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14話補完小説

「私は、この者を後継者にする」

石田雨竜は、こつこつと壇上を歩いた。

ユーハバッハは、石田雨竜を後継者に選んだ。

滅却師たちは不満を露わにした。

滅却師たちの中で亀裂が走り、仲間割れを始める輩もいた。

「何故、俺を後継者に選んだのですか」

「雨竜、お前は今なぜ生きている?」

「・・・・・・」

「お前が生き残ったからだ。滅却師の中でアウスヴェーレンの中、唯一生き残ったのがお前だからだ。お前は最後の生き残りだ。お前には、私の力を超える何かがある。それが、お前を後継者にした理由だ」

雨竜は、表情を表に出さなかった。

「理解しろ雨竜。疑問など必要ない。私と共にくるのだ」

雨竜は、渦まく心を平成に保つために深呼吸をする。

「・・・・・・はい、畏まりました、陛下・・・・俺は・・・・死神とは、決別します」


一方、一護は。

「一護お前には死神をこえてもらう」

そう言われて、一護の修業が始まった。



また一方、麒麟殿で、白哉は目覚めた。

「どうだ、逆上せちゃいねぇか?」

「心配は無用だ。逆上せるには、私の力は未熟に過ぎることを知っている。永らえたからには、逆上せるには足る力を身につけねばなるまい」

白哉は、服をきた。

「私は、まだ未熟だ・・・・・・」

白哉が目覚めたという知らせを受けて、ルキアはとても喜んだ。

無論、一緒に修行していた恋次もだ。

「兄様が目覚められた!」

「おう!俺たちも、強くならねーとな」

「そろそろ、奥の間で鷲と修行せんか?」

ふいにかけられた言葉に、ルキアも恋次も、声を揃えた。

「「はい!!」」


-------------------------

雨竜は、考え込んでいた。

シュテルンリッター、Bのユーグラハム・ハッシュヴァルトと、すれ違った。

石田雨竜は、シュリフト Aの文字を与えられた。

それが意味するのは、ユーハバッハとほぼ対等という意味。

時期皇帝と言われていたユーグラハムの地位は、不動のものではなく危ういものになっていた。

それでも、ユーハバッハの選んだ言葉に文句は出せない。

ただ、黙して従うのみ。

「俺は・・・・死神と、決別を・・・・」

雨竜は、心の中で黒崎と名を呼びながらも、死神であり友である戦友の姿を思い浮かべた。

「たとえ、たどる道が違えど・・・・・」

ユーハバッハは、僕がこの手で。

一護もまた、ユーハバッハをその手で倒すために、行動を開始している。


「願わくば、世界に平穏あれ・・・・」

雨竜は、これから死にゆくであろう尸魂界の死神たちのために、黙祷をささげた。

すぐに、尸魂界への出撃命令が下った。

「封じられし滅却師の王は、900年を経て鼓動を取り戻し、90年を経て理知を取り戻し、9年を経て力を取り戻し・・・・・」

「・・・・・・・」

雨竜は、黙してそれを聞いていた。隣には、ハッシュバルトの姿があった。

「9日間をもって、世界を取り戻す。世界の終わる、9日間だ」

ああ。

黒崎一護。

どうか、尸魂界を守ってくれ。

儚い希望を胸に、石田雨竜は、ただユーハバッハに従う。

死神と袂を分かつ。

そんなこと、例え口で誓っても、叶えることはできないのだ。

黒崎一護がいる限り。

きっと、尸魂界は滅びない。今は敵対となっていても、仲間たちがきっと。

「きっと・・・・大丈夫」

誰にも聞こえない声で、雨竜はそういうと、ユーハバッハの後を追っていった。










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