15話補完小説
「お前の炎は通らなかったぜ」
日番谷は、氷輪丸を抜いた。
「・・・・へぇ?」
シュテルンリッター「H」のバズビーは、にやりと顔をあげた。
「なんだなんだ、誰かと思えば思い出したぜ。蒼都のヤローに卍解を奪われた氷の隊長さんじゃねーかよ」
日番谷は、氷輪丸を構える。
「十番隊隊長、日番谷冬獅郎だ」
「シュテルンリッター「H」のバズビーだ!」
バズビーは、炎を生み出す。
「俺たち相性がよさそうじゃねぇか!随分とよお!」
「そうだな」
日番谷は、燃え盛る炎を睨んだ。
「おいおい、薄い氷だなぁ!」
日番谷の出した氷を、バズビーが溶かしていく。
「隊長、隊士たちの退避完了しました!」
乱菊が、日番谷の元に駆けつける。
「すまん、頼んだ。やはり俺一人じゃあ、コントロールが難しい・・・・何だ?」
乱菊はにやにやと笑みを浮かべた。
「いやぁ、卍解なくなちゃったのも悪いことばっかりじゃないなーって。だってあたしのこと頼ってくる隊長かわいー!」
「な!松本ぉ!」
日番谷は、少し頬を赤くした。
「いきまーす。唸れ、灰猫!」
ぶあっと、乱菊の灰猫が灰を巻きちらす。
「いくわよー、ミルフィーユ大作戦!」
「そんな作戦名にした覚えはない!」
日番谷は、つっこんでいた。
「なんだぁ?」
バズビーが、炎をまき散らす。
「溶かせねえ!?」
目の前に出てきた日番谷の氷を溶かせなくて、バズビーが一瞬だけ怯んだ。
「真空多層氷壁だ。灰猫の灰で作った多層の壁の表面を薄い氷の壁で覆い、灰猫だけを刀に戻す。そうすることで多重の真空の層を持つ氷の壁が生まれる・・・・・」
日番谷は、氷輪丸で氷をさらに生み出していく。
「俺の氷輪丸は、恐らく隊長格の斬魄刀の中で最も始解と卍解の能力差の少ない斬魄刀だ」
バズビーは、声をなくして日番谷を見る。
「それはただ単純に生み出せる氷の量が圧倒的に少ないということ。それを補うために、少ない氷で戦うことを鍛錬したんだが・・・・・お前程度の炎を防ぐには、このぐらいで丁度良かったらしいな」
「てめぇ!」
バズビーは、圧倒的な炎を日番谷に叩きつけようとした。
「通らねぇって、言ったろ。お前の炎は真空氷壁を通過できねぇ。さぁ、真空の氷の刃で斬り裂かれろ!」
氷の刃は、バズビーを貫いたかに見えた。
まだ戦っていた周囲の隊士たちから、喜びの声が漏れる。
「お前程度の炎を防ぐにはって言ってたけな」
「な!」
「てめぇに、今卍解がなくて残念だぜ。てめぇの卍解の氷ぐらい、指だけで十分って事を見せてやれたのによぉ」
日番谷の氷壁を、バズビーはいとも簡単に溶かしていく。
日番谷は、氷をバズビーに向けて放った。
「届かねーよ」
その炎の勢いに、じりじりとこちらの髪や服まで燃やされそうだった。
「退くぞ松本!体勢を立て直す!」
「はい!」
一端退いて、なんとかしなければ。
日番谷は焦り出した。
細かく編んだ氷の壁を、けれどバズビーは溶かしていく。
「教えとくぜ。指一本ってとこだ。バーナーフィンガーワン」
バズビーは、炎の槍のようなもので、日番谷を貫いた。
「くそ・・・・」
退却しようにも、圧倒的に不利だ。
「おいおいおい、逃げんじゃねーよ、隊長だろうが!」
日番谷は、氷を生み出してバズビーに向けて放つ。
「届かねぇつってんだろ!」
日番谷は、氷の霧を生み出して、刀を構えた。
策は、ある。
「今度は氷の霧かよ。つくづく小細工の好きなヤローだ。こんなもん・・・・バーニング・ストンプ!」
がっと、大地を踏みしめる。
氷の霧は、それだけで晴れてしまった。
「なんだよ。目の前に突っ立ってんじゃねーよ。何考えてんだ、霧張ってる間に隠れて、作戦でも立ててろよ」
「そうだな、作戦を立てる暇はなかった。だが、罠なら仕掛けたぜ」
日番谷は、冷静だった。
「六位氷結陣」
バンビーを中心に、6つの方角から氷の柱がうまれる。だが、それさえもバズビーの炎で壊されて、溶かされていく。
「嘘だろ・・・・」
日番谷は、目を見開いた。
ありえない。
「嘘だろはこっちの台詞だぜ。てめぇの氷なんざ、指一本だって何回言えばわかんだよ!それとも俺を怒らせて、2本目を使わせたいのかよ!?」
日番谷は、血を吐きながらも走り出す。
氷輪丸で氷を生み出し、立ち向かっていく。
負けられない----------。
ここで負けたら、だめだ。
「バーナーフィンガー2!」
どぉぉぉおん。
破壊の炎が、瀞霊廷を震撼させる。
日番谷は、攻撃をもろに受けて、よろめいた。
「そこまでにしろ、バズビー。卍解を奪われた隊長は、奪った本人に任せる約束だったはずだ。止めは僕がさす」
ドサリと、日番谷は倒れた。
意識が遠くなっていく。
だめだ。
まだ、死ぬわけにはいかない。
目の前に、卍解を奪った敵が現れたのだ。
なんとかして卍解を取り戻さなければならない。
「ぐっ」
地面に、じわりと血が広がっていく。
「まだ、負けるわけには・・・・・」
いかないのだ。
負ける、わけには。
黒崎一護は、ただ歩いていた。
遠くから、声が聞こえる。
「早く・・・みんなの元へ行かなきゃ・・・・・・」
ドクン、ドクンと。
鼓動が、聞こえる。
強く、ならなければ。
誰よりも強く。
もう、誰一人として死なせたくない。
「俺は・・・・・必ず、強くなる」
尸魂界を。
死神たちを。
守りたい。
ただひたすら、純粋に力がほしい。
「強く・・・・・」
強く。
純粋にまでひたむきに。
強く、なりたいのだ。
日番谷は、氷輪丸を抜いた。
「・・・・へぇ?」
シュテルンリッター「H」のバズビーは、にやりと顔をあげた。
「なんだなんだ、誰かと思えば思い出したぜ。蒼都のヤローに卍解を奪われた氷の隊長さんじゃねーかよ」
日番谷は、氷輪丸を構える。
「十番隊隊長、日番谷冬獅郎だ」
「シュテルンリッター「H」のバズビーだ!」
バズビーは、炎を生み出す。
「俺たち相性がよさそうじゃねぇか!随分とよお!」
「そうだな」
日番谷は、燃え盛る炎を睨んだ。
「おいおい、薄い氷だなぁ!」
日番谷の出した氷を、バズビーが溶かしていく。
「隊長、隊士たちの退避完了しました!」
乱菊が、日番谷の元に駆けつける。
「すまん、頼んだ。やはり俺一人じゃあ、コントロールが難しい・・・・何だ?」
乱菊はにやにやと笑みを浮かべた。
「いやぁ、卍解なくなちゃったのも悪いことばっかりじゃないなーって。だってあたしのこと頼ってくる隊長かわいー!」
「な!松本ぉ!」
日番谷は、少し頬を赤くした。
「いきまーす。唸れ、灰猫!」
ぶあっと、乱菊の灰猫が灰を巻きちらす。
「いくわよー、ミルフィーユ大作戦!」
「そんな作戦名にした覚えはない!」
日番谷は、つっこんでいた。
「なんだぁ?」
バズビーが、炎をまき散らす。
「溶かせねえ!?」
目の前に出てきた日番谷の氷を溶かせなくて、バズビーが一瞬だけ怯んだ。
「真空多層氷壁だ。灰猫の灰で作った多層の壁の表面を薄い氷の壁で覆い、灰猫だけを刀に戻す。そうすることで多重の真空の層を持つ氷の壁が生まれる・・・・・」
日番谷は、氷輪丸で氷をさらに生み出していく。
「俺の氷輪丸は、恐らく隊長格の斬魄刀の中で最も始解と卍解の能力差の少ない斬魄刀だ」
バズビーは、声をなくして日番谷を見る。
「それはただ単純に生み出せる氷の量が圧倒的に少ないということ。それを補うために、少ない氷で戦うことを鍛錬したんだが・・・・・お前程度の炎を防ぐには、このぐらいで丁度良かったらしいな」
「てめぇ!」
バズビーは、圧倒的な炎を日番谷に叩きつけようとした。
「通らねぇって、言ったろ。お前の炎は真空氷壁を通過できねぇ。さぁ、真空の氷の刃で斬り裂かれろ!」
氷の刃は、バズビーを貫いたかに見えた。
まだ戦っていた周囲の隊士たちから、喜びの声が漏れる。
「お前程度の炎を防ぐにはって言ってたけな」
「な!」
「てめぇに、今卍解がなくて残念だぜ。てめぇの卍解の氷ぐらい、指だけで十分って事を見せてやれたのによぉ」
日番谷の氷壁を、バズビーはいとも簡単に溶かしていく。
日番谷は、氷をバズビーに向けて放った。
「届かねーよ」
その炎の勢いに、じりじりとこちらの髪や服まで燃やされそうだった。
「退くぞ松本!体勢を立て直す!」
「はい!」
一端退いて、なんとかしなければ。
日番谷は焦り出した。
細かく編んだ氷の壁を、けれどバズビーは溶かしていく。
「教えとくぜ。指一本ってとこだ。バーナーフィンガーワン」
バズビーは、炎の槍のようなもので、日番谷を貫いた。
「くそ・・・・」
退却しようにも、圧倒的に不利だ。
「おいおいおい、逃げんじゃねーよ、隊長だろうが!」
日番谷は、氷を生み出してバズビーに向けて放つ。
「届かねぇつってんだろ!」
日番谷は、氷の霧を生み出して、刀を構えた。
策は、ある。
「今度は氷の霧かよ。つくづく小細工の好きなヤローだ。こんなもん・・・・バーニング・ストンプ!」
がっと、大地を踏みしめる。
氷の霧は、それだけで晴れてしまった。
「なんだよ。目の前に突っ立ってんじゃねーよ。何考えてんだ、霧張ってる間に隠れて、作戦でも立ててろよ」
「そうだな、作戦を立てる暇はなかった。だが、罠なら仕掛けたぜ」
日番谷は、冷静だった。
「六位氷結陣」
バンビーを中心に、6つの方角から氷の柱がうまれる。だが、それさえもバズビーの炎で壊されて、溶かされていく。
「嘘だろ・・・・」
日番谷は、目を見開いた。
ありえない。
「嘘だろはこっちの台詞だぜ。てめぇの氷なんざ、指一本だって何回言えばわかんだよ!それとも俺を怒らせて、2本目を使わせたいのかよ!?」
日番谷は、血を吐きながらも走り出す。
氷輪丸で氷を生み出し、立ち向かっていく。
負けられない----------。
ここで負けたら、だめだ。
「バーナーフィンガー2!」
どぉぉぉおん。
破壊の炎が、瀞霊廷を震撼させる。
日番谷は、攻撃をもろに受けて、よろめいた。
「そこまでにしろ、バズビー。卍解を奪われた隊長は、奪った本人に任せる約束だったはずだ。止めは僕がさす」
ドサリと、日番谷は倒れた。
意識が遠くなっていく。
だめだ。
まだ、死ぬわけにはいかない。
目の前に、卍解を奪った敵が現れたのだ。
なんとかして卍解を取り戻さなければならない。
「ぐっ」
地面に、じわりと血が広がっていく。
「まだ、負けるわけには・・・・・」
いかないのだ。
負ける、わけには。
黒崎一護は、ただ歩いていた。
遠くから、声が聞こえる。
「早く・・・みんなの元へ行かなきゃ・・・・・・」
ドクン、ドクンと。
鼓動が、聞こえる。
強く、ならなければ。
誰よりも強く。
もう、誰一人として死なせたくない。
「俺は・・・・・必ず、強くなる」
尸魂界を。
死神たちを。
守りたい。
ただひたすら、純粋に力がほしい。
「強く・・・・・」
強く。
純粋にまでひたむきに。
強く、なりたいのだ。
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