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魔王と勇者 新勇者のごあいさつ

「あけましておめでとう!」

「ああ、あけましておめでとう」

京楽と浮竹は、新年が明けてからそう挨拶をして1日の始まりを祝った。

京楽は、お年玉を浮竹にあげた。

浮竹は、お年玉の代わりに手編みのマフラーを京楽にあげた。

「こんな年になってお年玉はちょっと恥ずかしいが、金はあると嬉しいな。ありがとう京楽」

「何、ちょっと暇な時に冒険者稼業で中級のドラゴン1体始末したのに出た報奨金だからさ。僕はそれより手編みのマフラーなんてもらえると思ってなかったから、嬉しすぎて鼻血でそうだよ」

「いや、すでに出してるぞ」

「やべ、止まらない」

「とりあえずティッシュつめろ」

「ティッシュどこだ・・・・ティッシュもあるしさぁ。ねぇ、今時間大丈夫だよね。新年は魔王会議もないし・・・ねえ、浮竹、愛してるよ」

「京楽、俺も愛して・・・・・あ、新勇者」

二人して、新年そうそういちゃいちゃして、そのまま姫はじめに流れてしまいそうなところを、訪問者によって阻止された。

「あのさ!俺未成年なんだけど!正月そうそうえっちなことしようとするなよ!」

「他人の城にきといて、それはないでしょ。君が悪い」

「そうだぞ。新勇者、正月くらい大人しくしておけ」

京楽と浮竹の言葉を聞きながら、新勇者は、パーティーメンバーを連れ立って、浮竹に剣を向けた。

「あけましておめでとう!おめでたいから退治されろ!」

「お前の頭がおめでたいんだろう」

浮竹は、やってくる新勇者の斬撃を綺麗に避けて、その首根っこをつまみあげた。

「何をする!俺は猫じゃないぞ!」

「猫のほうがよっぽどかわいい」

浮竹は、新勇者の鎧をはぎとり、ほぼフルチンに近い状態にしてから、何かの香水を投げつけた。

「なんだこれ・・・・いい匂い」

「セクシーモンキーのエテ吉君の好きな香水だ。エテ吉君は人間にも欲情する。さぁ、新境地にいってこい」

「ぎゃああああああああああ」

浮竹は、檻をあけると、新勇者の背中を蹴り飛ばした。

「ウキキキー!!!」

「ちょっと、浮竹いいの?エテ吉君の嫁のゴリ子ちゃんが怒るよ!」

「エテ吉君とゴリ子ちゃんは絶賛別居中だ」

「ならいいか」

「よくないわボケーーーー!まじで貞操の危機だあああ!おい、女僧侶このエテ吉君を眠らせろ!!」

「キッキーーウキーー」

「ああ、やめろ、あふん」

「スリープ」

女僧侶は、エテ吉君に眠りの魔法をかけた。

「チャーム」

女僧侶は、浮竹に魅了の呪文をかけてみたが、魔法抵抗値が高いのでレジストされた。

「チャーム」

浮竹に、今度は少年魔法使いが魅了の呪文をかける。

レジストした瞬間に隙ができて、浮竹はチャームの呪文にかかってしまった。

「ちょっと、浮竹、大丈夫!?」

「・・・・・」

目がハートマークになっていて、対象は新勇者になっていた。

「好きだああああああ!!」

「ぎゃああああああああ!!!」

浮竹は、新勇者をフルチンにした。

そして、すぐに我に返って、腕の中にいたフルチンの新勇者の股間を蹴り飛ばした。

「何をするんだ、この不埒者!」

「こっちの台詞じゃあああああ!!!!」

「エテ吉君、リカバリー!」

浮竹は、眠っていたエテ吉君に呪文をかける。

眠りから目覚めたエテ吉君は、大好きな香水の匂いをまとう新勇者に、求愛のダンスを踊りまくった。

「ぎゃああ、こわいから、股間もりあがってる、こわいからあああ!!!」

「番になって、結婚でもするといい。そうすれば魔王幹部になれるぞ」

「いやだああああああ!番なんていやだあああ!猿とできたくない!ぎゃああ!けつ!
けつさわってきた!」

「エテ吉君、伴侶にする気満々だね」

のんびりとお茶を飲みながら、京楽は浮竹からもらったマフラーを首に巻いていた。鼻血はとうの昔に止まっていた。

エテ吉君は、セクシーモンキー。ランクB。でも多種族に求愛するので全滅の恐れのある種族。

魔王城の近くで見つかったエテ吉君を、群れに返すために一時的に預かっている間に、魔王城の配下のモンスターのゴリ子さんとできてしまった。

だが、できちゃった結婚して、すぐに別れた。

現在ゴリ子さんとは別居中だ。

「うぎゃああああああ!」

「新勇者、反省してるか?」

「してる!めちゃしてる!だから助けてくれ!」

「スリープ」

浮竹は、エテ吉君を穏やかに眠らせると、魔法で新勇者のダッチワイフをつくりあげて、エテ吉君に与えた。

エテ吉君は、眠りながらダッチワイフを抱きしめる。

京楽が、新勇者のダッチワイフ作成魔法を見よう見まねで、ダッチワイフをつくりだして、女僧侶にあげた。

「いりませんわ、こんなもの!」

女僧侶はぷりぷり怒っていた。

「売ったら、金貨5枚にはなるぞ」

「ふん、仕方ないからもらってあげますわ!」

女僧侶はダッチワイフを受け取った。

「本物も持って帰ってね」

京楽は、新勇者のフルチンはかわいそうなので、アイテムボックスに入っていた、盗賊を倒してみぐるみはいだ時に入っていた、黄色いシミのついたくさいパンツを与えた。

魔法でぱっとぱんつをはかされた新勇者は臭かった。

「くさっ・・・・まぁ、ないよりましでしょ」

「くさいのだよ」

「くせー」

あまり登場する機会のない、獣人盗賊と男戦士が、臭いといいながら、どちらが新勇者を抱えて帰るかジャンケンをしていた。

新勇者パーティーには、そのまま城を去ってもらった。

エテ吉君は眠っているし、静かになった。

「ねぇ、浮竹」

「そんな気分じゃない」

「やっぱり・・・・・・」

新年最初は、エテ吉君と新勇者の乱交もどきを見ることになって、すっかりいろいろやる気力をなくした浮竹だった。

けしかけたのも浮竹なので、なんともいえない気分になるのであった。







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