院生時代の部屋7
寮の備え付けの風呂が直った。
京楽の視線を気にして公共浴場で入る必要がなくなって、浮竹は安堵した。
先に京楽が風呂に入った。その後に、浮竹が風呂に入った。
「僕、もう一度風呂に入るね。(*´Д`)ハァハァ」
「まて。何をするつもりだ」
京楽の肩に手をかける。
「そりゃもちろん、浮竹の入ったお湯できゃっきゃして、あそこの毛がぬけてないかを・・・」
バキッ。
浮竹は、顔色一つ変えずに京楽を殴った。
「この変態が!」
「愛が激しい!」
京楽は、殴られたことにさえ嬉しさを感じていた。
いつもの変態京楽の顔から、ふと本気の顔になる。
「浮竹、好きだよ」
京楽が耳元でそう囁いてきた。
風呂上がりの浮竹からは、石鹸とシャンプーのいい匂いと、生来からもつ甘い花の香が混ざって、なんとも甘ったるい香を漂わせていた。
上気した頬に、潤んだ瞳で見つめられる。
かなりエロい。
「浮竹・・・」
抱きしめると、ぴくりと浮竹が反応した。壁においつめて、膝で膝をわって、深く口づける。
「んっ・・・・」
甘い声をあげられて、京楽も歯止めができなかった。服の中に手を侵入させると、浮竹が頭突きしてきた。
「もがっ!」
思わぬ反撃を受けて、京楽は鼻血を出した。
「このエロ魔人がっ!」
ぜーぜーと荒く呼吸を繰り返して、浮竹は京楽をテープでぐるぐる巻きにした。
「今日は一晩、その恰好でいろ!」
「そんなぁ。いい雰囲気でてじゃない。もう1回やり直させて」
さっきの浮竹の、感じていたエロい顔とエロい体を思い出して、顔は真剣なのだが、ドクドクと鼻血を流していた。
「お前にそんなことさせたら、俺の貞操が奪われる!」
「優しくするよ」
「そういう問題じゃない!」
テープでぐるぐる巻きしているのに、尺取虫のように動いてこっちに近寄ってくる。
「それとも、こういう緊縛プレイが好きなの?」
裸足の足を舐められた。
ぐるぐる巻きにしたが、その気になれば京楽は鬼道か何かで自由になれる。
それをしないということは、本気で強姦のような真似はしないという証にもなる。
「このテープから中に入ってくるな。約束するなら、そのぐるぐる巻きを解いてやる」
「約束するよ」
鼻血はもう止まっていた。
「本当だな?信じるぞ」
「うん」
浮竹は、京楽からテープをはがした。
もじゃもじゃの腕の毛とかが巻き込まれていて、ベリッとはがした時に抜けて、かなり痛そうだった。
「キス、させて?」
ベッドの周りにテープをはっていた。今浮竹がいるのは、テープの外。テープの内側に入れば、京楽は手を出してこない。
京楽とのキスは好きだった。
「キスだけだから」
「え?」
京楽を京楽のベッドの上に押し倒す。馬乗りになって、浮竹は自分からキスをしてきた。
「うきた・・・・・・」
舌が入ってくる。
京楽は、微笑んで浮竹を抱き寄せた。
そして、その手練手管で花魁を落としてきたように、優しく優しく浮竹に接する。
「んあっ」
息継ぎの間に、浮竹が甘い声を出す。
もっと聞きたくて、何度も角度をかえて深く口づけした。
「浮竹、愛してる・・・・・・・」
「俺は、普通だ」:
「いやん、そこは嘘でも俺もっていってよ」
「言ったが最後、お前に美味しくいただかれて貞操が奪われる」
「ちぇっ」
びくんと、浮竹が朱くなった。
京楽の硬くなったものが、腰に当たっていた。
「これ、浮竹のせいだよ?君があんまりにもかわいいから」
「どうしろと?」
「簡単、くわえて・・・・・」
ドカッ。
京楽の鳩尾に、浮竹の蹴りが決まった。
けほけほとむせてから、京楽は黒曜石の瞳で浮竹を見た。
「冗談なのに」
「お前が言うと、冗談に聞こえない」
「まぁいいや。風呂場いってくる」
「?何をするんだ」
「そりゃ、抜くに決まってるでしょ。このままだとつらいからね」
「まさか俺を」
「正解。おかずにする」
「京楽!」
真っ赤になった浮竹の悲鳴に似た声は、京楽の笑い声にかき消されたのだった。
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