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青春白書9

恋次は、とうとう覚悟を決めた。恋次の部屋に入る。恋次は宿題をしていた。

「恋次」

「どうした、ルキア」

「好きだ」

「僕もルキアのことが大好きだぞ」

「好きだ」

「俺も好きだぞ」

ルキアは、じっと恋次を見つめていた。そして首を振る。

「そういう好きじゃない。私は、ずっとずっと、恋次のことを異性として好きだった。だから恋次の彼女って人を見ると不安定になった。恋次は私のものじゃなのだ、私のものにはならぬのだと」

「え。俺のことを、異性として?」

「そうだ」。私は、恋次のことを女の子として好きのだ」

「ルキア」

「正直に答えてくれ。恋次は私のものになってくれるか?彼女と別れて、私の傍にいてずっと私を見て私を愛してくれるか?」

「すまん。ルキア、気づかなくてごめんな。ずっと苦しませてごめんな」

恋次は苦しそうだった。

つられてルキアも泣き出した。

「いいから、答えてくれ」

伸ばされた腕に抱きしめられて、ルキアは必死になって恋次の背中にしがみつく。

「俺は彼女を愛しているんだ。ルキアのことも大好きだぜ。でも、彼女と別れることはでねぇ。いつか、彼女と結婚して家庭をもつと思うんだ。お前が嫌でなければ、一緒に暮らそうと思っていた」

「そんなの嫌だ。私は恋次が好きなのだ」

「俺も好きだぜ、ルキア。でも、それ以上に彼女ことが好きなんだ、ルキアのことも大切だ。大好きだぜ」

「ああ、ありがとう」

ルキアは、とんと恋次を突き飛ばした。

「ルキア!!」

そのまま、ルキアは家を飛び出した。追いかけようとしたが、ルキアは足が早くて玄関のところでまかれてしまった。

「ルキア、ルキア、ルキア!!」

もしも、ルキアの身に何かあったら、全部俺のせいだ。

「そうだ、一護だ!」

恋次は、類阿がおきっぱなしの携帯で一護に電話をする。

だけど、最悪なことに外出中で留守電になっていた。

「くそ、どうすればいいんだ」

そこに冬獅郎が帰宅した。

「どうしたんだ、恋次」

「冬獅郎。どうすればいいんだ・・・」

恋次をなんとか説得して、冬獅郎がルキアを探すことにした。万が一帰ってくるときのために、もしくは連絡があるときのために恋次を待機させる。

気が動転した恋次に、外出させるのもある意味危険だと冬獅郎は判断した。

外は雨が降っていた。

しとしとと振り続ける雨の中、冬獅郎は傘をさしてルキアを探す。

一護は、昔の友人と飲み歩いていた。

「あー、もうこんな時間か」

「いいじゃんか。もっと飲もうぜ」

「いや、終電に遅れる」

「けちくせー」

「はははは。また今度な」

一護は酔ってはいるが、足元はしっかりしている。そのまま電車に乗って帰宅すると、家の前に人影があった。

「ルキア?」

びしょぬれになったルキアが、蹲っていた。

ルキアは泣いていた。

「どうしたんだ、ルキア。何かあったのか」

「ああ」

「こんなびしょぬれで。うわ、つめて!何時間ここにいたんだ」

「わからない・・・・気づいたら、一護の家の前にいた」

「いいから、中に入れ!」

ルキアを家の中にあがらせると、熱いシャワーを浴びさせて着替えさせた。ポタポタと髪から水を滴らせたままのルキアの髪をふく。

ルキアはずっと泣いていた。

「大丈夫か?」

「大丈夫じゃない。・・・・・・・なぁ。抱いてくれ」

「ルキア」

一護はルキアを抱きしめた。

「そういう意味じゃない。私を抱いてくれ」

一護はルキアを抱きしめて、唇を重ねる。

「何もかも、忘れたい」

一護は、ルキアを抱きしめてベッドに連れて行ったが、ただ抱きしめるだけだった。

「一護?」

「もっと体を大事にしろ」

「私には魅力がないか?」

「そういう意味じゃない。恋次と何かあったんだな?」

「・・・・・うん」

ルキアは泣きじゃくった。一護はルキアを抱きしめて、ルキアが泣き疲れて眠ると、毛布を被せてルキアの家に、きっと待っているであろう恋次に連絡を入れる。

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