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院生時代の部屋17

「京楽の旦那、花街に戻ってきておくれよ」

学院の外で、京楽と街を歩いていると、遊女らしき人物がやってきて、いきなり京楽に抱き着いた。

それに、浮竹はむっとなった。

「ごめん、僕愛する人ができちゃったから。もう廓での女遊びは終わりなの」

「そんなこと言わずに!身請けの話はどうなったのさ!」

「は?身請け代金は君に払っただろう」

「あんな金、京楽の旦那がもっと出してくれると思って使っちまったよ」

「は?僕はこれ以上君のために出すお金なんてびた一文もないよ。せいぜい、頑張って年季があけるまで体を売ることだね」

「京楽のだんな・・・・・」

「危ない!」

キラリと光るものが見えて、気づくと浮竹は京楽を突き飛ばしていた。

「きゃああああ」

遊女が、悲鳴をあげる。

女が出した短剣は、浮竹の胸に突き刺さっていた。

「浮竹!!」

京楽が、傾ぐ体を抱き留める。

「君・・・・・」

ゆらりと、殺気の混ざった霊圧をぶつけられて、遊女は気を失った。

すぐに警邏隊がきて、女を引き渡す。

浮竹は、京楽があげた翡翠の首飾りをしていて、そこで短剣の刃はとまっていて、体に傷一つ負っていなかった。

もしも、あの遊女が浮竹を傷つけていたなら、あのそれなりに美しい顔に、一生残る傷跡を背負わせてやろうと思っていた。

「京楽?俺は・・・・・無事なのか?」

遊女は短剣を思い切り刺そうとしていた。急所はずれていたが、刺されていれば間違いなく病院いきだった。

下手すると、出血多量で命の危機もあったかもしれない。

一応学院で回道の授業を受け、使えるようになっていたが、その力はせいぜい治癒能力を高めるか、血を止めるくらいだった。

「浮竹、もうあんな無理はしないでくれよ!命が100年縮まった気がしたよ!」

ぎゅっと抱きしめられて、浮竹は京楽の頭を撫でた。

「気づけば、お前を突き飛ばしていた」

「浮竹・・・・・」

「俺は、思っていた以上にお前に依存してしまっているのかもしれないな」

「もっと依存して?」

「ばか言うな・・・」

街を散策するのは中止になった。

念のためと、病院で検査してもらったが、肺の病以外は健康そのものだった

身代わりになったペンダントは、翡翠の部分に罅が入っていた。

「この翡翠が、俺を守ってくれたんだな」

「この翡翠はもうだめだね。新しいの買ってあげる」

「これは、大事にしまっておく」

「うん・・・・・・」

寮につくと、京楽は浮竹を押し倒した。

「何・・・?」

訝しがる浮竹に、唇を重ねる。

「んうっ・・・・」

何度も口づけられているうちに、思考がぼーっとしだしていた。

首筋を吸い上げられて、そのちりっとした痛みに、浮竹のぽかりと殴った。

「キスとハグ以外は禁止だって言っただろう」

「キスマークを残すのも、キスの延長線上だよ」

「そうかもしれないが・・・見える場所に痕を残すのはよせっ」

そうい言われて、京楽は浮竹のうなじに数か所キスマークを残した。

「あっ・・・・」

声がもれて、やばいと思った。

京楽が、濡れた視線でこちらを見てくる。浮竹と、キスを繰り返す。

服の裾から、手が侵入してくる。

膝を膝で割られる。

「そこまでだっ」

もう無理だと、浮竹が京楽にストップをかけた。だが、京楽は火がついていて、止まらない。

「ああっ」

与えられる快感に、支配されそうになる。

「く・・・・・」

ゴン!

想いきり頭突きを食らわせると、京楽が白目をむいて倒れた。

頭が痛すぎる。ちょっとやりすぎたかもしれないが、約束を破ろうとしたのは京楽のほうだ。

「今回は、なかったことにしてやる」

本当なら、親友をやめるのだが。

約束以上の行為をしたら、親友をやめると公言していた。

次の日になっても、京楽は白目をむいたまま気絶していた。ちょっとやばいかと思って、回道の得意な友人に来てもらうと、友人は笑った。

「これ、気絶してるんじゃない。寝てるんだ」

「え、こんな姿でか?」

「ああ。よほど嬉しいことでもあったんだな。意識を眠りの下に潜らせてる」

「起こすには?」

「普通にすれば起きるぞ」

「京楽、おきろ京楽」

反応がない。

「京楽おきたらキスしてやるぞ」

「おはよう、浮竹」

きりっとした顔で、起き出す京楽。

「キスは!?」

「心配させたからなしだ」

「えええーーーー」

「俺、お邪魔みたいだから帰るな」

友人が去って行ってしまった。

二人きりになる。

気まずい空気が流れる。

「ああもう!1回だけだぞ、キスは!」

「\(^o^)/」

数日間、うなじのキスマークが消えなくて、しばらくの間ついに浮竹と京楽が結ばれたという噂が流れるまで、そう時間はかからなかった。


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