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身長

夏も終わり、秋も深まった。

風に揺れて木の葉が散っていく。

雨乾堂の外に出ていると、風が冷たく吹いてきた。

浮竹は、今日も今日とて、10番隊の執務室に来ていた。日番谷の顔を見るために。

「やあ、日番谷隊長。最近さむくなったねぇ」

「ああ、そうだな」

勝手にあがりこんで、お茶菓子をくってお茶を飲んで和む、このどこかかわいい生物に慣れてきている日番谷は、適当に相づちを打った。

「松本副隊長が、腐った本を出したそうだぞ」

「ああ、そうだな」

実際、同人誌という浮竹×日番谷の腐った小説を書いていた松本は、京楽×浮竹も入稿しないとと焦っていて、職場にまで腐った原稿をもってきていた。

「この前、白哉が日番谷隊長のことをただのチビだっていってたぞ」

「ああ、そうだな」

「京楽のけつ毛がぼーぼーなんだ」

「ああ、そうだな」

「日番谷隊隊長は受だよな?」

「ああ、そうだな」

「暇森副隊長が、シロちゃんなんて大嫌いっていってたぞ」

「ああ、そうだな」

「この前お金かしたよな。返してくれ」

「ああ、そうだな」

「京楽の胸毛がぼーぼーだけど、あれあんまりちくちくしないんだぞ」

「ああそうだな」

「日番谷隊長のアホ」

「ああ、そうだな」

「だめだこりゃ」

日番谷隊長は、心ここに在らずという感じだった。

浮竹は、そんな日番谷が面白くて、いろいろからかって遊んでいた。

「浮竹~誰のけつ毛がぼーぼーだって?」

「京楽!今日は平和にいこう。日番谷隊長がおかしいんだ」

「さっきから話は聞いていたけど、何があったんだろうねぇ」

心配する二人を他所に、日番谷は着々と仕事をこなしていく。

松本は腐った原稿にとりかかっていて、忙しい。茶くらいは出してくれるけど。

「京楽、そこに立ってくれ」

「うん?ここかい?」

「破道の4白雷!」

京楽は、その鬼道を斬魄刀で受け止めた。

ばちばちと、空間に雷が舞う。それがぴしりと音をたてて、日番谷の体に少し落ちて、鈍いしびれを感じさせた。

「お前ら・・・・・・・」

「お、正気に戻った」

「本当だ」


「さっきからけつ毛がぼーぼーだの、白哉がただのチビといってるだの、雛森が俺の事嫌いと言ってるだの・・・・・・よくもまぁくだらないことを・・・・・」

「え、全部覚えてたのか?」

浮竹が汗をかいた。

散々からかったのだ。

「準備はできてるだろうな?」

「日番谷隊長、話せばわかる・・・・・」

「蒼天に座せ、氷輪丸ーーーー!」

「なんで僕までーー!」

京楽は巻き込まれていた。

「きゅあああああああ、大切な原稿がーーー”!京楽×浮竹の原稿がーーーーー」

「乱菊ちゃん、一部予約しておいて!」

「らじゃーです京楽隊長!」

氷の龍に吹き飛ばされながら、京楽は浮竹との18禁本を松本に予約注文していた。

「蒼天に座せ、氷輪丸ーーーーー!」

その二人をさらにふっ飛ばして、日番谷はため息をついた。

「身長が伸びねぇ・・・・・・」

悩みってそれかよ!

吹き飛ばされながら、京楽も浮竹も松本も、心の中でつっこみをいれていた。








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