食事時
朝になった。
食堂が、がやがやと騒がしくなる。学院の食堂は安くてボリュームがあり、栄養もちゃんとしている。寮生活以外の生徒も、朝食を食べに食堂にくることがあるくらいだ。
珍しく早起きした浮竹は、寝ぼけ眼の京楽を連れて、朝食をとるために食堂にきていた。
朝食のメニューは、目玉焼き、ご飯、味噌汁・・・・あとは自分で選べるバイキング形式になっていた。
京楽が、お冷を二人分もってくる。
「何食べるの?」
「果物」
目玉焼きとご飯とみそ汁を適当に平らげて、浮竹はデザートコーナーにいくと、これでもかというほどのフルーツを山盛りにして帰ってきた。
「君さ」
「なんだ」
「食細いのに、スィーツやら果物はよく食べるんだね」
京楽は少し呆れ気味だった。
「問題でもあるのか」
「まぁ果物は栄養がいいから、別にいいけどね」
毎日甘味ものだけだと、流石に問題はあるだろうが、基本の食事をし終えた後の果物をとることには、京楽も賛成だった。
京楽は、朝からアジフライと唐揚げをおかずに、目玉焼き、ご飯、味噌汁を平らげていく。
「朝からよくそんな脂っこいもの食えるな」
「別に、普通だよ。僕からしてみれば、朝っぱらからよくそんなに果物だけ食べれるねといいたいことろだよ」
浮竹は、バナナと牛乳と林檎を手に、それらをミキサーにかけて、バナナ・オレにしていまい、京楽の分までおいた。
「バナナ・オレは栄養満点だ。飲め」
「うん、美味しいね」
浮竹も、食後の飲み物としれそれを飲んだ。
二人して、食べすぎたと、もう食べれない状態で、それから食堂を去って授業に出た。
あれだけ食べたのに、3限目が終わる頃には京楽の腹の虫がないていた。浮竹はというと、久しぶりに朝食を食べて、その睡魔で3限目を寝てしまっていた。
そのまま4限目になる。
いつも無理していることの多い浮竹を起こす友人はいない。
京楽も、微笑ましく昼寝をしてしまった浮竹を見守っていた。
4限目が終わり、昼飯の時間になった。京楽は浮竹を起こした。
「何!3限目も4限目も寝ていただって!?どうして起こしてくれなかったんだ」」
襟首をつかまれて揺さぶられたが、京楽は笑う。
「だって、あんまりにも気持ちよさそうに眠っていたから。教師も気づいていたけど、君は優等生だから、きっと勉強のしすぎて疲れてるんだろうって言って、放置してたよ」
「貴重な3限目と4限目が!」
「そんな大げさな・・・・・君、熱出したりしたときはたくさん休むじゃない」
「だからだ!健康な時はちゃんと授業にでたい」
もう後の祭りであるが。
昼食を食べに、食堂にいく。
今日は「麺」の日で、ラーメン、ソバ、冷やし中華など。
「俺は冷やし中華で。京楽は?」
「僕は豚骨ラーメン定食かな」
「また脂っこいものを・・・・・」
「いや、普通でしょ。別にステーキとか昼から食べてるんじゃないから」
「それでも量がおおいだろ」
普通の豚骨ラーメンの1,5倍の食堂のラーメン。それに餃子と炒飯がついてくる。
見ているだけで胸やけがしてきそうだ。
浮竹が頼んだ冷やし中華も、けっこうな量があった。途中でギブアップして、食べるのをやめると、豚骨ラーメン定食を完食した京楽が残りを食べてくれた。
残してはいけないと、分かってはいるのだ。
だが、食の細い浮竹は、通常の人の60~70%しか食べない。
「ここは安いのはいいが、ボリュームが多すぎる」
「まぁ、そこが人気の秘訣なんだけどね」
学生以外の近隣の住民も、たまに姿を見ることができた。
味もいい上に安くてボリュームがる。下手に外食をするよりは経済的だ。
京楽は上流貴族のぼんぼんだから、食には困らないだろうが、経済的に豊かでない浮竹にとっては、仕送りのお金は薬代に消えてしまい、残りの僅かな金銭で暮らすには食堂を利用するしかなった。
学院に、学生から授業料をとるシステムはない。ただ、学院に通う上流貴族なんかは、多額の寄付をしてくれる。あとは、死神になった後で、授業料として給料から差し引かれているシステムだった。
出世払いというやつだ。そうでもなければ、流魂街からの生徒など受け入れられないだろう。
京楽と浮竹が在席する、特進クラスにも流魂街出身の者が何人かいた。だが、京楽より上級の貴族はいなかった。
「見ろ、京楽だぜ」
「上流貴族の京楽か・・・隣にいるのは、あれか?例の色子ってやつ」
「そうそう、京楽専用の愛玩動物」
上級生のそんな言葉を耳にして、京楽は立ち上がった。
その手を、浮竹が押しとどめる。
「好きに言わしておけ。僕らを理解してくれている友人はちゃんといる。上級生にまでそれを強いることはない」
「でもね」
「おい京楽、その愛玩動物かせよ。俺らで可愛がってやるから。元、色子なんだろ?」
京楽に肩に手をおいて、そんなことを言い出した上級生に、京楽はだまって鳩尾に蹴りをいれてアッパーをかました。
「何するんだ!お前ら、俺らが上級生と分かって・・・・・・」
「僕が「京楽」であることは分かってる?僕の親友を侮辱するとはいい根性してるね。「京楽」の名の下で、学院からいられなくしてやろうか?」
黒曜石の瞳が鋭く光った。
「あ、あっちいこうぜ」
「おう」
倒れた仲間をひきずって、上級生たちは消えていった。
「でもさ」
「なんだ?」
「君が僕の色子なら、本当によかったのに」
その言葉に、浮竹が京楽の足を蹴った。
「少しかっこよかったと思えば、台無しにする台詞をはくな、お前は」
「え、僕がかっこよかっただって?よし、僕と交際しよう浮竹」
「嫌だ」
「そういわずに」
ずいずい迫ってくる京楽の鳩尾を蹴りあげて、浮竹は同じクラスの女子たちと楽しく会話しながら去って行った。
「浮竹の意地悪~」
一人残された京楽は、それでも浮竹がすきなんだとにまにまして、教師から不気味がられていた。
食堂が、がやがやと騒がしくなる。学院の食堂は安くてボリュームがあり、栄養もちゃんとしている。寮生活以外の生徒も、朝食を食べに食堂にくることがあるくらいだ。
珍しく早起きした浮竹は、寝ぼけ眼の京楽を連れて、朝食をとるために食堂にきていた。
朝食のメニューは、目玉焼き、ご飯、味噌汁・・・・あとは自分で選べるバイキング形式になっていた。
京楽が、お冷を二人分もってくる。
「何食べるの?」
「果物」
目玉焼きとご飯とみそ汁を適当に平らげて、浮竹はデザートコーナーにいくと、これでもかというほどのフルーツを山盛りにして帰ってきた。
「君さ」
「なんだ」
「食細いのに、スィーツやら果物はよく食べるんだね」
京楽は少し呆れ気味だった。
「問題でもあるのか」
「まぁ果物は栄養がいいから、別にいいけどね」
毎日甘味ものだけだと、流石に問題はあるだろうが、基本の食事をし終えた後の果物をとることには、京楽も賛成だった。
京楽は、朝からアジフライと唐揚げをおかずに、目玉焼き、ご飯、味噌汁を平らげていく。
「朝からよくそんな脂っこいもの食えるな」
「別に、普通だよ。僕からしてみれば、朝っぱらからよくそんなに果物だけ食べれるねといいたいことろだよ」
浮竹は、バナナと牛乳と林檎を手に、それらをミキサーにかけて、バナナ・オレにしていまい、京楽の分までおいた。
「バナナ・オレは栄養満点だ。飲め」
「うん、美味しいね」
浮竹も、食後の飲み物としれそれを飲んだ。
二人して、食べすぎたと、もう食べれない状態で、それから食堂を去って授業に出た。
あれだけ食べたのに、3限目が終わる頃には京楽の腹の虫がないていた。浮竹はというと、久しぶりに朝食を食べて、その睡魔で3限目を寝てしまっていた。
そのまま4限目になる。
いつも無理していることの多い浮竹を起こす友人はいない。
京楽も、微笑ましく昼寝をしてしまった浮竹を見守っていた。
4限目が終わり、昼飯の時間になった。京楽は浮竹を起こした。
「何!3限目も4限目も寝ていただって!?どうして起こしてくれなかったんだ」」
襟首をつかまれて揺さぶられたが、京楽は笑う。
「だって、あんまりにも気持ちよさそうに眠っていたから。教師も気づいていたけど、君は優等生だから、きっと勉強のしすぎて疲れてるんだろうって言って、放置してたよ」
「貴重な3限目と4限目が!」
「そんな大げさな・・・・・君、熱出したりしたときはたくさん休むじゃない」
「だからだ!健康な時はちゃんと授業にでたい」
もう後の祭りであるが。
昼食を食べに、食堂にいく。
今日は「麺」の日で、ラーメン、ソバ、冷やし中華など。
「俺は冷やし中華で。京楽は?」
「僕は豚骨ラーメン定食かな」
「また脂っこいものを・・・・・」
「いや、普通でしょ。別にステーキとか昼から食べてるんじゃないから」
「それでも量がおおいだろ」
普通の豚骨ラーメンの1,5倍の食堂のラーメン。それに餃子と炒飯がついてくる。
見ているだけで胸やけがしてきそうだ。
浮竹が頼んだ冷やし中華も、けっこうな量があった。途中でギブアップして、食べるのをやめると、豚骨ラーメン定食を完食した京楽が残りを食べてくれた。
残してはいけないと、分かってはいるのだ。
だが、食の細い浮竹は、通常の人の60~70%しか食べない。
「ここは安いのはいいが、ボリュームが多すぎる」
「まぁ、そこが人気の秘訣なんだけどね」
学生以外の近隣の住民も、たまに姿を見ることができた。
味もいい上に安くてボリュームがる。下手に外食をするよりは経済的だ。
京楽は上流貴族のぼんぼんだから、食には困らないだろうが、経済的に豊かでない浮竹にとっては、仕送りのお金は薬代に消えてしまい、残りの僅かな金銭で暮らすには食堂を利用するしかなった。
学院に、学生から授業料をとるシステムはない。ただ、学院に通う上流貴族なんかは、多額の寄付をしてくれる。あとは、死神になった後で、授業料として給料から差し引かれているシステムだった。
出世払いというやつだ。そうでもなければ、流魂街からの生徒など受け入れられないだろう。
京楽と浮竹が在席する、特進クラスにも流魂街出身の者が何人かいた。だが、京楽より上級の貴族はいなかった。
「見ろ、京楽だぜ」
「上流貴族の京楽か・・・隣にいるのは、あれか?例の色子ってやつ」
「そうそう、京楽専用の愛玩動物」
上級生のそんな言葉を耳にして、京楽は立ち上がった。
その手を、浮竹が押しとどめる。
「好きに言わしておけ。僕らを理解してくれている友人はちゃんといる。上級生にまでそれを強いることはない」
「でもね」
「おい京楽、その愛玩動物かせよ。俺らで可愛がってやるから。元、色子なんだろ?」
京楽に肩に手をおいて、そんなことを言い出した上級生に、京楽はだまって鳩尾に蹴りをいれてアッパーをかました。
「何するんだ!お前ら、俺らが上級生と分かって・・・・・・」
「僕が「京楽」であることは分かってる?僕の親友を侮辱するとはいい根性してるね。「京楽」の名の下で、学院からいられなくしてやろうか?」
黒曜石の瞳が鋭く光った。
「あ、あっちいこうぜ」
「おう」
倒れた仲間をひきずって、上級生たちは消えていった。
「でもさ」
「なんだ?」
「君が僕の色子なら、本当によかったのに」
その言葉に、浮竹が京楽の足を蹴った。
「少しかっこよかったと思えば、台無しにする台詞をはくな、お前は」
「え、僕がかっこよかっただって?よし、僕と交際しよう浮竹」
「嫌だ」
「そういわずに」
ずいずい迫ってくる京楽の鳩尾を蹴りあげて、浮竹は同じクラスの女子たちと楽しく会話しながら去って行った。
「浮竹の意地悪~」
一人残された京楽は、それでも浮竹がすきなんだとにまにまして、教師から不気味がられていた。
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