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院生時代の部屋16

「好きだよ」

「俺も好きだ、愛してる京楽」

「僕も愛してるよ、浮竹」

「嬉しい」

「僕の熱いヴェーゼを受け取ってくれるかい」

「勿論だ。それ以上でもいいぞ」

「ふふふ、今夜は寝かさないよ」

「いっぱいしてくれ、京楽」


京楽は、一人二役を演じていた。浮竹の部分も、京楽が声を出して、演じていたのだ。

それを少しあいた扉から、浮竹がみていた。

浮竹の視線に気づいて、恐る恐る京楽が振り返る。

「楽しいか?」

氷点下の眼差しで見られて、京楽は慌てた。

「こ、これはただの発声練習だよ」

「そうか。エアー浮竹でもいたんだな」

「そうそう、エアー浮竹が・・・・・・・・・・」

つっと、汗が流れ落ちる。

やっばい。

浮竹に見られた。

今すぐこの部屋から消えてなくなりたい。

そう思いながら沈黙していると、浮竹がこっちにやってきた。

「最近、お前と普通に接していたが、それだけは足りなかったか?もっとこう、スキンシップが必要だったのか?」

「そうそう、そうだよ」

京楽は顔を輝かせた。

別に、不満があったわけではない。

でも、浮竹が少し遠くに感じて、寂しかった。

「寂しかったんだよ・・・・・・・・」

「京楽」

これ以上中へは入っていけないのルールの、テープを乗り越えて、浮竹が京楽のいるベッドの傍にくる。

「浮竹!!」

京楽が、浮竹を抱き締めようとする。それをひょいと交わして、浮竹は京楽をベッドから突き落とすと、シーツや枕の下を確認した。

「あった・・・・」

最近、やけに下着が少なくなっていると思ったら、やっぱり京楽の仕業だった。下着を回収すると、京楽が泣き真似をした。

「酷い!僕の楽園が・・・・・」

「自分の下着でやってろ」

浮竹は氷点下オーラを出して、今度はタンスに鍵をつけだした。

「そんなことしたら、浮竹のパンツとお別れしなくちゃいけないじゃないか!」

「同室のお前のせいで、俺は多大なる不幸を背負っている」

ベランダに下着を干すのだが、それもなくなるのだ。

流石にベランダにまでは手が回らない。

一枚、黒いトランクスを京楽に投げる。

「けっこう愛用していたやつだ。やる」

京楽は、ご神体を崇めるように恭しく黒いトランクスを受け取った。

「家宝にする」

「変態が・・・・・・」

浮竹のつぶやきは小さかった。

「京楽、パンツを盗むことをやめたら、キスを週に3回増やしてもいい」

そう浮竹が提案すると、週に5回のキスになった。京楽が粘ったのだ。本当なら、1日5回にしたいところだったけれど。

こうして、京楽が浮竹のパンツを盗むという変態行為は収まった。

でも、変態なので、また次の行動を起こしそうだった・・・・・・・。










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