・・」
「浮竹は、怖くないの?」
「なにがだ?」
「人殺しの僕が」
「俺がお前の身なら、同じことをしていたと思う」
浮竹は、京楽を怖がらなかった。
その白い、肩より少し長い髪に口づける。
「君が無事でよかった・・・・・」
「ん・・・・・」
キスされて、それに浮竹は応えた。
「帰ろう、京楽」
「ああ」
騒動になると面倒なので、破道で建物に火をつけた。
「血、浴びちゃったね。気持ち悪いでしょ。ここから僕のもってる屋敷が近い。湯あみして着替えていこう」
「いいのか?」
「いいよ。君がその恰好のまま、寮に戻ると問題になる」
隠してはいるが、衣服はびりびりに破かれて、強姦されそうになったのだと一目で分かった。
京楽の館は広かった。これで、別宅というのだから、呆れかえる、
使用人に案内されて風呂に入り、出された衣服を着る。血をすっかり洗い落としてさっぱりした浮竹は、京楽に礼をいった。
「ありがとう、京楽。その、今日は助かった」
「謝るのは僕の方だよ。まさか身代金目的で、一緒に誘拐なんてされると思ってなかったからね。あの甘味屋もぐるだろうね。京楽家の名の元で、始末をつける」
京楽を怒らすととても怖い。そう思った浮竹だった。
翌日には、もうそのこともすっかり忘れた二人は、追いかけっこをしていた。
一方的に、浮竹を京楽が追いまわていた。
「浮竹、もう一度お尻触らせて!」
「しつこいわああ、この変態がああああ!」
ついに浮竹の我慢の限界がきた。
リミットブレイク!
京楽に足払いをしかける。京楽は見事にひっかかって、顔面から床にダイブした。
鼻血を流しながら、京楽は笑う。
「もう、この恥ずかしがりや屋さんVVV」
ぞっと悪寒が背中に走って、浮竹は京楽を蹴り飛ばすのだった。
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