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黒猫の外伝 浮竹と京楽

ソウル帝国で、代々騎士団の副団長を務めるのは京楽というエルフの一族だった。

団長にもなったりもしたし、近衛騎士として動くこともあった。

皇帝が黒崎一護になり、京楽は剣の稽古を一護につけた。

ある日、一護が珍しい白猫の亜人の少年を連れ帰ってきた。その美しさに、京楽は言葉を失った。

「君‥‥‥名前は?」

「浮竹十四郎。一護くんに買われた奴隷だ。正確には、保護されたというべきか」

一護は、まだ13歳だった。

浮竹もまだ17歳くらいで、性奴隷として闇マーケットに売りに出されていたところを、一護に買われて保護された。

女であれば、寵姫として後宮に入れられただろう。

それくらい、美しかった。

「‥‥‥‥惚れた」

「は?」

浮竹は、目をハートマークにする京楽から、その日から愛の告白を毎日のように聞くことになるのであった。

「浮竹、今日も綺麗だね」

「お前は‥‥仕事もせず俺のところになんてきたりして」

浮竹は、とりあえず兵士として一護の傍にいることになったのだが、その剣の腕は副団長でもある京楽に引けをとらず、騎士となり、やがて騎士団の団長になった。

「仕事をしろ、仕事を」

「でも、ボクらの仕事は国を守ることじゃない。あとは、一護くんに剣の稽古をさせること」

「俺も、剣の師匠として、一護くんには強くなってもらう。俺を性奴隷から解放してくれた恩人だしな」

「浮竹は美人だもんねぇ」

「お前、いやらしい目つきでこっちを見るな」

「だって、ボクは浮竹、君に惚れたから。好きだよ?」

「あいにく、俺はそういう趣味はない」

「偶然だね。ボクも、そういう趣味はないんだよ」

「なら、なぜ俺を口説く?」

「綺麗だから」

浮竹はため息を零して、剣を手にとる。

「俺に勝てたら、お前と付き合ってやる」

「まじで?」

「ああ」

浮竹の言葉を聞いて、京楽は本気を出した。

その強さに、浮竹は負けた。

「お前、こんなに強かったのか。なのに、なぜ副団長の座にいる」

「えー、だって団長っていろいろあってかたっ苦しいじゃない。とりあえず、ボクが勝ったから君は今日からボクとお付き合いしてね」

最初は、友人の延長線のような関係だった。

それが半年ほど続き、ある日酔った京楽に押し倒されて口づけされた。

その次の日から、浮竹は京楽と少し距離を置くようになった。

浮竹は、剣の腕はあったが、外見のせいで性的な目で見られることが多く、それがたまらなく嫌いであった。

京楽からの視線は嫌ではなかったが、やはり少し距離を置きたくなった。

「浮竹は、ボクのこと嫌い?」

「いや‥‥‥ただ、こういう、なんというのか同性同士の恋愛には慣れていないから」

「ボクが手とり足とり教えてあげるよ?」

「けっこうだ」

浮竹は、一護の剣の師匠として一護に剣術を教える。騎士団に所属する騎士たちにも、剣の指導をした。

「団長なのに、筋肉あんまりつかないね」

「うるさい」

「ねぇ、ケーキ買ってきたんだよ。甘いもの好きって聞いたから」

「何、ケーキだと?」

食べ物でつれる浮竹。

案外ちょろいかもと、京楽は思う。

「ねぇ、試しにボクと寝てみない?」

「嫌だ」

「そう言わずに。スイーツ食べ放題のチケットあげるから」

「本当か?」

目をきらきら輝かせる浮竹に、京楽はしめしめと思った。

酒を飲ませて、酒に酔った勢いのまま浮竹を宿で押し倒して抱いた。

「‥‥‥‥きもちよかった。最悪だ」

「きもちよかったならいいじゃない。ボクたち、付き合ってるんだし」

「同僚だぞ。最悪だ」

「気にしない気にしない」

「俺が気にする!」

一護が、浮竹と京楽の関係に気づいていたが、特に何も言わなかった。

「浮竹さん、京楽さん、今日もお願いします」

「一護くんは素直でいいねぇ。どこかの誰かもこれくらい素直ならないかなぁ」

「京楽、殺されたいか」

剣を抜き放つ浮竹に追いかけられても、京楽は楽し気だった。

酒で関係をもってから、何度か肉体関係をもった。

浮竹は、京楽を好きになっていた。

無論、京楽は初めから浮竹のことが好きだ。

「京楽」

「なんだい?」

「伴侶に、ならないか」

プロポーズは、浮竹のほうからだった。

「え、結婚してくれるの!?」

「だって、そういう仲だし‥‥‥その‥‥式は挙げないからな!」

ぽいっと。浮竹は京楽にペアリングを放り投げる。

「嬉しい!大切にするね?」

式は挙げず、籍だけ入れた。

一護に祝われて、浮竹は真っ赤になっていた。

そんな初々しいところも、京楽は好きだった。

これは一護とルキアが出会う前のお話。

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